劇団わらび座 「KINJIRO!」を観劇して

 


7組 

 私は、ミュージカルが大好きです。レミゼラブルは何度見ても泣いてします。劇団四季の演目も何個か見たことがありました。しかし、わらび座の演目は見たことがありませんでした。なので、今回の講演会はとても楽しみでした。大ホールに入場して最初に目に入ったのは、ステージにそびえ立つ壮大なセットと、それを彩る楽器の数々でした。公演が始まった瞬間、私は時を忘れるほど夢中になりました。今回のミュージカルを見て私は、今まで知らなかった二宮金次郎を知ることが出来ました。私が以前まで抱いていたイメージは、薪を背負いながら勉強する真面目な少年そのものでした。しかし、そのイメージは変わりました。二宮金次郎とは、壮絶な人生を送り、奇想天外な考えを持つとても面白い人でした。公演の中で1番印象に残ったシーンは、最初の奥さんが家を出ていくシーンです。私は、奥さんは愛想をつかして出て行ったわけではないと思います。そう思った理由は、奥さんの去り際の「遠くでますますの出世をお祈りしています。」というセリフです。本当に嫌いになったのならそんな言葉は出てきません。奥さんはきっと、金次郎は仕事人間なので、自分のことで金次郎の仕事に影響を及ぼしたくないと思ったのだと思います。奥さんが強く優しい人だったからこそ金次郎は仕事一筋になれたのです。お父さんに似て勉強が大好きだった金次郎。しかし、その時はお金と時間がなく学校には行けませんでした。そんな環境でも金次郎はあきらめることなく勉強を続けました。私も、金次郎のように環境に甘えず自分を貫き通したいと思います。

      


8組 

 僕は今回の観劇会を鑑賞してとても感動した事が幾つかあります。まず一つ目はミュージカルで歴史を楽しく学べる事です。僕は歴史もミュージカルも好きで、書店で歴史関連の書籍を買ったり、家族と一緒にミュージカルを見に行ったりもしていました。その為どちらにもある程度の知識があったので最初は流石に合わないだろうと思っていました。しかし、実際に観てみると非常に面白く、また非常にわかりやすい内容になっていました。
 次にたった7人であれだけの作品を出来る事です。先程も書きましたが、僕はミュージカルに行った事が何回かあり、その場面を思い出すとかなりの大人数で作品を作っていたなと記憶しています。しかし、今回のわらび座はたまに黒子さんがいましたが、基本7人でやっていたのでとても感動しました。
 最後に二宮尊徳についてです。僕はミュージカルなのでかなりフィクションが入るのだろうなと思っていましたが、実際はかなり史実に基づいていて凄いと思いました。また二宮尊徳の話は出世話ですが、農民の話ですので、戦国時代の武士等の話よりは見劣りするのではないかと勝手に心配していましたが、そこはミュージカルの要素で上手く補っていて、観ていて非常に面白かったです。
ミュージカルは観劇するのにちょっと高額であったり、高校生には少し行きにくい部類に入るので、学校でこういう形で観られたことはとても良いと思いました。またの機会がありましたら是非見てみたいです。

  


9組 

 僕は今回劇団わらび座の公演を生で見ることができ、とても光栄に思いました。二宮金次郎さんがどんな人か最初はあまり気にもかけませんでした。しかし二宮金次郎さんは偉大な人だなと感じました。飢饉や大きな災害があった時に、村を起こし、多くの地域の村を見に行き、その村に合った方法でその村のために一生懸命働くその心が僕はすごいなあと思いました。
 僕は人のために、地域のために一生懸命働くことがどれだけ大切かを、学ぶことができました。僕もこういう小さいことからでも人の役に立てるようになり、二宮金次郎さんのような素晴らしい人になっていけたらなと思います。

     


10組 

 劇団わらび座も、二宮金次郎という名も、私は全く知らなかった。金次郎の人生をただ年表のごとく追いかけるのではなく、その時々で彼が何を思い、何を実践したのかが手に取るように分かり易く表現されていた。それはまさに、表現者にしかできない所業であり、作品としての完成度の高さが無ければ、このような圧巻はなかったであろう。様々な音響、色鮮やかな照明や劇団員の表現力。いつもの見慣れた大ホールのステージが、まったくの異空間であるかのように、入場した瞬間から私たちは圧倒されていた。
 金次郎の実践した改革を舞台を通して客観する中で、彼の誠実さ、謙虚さという本校の学校訓にも並ぶ概念が、只管浮き彫りになっていく。その資質によって周囲の人物を動機づけ、貧しさを知恵によって乗り越えようとする気概があった。
 今の日本社会に蔓延る、努力信仰ともいうべき非合理性の看過を私は課題に思った。煩雑かつ手間のかかる書類手続などがあまりに多いこの社会で、もし金次郎がいたらどうするだろうか。文明化された今の世の中でさえ、一所懸命に長時間労働に励む姿が美徳とされる。この社会に残存するこの「思い込み」を、はたして彼は是とするのだろうか。
 「額に汗して働く姿は尊い。だがいつまでも額に汗して働くのは知恵のない話である。」我が国の誇るべき実業家、松下幸之助の言葉である。

     


11組 

 今日の公演を観終えたとき、私は形容しがたい興奮で心が震えました。ステージの上で繰り広げられるダンス、歌、熱い演技などのすべてに心を強く打たれました。
 劇のテーマは全国的に有名な像になっている二宮金次郎の生涯を描いたものでしたが、ストーリー性と動きが面白く、序盤からどんどん向こう側の世界(劇中の世界)にひきこまれていきました。背景に流れていた力強い和太鼓や琴などの音色にも感動しました。劇中の金次郎の心理描写は現代を生きる人々の苦悩に通ずるものがあり、とても共感できました。劇団わらび座のみなさんのおかげで、私たちは本当に素晴らしい体験をすることができました。今日の感動を忘れずにこれからの毎日を誠実・熱血・実直に過ごしていきたいと思います。

     


12組 

 最初の和太鼓の演奏の格好良さから、この劇は堅苦しく、金次郎の一生を演じるのではないかと思いました。ところが和太鼓の演奏が終わった途端、ポップな音楽が流れ、現代風な服を着た4人の方が現れた時は、ギャップの激しさに度肝を抜かれました。「こんな感じでやっていくのか?」と、思いました。そこで場面は変わり、金次郎の銅像についての話になりますが、私も二宮金次郎の銅像については、「なんで銅像になったんだろう。」と思っていました。ただ薪を背負って、本を読みながら歩いた子供を、勤勉な子供だ、というだけで銅像になるのはおかしな話だと思っていました。ですが、この劇では、二宮金次郎がどんな人だったか、大人になってどんなことをしたのか、どんなすごいことをして、どれだけ苦労したかを、普通の歴史書なら、堅苦しく、読むのも面倒くさくなるような内容を、わかりやすく、噛み砕いて、かつ、面白く再現し、飽きの来ない劇だったと思います。劇では、二宮金次郎は凄く前向きでどん底の暮らしから、小田原藩の再建のために、桜町を復興を頼まれるなどと、世界を広げていく様子は凄く感動しました。劇では、全てのことには理屈があると考えた二宮金次郎は天地、宇宙を見据えた広大な思想や、科学の精神に基づく技術論や、人情も深く理解できるなんでも出来る人の二宮金次郎もいれば、落ち込んで行方不明になる二宮金次郎も人間味があって、親近感が湧きました。劇が終わった後には二宮金次郎の凄さに驚き、また、違うテーマでわらび座には来て欲しいなと、思いました。