渡部潤一先生の講話をお聴きして

1組 Aさん

地球上には現在約66億の人類が存在します。多様な生物が多数存在しているこの地球上では知的生命体といわれる存在は人間だけです。それでは、この宇宙全体で考えると、他の知的生命体は存在するのか。今回の講話では、渡部潤一先生が天文学のアプローチによりこの興味深い命題を説いて下さいました。

第一のキーワードは生命を育む材料はあるのか、という点です。そもそも生命がどのように生まれたのでしょうか。なんだか難しい話になってしまいそうですが、生命を育む材料(元素)というのは実は星が作っているのだそうです。星にも寿命があり、年老いていくと赤く、大きくぶよぶよとしてくるそうです。そして、約5億年の寿命を経て、星は死を迎えると美しく爆発します。そのときに星を構成していた要素が拡散され、それが生命を育む材料となるそうです。よって、生命を育む材料はすべての惑星に存在するようです。

 第二のキーワードは水があるのか、という点です。さらに言うと、第三のキーワードである地球のような惑星はほかにあるのか、という話にも発展します。水が存在していて、それも氷や水蒸気の状態ではなく、ちゃんとした液体の状態で存在している惑星はあるのか。それには大気の存在が重要です。さらに、地表面の70%が水で覆われている地球のように、水が豊かな惑星はあるのか。生命は水中で誕生するので、これは大事なポイントです。

 そして、最後のキーワードは水があれば生命は簡単に発生するのか、ということです。生命の誕生は奇跡的なものだといえるでしょう。奇跡というのは、確率であらわせばどれほどのものなのでしょうか。天文学的アプローチでいけば、「地球外の惑星に他の知的生命体たぶんいるでしょう!」ということでした。それならば是非会いたいと思うわけですが、宇宙人にはなかなか会えないのが現実でした…。惑星と惑星の間は光の速さでもずいぶんとかかるようで、人類の短い寿命では当分無理のようです。また、このことから、宇宙人はおそらく存在するだろうけど、地球にきてはいないことも証明されたわけです。 私は医師を志しているので、この人生で宇宙に行けるような機会に恵まれるようなことはおそらくないでしょうが、今回の講話を聞いて、宇宙がとても神秘的で研究の余地が大いに残されていることを知り、また、天文学者の方々のとてもおおらかな性質を知って、天文学を研究してみたらとても楽しいだろうなと思いました。そして遠い未来で、他の知的生命体と人類がであうことがあれば、それは人類に新たな時代をもたらすでしょう。今回の渡部潤一先生の講演を聴いて、天文学のように様々な学問への興味を抱くことが大切であることに気付くことができました。

1組 B君

 僕は、今回の渡部潤一先生の講演会をお聴きして、自分たちがこの広い宇宙のほんの一部に過ぎないということを改めて感じました。この宇宙でさえ変化しているのです。宇宙にある星は常に古い星が死んで新しい星が生まれるという流れを繰り返しています。新しい星は青い色をしていますが、晩年の星は茶色やだいだい色をしています。星が大爆発を起こす時に鉄などが発生し、星が静かに死ぬときには、炭素、酸素、水素、窒素などが発生することを知りました。このことから、自分たちは星を構成する物質からできていて、自分たちがこの宇宙の一部であるということが分かります。人は亡くなったら星になるという喩えがありますが、真実はその逆で、私たちを創る元素は星から生まれたことを知りました。また、星と星との間で起きる時の流れは、人間が感じる時の流れよりも遥かに長いものであることも感じることができました。昨年の5月20日には、金環日食がありましたが、次にそれが起きるのは2312年4月8日であると知って人間の一生と星々の動きの時間の圧倒的な差を感じさせられました。織姫と彦星も1年に一度しか会えないと言われていましたが、それは星々の間での話であって人間の一生として換算し直すと、約6秒に1回も会っているということが分かりました。それほどの差が生まれるほど、宇宙に生じている変化は少しずつでありながら大きなものであることを考えさせられました。

