1組 Sさん

 私は、今年3月に引退するまで5年間、吹奏楽部でクラリネットを吹いていました。ですから、今回の東京交響楽団の演奏会をとても楽しみにしていました。私が慣れ親しんだ吹奏楽とはまた違う魅力がオーケストラにはあるな、と感じました。どの曲もとても素敵でしたが、特に私の心に残ったのは、3曲目の「新世界より」、です。イングリッシュ・ホルンのソロは言葉に表すことが出来ないほど美しく、心に響きました。それから、クラリネットのソロにも心奪われました。1本で演奏しているとは思えない重厚な音が、あたたかく響いていて、とても魅力的でした。特にこの曲では、弦楽器、管楽器、打楽器それぞれの楽器が個性を出しつつも調和して美しく響いていて、とても素敵な音楽でした。
 指揮者の岩村力さんは、3年前にも江戸取で他の楽団と共演された方で、同じホール、同じ指揮者で違う楽団の演奏が聴けるという機会に恵まれました。岩村さんの指揮をはじめ演奏者のみなさんは、体全体で音楽を楽しんでいるのが伝わってきて、本人がお話ししていた通り、“五感で”楽しむことができました。やはり、プロの、生の、本物の演奏は、テレビやCDで聴くのとは比べ物にならないくらい素晴らしく、鳥肌がたちました。江戸取でオーケストラを聴くのはこれで最後ですが、これからも本物に触れる機会を自分から作っていきたいと思います。


3組 Kさん

音楽が大好きな私にとって、東京交響楽団はとても心に染みました。オーケストラの演奏を初めて生で聴いていて「楽器が踊っているみたいだな」という第一印象を受けました。音の強弱やリズムに合わせて、演奏者の人達が身体全体で音楽を表現していたからです。ただ演奏しているだけでも強弱やその曲の情景が伝わってきますが、身体全体で演奏していることで、視覚でも音楽を楽しむことができました。
 また、とても感動したことが3つあります。一つ目は、種類の異なる多数の楽器が、全く異なる音色なのに、一斉に演奏しても音色が揃っていてバランスが保たれていることです。人数が多いだけでもバランスよく音を揃えることは難しいのに、種類が違う楽器でも音色を揃えバランスよく演奏していてすごいなと思いました。そしてそこから生まれる一体感と迫力に感動しました。二つ目は、音の移り変わりです。同じメロディーがある楽器から他の楽器へ移り変わることで、同じメロディーが一風異なる表情を見せるのがとてもおもしろく、感動しました。三つ目は、曲の最後に音を切った時にホールに響く余韻です。最後まで丁寧に美しく、余韻まで綺麗な演奏をする姿勢に感動しました。
 最後に、一流オーケストラの演奏を生で聴くという貴重な体験ができ、とても嬉しく思います。この様なイベントを学校で体験できるという素晴らしい環境に恵まれていることに感謝したいです。



4組 Iさん

 今回、演奏して下さった東京交響楽団は、「威風堂々」「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」そして「新世界」をとても盛大に江戸取のオーディトリアムで演奏して下さいました。私には今、音楽と関係のある習い事や趣味はありませんが、幼い頃に習っていたピアノやバレエと通ずるものがありました。ピアノとバレエは5年間習っていましたが、一度でも聴いたことや踊ったことがある曲は耳に残っているものだと思いました。バレエでCDではなく実際に交響楽団と共に発表会を作り上げたら、さらにすばらしいものになるのかなと考えたりもしました。やはり、CDで聴くよりも直接聴くと、目と耳そして空気で音楽を感じるので、圧倒されました。 このような直接聴ける機会は滅多にありませんが、後輩達には、まだ沢山の機会があるので、それらを通して音楽の素晴らしさを、江戸取にいる間に少しでも感じていってほしいと思います。
 また、今回「威風堂々」に使われていたハープという楽器の実物を、生まれて初めて見ました。「威風堂々」はとても有名な曲なので知らない人はいないと思いますが、ハープの音だけに集中して聴いてみて、とても綺麗な音だと思いました。そして、指揮者の岩村力さんもとても迫力があって、あの姿にとても魅了されました。指揮者というのは、音楽を奏でる上での中心であり、リーダーシップのある人でなければできないと思います。
 今後このような機会があるかわかりませんが、もっと多くの知識があったらさらに楽しめたと思います。これから先、沢山の趣味をもって、沢山の人に出会い、多くのことを大いに楽しめたらなと思います。


