神尾真由子氏バイオリンリサイタル

 

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1組  Nさん

 私は元々、バイオリンやクラッシック音楽にあまり馴染みがなかったのですが、いざ聴き始めたら、いつの間にかその世界観に惹き込まれている自分がいました。
 人には各々の音楽の楽しみ方があると思いますが、私の楽しみ方の一つは、曲の雰囲気に合わせて、その状況を想像してストーリーを考える、ということです。そうすることで、より1曲の微妙な曲調の変化に気づくことが出来ます。今回のバイオリンリサイタルでもこのことを試してみたのですが、最も印象に残っているのが、S.プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ短調作品80という曲です。演奏前に神尾真由子さんが「暗い歴史を背景に作られた悲しい曲」とおっしゃっていたので、私は実際に体験したことはありませんが、少ない知識で戦時中の様子を想像しながらお聴きしていました。ピアノの低音とバイオリンの高音が激しくぶつかり合う様子や、音の強弱の移り変わりが速かったので、状況がめまぐるしく変化していくのが感じ取れました。次はどうなるのだろう、と曲にのめり込んでいく感覚がありました。バイオリンとピアノというたった2つの音楽が奏でる音が、こんなにも鮮烈だとは思ってもいなかったので、その迫力に終始圧倒されっぱなしでした。
 今回参加して、私はクラッシックの豊かさに感動しました。現代を生きる私たちに言葉を使わないでいろいろなことを伝える音楽は、かけがえのないものだと改めて思いました。



 


3組  Iさん

 今回、神尾真由子さんのバイオリン、並びに佐藤卓史さんのピアノの演奏をお聴きする貴重な機会を頂いて、本当に嬉しく思います。
 最初に神尾真由子さんがステージに登場された時、今まで数々の舞台に立ってこられたというプロの音楽家としての姿勢のようなものを感じました。演奏が始まり、まず私が魅了されたのは、彼女の高い演奏技術です。高速スピッカートやピチカートのソロ、10度の和音などの難しい技や、一番低いG線で高音を響かせる非常に弾きにくい部分を、後半の指の疲れさえも見せない圧倒的な迫力で見事に弾きこなしていらっしゃいました。
 クラシック曲の楽譜には作曲者の指示が数多く書かれていますが、その指示や意図を忠実に再現しつつ、自分の感情を上乗せしてコントロールしながら自分の音楽を表現するという技術面以外の難しさも、クラシック音楽の醍醐味です。そしてそれは、演奏者にとっては一種のハードルのようなものであり、たくさんの経験や努力を積んでこそ、巧みに操れるようになる力でもあると思います。神尾真由子さんの演奏はまさに、彼女がプロになってからも、たゆまない努力をし続けてきたものがにじみ出るような演奏で、聴いていた私の心に深く響きました。
 そして何より、「バイオリンが大好きでたまらない」という彼女の愛を感じました。もしもう一度神尾真由子さんにお会いする機会があったら、もっといろんな曲を聴いてみたいです。



 


5組  Kさん

 ヴァイオリンは魅力ある楽器です。どんな楽器よりも奏者の感情をそのままに表現できるからです。音楽の経験者であってもそうでなくても、一度ヴァイオリンの音を聴いたならば、人々はなぜか聴き入ってしまうのです。今回の神尾さんの演奏も同じで演奏が始まると、私達、そしてホールという空間全体を惹きつけていたような気がします。
 神尾さんは曲と曲の間に様々なお話をして下さいました。演奏曲や作曲家の生い立ち、時代背景に至るまで。演奏も含めて一番印象に残っているのはプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第1番です。プロコフィエフはバレエ音楽『ロメオとジュリエット』を始めとして、管弦楽曲や合唱曲、そして多種にわたる楽器の協奏曲です。今回演奏していただいた曲はその協奏曲の中でもよく知られている曲です。そして、最も憂鬱で情熱的な作品と呼ばれています。実際、曲の始まりからピアノの物寂しく弱い音色とヴァイオリンにしては少し低めと思われるような音色が印象的でしたが、そのような曲調の中にも時折情熱的だと感じるところもあって、多くを想像させられた曲でした。
 何曲もの曲をお聴きしながら、やはりヴァイオリンという楽器は興味深いと感じました。あれほど小さな箱から、なぜとてつもなく大きな音を出すことができるのでしょうか。実は現代科学では分かっていません。説明できないのです。しかし説明できないからこそ感じる感動があるのだと思います。その感動を身を以って体感したリサイタルでした。



