小宮山宏先生講演会


1組 K君

 生活の「飽和」という概念は、今後の世界において不可欠な概念だと思います。日本は先進国で、諸外国よりも先に「飽和」の状態を迎えつつあり、他国もいずれは日本と同じ状態になるだろうと考えるからです。先進国の経済成長率は次第に0に近付いており、自動車を例にとっても、二人で一台を持つ状態で安定してきています。この状態は生産車と廃車が循環している状態で、自動車に限らず他のモノについても同じことが言えると思います。例えばリサイクルを見てみると、これは循環がかなり成り立っていて、日本の社会に根底にあると言えます。したがってこのような循環している社会は必然的なものであり、他国も日本と同様の道を歩むだろうと考えられ、「飽和」の概念は必要だと思うのです。
 これからは質を高めることが大切だという話がありましたが、先進国の循環社会を考えると当然のように思えます。つまりモノも心も豊かな社会になるということです。
世界が「飽和」していくにつれて物資も安定し、その状態で求められるのは生活の質の向上しかありません。質の向上をするためには、それぞれの国が今何をすべきかをよく考え、一つ一つ対処していかなくてはならないのだと思います。




2組 S君

 私は現在、工学系の道を志していますが、一方で経済学や社会学といったものにも興味があります。今回の講演会の内容はまさに私にぴったりでした。また、東京大学を志望しているという点では、東京大学の総長をされていた方の講演を拝聴でき、非常に刺激を受けました。
 日本は先進国の中でも、多くの社会問題を抱えた国で、その解決法に世界が注目しています。大変な社会ですが、逆に言えばこの状況から脱することができれば、他国の模範となり、プラチナ社会へ近づくことができます。プラチナ社会の必要条件に、「十分な雇用」というものがありました。今の社会は科学技術が急速に発達し、特に現在はロボットや人工知能の研究・開発が盛んに行われています。言い換えれば、このままでは人が働ける場所が減っていき、雇用が減り、ある種の飽和状態になってしまうということです。雇用が減っていくと予想される中で十分な雇用を確保するというのは難題のように見えますが、これが達成できれば次のステージに進むことができると思います。
私が驚いたことは、エネルギー消費は減っているという点です。この流れをうまく利用し、これから起こるイノベーションと組み合わせれば、世界中特に先進国のエネルギー消費が減り、また発展途上国はこれまでの先進国が抱えてきた問題を抱えることなく、先進国への仲間入りができます。将来を創っていく一人の人間として、多くの課題解決に取り組んでいきたいと思います。




3組 N君

 今回の講演をお聴きして、「私たちが物事に対して抱く印象は一方的だった。」と感じました。小宮山先生から、日本は公害を起こしたが、それを放置していたわけではなく、多くの人の努力により公害問題を解決した実績を持っているということをお聴きしました。私は今まで「日本は公害を起こした悪い国だ」という印象を持っていたために、小宮山先生の御指摘には新たな発見がありました。
 日本には、一般には悪い印象を持たれているけれども実際はそうではないということがあります。例えば、高齢化社会です。私たちは「高齢化社会」と聞くと悪い印象を持ちます。そして、高齢者は社会の中で働かないマイナスの存在だと考えていると思います。
 しかし、
年をとることで経験や知識が増えたり、考える際の視野が広くなったりします。これらを生かして、高齢者は社会に参加することが可能になります。特に、若者に自分の知識を伝えたり、若い人達と交流を深めることで、高齢者は有意義な社会生活ができると思います。
 私たちがこのように考えることにより、高齢化社会のような社会問題を、日本のピンチではなくチャンスに変えていくことができると思います。




