新井紀子先生の講演をお聴きして

 

2組 4組 6組 8組 10組 12組 江戸取ホーム




2組  K君

 これからの社会では様々な分野においてAIが活躍し、多くの仕事がAIによって代替され、今ある職業の約半分は無くなると言われています。これまでの僕は、AIについての知識もほとんど無く、ただ単に「AIは莫大なデータから自分自身で学習していき、勝手に進化するもの」と考えていました。
 しかし、今回の新井先生のお話をお聴きして、AIについて何も分かっていなかったということに気づきました。では、人にできてAIに出来ない事は何なのか。それは、「人には常識があり、それを基に物事を判断し、考えることが出来る」、「物事を柔軟に捉え、考えることが出来る」、この2つではないかと思いました。
 だから、これからのAI化が進む社会で活躍するために、この2つの力を磨いていこうと思いました。そのために、先生が仰っていた要約の練習を継続して行い、将来医師になった時に、患者さんに分かりやすく、簡潔に、そして正確に伝えられるように、日々努力を重ねていきたいと思います。


 


4組  K君

 今回、新井紀子先生の講演をお聞きして、AIについて深く学ぶことができました。私は、趣味でプログラミングをやっていて、最近の人工知能、特にディープラーニングなどと言われるものには一般の人より知識があると自負しています。だから、多くの人が「何についても人工知能に負けないように」などと言う発言に対して、「その人は本当に人工知能とは何かをわかって発言しているのか」と疑問に思うことがありました。しかし、今回の講演では、人工知能ができることとできないこと、人間の方が優れていることを明確に分けて話してくださいましたので、人工知能について本質的な理解を図ることができたのではないかと思います。
 人工知能の仕組みとして、文章を単語ごとに区切って、単語の意味は理解していないが、「大事そう」に思われる単語を見つけるということが言われていましたが、それは案外、自分たちも日常生活でやってしまっていることだと思います。というのは、普段読む教科書には大事な単語は太字になっていますし、ノートを書くとき大事に思えるところは色を変えて書いたりします。では、色を変える基準は何かというと、その単語が大事に見えるか見えないかです。これでは、講演で新井先生がおっしゃっていたように人工知能と同じでしかありません。
 本当に大事なことは、数学で言えば公式ではなく導出過程であり、社会であれば事件の名前ではなく、それが起こった経緯ではないでしょうか。そのようなことへの、理解をより一層深め、高校生活だけでなく、「令和」時代を生き抜ける人材になりたいです。


 


6組  Kさん

 今回、新井紀子先生の講演をお聴きして、一番衝撃的だったのは、「AIは助詞が分からない」という点です。現在の世の中ではAIが進んできているので、AIはなんでも知っていると思っていた部分があります。ペッパーくんの例が出ていましたが、私たちが就職するときには、ロボットに仕事をとられてしまうのではないかと考えてしまいます。しかし、よく考えてみたら、ペッパーくんにも出来ないことがあります。その点を私たち人間が伸ばしていくべきだと考えました。
 今回の講演会に参加して、人間がAIに勝てると言われ驚きました。その上、「読解力があれば勝てる」という話がありましたが、これは、私たちが日々勉強して身につけている部分だと思います。読解力をつけるといっても簡単ではありませんが、受験勉強をしている私たちにとって関係ないことではないと思いました。
 それでも、新井先生が仰っていたように、私たち学生が勝てないのはなぜなんだろうと私も考えました。そこで、新井先生は答えを言ってくださいました。「中学卒業までに中学校の教科書を読めるようになる」、一見、誰もが経験する中学校時代で読めている気になってしまいます。私もその一人です。しかし、読めている気になっていただけで、実際には読めていませんでした。私は国語が苦手です。新井先生は、「教科書が読めないのは助詞の意味を理解出来てないからだ」ときっぱり言ってくださったので、これから自分が国語をどうやって勉強すればいいかわかったような気がします。受験に対して勉強法を見直す勇気を出すいい機会になった講演でした。


