檀ふみ氏 朗読会 11月16日


1組 Iさん

 私は怖い話を聞くことが苦手で、今回の講演の内容が怪談だとお聞きした時は、夜眠れなくなるほど怖い内容なのではないかと少し不安でした。
 しかし会場が暗くなり、琵琶の音が激しく聞こえてくると、不思議と不安よりも何かが始まるといった期待の方が大きくなりました。途中までは完全に芳一が技術を認められて演奏を披露しているのだと思っていたので、後半の展開には大変驚きました。また、耳なし芳一の由来ともいえる展開も納得がいくものでした。そして不幸ばかりだった芳一に良いことが続いたという終わり方も良いと思いました。内容が興味深いものだったので、思わず身を乗り出して聞き入ってしまいました。
 ここまで作品にのめりこめたのは内容だけでなく演出のすばらしさもあったからでもあると思いました。感情のこもった抑揚のある声で、どの登場人物の発言かがとてもよくわかるような檀ふみ先生による朗読や、場面がリアルに思い浮かぶような演奏に本当に感動しました。
 私たちが授業で一人一人読むものとはかなり違っていて、文学もこうして知ったものならば心に残ることがわかりました。今までは純粋に作品を楽しむということがよくわかっていなかったように思います。これから読書をする時そうした気持ちを忘れずにしていきたいです。また、感情をこめて朗読をすればより深いところまで読み取ることができると思うのでそれも心掛けていきたいと思いました。


   


2組 Sさん

 私は、檀ふみさんの出演されていた大河ドラマを見ていてとても好きだったので、今回の朗読劇を楽しみにしていました。
 私は朗読劇を見たことがなく、声だけで物語をどのように表現するのか興味深く思っていたのですが、実際に物語の語り手から様々な役へ変わるとき、一瞬で声の質を変えそれぞれの役になっていく様子に鳥肌が立つような気持ちでした。そして、尺八や琵琶の音色が檀ふみさんの声と綺麗に響き合っていて、芳一の琵琶法師として壇ノ浦の戦いについて語る場面は印象的でした。
 また、私は演劇部に所属していたのですが、演劇の舞台上を使って物語の情景を表現するのとは違い、朗読では声だけでどのように情景を伝えるのかと思っていました。しかし、実際に檀ふみさんの声を聴いていると、芳一や和尚、芳一を呼ぶ者などの様子が鮮明に伝わってきて頭の中に風景を想像することができました。朗読というのはただ物語を読み上げるだけではなく、登場人物の感情や物語の情景を伝えていて、演劇ならば何人もの人によってつくられる舞台を檀ふみさんは尺八と琵琶の演奏者の方々とたった三人で実演されていてすごいなと思いました。
 今回の朗読劇を鑑賞して、見ている人それぞれのイメージをつくり出せている朗読に魅力を感じ、また見てみたいと思いました。


   


3組 Oくん

 私は壇ふみさんの朗読をお聴きして、やはりプロの女優の表現力は凄いと思いました。一般の人が読むのと違い、美しい声で一語一語を大切に読んでいました。そのため、壇ふみさんの言葉は聴く人の心に響きました。
 壇ふみさんの朗読を通して、今まで知っていた「耳なし芳一」の話とは違う、より次元の高い世界、つまり滅んだ平家の人々の心まで理解することができたと感じました。私は聴いているうちに、壇ふみさんの朗読に琵琶・尺八という楽器が加わって作りあげる物語の世界にどんどん引き込まれていき、自分の目の前に800年前に滅んだ平家の人々が現れるような気持ちがしました。栄華を極めながらも壇ノ浦に滅んだ平家の人々の無念さや悲しみが、現代を生きる私の心まで伝わってきたと感じました。
 また、今回の朗読で私は初めて琵琶という楽器を聴きました。予想していたよりも様々な音を出すことができると思いました。特に印象的だったのは、琵琶の弦をこすって独特の音を出す技法です。琵琶の音は、芳一の心理の表現にぴったりと合っていました。私は今まで西洋の楽器しか知らなかったのですが、和楽器というのは西洋楽器とは違う深い表現力を持っていると感じました。しかも、和楽器、特に琵琶は語りを引き立てる力があると感じました。私は日本の楽器にも興味を持ちました。これからも機会があれば日本の伝統楽器、伝統音楽を聴いてみたいと思います。