また、この広い宇宙においても、自分たち人間が生活できる環境が整っている場所は今のところ地球くらいしか見当たりません。他の星はほとんど生物が住めるような温和な環境ではありません。例えば、金星は平均温度が470度、気圧が90気圧であり、生物どころか、衛星探査機が近付いただけで壊れてしまうような非常に厳しい環境です。その中で地球のような生物が快適に過ごせるような天体があること自体が、ほぼ奇跡といってもよいことなのではないかと思いました。星には色々な種類のものがあります。太陽系には水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星という8つの天体がありますが、中でも一番大きなものは木星です。しかし、木星は生物が生きるための環境は整っておらず、ただ、大きいというだけでは、住むに適した環境であるとは言えません。また、太陽は現在46億歳であり、あと50億年は生きると知りましたが、それまでに地球や人間がそのままの状態で生き続けていられるかどうかは、現在のところ分かりません。今の地球の恵まれた環境に慢心することなく、この地球という環境をより大切にし、存続させていくには、自分達に何ができて何をすべきかについて真剣に考えなければならないと思いました。天文学という時間も空間も壮大なお話を受けて、自分達の生き方を自分なりに考える機会を得ることが出来ました。 

 

 

2組 Cさん

  私は渡部潤一先生の講演をお聞きして、今までよりも、さらに宇宙に興味を持つことができました。特に私の印象に残ったのは、「宇宙には地球以外に生命がいるのかどうか」というお話しです。生命体が生きることのできる条件が備わっている惑星はたくさんあるけれども、生命体がいるかどうかはわからない、というお話しでした。そのため、かつて生命体がいてもおかしくない環境だった火星で、生命体がいたという証拠を現在探しているそうです。その調査は、火星に探索する機械を送って行っていて、その機械を火星まで飛ばす方法や、生命体の探し方がすごくて、とても興味を持てました。この機会に、自分でもその火星の探索機について調べたりして、さらに深く知りたいと思います。

 また、天文学者は「宇宙には生命体はどれぐらいいるのか」ということについて、一方では百万いると主張しているのに対し、生物学者は、生命体はいるはずがない、といっているそうです。学問分野によって、同じ問題でも答えが違うということに驚きました。やはり、高校で習っている学問とは異なり、答えがわからない学問をやっているのだと思いました。早く大学で勉強したいという気持ちが高まりました。そして、金環日食や流星群、彗星についてのお話もお聞きしました。今では、その日時や規模を予測できるようになったそうですが、その予測が外れることも多いと知って驚きました。その予測をしている人は天文学に精通している人であるのに、予想を外すということは、天文学にはまだまだ分かっていないことが多いのだと思いました。私は今まで、そんなに宇宙や星などの天文学に興味がありませんでした。しかし、今回の講演をお聞きして、もっと天文学を勉強していればよかった、と思いました。これからは夜に星を探したり、これから先の部分日食や彗星を見たりしたいと思います。特に、今回の講演で紹介されたアイソン彗星は、マイナス等級の明るさだということで、楽しみです。その予測が当たるのかどうかもよく見ておきたいと思います。

 また、実際に星や日食などを観察するだけでなく、渡部潤一先生が書かれた本や、宇宙についての本を読みたいです。今まであまり一生懸命天文を勉強してこなかったので、基礎的なところをまず身に付けて、最新の宇宙の研究についてもわかるようになりたいです。渡部潤一先生の講演をお聞きして、天文学の面白さがわかってよかったです。自分の中の幅がまた広がったような気がします。天文学のほかにも、今まであまり興味のなかった物がおもしろいと分かることがあればいいな、と思います。これからは、色々な事に触れる機会を増やしていきたいです。

2組 Dさん

 私は、小さいころからきれいな星空を眺めて星の観察をするのが好きでした。だから、塾で星座や太陽系を習うとすぐ、外へと飛び出していき、その星座や星座の一等星を見つける度に興奮していました。星に対して好奇心を抱き、暇さえあれば夜空と睨めっこしていたのを、今でも鮮明に覚えています。このような幼少時代を過ごしてきた私にとって今回の講演会のお話はとても興味のある内容であり、あの一時間があっという間に感じられました。2012521日、私は学校の校庭で行われた、皆既日食の観測会に出席しました。今まで資料集などの写真でしか見たことのない金環日食が自分の目で、しかも学校の校庭から見ることができるという貴重な体験ができた日でした。太陽観測用のグラスを買い、自分のこの目で見た金環日食は、今でも目に焼きついているほどの感動を覚えました。生きている間に、しかも自分の住んでいる所で金環日食を見ることができる人などなかなかいないと思います。この経験は私にとって一生忘れることのできない思い出深いものになりました。

