7組 A君

 澄み渡る五月晴れの中、僕たちは江戸川学園での最後の体育祭を行いました。この体育祭では、とても思い出深い経験をすることができました。

 僕は赤組に所属し、応援団副団長を務めました。そのこともあって、自分の学年だけではなく高等部1学年、2学年や中等部の赤組メンバーと交わる機会が多くありました。その中で僕が感じたのは、赤組に対して強い「誇り」を抱くことができたということです。体育祭の練習、そして応援団の練習が始まったのは4月の下旬からでしたが、たくさんの生徒が練習に参加してくれました。はじめの段階から声も大きく出るなど、集中した雰囲気の良い練習ができていました。ゴールデンウィークも多くの団員が練習に参加するなど、体育祭が近づくにつれその姿勢はより真剣になっていきました。後輩たちに支えられ、仲間達と同じ時間を共有する中で僕が抱きはじめたのは、赤組に対する「誇り」です。

そうして迎えた体育祭当日、開会式や閉会式で赤組の列に並んでいることに、僕は強い誇りを胸に抱いていました。切磋琢磨した仲間達と同じ舞台に立てることが、僕にとっては非常に誇らしかったのです。

 もう一つ僕が赤組に対して抱いたのは「自信」です。赤組は体育祭の午前中、競技の総合得点で最下位でした。そのことを憂う気持ちはありましたが、諦めの気持ちは全く生まれませんでした。今回から総合得点に加わった集団行動で、赤組の仲間たちは、素晴らしいチームワークを発揮し、競技の応援も一丸となって取り組めていたからです。そうした「熱」は午後になってより高まり競技でも結果を出せるようになっていきました。その結果、赤組は競技の総合得点で優勝、さらに、応援得点でも優勝することができました。最終順位が発表された時、赤組は喜びと興奮に包まれました。しかし、僕にとってこの2つの優勝は決して奇跡的なことではありません。「きっと優勝できる」ではなく、むしろ「絶対に優勝できる」と思っていました。なぜなら赤組の仲間はそれに見合う努力をしていたと自負できるからです。仲間たちは、集団行動や競技でチームワークを取るために後輩たちに何度も声を掛けに行ったり、応援披露でどの組よりも輝くために、ダンスを何度も練習したり、毎日声がガラガラになるまで出し、団体競技で1位を取るための作戦を練ったり等々・・・当日も、そこに至るまでも、考え得るすべてのことに対して努力をしました。それが僕にどの組にも負けないという絶対的な自信を与えてくれたと信じてやみません。

 今回体育祭で抱いた誇りと自信はとても価値のあるものでした。欲を言えばもっと早くに感じていたかったと思います。しかし、今回の体育祭が僕たちにとって最後のイベントとなりました。そしてこれから僕たちを待ち構えているのは、大学受験です。体育祭での思い出を胸に刻み、この先にある困難にも仲間と共に立ち向かう気構えと覚悟をもつことができた体育祭に、感謝の気持ちで一杯です。

8組 B君

 今回の体育祭は、高3としての参加と言うことで、応援団をはじめとして、下級生をリードし、体育祭を成功させるための重要な役回りとなっていました。昨年度までの後輩として応援団や、様々な競技に参加するだけでなく、積極的に後輩や同じ学年の仲間たちと協力し、まとめあげると言うことが重要でした。

 まず、今回の体育祭を振り返る上で欠かせないのが、応援団の存在です。毎日連絡を取り合い、応援披露の曲を決定し、参加人数を把握してダンスの隊列を決めるなど昨年をはるかに上回る忙しさでした。ある程度構成ができあがると朝、昼休み、そして放課後など、各学年の忙しい時間の合間を縫って集まり練習に励みました。休日も学校に登校して練習しました。そんな中で、大変だったことがいくつかあります。

 1つめは、参加人数が変動するということです。人数が一人でも違ってしまうと、隊列を組み直さなくてはなりません。2つめは、毎年のことですが高2生のカナダ修学旅行です。高2生は応援団の練習をしている期間のうちの約半分に参加できないので、他の学年との差を埋める為に上級生としてしっかりと指導することが重要でした。また、高2生も一生懸命練習に参加してくれたので、他の学年と大きな相違なく団結することができました。

 応援団は単に応援披露をするだけの団体ではなく、先輩や後輩といった学年の枠を超えた交流の場であるということです。話したことのない後輩とも積極的にコミュニケーションを取り、組の団結を深めることがとても重要です。組の内部で学年に関係なく互いに切磋琢磨することによって、体育祭に参加したことに対する喜びや意義をより大きなものにします。高校を卒業してしまうと、大人数で何らかの目標に向かって団結し、それを成し遂げるといったような経験は少なくなってしまいます。江戸取で応援団に参加し、同じ志をもった仲間と団結して優勝に向かって練習に励んだということは、一生の記憶に残るとてもすばらしい経験であると思います。たとえ大きな活躍ができなかったとしても、応援団の一員として日々の練習に参加し、最後までやりきったということは誇れることであると思います。

