ピーター・フランクル氏の講演会を鑑賞して


医科コース

 ピーター・フランクルさんの講演会を受けて、知的財産についてのお話がとても印象的でした。モノは他者に渡したら自分の分が減りますが、知的財産は他者に教えても自分の知識がなくなることはありません。また、勉強して得た知識や技術は決して他者から奪われることはなく、努力して得た知識は自分にとってかけがえのない財産であると感じました。また、ピーターさんは数多くの言語を使いこなしていらっしゃることを聞き、感心するとともに自分も英語の他にも話すことのできる言語を作りたいと感じました。さらに、これからの時代グローバル化がより一層進むと、コミュニケーション能力が大切となります。将来世界で活躍するためには今学習している基本的言語である英語をしっかりと身に付けなければならないと感じました。普段学習することの大切さを忘れてしまうことが多いですが、ピーター・フランクルさんのお話をお聞きして、今大変だと思っている勉強も努力して身に付けた知識も一生の財産となり決してお金で買うことができないものであることを学びました。これからの学校生活でもこのことを意識して積極的に自分から学ぶ姿勢を持ち日々ある環境に感謝しながら毎日の生活を全力で送っていきたいと感じました。

 

 



東大コース

 「ピーター・フランクル先生講演会」の始まりはおそらく誰一人として予想していなかったのではないでしょうか。ピーター・フランクルさんの大道芸、ジャグリングから始まりました。突然舞台裏からクラブだけが出てきたときには会場全体で笑いが起き、私も思わず笑ってしまいました。ジャグリングでは様々な投げ方を見させていただき、その中でも特に1本のクラブを顎にのせ3本のクラブをジャグリングするという計4本のクラブを使用したものは息を呑むほど素晴らしいものでした。その後ピーター・フランクルさんのご両親について、また数学について拝聴しました。ピーター・フランクルさんのご両親はユダヤ人で、ナチスの強制収容所の体験者です。お父様は迫害による全財産の没収などをされており、私には想像もできないほど過酷な体験をされたと思います。しかしそのような状況の中で、医師であったお父様はピーター・フランクルさんに「人間の財産は頭と心にあるものだけ」と教えてくださったそうです。この言葉は私の心に強く響きました。ものは永久とは限らないですが、生きていれば頭と心にあるもの、つまり思い出や知識、知恵は永遠に残り続けます。すぐに調べられるからいいや、と思わずに私たちは日々様々な分野を学び、自分自身の財産を増やしていくことが最も大切なことなのではないかと思いました。そして既存の考え方だけでなく、自分自身で新たな方法を考える知恵こそ、これからの社会で求められる力なのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症の終息が見えない現在、このような講演会は容易にできるものではありません。私はこの貴重な機会を無駄にせず、今回学んだことを自らの財産として、今後の人生に生かしていきたいと思います。



 



難関コース

 今回のピーター・フランクルさんの公演では、これからの学校生活で参考にするべきことや、身に着けておくべきことをお話しされていました。ピーター・フランクルさんは10数ヶ国語を話すことができるとおっしゃっていてこのことに私はとても驚きました。私は英語の習得だけでもなかなかうまくできず、日々悩んでいるので、ピーター・フランクルさんが多くの外国語を学ぶ、理由や姿勢を私は見習うべきであると思いました。また、ピーター・フランクルさんの話はとても面白くて、ピーター・フランクルさんがさまざまな経験があることや多才なことが関係しているのはもちろんのことですが、要所で聞いている人が飽きないように話にオチをつけたり、笑わせたりすることで私たちが公演に集中できるように工夫しているのではないかと思いました。私は人前で発表をすることが不得意なので、このようなことを意識してもう少しうまく話せるようになりたいと思いました。また、ピーター・フランクルさんは、勉強の方法が大事であり、その方法を見つけられれば勉強の効率をあげることができるとおっしゃっていたので、今日から一年後の大学受験に向けて自分に合う勉強方法を見つけていきたいと思いました。

 



難関コース

 私は今回、ピーター・フランクル先生の講話をお聴きして、改めて勉強の大切さを感じ、そして新しい考え方を知ることができてとても充実した時間を過ごすことができました。講演会の最初は、いきなりジャグリングの棒だけ飛んできてびっくりしました。しかしその後のジャグリングは素晴らしく、見ていてとても楽しかったです。私はピーター・フランクル先生が母国語ではないのに日本語で何でも話していること、漢字を使って説明していることにとても驚きました。きっと沢山勉強をしたのだろうなと感じましたし、そして自分も英語で同じくらい話せるようになりたいなと思いました。講話の終盤の質疑応答では、「言語はあくまでのコミュニケーションのツールであり、勉強は楽しまなければいけない」というお話がありました。確かに、テストで出るからではなくて、コミュニケーションの手段として勉強をしていると思えました。そう考えると、あまり得意ではない英語も楽しく学習に取り組めそうです。そして私が今回の講話で一番印象に残ったものは「知的消費」についてです。普通買い物で買ったものは使うとなくなったり、時間が経つと壊れたりしてしまいますが、知識は無くなったり壊れたりということにはならないので素晴らしいと感じました。そう思うとどんな勉強でも無駄にならないと思うので、これから今回学んだことを大切にしてさらに勉強を頑張ろうと思います。



 
 



難関コース

 少なくとも私自身にとり、氏は殆ど馴染みがない存在であった。何故か。私とテレビとの間には、無限の断絶があるからである。 よく知られた人物である氏の代名詞であるジャグリングで講演が始まってからというもの、私たちの笑いが絶えることはなかった。喜劇役者としての素質を持つ氏は、数学、語学も達者であり、氏のパフォーマンスはなべて我々の注目を惹起した。
 とまれ、特に深く心に残ったのは、氏の体験に基づく「21世紀の我々」への警句である。すなわち、「おまえの財産は心と頭」だというのである。このメッセージに改めて私は心を揺さぶられた。スマホが我々を支配するなか、あらゆる娯楽とそれに準じる活動がスマホの普及を目的として最適化され、そうした社会構造に組み込まれた私達の世代は、それ自体、一つの新しい文化として根付いている。現代人の際限なき欲望に技術が最適解を提供するとでもいうのであろうか。
 いずれにせよ、私達が依拠すべきなのは物質ではなく、知的財産や精神向上の糧である「知恵」そのものであると、そう氏は喝破した。
 かくて、世界へ挑む21世紀の我々は、「知恵」の何たるかについて蘊奥を極める時機に逢着した。