2になった今でも、太陽系や星座に興味がある私は、冬になるといつも家から見ることができる火星を見ながら最寄駅まで歩いています。これは中2の時の担任の先生が教えて下さったもので、それ以降冬になると毎日眺めています。ですから火星を探査している「キュリオシティ」についてのお話には、興味津々でした。火星は地球のすぐ外側の軌道で、地球のように太陽の周りを公転している惑星ですが、約7800kmも遠くにあります。その距離まで探査機を飛ばして、探査しているキュリオシティの動画は、なかなか見ることができないので、とても集中して見ていました。私は今まで彗星というものを観察したことがありません。だから、今年の12月上旬にもしかすると、アイソン彗星を見ることができるかもしれないということを知り、12月が待ち遠しくなりました。もし見ることができるならば、それは生まれてから初めてのことです。きっと今まで以上に天文学に対する好奇心が増すに違いありません。私はもう少し、天文学についての講演を聞いてみたかったというのが正直な感想です。奥がとても深くて、難しい学問ではありますが、夢があり、とても魅力的な学問であると思います。このような学問を研究していらっしゃる渡部教授の講演を聞くことができるのは滅多にないことです。私にとって天文学の知識や興味が深まったのが感じられたこの講演会に参加できて、よかったです。

 

 

3組 Eさん

 今回の講演会においては、渡部潤一先生から「天文学」についてのお話をして頂きました。まず、いきなりではありますが、世の中には宇宙人やUFOを見てみたいと思っている人はたくさんいると思います。私もそのような人間の一人で、テレビでそういった特集を放送していると、ついつい見てしまいます。そして、星やオーロラを見ることもとても好きなので、今回のお話は私にとって非常に興味深いものでした。

 講演の中であった、「宇宙人は存在するのか。」という問いに対して、渡部先生自身の見解は「いるだろう。」というものでした。私も星の数は数え切れないほどあるのだから、地球以外の星に生物がいるはずだと思っています。生物学者の方々は否定的な考えのようですが、宇宙人がいると考えた方が、人生が楽しくなると思いました。宇宙は、私が想像できないくらい大きなものだと知りました。光の速さで五年かかるほどの距離が、どれくらいのものなのかは全然考えることができません。そして、銀河系についてのビデオを見たときには、自分自身が宇宙という大きさで考えたらどれだけちっぽけな存在なのかが分かりました。

 金環日食は実際に見たことがありますが、彗星や流星については写真でしか見たことがありません。普段私が住んでいるところは、夜になってもたくさんの光があり、きれいな星空を見ることはできません。ですから、時間があれば星がきれいにみえる場所に行ってみようと思いました。いつ来るか予測することが難しい彗星をしっかりと見たいと思っています。渡部先生は最後に、「星をよく見よう。」とおっしゃっていました。また先生が天文学者になった理由は、予測できないことが多く、そこがとても魅力的だったからだとおっしゃっていました。私にはとても難しい観点でしたが、星を見たりすることはとても好きなので、時間があればプラネタリウムに足を運んでみたり、星空を眺めてみたりしたいと思いました。そして、宇宙についてもっと詳しく調べ、理解を深めたいと心から感じることができました。今回はこのような素晴らしい講演をしてくださり、とても充実した時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

3組 F君

 今回の講演のテーマは、「宇宙生命体は存在するか」というものでした。「天文学」という面から、今までに分かっていることを説明して頂きました。この講演をお聞きして、今まで僕が知っていた様々な情報が、一つにまとまったように感じました。

 今回の講演で感じたことは、宇宙には「水」自体はどこにでも存在するということです。地球は、その地表の大部分が海に覆われた星です。その地球において、先人達は地球外生命体の存在を探してきました。今もまだわかりきってはおりませんが、火星の地表にはかつて水が存在していたことまでは分かっています。僕は火星の探査機について、いくらかは知っていましたが、講話を聞いて、それぞれの探査機計画が一つに繋がったように感じました。大変地球から離れたところではありますが、地球と同じような星で、液体の水が存在しうる「ハビタブルゾーン」と呼ばれる場所にある星も存在します。その星の中に、生物のいる星はどのくらいあるのかとても興味を持ちました。渡部先生よれば、天文学には学者でもわからないことがあるそうで、学者が「明るい」と予想したけれども、実際には暗かったり、その逆であったりした彗星の実例を挙げていました。今回のテーマである「宇宙生命体は存在するのか」という問いも、まだ結論は出ていません。分からないからこその研究なのではないかと感じました。今までの理論の不完全な点、説明できない点を追求することが研究なのだと感じました。

