筑波大学医学群との 高大連携プロジェクト

204講義室
筑波大学の階段教室に座らせて頂き、大学生で学習する雰囲気を体験させて頂きました。

第3回目

1. 目的 幅広い教養と豊かな人間性、医師としての責任感や高い倫理観を養い、自ら考え解決するために必要な基本的知識と、建設的に行動できる態度と習慣を身に付ける。

2. 実施者 筑波大学医学群見学
筑波大学 医学医療系 教授 高橋 智

3. 日程 8月7日(火曜日) 10時00分 〜 15時00分  会場 筑波大学

10時00分          筑波大学附属病院 集合
10時00分 〜 10時30分 医学類長の御講演 田中 誠
10時30分 〜 12時00分 医学群見学
                204講義室
                解剖実習室
                医学群図書館
12時00分 〜 13時00分 昼食 (医学食堂)
13時00分 〜 15時00分 国際統合睡眠医学研究機構(IIIS)見学
                林 悠 先生からの「睡眠に関する」講演

4. 参加生徒 高等部2年生 (49名)
2年1組 男子12名 女子13名 合計25名
2年2組 男子11名 女子13名 合計24名


     

講義風景

         
 筑波大学医学群医学類は1973年に医学専門学群として開学と同時に開設されました。医学教育カリキュラムの開発など高度な教育の開発や普及を先駆けて行ってきました。    国際的に開かれた大学を目指し、更なる医学教育の国際化を図っている段階だそうです。その目標など 田中 誠 学類長より説明を受けました。    講演の後は質問を受けて頂きました。筑波大学では何よりも、一生学び続けられる学生を求めており、語学力のあること、勤勉であること、素直であることが何よりも重要であると教えて頂きました。
         
         
 高橋 智 先生より解剖実習室での説明を受けました。ここでは何よりも「医師」を志す強い気持ちを明確に持つ重要性を教えて頂きました。医師になるための強い責任感を持つことが重要なことであると言われていました。    解剖実習室の中では「いのち」の大切さ、生命に関する科学的興味を正しく持っていることなど、医学部を受験する前の生徒に向けて幾つもの大切なお話しがありました。    医師を志す者は解剖実習が必修となっています。なぜ医師を志すのか? ただ勉強ができるだけででは駄目であり、正しいコミュニケーション能力や「いのち」に対する謙虚さを持っていなければならないと諭して下さいました。
         
         
 高校の教室とは大きく異なり、非常に大きな階段教室に少し緊張している生徒もいました。この会場で入試も行われていると聞くと多くの生徒は驚いていました。    この後、医学図書館の見学もさせて頂きました。静かな場所には多くの学習コーナーがあり、多くの医学生が自習を行っていました。そのような姿を見て生徒たちも何かを感じたようでした。    昼食をとった後は、国際統合睡眠医学研究機構(IIIS)見学となりました。ここは世界でも珍しい「睡眠」に関する医学的な研究を行っている場所です。「オレキシン」を発見した柳沢 正史 教授が機構長であることでも有名です。
         
         
 林 悠 先生による「睡眠に関する」講演を受けました。睡眠は生命に必須にもかかわらず、その具体的な役割が解明できていません。先生はその進化的背景や意義について研究をしているそうです。    研究機構の内部を見学させて頂きました。とても近代的な施設の研究機構でした。大学の研究室はもっと薄暗く、狭く、汚い所を想像していましたが、ここはすべてにアートの要素があり、美しかったのが印象的でした。    この測定器は非常に高価な装置の一つだそうです。真空中で高電圧をかけた様々なタンパク質をイオン化し、電気的・磁気的な作用により質量荷電比に応じて分離、検出することでマススペクトルを得る事ができる装置です。
         
         
 これが「オレキシン」の分子構造だそうです。複雑なタンパク質ですが、このようなモデルがまるで美術品のように展示されていました。研究機構内部はまるで美術館のようでした。    マウスの脳から直接電気信号を測定できる装置を自作している所を見学させて頂きました。実験台にはハンダ小手などもあり、簡単な電子工作もできないと最先端の基礎的な研究ができないと教えて下さいました。    壁の模様も「睡眠」に関するアート作品だそうです。また、生徒が寝転がっている大きなソファーもまた一つのアート作品で、空飛ぶブタさんもとても印象的な作品でした。

【写真中央が 柳沢 正史 教授 と 林 悠 先生】

2017年度 朝日賞での柳沢 正史 教授の有名なスピーチ
「科学の仮説とは、しょせん人間が小さな頭脳で考えたストーリーに過ぎません。目の前のデータがすべてで、自分の仮説をその上に置くことは許されないことなのです。」



生徒の感想
 ●  僕は今まで医学部といっても医師になるための過程に過ぎないと考えていました。しかし、今回の筑波大学医学群見学ツアーで講義室や図書館、解剖実習室を見学させて頂くうちにもっと大切なプロセスだと気づかされました。医師という責任ある職業に就く上で人間としてもたくさんのものを得る期間が大学の医学部なのではないでしょうか。そう考えるようになって見ると、筑波大学が僕の本当に望む医学部だ気づく事ができました。高度な技術や知識に囲まれて是非とも筑波大学で世界最先端の医学教育を学んでみたいと強く感じるようになりました。この2日間本当に有り難うございました。

 ●  僕は以前から筑波大学を強く志望していました。とは言ってみても、筑波大学にはオープンキャンパスなどに一度も参加したこともなく正直「最先端ぽい」という希薄で勝手なイメージだけで志望をしていた所もありました。しかしながら今回の筑波大学医学群などの研究施設や筑波大学附属病院の訪問を通して僕は確信を持って「筑波大学で学ぶしかない!」と思うようになりました。その理由はたくさんあって、未だ自分の将来はどのような方向に進むのか明確でない僕にとって本当に夢のある場所であると思うことができました。研究にしろ、臨床にしろ、筑波大学で学べば何にでもなれるという希望を抱くことができた2日間でした。本当に有り難うございました。

 ●    医学群長から筑波大学に関する講義をお聴きした時、スーパーグローバル大学という言葉を初めて耳にしました。スーパーグローバル大学は国際化を徹底して進めていると文部科学省に認定された大学で、その大学は全国に13校あり、筑波大学や東京医科歯科大学はそこに含まれているそうです。私は将来、日本だけでなく世界、特にアジアの発展途上国において医師として貢献したと考えているので、そのような大学で医学を学びたいと強く感じるようになりました 。

 ●    筑波大学の附属病院や研究施設を見学し終えて、今思うことは、『想像以上』ということでした。マウスの研究施設(生命科学動物資源センター)や、肝臓や膵臓の手術シミュレーション施設(バーチャルメディカルシミュレーションリサーチユニット)を見学した時、その他多数の場所において『世界』というキーワードが現れていたことで、今まで抱いていた筑波大学のイメージはガラッと変化し、強い憧れを抱くようになりました。このような素敵な場所に通う人たちもきっと素敵な人に違いない。私もそのような一人になりたい。そう強く思うようになりました。これから日々の勉強を頑張っていきたいと思います。

今後の予定

 回 数  日 程  会 場  内 容
 第4回目  10月21日(土曜日)  江戸川学園取手高等学校  基礎医学(宇宙実験)に関する講演
 (筑波大学 医学医療系 教授 高橋 智)

前回の様子

第1回目 2018年6月16日(土曜日) 

第2回目 2018年8月 6日(月曜日)