観劇会(大蔵流狂言)



3組 5組 7組 江戸取ホーム



3組  Sさん

 今回この観劇会に参加して、狂言のイメージが変わりました。鑑賞する前は、狂言は日本の昔の言葉を使い、固くてフォーマルなイメージがありました。しかし、実際見てみるとそこにはクスッと笑えるような仕草だったり表情があったりして、とても面白いものでした。面白いと思ったのと同時に私がこの観劇会で感動したのは日本の文化です。この日本の古くから伝わる芸能の文化が私が生きてる何十倍、何百倍も長い間受け継がれ、絶えることなく伝えられてきたのだと思うとなんだか熱くなりました。そして、これを受け継いで後世に残そうと、日本の文化を絶やさぬようこの舞台を作り上げる方々の使命感と誇りにもとても熱くなりました。
 狂言を鑑賞してもう一つ思ったことは私が習っていたバレエとの相違点です。バレエは狂言とは違い、言葉は使いません。その分表情や手を使って話す様な仕草をすることはあります。言葉を使う使わないの違いがありますが、共通点もあります。例えば狂言の中に舞というものがありました。それはバレエでいうと音楽に合わせての踊りと同じもののように思います。また、狂言の中で、役者の方々が、表情を見せる時、少し大袈裟に体を大きく使っているところは、バレエの中でも、後ろのお客さんにも見せるためにあることで、似ていると思いました。そして、バレエと狂言だけでなくすべての舞台に共通することですが、どんな舞台でも、お客さんを舞台にひきこむということです。バレエではお客さんを、まるでこの作品の世界観の中にいるような感覚にするように演技や踊りをします。それは狂言の中にもあって、役者さんが面白いことをする、お客さんが笑う、そこにはお客さんと一体となって舞台が作り上げられているというふうに感じました。
 今回その舞台を鑑賞できたこと、一体となれたことを嬉しく思います。


 


5組  Hさん

 私は今回の観劇会で初めて狂言を見ました。これまで、時代背景や昔の言葉を知らない私にとって狂言は敷居が高いような感じがしていました。しかし想像とは違い、狂言は気軽に楽しむことができるものだとわかりました。
 演目を始める前に大まかなあらすじや感情表現の型、そして狂言の楽しみ方を解説してくださったことで、気を軽くして観ることができました。特に、「わからない言葉は無視してよい」「想像して楽しめばよい」と仰っていたのが印象的でした。実際に演目が始まると、動きや感情表現の面白さに気を取られ、わからない言葉など全く気にせず楽しむことができました。棒に縛りつけられた次郎冠者が酒を飲もうとする姿は、あまりに滑稽で思わず笑って吹き出してしまいました。また、二人で酒を飲んで楽しんでいるときの笑い声は、豪快でとても気持ちが良く、見ていて一緒に楽しくなりました。これは、インターネットで画面越しに見るだけでは感じられない、独特の空気感だと思います。こうして学校にお招きし、本物の芸術に触れられたことをとても有り難く思いました。
 今回の観劇会で、私にとって教科書の中の存在だった狂言が、気軽に楽しめる娯楽の一つという印象に変わりました。能楽は、現存する世界最古の舞台芸術として無形文化遺産にも登録されています。日本にこのような文化が残っていることを誇りに思い、大切に守っていきたいと思いました。今度は能楽堂に足を運んで、舞台や客席も含めた空気感を味わいたいです。


 


7組  Kさん

 私は今回の大蔵流狂言で初めて狂言を鑑賞しました。狂言とはユネスコ無形文化遺産に登録されており、面をつけず素顔で演じるコメディ性の高いコミカルな演劇となっており、特別な知識を必要とせず、子供から大人まで世代を問わず楽しむことができます。
 今回は狂言の中でも有名な「棒しばり」と言う演目を鑑賞しました。ところどころセリフのわからないところがありましたが、演者さんの喜怒哀楽の表現の仕方や歩き方、動きなどで意図してる内容を汲み取ることができ、初めての私でも楽しむことができました。また、独特の声の出し方や声量は圧巻でした。歩き方や動き方ひとつひとつに意味があり、いろいろな観点から見るのもおもしろいと思いました。今回鑑賞した棒しばりでは、手をしばりながらもなんとかして酒を飲もうとする二人の姿や、棒に縛られた太郎冠者が勢いあまって酒を頭にかけてしまったり、手の使えない不自由な状態で舞を舞ったりする姿がとても面白く、思わず笑ってしまいました。
 狂言は「笑い」が中心となっており、民衆に親しめるようなオリジナリティが高い笑劇であったため、古くから伝統芸能として親しまれてきました。そして、今回の鑑賞を通じて日本舞踊の奥行きの深さを痛感させられたとともに、現代まで受け継がれている意味もわかりました。しかし、現代の若者は、日本の誇りである狂言を含め伝統芸能を見る機会が少なくなっていると思います。実際に私も、今回の公演を見る前まで狂言の魅力を知りませんでした。だから、これを機に日本の伝統舞踊についてもっと知りたいと興味を持ついいきっかけになりました。