長野探究学習に参加して


川虫

   僕が行った水生昆虫の講座で最初にやったことはオリエンテーションです。オリエンテーションはホテルで行なわれ、採集する場所の音無川と大門川に生息する水生昆虫や、その姿、住む場所、環境について説明を受けました。その中で特にトビゲラの幼虫が今まで見たことのない昆虫の形で昆虫というよりエビのようだと思い川の生物は面白いなと思いました。

   そして、午前の採集場所である大門川に移動しました。音無川は開けていて川幅は広く深い川でした。川はいつも例年なら6月に行くはずでしたが今年は10月に行ったので寒いと言われていましたが、意外と寒くなく感じました。また、採集では僕は取ることは初めてなので難しく2、3匹ほどしか取ることができませんでした。その中のヘビトンボという昆虫の幼虫はムカデのようでウネウネしているところが少し気持ち悪かったです。川の水はきれいで、底が見えるほどでした。だから取るのが下手であっても何匹かは取ることができたのだなと思いました。

   その後昼食を取って午後の採集場所である大門川に移動しました。大門川は木々に覆われていて幅が音無川より狭く浅くて、水は同じくらいきれいでした。採集では前半にやり方を掴んだのか7、8匹取ることが出来ました。その中でもトビケラがよく取れてピチピチしていました。考えてみると一人当たり4匹ぐらい採集していて、60人以上もの人が参加しているので合計250匹ぐらいの昆虫が取られていることとなります。しかしそれでもまだまだ昆虫がいそうだったので川には本当にたくさんの生物が生息していることがわかり、すごいなと思いました。採集が終わり、ホテルでまとめをしました。結果からどちらの川もきれいということがわかりました。生物で環境がわかるというのはとても興味深いと思いました。

    



鳥類 

今回の校外探求学習は、自然の雄大さに触れ、環境問題への理解を深める良い機会となり、野生の植物や動物を身近に感じることができました。私が探求学習2日目に選んだ講座は「野鳥を通して植生や自然の変遷を探る」です。実際に見ることができた鳥は3種類ほどでしたが、野鳥だけでなく、知らなかった植物を始めて見たり、鹿がいた跡なども見ることができました。

   私が一番心に残っているのは、案内が始まってからすぐに見つけた鳥、「トビ」です。これは「トンビ」ともいい、四字熟語の「トンビが鷹を産む」にも出てきている鳥です。トビはタカ科で、ほとんど羽ばたかず、風を上手に使い、輪を描きながら上空へ上がっていくそうです。視力が非常に優れていて、上空からネズミや蛇などの餌を探し、見つけるとその場所に急降下して捕らえる、とインタープリターの方はおっしゃっていました。 また、「マユミ」という木も印象的です。私たちが見たときは、秋だったので真っ赤な果実と種を見ることができました。八子ヶ峰湿原を探索している時に、鳥の糞の中に赤い種を見つけて、近くを見てみるとすぐそこにマユミの木がありました。マユミは鳥に実を食べてもらって、糞と一緒に種を運んでもらうそうです。さらに、マユミの名前の由来は、材質が強く緻密で歪みがなく、良くしなえるので弓の材料として用いられたことにあります。「檀」の字は、日本ではこのマユミの木を意味します。

   空気も美味しく、耳を澄ませてみれば、八子ヶ峰湿原を潤している川や、鳥のさえずりまで自然の音がたくさん聞こえる大自然の中で、とてもたくさんのことを学びました。友達との仲も一層深まり、この大変な状況で貴重な経験ができたことを嬉しく思います。楽しかった、だけで終わりにせず、これからの日常生活に活かしていきたいです。

  

  



野生動物

私は、野生動物の観察する講座を受講した中で特に印象に残ったことがあります。それは、日本の自然環境が悪くなっていることです。インタープリターの西村さんのお話の中で、日本の自然環境が悪くなっている原因についていろいろおっしゃっていました。その原因とは、世界遺産に登録されることで訪れる人が多くなり自然が荒らされることや、地球温暖化のため、植林された木の手入れをしなかったために山が荒れた、などが挙げられます。これらの原因により、少しずつ多種多様の生態系が崩れます。

   私は、このようなことが絶対にあってはならないことだと思いました。では、どうしたら動物と人間が共存できるようになるのでしょうか。私がこの問いにまず最初に考えたのは、縄文時代の生活に戻るということでした。しかしこれは、あまりにも非現実的です。 次に考えたのは、人間の住む場所と動物の住む場所を完全に区切る、という案です。しかし、これは自然と人間社会を完全に切り離すことになるので、これも非現実的です。 三番目に考えたのは、動物の住処などには観光目当てでも、人間が足を踏み入れないようにするという、案です。このようにすれば、動物の生息場所も確保でき、人間の影響が少なくなると思います。