 


8組  H君

 今回、新井紀子先生のお話をお聞きして、AIとはどういうものなのか詳しく知ることが出来ました。そして、AIに対する認識も大きく変わりました。 一般的に、AIを深く知らない人は、AIは何でもできる完璧な存在であると思っていると思います。しかし、お話によると、人間が常識と思っていることでも、AIには当たり前ということは通用しないということでした。また、助動詞というものがAIにとってはとても難しいそうです。だから、意外と欠点が多く、もし共に生活するような世界になったら、上手く行かないことが多く、実際には共に生活することは難しいと思いました。お話の中にもありましたが、自分で何事もやり遂げる力が必要だということを強く感じました。そして、私はその力を身に付け、今後の新たな世界でも大きく羽ばたいていこうと思います。


 


10組  Mさん

 私は今回の講話で、AIについて、改めてお話を聞くことが出来ました。私はAIについて、将来、人がする仕事をAIが奪うだとか、AIが人を支配する日が来るかもしれないなど、マイナスのイメージの方を多く持っていました。しかし、今回の講話をお聞きして、AIに対する考えが少し変わりました。新井紀子先生のお話はとてもわかりやすく、AIをより身近なものに考えることが出来ました。最初は犬と猫の比較など考えやすいものから、犬とナゲットとの比較などについて、AI目線でどのように分析するのかが分かりました。
 最初にAIが大学受験をするという話を聞いた時は、簡単なことではないかと思いました。なぜなら、受験は覚えれば覚えただけ成果が出るもので、機械は人間よりも遥かに多くのことを正確に覚えることが出来るため、人間よりも正確な解答が出来ると思ったからです。
 しかし、私たちが当たり前にできると思っている「文章を読解する」ということは、機械にとってはとても難しいということを初めて知りました。そして、文章を正しく読むということが当たり前のことではなく、全ての教科の原点になっているということに気づくことが出来ました。「東ロボくんよりも成績が振るわない人達はまず文章の読解が上手く出来ていない」というお話はとても衝撃的でした。確かに、苦手科目については教科書を理解すること自体が苦手なように感じます。このことは、教科が苦手ななのではなく、教科書の読解が出来ていないということだと思いました。これからは、読むことと読解することの違いを理解し、文章の意味を噛み砕いて理解することに力を入れていきたいと思います。


 


12組  Y君

 僕はAIに関する都市伝説が大好きです。たとえば「Siriに話しかけたことはすべて録音され、FBIに送信されている」「実はAIが人の好みを分析し、人を操っている」などがあります。こうした私の興味から、人工知能は既に人間の脳よりも高性能なのだろうと思っておりました。しかし、新井先生のお話を聞いて、脳よりも高性能だというような印象は全く受けず、むしろ、プログラムされたこと以外は何もできないという認識を持ちました。私が普段使っているような家電製品とあまり変わらない印象を受けました。
 このようなAIの現状を少し知り、今後これがどのような過程で進化を遂げ、SFの世界のように「人の意志」に近いものとなり、人間とどのように共存していくのだろうかと考えました。それと同時に、人工知能に対して私が従来持っていた過度な偏見、すなわちAIが人間を凌駕し、人間の生活を脅かすといったような典型的な脅威論のようなイメージが、新井先生のお話を聞く中で取り払われていくのが、少し寂しい気もしました。とはいえ、音声録音やビッグデータ分析は、現実として十分行われていくであろうし、先述したような都市伝説のようなAI論も、発展次第では可能性として全くあり得ない話という訳ではないと感じました。
 都市伝説フリークである私としては、好奇心をかなり刺激されるお話でした。もし質疑応答のお時間が許すならば、都市伝説に関することを質問したかったと思いました。今回のように、AIという未知の可能性が広がっている分野に関して、専門家の先生のお話を伺えたことで、より真実に近い情報を知ることができ、大変勉強になりました。