4組 H君

 先日の小宮山先生のお話は、一言で言うならば僕たちの世代が社会に出た時の、道標となるようなお話でした。様々な世界の将来予想や構想をお話しくださった小宮山先生でしたので、僕からも効率的社会の維持を提唱したいと思います。
効率的社会というのは、社会の構成員一人一人が責任ある行動をとるといった一般的によく言われる意味も含みます。しかし、社会構成員の充実は勿論ですが、社会全体の物質の流れの効率化を主体として考えました。たとえば、10のエネルギーから従来ならば結果として生まれるものが6程度とするなら、10に限りなく近い9に上げると言うことです。そうすれば自然と必要なエネルギーの量は少なくて済むようになるはずです。
 さて、ここで小宮山先生の御言葉を拝借するならば、
人工物の飽和の問題を解決するためにも、役立つと思います。再創成の段階に入ったとき、より効率の良い生産ができると思います。
 また、近年AI(人工知能)というものが話題になり、最近ではAlphaGoが李九段に四勝一敗で圧勝し、これまで以上のAIの可能性と進化を見せてくれました。さてここで先に述べた効率的社会というものを創るにあたって、情報化、コンピュータの存在は不可欠でしょう。特にAIは上手く活用できれば、社会全体のロスを減らすことにより、人間に豊かな社会をもたらしてくれるかもしれません。ですが、もしも人間が上手く扱えなかった場合、強いAIの誕生によって人類が淘汰されてしまう将来が訪れるかもしれません。AIに関して、今後人類は石橋を叩いて渡るよう、細心の注意を払いながら扱っていかなければならないと思います。
 人工知能という効率的社会の構成要素の一つを挙げましたが、他にも様々な要素があります。結果として、効率的社会が人類にもたらす影響も考える必要があります。
僕たちが大人になるまでに、社会はどう変わってゆくのか、改善点はどこにあり、今とは何が違うのか、そしてどこの携わることができるのか、非常に楽しみです。




5組 O君

 今回は、小宮山宏先生による講話でした。小宮山先生は、日本を他国に先駆けて課題が顕在化している「課題先進国」と定義し、この状況を困難であると同時にチャンスだと捉え、国際社会での真の競争力を持つために、我々は何をすべきかというお話をして下さいました。そのビジョンとして、生活や社会の質を求める「プラチナ社会」を提唱し、具体的なアクションを促す「プラチナ構想ネットワーク」会長として、様々なプロジェクトを推進されています。「プラチナ社会」とは、モノも情報も手に入り、移動も長生きもでき、物質的な豊かさを実現した先進国が求める社会であり、モノも心も豊かな社会のことです。
 小宮山先生のお話の中で、最も興味深かったのは、エネルギー資源についてです。林業では、
エネルギーの単価が上昇しても、初期投資は回収できるので積極的に活用すべき事業だと聞いて、とても驚きました。今後2050年には、世界の人口が飽和状態になる可能性があります。そうすると、より一層プラチナ社会の実現が重要になってきます。現在行われている発電方法としては、水力発電、火力発電、原子力発電があります。日本では、このような発電方法だけでは、必要な電力を賄いきれないと思っていました。しかし、実際には、電力は余っているそうです。現在、たくさんの家庭で太陽光発電が行われているようにこれからの社会では、自然にやさしい自然エネルギーによる発電は、ますます重要になってくると思います。




6組 T君

 僕が小宮山先生のお話をお聴きして思ったことは、日本が経済発展をこのまましていてもいいのかということです。日本は今飽和状態にあると小宮山先生はおっしゃっていました。車の生産台数を増やしても日本で使われる車の数は変わらず、約12年経って廃棄された数の分が日本で売れるということが飽和状態の一例です。建築物に関しても、家やビルの数はずっと変わっていないそうです。僕はそれを聴いて、今日本は被災地の復興に全力を注ぐべきだと思いました。震災によって多大な被害を受けたところは、今たくさんの物や人手が必要になっていると思います。なので、今は飽和しているところに力を入れるのではなく、不足しているところに入れるべきだと思いました。
 また、小宮山先生は節約についてお話をされていました。僕にとって節約はこまめに気を消したり冷房の温度を高めに設定したりすることだと思っていました。しかし、技術者にとっての節約とは、どれだけエネルギー効率を上げられるかだそうです。
日本は世界の中でもとても高いエネルギー効率を作る技術があります。それを聴いて僕は日本の技術の高さに改めて驚きました。また、そんな国に住んでいるので、自分にできる節約はきちんとやっていこうと思いました。
 今回、とても貴重なお話を聴くことができました。このことを、これからの生活に活かしていきたいと思います。




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