 体育祭のすべてにおいて一貫して大切な事は「全力で取り組む」ということです。体育祭はもちろん運動をするイベントなので、運動することが得意ではないという人も少なくはありません。だからといって参加しないのではなく、全力で取り組むことによって、何かしら得られるものはありますし、勝ち負けに関係なく互いに健闘したという事実だけでも素晴らしいものだと思います。当日も、競技に参加したり応援席から自分の色の組を応援したりとやることはつきません。応援席から立って応援していたり、全力で競技に取り組む仲間の姿を見ると「参加して良かった」と改めて思いました。このような体験は後にも先にも、もうないと思うので、大変貴重な体験になりました。高3生はもう主だった学校行事はありません。あとは受験に向けて全力を傾けるだけです。しかし、体育祭に全力で取り組めたということで、自分を一歩成長させることができました。この経験と思いを胸に何事にも全力で、仲間とともに取り組んで行きたいと思います。

 

 

  

 

 

 

9組 Cさん

私達3年生にとっての最後の行事、そして人生で最後の体育祭が行われました。私はこの1ヶ月間青組としてそして3年9組として全力を尽くしてきました。今回の体育祭は集大成として頑張ってきたこと、今までの全てを出し切れたと思います。

私は青組の応援団に所属して朝、昼、放課後練習をしてきました。ダンスの振りつけを覚えるのはとても大変でした。覚えるまで友人と確認したり、ダンスのリーダーに聞いたりして、決して投げ出さず出来るまで頑張りました。あきらめずに最後まで頑張ることが大切なのだと思いました。

しかし、ダンスを覚えたからそれで終了というわけではなく、3学年全員で応援を作り上げねばならないのです。全員で協力しなければ良い応援披露は出来ないと、リーダーの人たちが人集めに教室を回っている姿に、もっと頑張らなくてはと、感化されました。応援練習で配置を取ったときに一人でも欠けていると、周りの人がよくわからなくなってしまい、列が乱れてしまいます。そのようなときには、リーダーの人が大きな声で指示を出してくれたり、列に代わりに加わってくれたりと、私達が混乱しないように配慮してくれました。ダンスそのものだけでなく、一生懸命指示をしてくれる人の話をしっかり聞いて一人一人がしっかり返事をするということが、意識を高めることにつながるのだと改めて実感しました。体育祭の日が近づくにつれて胸がわくわくしてきましたが、同時に、もうそう長くはみんなと練習することはできないのだなと、寂しい気持ちもしました。

体育祭の日、本番前はとても緊張しました。間違えたらどうしようととても不安に思いました。しかし、リーダーの人たちが「笑顔で・大きな声で・堂々と」と励ましてくれて、最後なのだから楽しんで最高の応援を披露しなくては、と思えました。一ヶ月半の練習がたった6分半で終わると思うと虚しくも感じましたが、この時間であっても、1秒1秒大切にすれば大きなものになるのだと感じました。

「次は青組です」と言われ、いよいよだと気合いを入れました。今までで一番大きな声を出し、上を向いて笑顔で踊ることが出来ました。踊っていてすごく楽しく、大きな声を出すのがとても気持ちよかったです。あっという間でしたが、本当に応援団を辞めずに今まで続けて良かったと心の底から感じました。何かをやり遂げるというのはこんなにもすばらしいことなのだと感じました。

今回の体育祭を通して様々な事を学び成長できました。最初は、私は高入生だったので、中入生が沢山いるクラスでしっかりやっていけるかどうか正直とても不安でした。しかしこの体育祭を経て、3年9組の絆が深まり、とても嬉しかったです。このクラスで最後の体育祭が出来て本当に良かったです。これからは受験が本格的に始まりますが、受験もクラスのみんなで乗り越えたいと思いました。素敵な体育祭を有り難うございました。これからも、宜しくお願いします。

 

  

 

10組 D君

私は今回の体育祭で赤組の団長を務めました。団長には中等部から高等部までの団員をまとめるという重要な役割があります。いわゆるリーダーとして、2014年度の体育祭を迎えることになったのです。当日を迎えるまで、リーダーとして求められるもの、理想のリーダー像とはどういったものなのかを考える日々が続きました。その中で強く感じたことは、仲間たちや後輩たちは、リーダーの背中を常に見ているということです。リーダーが前向きであれば、その集団は前向きになりますし、その逆もまたしかりです。人間には必ず周囲に人がいます。孤独な思いをしている人にも、本当は近くに支えてくれている人がいます。周囲にいる人を仲間にするか、敵にしてしまうかはその人次第です。たとえ一個人としては良い印象がなくあまり好ましく感じていない人でも、リーダーとしての自覚と視点を持ち、人それぞれが持つ調書を見つけて接していくうちに、最高の仲間へと変化するはずです。そのことを、団長を務める中で実感することができました。表面的に周囲を代表して働くことももちろん大切ですが、そうした目に見えない部分での行動こそ、大切なのだと思います。