 元素は星の死や爆発によって創られます。鉄までの元素は核融合で創られますが、それより重い元素は超新星爆発で創られます。ウランの核分裂反応によるエネルギーは、星の死のエネルギーの名残という発想の転換は新しい見方でした。空を見上げるとそこにあるのだけれども、非常に遠いものと感じていたはずの「宇宙」が、とても身近に感じることができました。今回、渡部先生の講演をお聞きして、僕は空を見上げて眺めることの楽しさを再度認識することができました。肉眼では見えないけれども、カメラや望遠鏡を使えば見えてくる世界がそこにはあります。まだまだ発見されていないことが身近にはたくさんあります。なかなかそれを味わう時間が取れませんが、夜の気分転換に星を見ながら散歩をする時間を作りたいと思いました。

 

 

4組 Gさん

 幼い頃から空を見上げることが大好きだった私にとって今回の講話は大変面白く、興味深いものとなりました。小学生時代に学校の図書館で星の一生や星座の成り立ちについて調べ尽くしたことを思い出しました。理科の授業の一環として夜の空き地で天体観測会をしたことは今でもはっきりと記憶に焼き付いています。私にとって空、特に夜空を見るのは一日の終わりの密かな楽しみになっています。見ると言ってもわずか数分、帰宅の際などに少し顔を上げるだけですが、今日の月の形や雲の量、何より季節毎に変わる星を眺めることは明日への活力になります。はるか遠くにある星で自分にそっくりの宇宙人が同じ空を見ているかもしれない、そんな考えがよく思い浮かぶのです。だからこそ、ハビタブルゾーンに関するお話は余計に私をかき立てるものがありました。

私は今、生物の授業を選択していますが、そこで生命の成り立ちについて知れば知るほど、地球外生命体の存在を考えずにはいられません。いくら奇跡だったとしても私たちがここにいる事実がある限り、それらがいる可能性を0だと言い切るにはまだ早いと思うからです。火星に関する話題がありましたが、あの星がかつて地球のように水があったかもしれないということを知って益々私は確信しました。空を見るその癖を私は一時期変わっているとからかわれたことがありました。しかし、やはりそこに映る時間の移り変わりに私はどうしようもなく心ひかれます。講話を聞き終えた後、私は決めました。今度の休日には机の引き出しの奥にしまってある星座早見盤を出して夜空を見ること、そして、今年こそこの目で流星群、あわよくば彗星を見ることです。自分の持つ探求心を大切にしていこうと思えるよい機会でした。 

4組 H君

  今まで僕は天文学に対して余り興味を持ったことがありませんでした。なぜなら星がどの位置にあるかなんてことを知っても何の意味もないと考えていたからです。人間やものをつくっている元素のことは興味がありましたがそれは化学の世界だと思っていたし、元素がどこから来たのかなどあまり考えたことがありませんでした。しかし、今回の渡部潤一先生の講話をお聴きしてから宇宙にはとても面白そうなものが多数あるのだと気付かされました。確かに言われてみれば元素はどこからやってきたのか不思議ですし、最初の生命はどのようにしてできたのか不思議に思えます。もし、元素が一定数存在しただけで生命ができたのであれば、どこかに宇宙人が存在してもおかしくありません。また、地球上に新たな生命がいきなり誕生してもおかしくはないはずです。しかし現実にはそのようなことを聞いたことがありません。つまり、生命をつくるためには何か他に条件があるはずです。また、地球にはない何かが他の星に存在するかもしれません。

他にも今の地球ではエネルギーが足りなくなってきていますが、その問題を宇宙で解決出来るかもしれません。宇宙にはまだ良く分からないことが多数存在します。その分からないこと一つ一つにいろいろな選択肢が詰まっているはずです。さらには宇宙に行くための手段であるロケットなどを開発することにより更なる技術の進歩があるはずです、殆どが解明出来ていないような未知なる場所なら、本気で努力すれば一つくらい自分でも何か発見することができるかもしれません。今回の講話をお聴きして,天文学に少し興味を持つことができました。また、今まで考えたことのない角度から物事を捉える面白さを知りました。今回感じたことを単なる興味だけで終わらせるのではなく、行動してみて確かめてみようと思いました。

 

 

5組 I君

私は、小学生の頃から天体について興味があり、よく星を観察していました。したがって、今回の渡部先生の講演会は、とても楽しみでしたし、実際に講演会をお聞きして、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。今回の講演会で、生命の材料は、星によってつくられていること、そして、超新星の爆発によって金や銀が合成されるということをお聞きし、とても神秘的だと感じました。また、水がどの星にも存在していることや、水があるからといって生命が発生するかは分らないということから、天体の奥深さを改めて感じることが出来ました。