   


4組 Oくん

 今日は檀ふみさんの朗読劇をお聴きしました。檀ふみさんは多くの映画やドラマに出演されている有名な女優さんです。僕もテレビで観たことがあります。今日はそんな有名な方が朗読をしてくださいました。
 「耳なし芳一」というお話を読んでくださったのですが、僕はこの話を聴くまでは、どのような内容なのか知りませんでした。お話をしてくださっている最中は、琵琶と尺八が弾かれていて、それが奏でる音色は檀ふみさんの語りによって一層引き込まれていくような音色であり、聴いていてとても心地が良かったです。琵琶を弾いている人は斉藤鶴竜さんという方で、国内だけでなく国外でも演奏活動をしているとても著名な方です。尺八を吹いている方は設楽瞬山さんという方で、全国大会で金賞を獲得されるような方です。お二人の演奏のおかげもあり、檀さんの語りはとてもすんなりと耳に入ってきて、僕はすぐに話に夢中になり、一時間の語りがまるで数十分の出来事のように感じました。
 檀さんの声はとても聴きやすく、一文字一文字をはっきりと発音していて、強調したい部分や大事な場面では声を大きくすることで聴いた人がその場面をよりはっきりと想像できるように工夫がなされておりました。朗読劇の後、僕の心の中には満足感しかありませんでした。檀ふみさんの語りをお聴きして、とても良かったと思いました。


   


5組 Iさん

 私は人生初めて朗読劇を聞きました。「耳なし芳一」という知っている話だったということもあると思いますが、予想以上に楽しく聞くことができました。また、「すごい」と感じたことがいくつかありました。
 より魅力的だと感じたのは、セリフのときとナレーターのときの声の大きさや声のトーン、話し方など使い分けていたところです。その話を聞いて頭に情景がはっきりと浮かんできました。また楽器がところどころ入ることによりそのときの感情や情景を強くイメージすることができて音で表現できるってすごいと思いました。特に琵琶は芳一が一生懸命弾いている姿を想像することができて、尺八は夜の暗さや墓地の気味悪さを表現しているように感じました。
 最後に、朗読劇は1人の声だけでたくさんの役になりきれたりナレーターになったりすることができる魅力があり、また楽器の表現力の豊かさが素晴らしいものを作り出しているのかなと感じました。この先朗読劇をまた聞く機会があったら、聞きたいと思います。そして朗読劇を通して新たな発見が出来たらいいなと思います。


   


6組 Tさん

 私は今回初めて朗読会に参加しました。壇さんの声音はとても心地が良く、特に登場人物の声の違いがはっきりしていたので聞き取りやすかったです。また、間の取り方や強弱の付け方が絶妙で話の内容が頭に入ってきやすかったです。
 お話の中で出てきた琵琶法師について興味を持ったので調べてみました。お話の中では盲目とおっしゃっていましたが、盲目で琵琶を演奏する人々を琵琶法師と呼ぶようです。彼らは平安時代からすでに存在しており、文化として本格的に形成されたのは鎌倉時代からと言われています。平家物語を奏でる平曲奏家は江戸幕府や諸大名に厚遇されたといいます。また、当時は琵琶同様尺八も広く親しまれていたようです。
 琵琶や尺八は生で聞くことのできる機会がめったに無いので聞くことができて良かったです。金属楽器とは違った素朴な音に疲れていた体や心が癒されたように思います。お話の内容が怪談だったので演奏も怖く感じましたが、それが逆に雰囲気を作り臨場感を出していて良かったです。個人的にまた尺八や琵琶の演奏を聞きたいと思いました。
 最後に、檀さんがお話しするのが上手かった理由はきちんと内容を理解していたからだと思いました。これは人に何かを伝える際とても重要なことだと思うので私も見習いたいと思いました。


   


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