6組 S君

 高校3年生になり、色々と時間がないので生の演奏を聴くことが困難であるなか、このような機会があるということを知り、ずっと楽しみにしていました。演奏が始まったその瞬間、体の中で薄まりつつあった“生の音楽への感動”が一気にこみあげ僕を圧倒し、まるで心を撞木でつかれたような気分になりました。生の演奏というものはスピーカーやイヤホンなどで聴くものとは大きく異なり、体全体でその音楽に触れることができ、指揮者や演奏者の思いがより僕達に伝わるので、改めて生の演奏の特別さ、素晴らしさを実感することが出来ました。今回の東響の演奏で、特にチューバの力強さに驚きました。管楽器によるハーモニー部分でのチューバは一本で見事に他パートを支えており、あのしっかりした土台をつくる重厚なサウンドは聴いていてとても心地が良かったです。
 そして同じ演奏者として学べたこともありました。一つは曲の演奏に対し感情を持つことの大切さです。感情は体の動きにも表れてきますが、“音”にも大きく影響が出てきます。“感情が入っている音”と“感情が入ってない音”の違いは言葉で説明できるものではありませんが、聴き手の耳に入った時は明らかに異なり、その音に含まれる感情を読み取る事ができます。東響の演奏では演奏者の思いがとてもよく伝わってきたので、僕も聴衆により自分の感情を伝えられるような演奏者になりたいと強く思いました。
 そしてもう一つはその感情を周りの演奏者と共有しあうことの大切さです。東響の演奏で特に人数の多い弦楽器のそれぞれのパートが一体となって一人一人ではなく東響のメンバー全員で音楽をつくりあげていたのは、その一人一人の感情が個人だけにとどまらず、周りの演奏者とも共有されているからだと思いました。メンバーの一人一人がその感情によってつながることで曲のまとまりができ、よりその感情が増していくことを今回の東響の演奏を聴いて思いました。
 今回は音楽の素晴らしさを再実感し、様々なことも学ぶことができたので、このような機会があって本当に良かったなと思います。



8組 Sさん

 私は音楽が好きで、普段から色々なジャンルの音楽を聴いています。なので今日私が演奏を聴いた三曲とも、有名ということもあって何度も聞いたことがあり、東京交響楽団ならではの演奏を聴くことができるとワクワクしていました。そんななかでプログラムが始まり、私は心地よい音色に魅了されたのは勿論ですが、それ以上に「聴く相手」が高校生であるということを意識して司会を進めていただけたことに驚き、感動しました。
 たとえば、管弦楽の演奏だけでなく弦楽器だけの演奏も聴けたことで、やはり両者は雰囲気こそ違えどもそれぞれに良さがあるということを改めて感じることができました。また、司会で次に演奏する曲について説明していただけたことで、その曲についての理解がより深まり演奏を聴いている中で曲の世界を想像しやすくなって、演奏者と聴衆が一体となって一つの音楽を創っているということを実感できている気がしました。さらに司会の中で「演奏者は楽譜通りに演奏するのは当たり前だけれども、それ以上に気持ちを込めて演奏しないと聴衆の心には何も届かない」という話もありました。中高に引き続き大学に入った後も音楽を続けたいと思っている私にとってこの言葉は忘れがたいものになりそうです。
東京交響楽団のみなさん、素晴らしい演奏と司会、楽しい時間をありがとうございました。 


10組 Fさん

最近、勉強などで忙しく、生のオーケストラの演奏を聴く時間が無かったので、今回のコンサートはとても良い機会となりました。一曲目から、一気に音楽の世界に惹き込まれ、生の躍動感を体全体で感じました。私はクラシック音楽が好きでよく家で聴くのですが、録音されたものとは全く違う響きに驚きました。「音楽を聴く」ということは、耳から聴くだけではなく、客席に座り、実際の楽器を目で見て、音の振動や、その時の空気を感じてこそ、生の演奏を感じることが出来るのだと、実感しました。
 今回、演奏してくださった四曲の中で、私が一番好きなのはドヴォルザークの「新世界より」です。第一楽章は、今回演奏されませんでしたが、弦楽器の美しい旋律にホルン・クラリネットの音がのり、突然、低弦・ティンパニーなどが入ることで火が付いたような盛り上がりを見せ、最後にフルート、オーボエの繊細な音で優しく静かな響きが広がる、というようにどんどん移り変わっていく曲調が特徴的で、目を閉じて聴くと、浮かび上がる情景がころころと姿を変え、まさに新世界の夜明けのような曲です。第二楽章は、とても有名なメロディーで、イングリッシュホルンの柔らかい音がとても美しかったです。そしてまた有名な第四楽章は、鋭く、重い、短調の響きから、明るい曲調へと変化し、最後に一気に盛り上がりを見せ、静かに終わりを迎えます。壮大な音の響きに心が震えました。改めて素晴らしい曲だと感じました。東京交響楽団の方々の素敵な演奏を聴くことが出来て、本当に嬉しく思います。また機会があれば、演奏を聴きに行きたいと思います。