E653系

特急フレッシュひたちとして走るE653系。
撮影者:雷サージ@内原ー赤塚間にて

概要

説明

平成元年に651系が登場したが、485系がまだ残っていて、老朽化も激しかった。常磐線に残った485系の置き換えと「ひたち」系統の130km/h運転化を目的に平成9年に登場した車両がE653系である。
E653系は直流1500V、交流2kV・50Hz、交流20kV・60Hzの3電源対応で、架線の高さの低い中央本線以外のJRの電化区間であれば走行可能である。
制御方式はVVVFインバータ制御で制御素子に電圧型PWM方式のIGBTを使用し、コンバータとインバータを一体にした。
車体はJR東日本初のアルミ合金車体でダブルスキン工法を採用し、軽量化と車体構造の簡素化が図られている。
外見の塗装は沿線の自然や観光名所などをモチーフにしている。基本編成である7両編成は紅色「偕楽園の梅」、黄色「ひたち海浜公園のすいれん」、青緑色「霞ヶ浦」、青色「塩屋崎海岸」の4種類があり、付属編成である4両編成は全て朱色「袋田の滝の紅葉」である。
車内はグリーン車の無いオールモノクラスで、シートは座面スライド機能付である。485系と同様シートピッチは910mmであるが、ヒーターを吊り下げ式にして足元を確保したり、シートバックを曲面にして視覚にも広く感じられるような工夫がなされているため、座り心地や居心地が改善された。
現在7両編成8本、4両編成4本の計72両が勝田車両センターに所属していて、時間帯に応じて7・11・14両編成で「フレッシュひたち」として運転している。

性能

加速度:2.0km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)
減速度:5.2km/h/s(非常)
営業最高速度:130km/h
設計最高速度:140km/h

両数

勝田車両センター
7両編成×8本
4両編成×4本

計72両

制御方式

PWMコンバータ・VVVFインバータ制御

形式:CI8形(日立製)
種類:3レベル電圧型PWM方式
素子:IGBT
制御単位:1C4M

コンバータとインバータを一体化した日立製のCI8形主変換装置。全ての動力車に装備されていて、4台の電動機を駆動・制御する。左側がゲート制御部、中央の2つの出っ張りがコンバータの素子冷却部、右側の大きな出っ張りがインバータの素子冷却部である。なお、素子冷却は冷媒に純水を用いたヒートパイプ式である。

ブレーキ方式

回生ブレーキ併用電気指令方式空気ブレーキ

主電動機

形式:MT72形
種類:三相誘導電動機
出力:145kW
駆動方式:TD継手式カルダン駆動
歯車比:96:17=5.65

台車

形式:DT64形(動力車)、TR249形(付随車)
種類:ボルスタレス台車(ヨーダンパ付)
軸箱支持方式:軸梁式

補助電源

形式:SC57形
種類:静止形インバータ(SIV)
出力:210kVA

その他

カラーバリエーション

(左)「偕楽園の梅」をイメージした紅色の編成。撮影者:雷サージ@南柏ー北小金間にて
(右)「ひたち海浜公園のすいれん」をイメージした黄色の編成。撮影者:雷サージ@南柏駅にて



(左)「霞ヶ浦」をイメージした青緑色の編成。撮影者:雷サージ@佐貫ー牛久間にて
(右)「塩屋崎海岸」をイメージした青色の編成。撮影者:雷サージ@馬橋駅にて



「袋田の滝の紅葉」をイメージした朱色の編成。撮影者:K@藤代駅にて

車内

E653系の車内と座席。なお、E653系にはグリーン車がない。

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