奥深さや、神秘的なものを、他の勉強や研究にも感じることができれば、今よりも一層積極的に取り組むことができるのではないかと思いました。例えば、物理には慣性の法則があります。電車に乗っているときに急ブレーキをかけられると、体が前のめりになります。これは、体がそれまでに獲得した速さを維持しようして起こる現象です。小さい頃は、とても不思議だと思っていました。この現象が、慣性の法則によるものだと分ったとき、物理はとても面白い学問だと感じました。小学生の頃のように、身近に起こる現象や、何気ないことに疑問を持つことはとても大切であると思います。今回の講演会をお聞きして、天文学の研究者はどのような仕事をしているのか、興味を持ちました。調べてみると、理論を組み立て、裏付けになるデータをとり、論文を書くことが主な仕事になっているようです。このような仕事に就くには好きな学問について人の何倍も深く考え、幅広く視野を広げ、興味を持つ必要があります。私は、将来医学の道に進みたいと考えています。したがって、医学関連の本やニュースは特に詳しく読んだり、見ることを心掛けています。常日頃から自分の将来のために、専門的な知識を蓄えていくことが大切であると感じているからです。その際に重要なのは、どのようにして楽しみながら学習していくか、つまり学び方だと思います。今回、先生はおそらく楽しみながら講演をされていました。学問を楽しむことが出来るようになれば、勉強や研究も楽しめるのだと感じることができました。

今回の講演をお聞きして、常日頃から、身近な現象に好奇心を持ち、学問を楽しむことの大切さを理解することが出来ました。貴重なお話をして頂き、ありがとうございました。

5組 J君

 僕は、この講話を聞くまであまり宇宙に関して興味がなく、僕には関係ない話だと思っていました。ですが今回講話を聞いて、いろいろと驚くことがあり、考え方が変わりました。まず、一つ目にほとんどの天文学者が宇宙生命体はいる、と信じているということです。

僕は宇宙生命体なんていないと思っていました。なぜなら、今まで地球に地球の外で生まれた生き物が来た、という話を聞いたことがなかったからです。しかし、今回の講話をお聞きして、地球以外の惑星にも宇宙生命体はいるけれど、まだ、見つけていないだけではないのではないか、と思うようになりました。宇宙には、何万、何億という膨大な数の惑星があります。それなのに、この地球にだけ生命体がいるのはおかしいと思いました。また、膨大な数の惑星の中から、生命体のいる惑星を探すのは非常に大変なことだと思います。ですから、どこかにいるのは確かで、もしかしたら僕みたいに同じように学校に行っている生き物もいるかもしれません。

 しかしながら、僕はいろいろな奇跡によって生まれてきたというのも紛れのない事実です。ですから、このような奇跡がほかの惑星でも起こる、という可能性も低いと思います。また、同じ条件下であっても同じような結果になるのかわかりません。このようなことを考えると、生命がいると考えるのは難しいのかもしれません。まだまだ宇宙にはわからないことが多くあります。ですから、もしかしたら僕たちの予想を超えるような素晴らしいことが発見されるかもしれません。あらゆる学問で言えることですが、まだまだ人類にはわからないことが多くあると思います。その中でも宇宙というのは人類が知らないことが多く、それを探求していく天文学は素晴らしいと思いました。

 また、天文学者は楽観的、ということも驚きました。あるかどうかもわからないことに思いを馳せて、新たな発見を探求していく、そのような性格を持った天文学者に僕は驚きました。僕は学校での機会が無かったせいもあってか、もともと、天文学に関しての興味はあまりありませんでした。ですが、今回いつもなら聞けないような講話を聞き、宇宙というのは決して遠い存在ではないと思えるようになりました。いつか宇宙に行けるとよく言われますが、僕はどうせ何十年も後の話だと思っていました。しかし、もしかしたら、僕がまだ若いうちに宇宙に行けるようになるかもしれません。そう考えると意外と身近にあるものなのでは、と思うようになりました。最近では、あまり空を見なくなりましたが、これからは空も見上げて行きたいです 

 

 

6組 K君

 僕は渡部潤一先生の講演をお聴きして、自分がこれまで全く知らなかった知識を得ることができました。それによって宇宙についての関心も高まりました。講演会の最初の方で伝えてくださったテーマの一つに、宇宙に生命は存在するのかというものがありました。僕は小さい頃から宇宙人の存在については、とても関心がありました。先生のお話によるとその可能性はあるものの、これはまだまだ研究途中の問題であり、世界中で関心が高まっているということでした。

