中等部1年生対象 理数融合

 平成28年11月12日(土曜日) 土曜日授業K  中等部1年生(中等部30期生)の希望者を対象に 理数融合講座 を行いました。

【理数融合講座の目的】

 本校の理科及び数学科として取り組むべき方向性と生徒たちの可能性を探るべく、希望者に対して土曜日授業の午後を活用して実験課外授業を行います。普段の授業から一段高いレベルの実験授業を実践し、本校の理科教育及び数学教育の更なる充実を図ります。テーマによっては外部団体や大学との協力を得ることで、より高度な実験・実習を行い、知的欲求を刺激し発展的な思考、高度な技術の習得へ結びつけていくことが目的です。

今回は、1組(医科ジュニアコース)の 37名 と 3組 〜 8組(難関大ジュニアコース)の 希望者15名 が理数融合講座に参加しました。

【担当教師 実施場所 講座内容】

 科 目  担当教師名    講座使用教室  講座内容
 数学科  金森 裕    中等部実験室  平面上でのタイル貼り(並進 及び 回転対称性)
         
 理 科  兼 龍盛
 神村 康平
 阿部 哲也
   化学実験室β  結晶構造 応用として準結晶(五軸回転対称性の存在)

【当日の様子】

数学科 平面上でのタイル貼り

         
 今回のタイル貼りにかんする講義を受けました。身近な所にいろいろなタイルが使われていることに気付きました。     数学分野を担当する金森先生の服装も意識をして四角形で埋め尽くされていました。    みんなで相談しながらすべての四角形で。思考錯誤しながら手を動かしながら考える作業をしました。
         
         
 平面を埋め尽くすための規則を検証していました。    生徒がつくった作品です。タイル張りではないですが、いろいろな感性が刺激されてこのような配置を考えることもしていました。    1種類で平面を埋め尽くせる五角形は特殊で、現在14種類しか見つかっていないそうです。
         
         
 等脚台形,凸四角形,凹四角形などでも平面を埋め尽くせることを確認しました。    タイル張りにも数学的な深い学問があることを学ぶことができました。未だ解明されていないことも多くなることを知りました。    講義の最後に、後片付けもしっかりと行いました。

理科 結晶構造

         
 理科を担当している阿部先生から、結晶学の基本を学んでいる風景です。    いろいろな秘密が隠された2種類の菱形を使うと綺麗に平面を埋め尽くすことがわかりました。    2種類の菱形を利用していくと、ペンローズ・タイルができます。しかし、かなり複雑な形になっていきます。
         
         
 メキシコ北部のナイカ鉱山で発見された巨大石膏結晶の画像を利用して、結晶の決められた形について講義しました。    実験をサポートして下さった神村先生と楽しそうな雰囲気の生徒たちの様子です。    アルミ箔を利用して金属の性質を学びました。塩酸に反応するだけでなく、水酸化ナトリウム水溶液にも反応することを知りました。

前回の 平成28年10月15日(土曜日)の中等部1年生の理数融合講座の様子 は こちら

事後アンケート結果

1.この「実験教室」は、今後の学習の理解に役立ちましたか?

 質 問 項 目  人 数  割 合  
 @非常に役に立った  43  83%
 A少し役に立った   8  15%
 B変化がなかった   2   2%
 Cあまり役に立たなかった   0  0% 
 Dまったく役に立たなかった   0  0% 


2.この「実験教室」の時間はどうでしたか?

 質 問 項 目  人 数  割 合  
 @非常に短かった  21  40%
 Aやや短かった  16  31%
 Bちょうど良かった  13  25%
 Cやや長かった   1   2%
 D非常に長かった   1   2%


3.この「実験教室」内容はどうでしたか?

 質 問 項 目  人 数  割 合  
 @非常に簡単だった   5  10%
 Aやや簡単だった   7  13%
 Bちょうど良かった  31  60%
 Cやや難しかった   8  15%
 D非常に難しかった   1   2%


4.担当教師の熱意は感じられましたか?

質 問 項 目  人 数  割 合  
 @非常に熱心だった  41  79%
 Aやや熱心だった   6  12%
 B普段と同じだった   4   8%
 Cやや怠慢だった   0   0%
 D非常に怠慢だった   1   2%


今回の理数融合講座で印象に残ったものとして、以下のようなものが書かれていました。

 ●    正多角形で平面を埋め尽くすパターンは非常に少なく、まだよくわかっていない分野が多くあること。
 ●    正五角形ではすき間ができるが、形を変えると埋めることができる。しかし、1種類の五角形でのパターンはまだ多く見つかっていないこと。
 ●    アルミ箔が塩酸や水酸化ナトリウム水溶液に反応すること。ジワジワと反応して、水素の気体が発生し出すと沸騰したような現象が見られたこと。
 ●    赤ちゃんの電池の誤飲の恐ろしさを知った。