川口淳一郎先生の講話をお聴きして

 


5組  Sさん


 川口先生の講演会の大きなテーマは「宇宙」でした。私は以前から宇宙に対して興味がありました。専門的な知識については勉強中ですが、宇宙の壮大な感じや、どこまでも広がる未知の領域というところに魅力を感じています。私は、幕張メッセで行われている宇宙博にも足を運び、そして今回の講演会に参加して、宇宙への関心がより高まりました。
 さて、今回の講演会で、改めて宇宙研究や宇宙開発に携わる方々の素晴らしさを実感しました。前述したように、宇宙というのは私たちにとって未知なことが大部分です。百年以上前からの方々が少しずつ宇宙を明らかにしてきて、現代に至るのだと思います。これは、つまり大昔も現在も同じ志を持って宇宙に対して研究・開発を進めているということです。そして、川口先生もおっしゃっていましたが、次の世代に続くのです。このようなたくさんの方々の努力で今日の宇宙技術があるのだと思い、感銘を受けました。
 今、さまざまな技術が進歩しています。現代の生活が昔は当たり前ではなかったように、宇宙に関しての技術や知識は今後も蓄積されていくでしょう。宇宙開発は日本だけでなく、世界中の国が関わるはずです。だから、技術進歩は早いと思います。川口先生が、「夢を見てメシが食えるのか」という言葉に対して「夢も見ずにメシが食えるのか」とおっしゃっていました。夢があるから技術が進歩し、その技術で未知の領域に踏み込むことが出来るのだと思います。
 宇宙について、解明されているのは全体のほんのわずかだと聞きます。そんな未知の領域を解明しようとしている方々に大きな尊敬の念を抱きます。また、宇宙に対する興味をより広げていきたいです。








 

6組  S君


 「無から有を作る」その言葉を聞いたのはいつ以来だったでしょうか。私は小さい頃よく親に連れられて筑波の博物館やJAXAに行っていました。そして小学一、二年生のときには上野の国立科学博物館にも足をのばしていました。そう思うと、私は科学や不思議なものを見たり聞いたりすることが好きなのかもしれません。私が科学者などの研究職に就きたいと考えるようになったのは、中学三年生の時でした。初めは「なんとなくいいなあ」と思っていただけでしたが、高校一年生の時に経験した東大、東工大、筑波大のオープンキャンパスを経て具体的な夢を持つようになりました。2008年にノーベル化学賞を受賞した下村さんのように、生物に元々存在する新しい化学物質を見つけて、がんの抑制など様々な分野に応用したいと思うようになりました。
 私はまだ理系の科目よりも文系の科目のほうに力が入ってしまっているため、これからは理系の科目にも力を入れていきたいです。私は、川口さんは、良い意味で自分の考えに「固執」していたのではないかと思いました。「固執」と言ってしまうと悪い意味合いになってしまうかもしれませんが、私がいう「固執」とは、「自分を信じること」です。自分を信じられることはつまり、自分が今までなしてきたことに対して自信が持てるということです。私は自分を信じることは他人の全てを信じることと同様に難しいことだと思っています。もしかすると、川口さんやそのプロジェクトチームの人達は、自分を信じること、またチームを信じることができていたために「はやぶさ」は奇跡の生還を果たしたのではないかと思います。だから私は自分のことを信じることができるように自分が決めた規律を厳格に遵守し、過去の自分に対して後悔しないようにベストを尽くしたいと思いました。



 




7組  T君


 僕は、今回の講話をお聞きして、とても感動しました。それは、川口淳一郎さんが僕の一番の憧れの人であったのかもしれませんが、一番の要因は、先生のおっしゃった一言一言が今後、将来を担っていく僕たち高校生に対してのメッセージで会ったからです。その中で一番考えさせられたことは、「今現在、目に見えているものは、すべて過去に生み出されたものにすぎない。未来のもの、新たな発見は全て頭の中にある」という言葉でした。僕は、この言葉を聞いて、その通りだと思いました。今現在僕たちが見ているもの、使っているもの、この世の全てのものが、かつて何らかによって生み出されて存在しているものです。
 このような考え方を持つことで、自分の将来への道筋は必ずしも一つではないということを実感させられました。僕は、将来このようなものを作りたいと思い、将来を想像することで、未来のものが新たに生み出されていき、未来は僕がこのようにしたいと考え、それに向けての研究、努力を続ければ、いつかは必ず切り開くことができるということを伝えたかったのだろうと思います。僕は、将来、川口さんのように、ロケット工学を探究し、その知識を活かして日本の航空宇宙研究機構であるJAXAに入社し、未だかつて無い省エネで低コストのロケット、もしくは、宇宙航空機のプロジェクトマネージャーになって川口さんのように、「世界初」の偉業を成し遂げることが目標です。「世界一」を目指すことは、意味がない。「世界初」を目指すべき。と川口さんがおっしゃっていたように、
僕は、世界初ということだけにこだわりを持って、夢に向かって日々努力を続けたいと思います。川口さんの講話は、僕の夢を膨らませて下さり、夢の実現への強い気持ちを持たせて下さりました。いつか川口さんとJAXAで働くことができるように頑張りたいです。