 リーダーとして特に必要なことは、ハングリーであることと、「愚か者」に徹する気持ちを持つことだと思います。ハングリー精神を持つことが周囲に与える影響はとても大きいものがあります。勝つということに執着し、貪欲に勝利を求める姿勢を見て、仲間たちの気持ちを奮い立たせ、強い意志を持って勝負に挑むことができるはずです。次に「愚か者」になるということですが、時に感情の赴くままに笑い、泣き、怒り、本音をさらけ出すことで周囲は熱を持って行動できるようになることを感じました。もちろん、プラスマイナスいずれの影響も与えると思いますが、全体として温かい雰囲気をもたらすことができたのではないかと思います。

 私は多くの友人に支えられ、団長という責任ある仕事をやり遂げ、結果として総合優勝と応援賞の両方を勝ち取ることができました。開会式の集合から閉会式後の胴上げに至るまで、赤組が一体感を持って競技、応援、集団行動に取り組むことができたのは、多くの人の支えと励ましがあったからです。先生方、卒業した先輩、後輩、そして高3の同志の熱い応援のおかげです。心から感謝します。

 

   

 

 

 

1組 E君

先日、江戸取最後の体育祭でした。その中で、様々な思い出が心に残りました。クラス対抗リレーにおいては、予選通過が一つの目標でした。しかし、結果は4位。言葉が出ないほど悔しい思いをしました。私たちのクラスは高1、高2年と2年連続で決勝に進んでいたからです。みんなが万全な状態でなかったということもあったかもしれませんが、走り終わった後、自分の無力さ、申し訳なさでいっぱいでした。しかし、バトンを最後まで繋いでくれた仲間に感謝しています。

応援団では、赤組が一つに団結しているのを感じました。毎回の練習で全員集まるわけではなく、進行状況は決して良くはありませんでした。高3年の誰もが最高学年として体育祭の応援団を務めるのが初めてだったはずです。その中でも、団長をはじめ数多くの団員がいたからこそ達成感、喜びが生まれたと思います。私たちの医科クラスのみんなは、勉強などで忙しい中でも、声かけなどをすることで少しでも練習に参加することができました。当日は、全力で踊り、全力で声を出し、全力で楽しむことができたということは非常によかったと思います。

そして、ロープジャンプにおいては、高1、高2年のときにはまともに練習はあまりしておらず、そのため結果も良くはありませんでした。しかし、去年、医科コースの先輩が過去最高記録を出したのでそれを塗り替えたいという思いがみんなにありました。やると決めたからには全力でやりたかったので、時間を使って少しでも多く練習しました。最初は、100回など遠い話でした。しかし、縄を回す私は100回以上できると信じていました。練習の際に、上手くいかないことに対して、友人にきつく言いすぎたときもありました。それでも、本番で先輩の記録を見事に塗り替え、1位になれたことは大きな喜びとなりました。

今回の体育祭を通して、「本気でやる」ということの大切さを学びました。本気でやらなければ、喜び、感動、悔しさは生まれません。赤組の結果は団体行動の部門と競技の部門のW優勝という素晴らしい成績、そして、それ以上の絆を得ることができたと思います。

2組 F君

僕は高校生最後の体育祭を終えた今、大きな達成感、負けた悔しさ、さびしさ、そして感謝が僕の胸にはあります。

 僕は、この一ヶ月近く団長としてやってきましたが、団長になろうと決意したのはちょうど一年前の体育祭の日でした。昨年僕は黄色組だったのですが、部活の先輩でもあったそのときの団長の姿に憧れて団長になることを決意しました。団長になる前は、先輩の明るく楽しそうな姿、そして色全体を引っ張っていく逞しい姿に憧れていました。しかし実際応援団を動かし始めると、想像以上に困ったことや悩むことが多かったです。当時、先輩もそのような悩みを抱えながらも疲れた素振りも見せずに、明るい雰囲気作りに努め、応援団をまとめ上げていたことを考えるとますます尊敬し、自分もそうなれるように努めてきました。

 僕は、本来団長に向いた性格ではありません。団長になった当初は、多くの友人が驚いたことを覚えています。そんな僕を多くの友人達が支えてくれました。悩みの相談に乗ってくれたり、僕では解決できないことを共に考えたりと、僕は何度も救われました。その仲間たちの存在なしには青組の団長は務まらなかったと思います。そして実際、団長になってから、友人に「団長らしくなってきた」という声を聞いたり、僕を頼ってくれる後輩が増えたりして、それがまたさらに僕の自信につながりました。

 当日は、例年の体育祭とは異なって、入場から団長としての見せ所があり、そのときの緊張と興奮は忘れられません。そして、今まで一ヶ月の成果を6分半で発揮する応援披露の時間が来ました。それはまるで夢のように一瞬で終わってしまい、楽しかったことしか覚えていません。そのとき皆の輝いた笑顔が一つ一つ僕の目に入ってきて、文章では表せないような、大切なものとなって心に深く刻まれました。

 体育祭の全てが終わった直後は、優勝できなかった悔しさを感じましたが、その後はとてつもなく大きな感謝の気持ちが溢れてきました。僕を支えてくれた友人たち、頼りない自分についてきてくれた後輩たち、協力してくれた中学生、そして共に体育祭を盛り上げた他の団長には本当に感謝しています。