   私はいろいろ考えましたが、三つの案とも、地球温暖化の動物への影響は防ぐことはできないと考えました。だから、出来る限り早く地球温暖化の進行を抑制しなければならない、という結論に至りました。 私はこれから、動物、そして植物の保全についてよく考え、地球温暖化を抑止するような行動をしていきたいと考えました。

     




地質

私が今回の探究学習で1番印象に残っているのは2日目の環境プログラムです。私は2日目の環境プログラムで地質を選びました。元々石が好きなのもあってとても楽しみにしていました。地質のプログラムでは朝、バスに乗り鉄平石の採掘場へ向かいました。鉄平石の採掘場では、採掘場の断面がどうなっているのかの説明を受け、実際に鉄平石をハンマーで割る体験をさせていただきました。大きな鉄平石を力強くハンマーで叩くと薄く剥がれるように割れたことが面白いと思いました。

   杖突峠では、諏訪地域の成り立ちについて説明していただきました。諏訪地域は、糸魚川-静岡構造線と中央構造線という日本の中でもかなり大きな活断層が通っているという珍しい地形で、それに加えて西山、八ヶ岳が削られた堆積物、八ヶ岳の火砕流に安山岩、花崗岩、海でできた堆積岩という様々な岩石が山を構成していて、複雑な地形で面白いなと思いました。また、南アルプス山脈が中生代にできているのにも関わらず八ヶ岳や霧ヶ峰が259万年以降にできているという時代の違いがこんなにも視界に入るくらい狭い範囲で起こっていることがとても不思議で興味深いと思いました。

   1日目の八子ヶ峰でのハイキングも印象深い体験の1つです。細い木でできた道を通りながら一面のススキを見てとても幻想的に思えました。これは、普段生活している中で味わえない感覚なのかなと思いました。

  



諏訪神社  

私は今回の探究学習で諏訪神社を選択し、実際に行ってみたことで学んだことがたくさんあります。

   まず、諏訪神社というのは他の神社とは少し違うということです。諏訪神社は前宮、本宮、春宮、秋宮と四つに分かれています。そしてトリノマツリ、御柱祭などの伝統的な行事があります。私たちはそんな伝統的な御柱に実際に触ることができました。そして、訪神社にまつわる様々なことをインタープリターの先生に教えていただきました。このように神社の伝統を知るということは、とても良いことだと思います。

   インタープリターの先生のお話の中で、一際印象に残ったものがありました。それは諏訪の七不思議についてです。蛙狩神事において、御手洗川の氷を割ると必ず2、3匹のカエルが現れるという元朝の蛙狩りや、御頭祭では神前に75頭の鹿の頭を供えるのですが、毎年必ず1頭は耳の裂けた鹿がいたという高野の耳裂け鹿など、複数の七不思議を教えていただきました。調べてみたときに全てがとても不思議で興味深く感じられました。 今まで神社というものに興味や関心がほとんどなかった私が、このように神社に興味を持てるようになったのは、今回の探究学習に行けたからであり、インタープリターの先生から詳しいお話を聞くことができたからだと感じています。

   引率してくださった先生方や現地で様々な興味深いお話をしてくださったインタープリターの先生方には、感謝の気持ちしかありません。 これからも今回の経験を生かして、様々なことに興味を持ち、新しいことに挑戦していきたいと思います。



 

    



繭 

私は、探究学習の2日目で「繭探索」を選択し、岡谷蚕糸博物館を訪れました。岡谷蚕糸博物館は八子ヶ峰ホテルから1時間以上もかかり、バスでの移動時間が長かったので、その時間にみんなで蚕や繭についてのビデオを見ました。このビデオを見て、蚕や繭についての基礎知識を学ぶことができました。私は、この博物館で普段の授業では体験できない、たくさんのことを学びました。その中でも特に印象に残ったことは、博物館で働く職員の方々の蚕に対する想いです。職員の方々は皆蚕のことを「お蚕様」と呼んでいました。これは昔、蚕が農家の貴重な収入源として大切にされていて、今では蚕を神様のように扱うようになったからだそうです。

   また、他にも、蚕糸業に遺伝子組み換え技術を取り入れるというものも印象に残りました。例えば、遺伝子組み換えカイコを作出することでクモ糸シルクや蛍光シルクなど、変わったシルクを作ることができるというものです。クモの糸は強く、よく伸びることで有名なので、このような優れたシルクを作ることでシルクの価値を上げようというのです。私は、これらのことを知り、蚕糸業は日本の伝統を守りながら時代の流れに合わせた製品作りに励んでいるのだなと思いました。

   今年はコロナウイルス感染症で心配されている中、感染症対策を十分に行った上で、繰糸機が動いている様子や職員の方々が実際に繭を煮ている様子を近くで見せて頂き、本当に良い機会になりました。今回の貴重な学びを忘れずにこれからも生活していきたいです。