8組  T君


  私は、今まであまり「はやぶさ」についての知識がありませんでした。「はやぶさ」について知っていることといえば、「イトカワ」という小惑星から土壌サンプルを持ち帰ってくることに成功したということぐらいでした。私は、今まで無人の小惑星探査機がそのようなサンプルを持ち帰ってくることは、簡単なことだと思っていました。しかし、今回、それはとても難しいことであり、それを成功させるために、様々な最先端技術が駆使されていることを知りました。その1つとして、燃料の効率が非常に高いプルトニウムを使用した「イオンエンジン」というものを知りました。「はやぶさ」は「イオンエンジン」を噴射し続け、目標の小惑星「イトカワ」に到着しました。「イオンエンジン」で長期間の航行の末、ランデブーに成功したのは世界初です。私は、やはり、日本の技術は、世界に誇れる素晴らしいものだと思いました。
 私は、今回の講演を聞いて、改めて日本の技術は素晴らしいと思ったのと同時に
、諦めない心は、奇跡を呼び起こすと思いました。私は、これからの人生で大変なことが起きても諦めない心で何度でも挑戦していきたいと思います。

 






9組  O君


 私は講演を通して、人を育てるのは環境であることが印象的でした。先生は親の影響で宇宙に興味を持ったことから、やはり江戸川学園取手高等学校は勉強をする環境が整っていると思いました。環境が整っているのならばそれを無駄にせずにうまくやりたいと感じました。「思い込み、それは過去からの外挿から始まる。誰もが当然と思うこと、それは案外、思い込みに過ぎないことが多い。」自分が当然だと思っていたことが実は違ったということがあります。「見えるものは、みな過去のものである。」見えている物がこれからもずっと続くわけではない。日本人はとりあえずできることだけをする。できることだけをするのではなく常に新しいことを生み出さなくてはならないと思いました。不完全を恐れてはいけません。夢も見られない国が発展できるはずがないと思います。不完全であるからこそ発展することができるはずです。先生がおっしゃっていたようにできることだけを熟しているだけでは発展など見込めない。だからこそ、不完全を恐れずにポリシー先行のリーダーシップを持ちヨーロッパの国々に負けないようにして行かなくてはならないと思います。そのために興味や関心を持つことの重要さを認識し、挑戦し続けることを通して秘訣であるVW(ヴィジョンとワークハード)を意識し、夢を実現させたいと思います。





 



10組  Sさん


 今回の講話は「はやぶさ」プロジェクトマネージャーを務めた川口淳一郎先生でした。最初に「リスクのない成功はない」という言葉がありました。宇宙開発はわからないことばかりですが、それに挑戦しなければ何も始まらない。これは私たちが何かをする上でとても大事なことだと思いました。
 また、物理が苦手だったが、宇宙に興味を持ち、苦手を得意に変えた物理学者のお話がありました。私は将来、川口先生のような道をたどりたいと考えています。しかし、物理はあまり得意ではありません。このお話を聞いて、好きなものなら苦手でも努力次第で何でも出来るにちがいないと思うことができました。
 川口先生が携わった「はやぶさ」を知ったのは『はやぶさ/HAYABUSA』という映画を観たからでした。観た感想としては感動の一言でした。その中で宇宙開発のシビアさが良くわかったと同時に夢を持たされました。川口先生は「夢で飯が食えるか」と聞かれ、「夢を見ることもできない人間が飯を食えるのか」と返したとおっしゃっていました。私は正直にすごいことを言う人だなと思いました。でもそれは本当に素敵なことであるし、夢を見ることができる人間になりたいと思いました。
 最後に、私は知人のJAXAの方に宇宙開発の資金問題について聞いたことがありました。その時は特に何も考えてはいませんでしたが、川口先生の話を聞いているうちに政治家として宇宙開発を支える道もあることを知りました。これは、一つのやりたい事に対して様々な道からもできるということです。これから進路が決まる高校生の私たちにとって将来への希望がまた一つ広がったと思いました。今ならどんな道に進むことも努力すれば可能だと思います。私にとっての宇宙工学を学んで、それを将来へ活かしていきたいという目標を今回の川口先生の話で実現したいと強く思いました。