小宮山宏先生講演会をお聴きして

 

1組 T君

 

「時代は転換期にあるのだから、これまでの生活を見直そう」とよく言われます。

 講話をお聞きして、そういったメッセージは安直すぎるのではないか、とりあえず過去を非難してみるという無責任な歴史観が入り込んでやしないか、と疑問を持ちました。とりあえずの反省では、真に時代の変化を受け止められない。では、どうするか。

 「公害の克服」という歴史が日本にはあるのだ、そして省エネ化が進めば国内のエネルギーは再生可能エネルギーのみで賄えるのだと知ると、日本のことをより伸び伸びと、反省という枷なしに考えられるようになったと感じます。「モノの飽和×省エネ=低エネルギー」と考えるように、様々な要因を多角的・多面的に考え合わせること。それこそがこの先の時代を考え、ひいては誰もが威厳をもって輝く「プラチナ社会」を築いていく上で大切なことなのだと思います。

 社会に対する見方がまるで変わりました、ありがとうございました。

 そして、自分自身の内面にも大きな変化=気づきがありました。それは「困難(と思えるもの)を考え合わせると好機が見える」ということです。「モノの飽和」はビジネスの衰退であり、「寿命の飽和」は若年層の負担増大を意味する、八方塞がりだ、と考えるのではなくて「高齢者の自立をサポートすればより豊かな『質の社会』が実現される、と考える。そうすれば、ならどうやって自立をサポートするか、と考えられる。「困難は総合せよ」と、言えるかもしれません。これから実践していきたいと考えています。

 

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2組  T君

 

今回の講演中、小宮山先生が何度も強調されていた「日本の飽和状態」。確かに言われてみれば、日本はあらゆる面において飽和状態を迎えているのかもしれません。こうして文明が発展するにつれ、新たに生まれてくる課題があります。飢餓から肥満まで、人類の課題は多様化し、ここ数年で貧富の差も拡大しています。しかし、飽和状態を感じるということは、言い換えれば、それほどここ数年の日本の文明の進歩が著しいということなのではないでしょうか。医療技術の発展に従って平均寿命が格段に長くなるなど、あらゆる分野において急激な進歩が見られています。この激動の時代、私たちは何を考え、どのように行動していけばよいのでしょうか。私は自分の考えをしっかりと持つこと、これこそがこの時代を生きていく上で最も大切なことだと、この講演会を聴いて感じました。小宮山先生も「自分の頭で考え、考え尽くしたことだけが力になる」と仰っていました。疑問を抱いたあらゆる事柄に正面から向き合っていき、深く悩む。この経験が将来の自分の支えになるはずです。

小宮山先生によって、先進国の求める質的満足を満たすための社会として定義された「プラチナ社会」。誇りを持って一人一人が自由に輝くために、私たちがするべき活動は何なのか。その一つがデータを上手に使うことだと先生は仰っていました。正しい情報を自分で選び抜く能力。この力がこれから先、ますます大切になってくるでしょう。

 今回の講演会を聴き、将来世界はどうなるのか、とても楽しみになりました。毎年のように、時代は激しく変化していくことでしょう。その時代の波に乗り損ねないように、正しい状況判断のできる人間になるためにも、今のうちから将来のことを考える時間を取っていくべきだと、改めて感じました。

  

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3組 T君 

小宮山先生の講演を聞いて、日本がこれから課題先進国として解決していかなければならない問題がわかりました。

 日本は、今まで多くの問題を解決してきた国です。過去に様々な公害を引き起こしていながら、現在は世界で有数の環境の良い国家になりました。日本がこれまでに積み重ねてきた技術を、深刻な環境問題を抱えている国々に輸出することはメリットが多いことだと思いました。

 今現在日本は、高齢化やエネルギー問題を抱えています。日本は、高齢化がとても進行している社会になっていると思います。しかし、それは逆に日本が、他国よりも先にこの問題を解決してリードできることになると思いました。現在の技術や政策では、まだまだ体が不自由な高齢者が一人で何でもできるようになるのは難しいことです。しかし、この問題にもっと積極的に取り組んでいくことで産業が生まれ、社会の負担も減っていくはずです。また、エネルギー問題においては、日本には、風力や水力、太陽光など、たくさんの再生可能エネルギーを引き出す環境があります。石油などの資源には限度がありますし、いつかは必ず枯渇してしまいます。将来、エネルギーがなくて心配するような社会をつくらないためにも、再生可能エネルギーの使用に、より力を入れ、技術によって消費するエネルギー量を減らすことが出来れば、豊かなプラチナ社会がつくれるはずです。そしてそれこそが課題先進国としての日本のあり方だと思います。

 プラチナ社会をつくっていくのは、これからの世代を担っていく僕たちです。これからもっともっと豊かな社会をつくっていくのか、それとも常にエネルギーの心配などをしなければならない社会をつくっていくのかを決めるのは僕たちです。今の日本は、まだまだプラチナ社会には遠いと思います。飽和に達している物質の循環を加速させ、新たな産業を生み出し、発展させること、そして雇用の創出や人々の負担が少ない社会をつくること、これらの課題を乗り越えていけるような力をつけることが今の僕たちにできることであり、将来のプラチナ社会をつくることにつながるのだと思いました。

 

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4組 Sさん

 

