小宮山宏先生講演会をお聴きして

 

1組 

 工学者で東京大学第28代総長をされ、現在三菱総合研究所理事長で「プラチナ構想ネットワーク」会長でもある小宮山宏先生の講話「21世紀を担う君たちへ」は僕にとって初めての講演会であったこともありますが、非常に印象に残る興味深いお話でした。
 今まで日本がどのように産業を発展させてきたのか、またエネルギーの消費量はどう変化してきたのかを高度経済成長やオイルショックなどのターニングポイントごとの変化とともに解説をしていただき、50年後の未来には中国やインドのような国も、日本と同じ先進国となるので、僕たちはその未来をしっかりと支えていかなければならないということも理解しました。
 車の台数やビルの数が増えていないことから分かる人工物の飽和、オイルショックにより急激に発達していったエネルギー効率を上げる技術、冷蔵庫や携帯電話などから金属を取り出し再利用する都市鉱山、これらの技術がさらに発展し、加工貿易の盛んであった日本でも、エネルギーや鉱物の自給が可能になると小宮山先生はおっしゃっていました。
 その技術を発展させ、未来の資源を自給できるようになる未来を作り上げるのは他でもなく僕たちです。発展していく世界の国々との中で、小宮山先生の定義する「課題先進国」である日本をどう変えていくか、また国際社会での役割は何かを決めるのも私たちなので、これからの未来を生きる僕たち1人1人が国のビジョンについて考えて行かなければならないと思いました。

 


2組 

 私は今回、小宮山先生の講話を聴けることをとても楽しみにしていました。実際に小宮山先生の講話をお聴きして、興味をひかれたことがいくつかあります。
 1つ目は、日本人の平均寿命がとても延びているということです。江戸時代と現在とでは、平均寿命が倍以上になっていると聞いてとても驚きました。確かに最近、自分でも町で高齢者を見かける頻度が高くなったように感じます。今後、さらなる医療の発達によって、もっと寿命が長くなるかもしれません。そうなったときに、働き方や、社会の仕組みにどう対処するのかが今後の課題だと感じました
 2つ目は人工物の飽和です。わかりやすく車に例えてお話しくださいました。どうして車は売れ続けるのか?もう車の必要台数は超えているのではないか?と思いましたが、小宮山先生の説明を聞いて納得することが出来ました。新しい資源よりも、「都市鉱山」という、新しいリサイクルの考え方は、日本の未来の強みです。
 3つ目は、日本の高い技術についてです。他の国に類を見ない日本の公害の克服方法は、他の国からも参考にされているそうで、日本がほかの国に先立って様々な問題を解決してきたことが分かりました。また、エネルギー危機を技術の向上で克服したことも、世界で1、2を争うほどだと思います。その結果、エネルギーの必要量は増えてはいないということに驚きました。
 たまに本屋に行くと小宮山先生の著者をお見かけすることがあるので、ぜひ読んでより一層学んでみたいと思いました。

  


3組 

 東京大学第28代総長で、現在は、三菱総合研究所理事長をなさっている小宮山先生の今回の講演会をとても楽しみにしていました。まず、「プラチナ構想ネットワーク」についてです。先生は、エコで、雇用があり、自由な選択ができる社会のことを「プラチナ社会」と呼ぶとおっしゃっていました。しかし、そのような社会を創り出すためには、今日本が抱えているたくさんの問題を解決しなければなりません。
 1つは、地球温暖化などの環境問題です。これは、世界規模で大きな問題になっています。地球温暖化は、車や工場などから排出される二酸化炭素が原因で起こるので、豊かになったからこそ発生した問題と言えます。
 次に、少子高齢化についてです。私は、この問題は日本だけで起こっているのだと思っていましたが、地球全体で高齢化が進んでいると聞いて驚きました。それと同時に、自分は世界の情勢についてあまり知らないと気づいたので、これからは広い視野を持つようにしたいです。
 最後に、小宮山先生のお言葉に、「課題先進国」を脱して「課題解決先進国」になることこそが活路である、というものがありました。日本はたくさんの課題を抱えていますが、それらを解決するために今自分ができることをしていきたいと思います