 宇宙とはとても壮大で、常に膨張をし続けているものです。宇宙のスケールは無限大であり、僕たちがどれほど想像力をたくましくしてみても、なかなか身近に感じることができないものだと思います。地球という惑星は、奇跡に奇跡が重なって人間が住むことができる惑星になったということだそうです。今いろんなことが享受できているため、もしこの世界がなければということを想像するのはとても難しいことです。また、僕たちの体の成分は、元々は宇宙の星々の元素が元になっているというお話は、非常に興味深いものでした。

 宇宙に生命が存在できる条件である、「水の存在」や、「生命を育む材料」は宇宙には多く見られるものであるそうです。ではなぜ、未だに私たち人類は、地球外に生命を発見できていないのでしょうか。僕はその理由を、テレビやラジオ、新聞から興味深い情報を得たことがあります。それは、地球は生命が誕生し存在するために太陽から最適な距離のところにある一方で、その他の惑星は、恒星に近すぎたり遠すぎたりすることで、惑星の地表面に液体としての水が存在しないことが、生命を発見できていない最も大きな要因だということです。先生がこの太陽系で水が存在しているのは木星の衛星である「エウロパ」で、地下に海があると教えてくださいました。同じ太陽系の中の他惑星のことですが、地球からそう簡単にたどり着けるものではなく、いかに宇宙が広く、神秘的なものに包まれているかを身近に感じられるお話でした。地球以外に生命がいる可能性があるということを考えると、天文学というのは非常にわくわくする学問であると思いましたし、天文学者である先生も同じようにわくわくして仕事をされているのだろうと思いました。また、先生は、「水が存在したら生命は育つのか」ということに関してもお話ししてくださいました。この問いに対しては、まだ人類は正確には答えが見いだせないようでしたが、過去に海があったと考えられている火星からのアプローチがとても有効な手段であり、今後の調査結果に関心が集まっているそうです。

 今回の講演会では、自分の知らないことがまだまだたくさんあるのだということを思い知らされました。人類は宇宙のほとんどのことをまだ知ることができていなくて、天文学に課せられる課題は無限にあります。本当に奥が深い学問ですし、今後はどんどん発展していく学問であり、夢や希望がふくらみます。未知のことに対して知的好奇心や探求心を失わずに頑張っていきたいと思います。

6組 L君

 今回私たちは、日本の天文学の第一人者である、渡部潤一先生の講演をお聴きする機会を得ました。この時期は、特に山間部では、夜になれば素晴らしい星空を眺めることができることもあり、非常に興味深くお話をお聴きすることができました。私も将来の夢が天文学者であったこともあり、いつもにも増して興味深く聞き入りました。

 今回先生が話された内容は、日食と、宇宙と生命に関する最近の研究成果でした。最初に話されたのは、去年日本中で話題になり、多くの江戸取生がその瞬間を目撃したであろう金環日食でした。金環日食は毎日見られる現象ではなく、日本国内でも1987年に沖縄で観測されて以来、実に25年ぶりの観測になりました。これが話題になり始めた時には、私たちにとっては見知らぬ現象が突如起こると言い出されたという、少し困惑の色を浮かべるほどのことに感じられました。しかし、いろいろ調べてみると、なかなか見られない現象であることに気付きました。結局、観測当日に開催された日食観測会には、多くの中・高等部生が参加しました。そんな貴重な天体ショーが、次にどこで見られるのだろうかというのは、自分にとっては大きな疑問の一つでした。そして今回の講演会で、日本国内では2030年6月に北海道で、本州では、2041年まで待たねばならないことであるということをお聞きして、昨年はいかに私たちが貴重な体験をしたのかということが分かりました。また、地球のどこの地域で見られるのかが正確に秒単位まで求めることができるという科学技術にすごさも実感しました。コンピュータを駆使しているとはいえ、それをプログラムするのは人間であり、出て来た答えに、何百万回もの検証を加えて実証しなければ事実となり得ないと思います。そこに人間の叡智という尊いものが深く関わってくるのではないかと思います。