今回の小宮山先生の講演会は、私が今までに江戸取で聴いたどの講演会とも違うように感じられました。それはおそらく、小宮山先生の話し方によるものだと思います。小宮山先生は、ご自身の話されることに自信を持っていらっしゃって、それが私にも伝わってきました。また、一人で千人以上に向けてお話になっているにも関わらず、まるで教室で話しているかのように感じさせられる話し方でした。自分の言うことに本当に自信があるからこそ人を引き込むような話ができるのだろうと考えます。今回の講演内容は、それだけ見ると割と固いものに思えますが、聴いているときには面白く感じました。私も自分の意見を、自信を持って言えるようになりたいです。

 また、小宮山先生の話の中で特に印象に残った内容がありました。「大変さは今と昔では違う」ということです。小宮山先生の講演を聴くまではあまり考えたことがありませんでしたが、言われてみると確かにその通りだと思いました。かつては「不便だからこそ」の大変さだったものが、今は「便利になったからこそ」の大変さに変わるのは仕方がない事でもあります。例えば、情報に関してです。昔は情報が入りにくかったために流行り病などのことが伝わらず、対策しようにもできなかったこともあったでしょう。それに対して今は、情報の正誤はともかくとして、ほとんどの情報は手に入れることができます。情報が入ることによって何が大変なのか、とも思いますが、実際には誤った情報に踊らされ、知ったが故に不安になることもあるはずです。事件の情報などはまさにそれでしょう。

 しかし、私たちは、今さら昔のように戻ることはできるわけがありません。便利なもの、より楽なことを知ってしまえば、人はそれを忘れられません。私は便利さ、楽さを手に入れたために失われてしまうものもあると考えます。だから、何かを生み出すときに大切なのは、どのような人や物事のために使うのかを考えることだと思います。

 小宮山先生の話をお聞きし、視野が広がったような気がして、とても面白かったです。

  

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5組 I君

 

 18世紀頃にイギリスで起きた産業革命により、以後、世界の様々な国で経済が急成長しています。日本もそのような国の一つです。現在でも中国やインド、ブラジルなど新たに経済が急成長している国がたくさんあります。一方で、それは地球温暖化や大気汚染、自然破壊など、環境に様々な悪影響を及ぼしてしまっているという事実もあります。日本は他国の経済成長による環境破壊を一概に悪いことだということはできません。日本もかつて高度経済成長の頃には、公害や資源の乱用など、他国には負けないくらいに環境へ悪影響を与え続けてきました。大気は濁り、東京湾はヘドロの海と化し、人が多く住む川下では魚が釣れることはありえないとまで言われていた時代がありました。しかし、今日において、日本は環境の悪い国だと言われることはあまりありません。なぜなら、環境問題に対する技術力が高いからです。この高い技術力を、新たに経済が急成長している国に伝えることで、環境に対する問題を解消することができると思います。このような高い技術力を輸出することが今の日本の役目ではないでしょうか。

 また、環境に対してもそうですが、日本はあらゆる分野において高い技術力を持っています。そのおかげで日本は豊かになり、私たちの生活に不自由なことは、ほぼないといっても過言ではありません。しかし、豊かであるがゆえに、日本はあらゆる分野において「飽和」状態といえます。「飽和」というのは、例えば、車は日本人の二人に一人は持っており、これ以上生産しても売れないというような、経済が成長しない状態のことを指します。今までは、経済を成長させるための社会でしたが、これからの日本は質を求める社会を目指すことが必要だと言えます。小宮山先生はそのような社会を「プラチナ社会」として研究されています。「プラチナ社会」とは、エコロジーを考え、資源の心配がなく、だれでも参加できる社会、雇用が十分あって、個人が自由な選択権を持つような理想の社会のことです。

人工物で飽和した日本は果たして、そのような社会を実現できるのでしょうか。それは私たちが将来どのような社会を作ろうとするかで決まります。あふれた人工物で次の新たなものを作る、それが21世紀を担う私たちの役目です。小宮山先生の講話をお聞きして、未来の日本社会で求められている我々の役目について改めて考えさせられました。


  

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6組 E君

 今回の講話は難しそうな話をお聴きするのだろうなと予想していました。正直に言うと、参加する前はあまり得意な話ではないなと思っていましたが、それは良い意味で裏切られました。内容としては、人類の築いてきた文明が発達したからこそ起きてしまった問題についての話が中心となりました。例えば、飽和状態による車の話などを例に、日本ではどういった問題があるかなど、色々な事をお話ししてくださいました。

 日本が抱える問題の1つに、高齢化の問題があります。現代の高齢化に関して、そうなった理由の一つは、医療技術が格段に良くなったからです。長く生きたいという人々の欲求を叶えるために成長したとも言えるその技術によって、高齢化という問題が起きてしまいました。

 では、この問題は解決されるのでしょうか。かつてこの日本には水俣病、第二水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病という四大公害病がありました。これによって、各地で甚大な被害が出てしまいました。しかし、甚大な被害を及ぼしていていた四大公害病をどうにかしようと動いた政府や自治体、又は、民間の人たちの手によって無事に解決されました。つまり、日本は課題解決実績のある「課題先進国」だということがわかります。

 このようなお話しをお聴きして、今回のお話しはよく考えれば当たり前の事にも関わらず、自分ではあまり考えていなかったことだと気づきました。これからは、当たり前の事をもう一度細部まで考え、自分の事、自国の事、周囲の事に注意深く目を向けるようにしたいと改めて思い、考えさせられました。

 

  

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