 


7組 Sさん

 今回の神尾真由子さんの演奏会をお聴きして、とても素晴らしい演奏だと思いました。普段あまりクラシックを聴いたり、クラシックについて知ったりする機会が少ないので、すごく新鮮な気持ちになりました。お二方の演奏は、息がぴったりで緊張感があり、とても楽しい時間を過ごすことができました。バイオリンの透き通るような音色とピアノの軽やかな音色がとても印象的でした。  また、バイオリンだけでなく、ピアノの演奏者の方もいらっしゃって、とても懐かしい気分になりました。なぜかと言うと、私は2歳からピアノを習っていて、受験勉強のため今は習っていませんが、ピアノを弾いているときの高揚感や楽しさを思い出すことができたからです。ピアノを習っているときは、それほど難しい曲を弾いたりすることはあまりありませんでしたが、今回の演奏会をお聴きしてもっと難しい曲を弾いたりしてみたいと思いました。
 高校生のうちに体験できないような貴重な機会を与えてくださって、感謝の気持ちでいっぱいです。受験勉強でつらいときや苦しいときがあると思いますが、勉強の合間などにクラシックを聞いてリフレッシュしたいなと思いました。本当にありがとうございました。



 


9組 Sさん

 音楽とは、世界中どんな人の心も動かすことが出来る魔法のようなものだと思います。今回の神尾真由子さんのバイオリンリサイタルでも、それを強く感じることが出来ました。
 このバイオリンリサイタルを前々から楽しみにしていた人、音楽にあまり興味がない人、大勢の人がそれぞれ様々な思いを持ってオーディトリアムに向かったと思います。しかし、ひとたびバイオリンとピアノの音が重なり合い、広い会場に響くと、聴いているたくさんの人の心がステージにぐいっと引き込まれていくのを感じました。私はこの瞬間が大好きです。年齢を問わず、音楽にはなにか人を惹きつける魅力があります。言葉では言い表せないような感動を感じられるのがこの瞬間です。ステージと客席が1つになる瞬間、そうなって初めて音楽は成り立つのではないでしょうか。私の席はステージからは少し離れていましたが、それでもその迫力と細やかな表現力は十分に伝わってきました。そして、それと同時に曲にのめり込みました。奏でられる音楽は、その背景にある歴史情勢や作曲者の思いを乗せて聴こえるようでした。
 高校3年生になり、吹奏楽部を引退してからは、なかなか生の音楽に触れる機会はなかったので、今回のこのリサイタルは私にとってとても貴重な時間となりました。そして、改めて1つの音楽をたくさんの人で共有することの素晴らしさに気づくことができたので、ますます音楽が好きになりました。



 


11組 Iさん

 6月27日、バイオリニスト・神尾真由子さんのリサイタルがありました。江戸取のイベントを毎回楽しみにしている私ですが、音楽関係のイベントは特に心待ちにしていました。
 まず、私の心に響いたのは、バイオリンの綺麗かつ力強い音色でした。バイオリンという小さな、たった1つの楽器で、このような壮大な音を奏でられることに感動しました。そして、ピアニストの佐藤さんとのセッションも素晴らしく、過去に見たある映画のワンシーンを思い出しました。曲の中で、バイオリンが主線になるパート、ピアノが主線になるパートがあり、聞いていてピアノとバイオリンが会話をしているように感じました。お互いに1人では出せないセッションの素晴らしさが、そこにあったと思います。
 そして何より、御二方が楽しそうに演奏されていて、私も見ていてとても楽しい気分になりました。江戸取では、普通の高校生がなかなか体験できない様々なイベントを企画して下さり、私たちは恵まていると毎回感じます。一つ一つがとても大切な体験です。高校3年生で勉強に力が入る中、音楽で癒され幸せでした。次のイベントも、心から楽しみにしています。