 次に渡部先生は、宇宙と生命の関わりについて説明されました。私たち人類は、元をたどれば海中の微生物にまでさかのぼることができ、さらには星の誕生にまで繋がっていきます。その星を作り上げたのが宇宙であるのであるならば、生命の材料が宇宙にあるのは大体想像のつくことです。しかし私たちがここにいるのは、地球が通称ハビタブルゾーンというごくごく狭い範囲内に存在しているからだというのは初耳でした。また、そのような星が現在分かっているだけで数千個あるというのにもびっくりしました。

 最後に先生が天文学を学ぶきっかけについて語ってくださいました。子どもの頃に自問自答できない問題があることを知り、それがきっかけになっているとお聴きして、私たちも未知のものを知りたいという知的好奇心を失ってはならないと感じました。自分が追い求めれば夢は叶うということを、教えていただきました。12月に大彗星がやってくるとのことなので、興味を持ち、下調べをしっかりして、空を見上げ、感動を得たいと思います。

 

 

7組 M君

 天文学者になるというのは、私が小学生のころに抱いていた夢です。宇宙に関する図鑑や写真集が好きだった私は、小学五年生の誕生日に天体望遠鏡を買って貰い、とても喜んだことを今でも覚えています。当時の私にとって宇宙とは、「不思議」の象徴であり、夢の世界でした。ある日、私が宇宙に魅了されていると知った友人に「夢は宇宙飛行士なの?」と聞かれました。確かに宇宙飛行士は魅力的な仕事ですが、夢ではありませんでした。宇宙が好きなのに、宇宙飛行士になりたいとは思わなかったのには理由があります。私が思い浮かべていた不思議な宇宙はいつも、「地球から見た宇宙」だったのです。北極圏から見たオーロラ爆発や空気の澄んだ高い場所から見上げる天の川といったものに、私は魅了されていました。もちろん遠い宇宙の彼方の星を想像することもありました。しかし、それはいつも地球から眺めている自分を想像していたのです。どうして自分が、「地球から見た宇宙」に魅了されていたのかは分かりません。もしかしたら、小さな地球から見た宇宙の広さに興奮していたのかもしれません。そういったわけで、私の当時の夢は「天文学者になる」ことでした。

 今回の渡部先生の講演会は4月から心待ちにしていました。実際の天文学者の話をお聞きすることが出来る機会というのは滅多にないからです。先生の講演をお聞きして、「天文学の世界」を垣間見ることが出来たと思います。宇宙を研究するには、宇宙の性質上、様々な学問が必要となります。したがって天文学の世界には様々な学問が入り混じるということになります。その世界の、学問的な楽しさを見ることが出来たと思います。また、先生の講演の中には、「宇宙での生物の存在」について触れられた箇所がありました。私は「地球以外にも生物はいる」と信じています。その理由は「宇宙は広いのだから」という、ただそれだけでした。しかし先生は「水の存在があれば生物が存在する確率はとても高い」とおっしゃられていました。自分の信じていたことが証明されたような気がして、とても嬉しかったです。

 今回の講演は、私の薄れかけていた宇宙への好奇心を再燃させるものとなりました。九割以上が不明な宇宙という世界、そしてその美しさは大変魅力的です。今年の夏は流星群の観察に出かけようと思います。

7組 N君

 私は今回天文学に関するお話をお聞きして、宇宙の神秘にとても感動しました。私たちの住んでいる地球はとても小さいもので、宇宙の広大さを知るにつれて自分の世界の狭さをより実感したように思います。また、今回写真で見せていただいた彗星や星の死ぬ姿はとても美しく、実際に自分の目で見てみたいと感じました。人間は古くから星を大切に考えてきました。例えば、方位を知るための目印や、また、月に関して言えば、和歌には必須のものですし、満月を見ると狼男になるというようなものもあります。星というのはとても遠い場所にありながら、私たちの身近なものでもあるとても不思議なものだと思うのです。私も星を見るのが好きで、毎日夜空を見上げています。星が見えない日もありますが、よく見える日には知っている星座を探しています。小学校3年生ころに行ったキャンプで見た、綺麗な夏の大三角形は今でも覚えています。私たちの身体は、そのような星々から出来ているというのはとてもロマンがあると感じました。また、宇宙人はいるかどうかについて私はいてほしいと心から思います。理由は興味深いという一言に尽きてしまいますが・・・。地球以外にもそのような星があって、もしかしたら今の私たちのように学校に通ったり勉強したりしているかもしれないと思うと、とてもワクワクした気分になります。その発見によって、人類の世界も大きく広がることでしょう。