4組 

 今回の講話で、「課題先進国」と「プラチナ社会」という言葉が出てきました。この二つの言葉がキーワードだと思いました。
 日本には多くの課題があります。国内で採れる資源が乏しいことや、その他の環境問題、外交問題など、様々です。日本の社会は今、飽和状態にあり、成長の速度が遅いと聞いて、どういうことなのだろうと思いました。社会の飽和状態とは、社会が完全に成長、完成しきっている状態であるとのことで、私はなるほど、と思いました。完成されきってしまっていれば、のびしろがほぼ無いに等しい状態ですから、さらに上を目指すのは難しく、成長速度の速い中国などの発展途上国との競争も厳しいものとなってくると思います。また、問題の一つでもある、高齢化に伴う課題なども沢山浮上してくると思います。高齢化と共に進む少子化などで、年金や介護などについての課題も多々あると思います。これらの問題を解決するためには、社会全体が変わらなければならないと思います。日本の社会が変わるのには、これらの課題を困難であると考えると同時に、チャンスであるという考えを持つ必要がある、というお話には、なるほど、と思いました
 日本の社会が「プラチナ社会」に変わることができれば、高齢者も輝ける社会になったりする、とも聞きました。もしそうなったら、それはすばらしいことだと思います。また、国際社会においての真の競争力を持つこともできると思います。再び日本が活躍できるようになってほしいと思いました。

 


5組 

 まさしく「理想」だと思いました。元々地球の資源に関しては「宇宙船地球号」等の話題で何度か耳にする機会はあり、人類にとって重要な問題であろうと認識はしていましたが、自らの興味・将来の夢はそういったこととはあまり関係がないように思われ、私自身、これまでこの問題を深く考えずに来てしまいました。故に、今回の講話をお聴きして私は大いに驚いたのです。
 地球の資源やエネルギーには希望がある。それは私が今まで聞いていた定説とは完全に異なるもので、同時にそれは私が環境問題に関して抱いていた「理想」でもありました。前者についてはきっと本校生徒の多くにとってもそうだったろうとも思うのですが、少なくとも私の中ではその考え方や「理想」を実現させるための計画などは盲点のようなものでこれまで考えもしませんでした。地球上の資源には多かれ少なかれ限界が有り、多少新しく供給できたところで需要がそれを遥かに上回り、近い将来枯渇するというのが私の認識でした。しかしながら、その供給の方法を変えることによってこの問題は解決できるのだということをお聴きして私は素直に驚きました。この問題が解決できたら、きっと人だけでなく地球そのものが希望に満ちあふれることでしょう。だから、私もそんな素敵な未来のためにまず自分の出来ることをやらなければいけません。そのために、自分の夢に向かって日々精進していきたいと思います。

 


6組 

 僕は今回の小宮山先生の講演会をお聴きして、小宮山先生は何を僕たちに伝えようとしていたのかを考えました。小宮山先生は講演会で、人工物の飽和やエネルギーの使い道及び消費、都市鉱山、健康の産業化などの話をされました。これらに共通して言えることは、現在の日本は過去の日本とは違い大きく変化している、ということです。また、小宮山先生は講演の中で、度々統計をもとにグラフや表を示されていました。
 つまり、小宮山先生が僕たちに伝えたかったことは、日本の未来のことを統計を基に予測して行動してほしいということだと思います。その上で将来どのような職業がコンピュータに代わり、どのような職業が発展するのか、自分は何を生業としていくのかを、高校生のうちから良く考えてほしかったのだと思います
 小宮山先生は日本の未来を、「プラチナ社会」というモノも心も豊かな社会を二十一世紀のビジョンとしていました。
 僕には、鉄道車両の設計者という将来の夢があります。しかし、日本の人口はまもなく減少にむかってしまいます。そうすると、鉄道を含めたインフラストラクチャーは、これまで通りとはいかなくなります。例えば、日立製作所は、鉄道の発祥の国のイギリスに鉄道を輸出したりと、海外へ進出しています。しかし、日本だけでなく、世界中で僕が生きている間に人口が減少すると思います。そうすれば、多くの企業がとる戦略の一つである海外進出は消えてしまうと思います。
 これからがどんな社会になろうとも、必要なものは確かな学力だと思います。それを身に付けるために、今の高校生生活を大切にしたいと思います