次に、私が感じたことは、宇宙研究には多くの科学技術が使われているのだということです。火星に到着するだけでも あれほどの技術が必要なのかと驚きました。さまざまな研究がお互いを助けながら成り立っているのだと理解しました。私は文系ですが、今回の講話をお聞きして天文学の面白さに胸を打たれました。地球は特別な存在ではなく、生命が誕生する星は他にもあるのだということに納得し、そうであることを考えたり調べたりすることも面白いだろうと思ったのです。文系・理系関係なく、宇宙の研究をし、分からないことだらけの中で発見を積み重ねていくというのは人類の夢なのだと私は思います。今後それがより発展していくことを楽しみにしています。最後に、今回お話してくださった渡部先生、またこのような機会を設けてくださった先生方に感謝します。ありがとうございました。 

 

 

8組 Oさん

 今回の渡部先生の講演会は、とても興味深い内容でした。天文学と聞くと、少し難しいように感じますが、星と聞くとロマンチックに感じます。まだ私が小さいときに、家族でプラネタリウムを見に行ったことがあります。館内が暗くなり、様々な星が見え始めてから、とてもワクワクしながらアナウンスを聞いたのを覚えています。私はつくば市に住んでいるので、近くにエキスポセンターという宇宙工学の施設があります。小学生のころから何度も行っています。天文学について何も知らなかった私も、初めてそこへ行ってからは天文学に興味を持つようになりました。宇宙というのは、わからないことがたくさんあります。実際に自分の目で確かめたいことがたくさんありますが、そう簡単には宇宙に行くことはできません。宇宙飛行士になるには、ものすごく大きな壁を乗り越えなければなりません。倍率もとても高いです。なることはとても難しいし、なってからも大変だとは思いますが、とてもやりがいのある職業です。日本にはほんの数人しかおらず、誰もが憧れます。月面に立つことができるというのは、人類の進歩であり、とても偉大なことです。宇宙飛行士の人たちが、月に立ったとき何を思ったのか、どう感じたのか。もし私が宇宙飛行士になって地球ではない別の星に行くことができたら何をしたいのか。想像をすればするほど夢が膨らみます。今はごくわずかな人しか宇宙に行くという大きな夢を叶えることができませんが、もしかしたら何十年か後にはもっとたくさんの人が宇宙に行くことができるかもしれません。

 先日、七夕がありました。一年に一度しか会えない織り姫と彦星の話は、私も小さい頃から知っていました。小学生の頃は、笹の葉に願い事を書いた短冊をかけて、夢が叶うようにお願いをしていました。年に一度しか会えないなんて、かわいそうだと思っていましたが、人間の時間に換算すると六秒に一回の頻度で会っていると聞いて、驚きました。ほぼ一緒にいるのと変わらないと思うと少し夢がなくなる気がしますが、一億年以上生きるという長さには圧倒されます。今年の七夕は天の川があまり見えずに残念でした。しかし、それも私たちには見えなかったというだけの話です。

 渡部先生は、天体現象は簡単に予測がつかないから面白いとおっしゃっていました。たしかにその通りであり、その方が夢や想像が膨らみます。星には夢や希望がたくさんつまっていて、とても素敵なものです。渡部先生の講話を聞いて天文学に、より興味が湧きました。本当にありがとうございました。 

8組 P君

  自分は、今回の渡部潤一先生の講話を聞くまで、地学や天文学という分野にはほとんど興味がありませんでした。自分は、小学生の頃、中学受験でも天文学分野は苦手でした。おそらく、そのときから自分の中に強く根付いてしまった苦手意識から、興味も薄れてしまったのかもしれません。そんな自分の中にも唯一残った興味があります。「本当に人類は火星で暮らしたりできるのか」ということです。誰もが興味を持つような「宇宙に他の生命体がいるのか」といったようなことに関しては「いるはずがない」と根拠もなく決めつけていました。ところが、今回の講話の一番のテーマである「地球の外に他の生命体はいるのか」という疑問に対して99.9%の天文学者は「絶対にいると信じている」とおっしゃっていました。「水がある星があるか」という点についても「ある」という研究成果があり、地球のような星は宇宙の中にいくらでもあるというお話をお聞きしたときは、とても衝撃を受けました。自分は「地球に似ている星は、あっても火星くらいで、もし地球が滅んだとしたら火星に移り住むしかない」という考えに縛られていました。自分はこのことを学んだとき、何事も勉強して新しい知識をどんどん取り入れていかなければならないと思いました。ほんの多少の情報であっても、大きく世界観や価値観がわかってくるということを実感したからです。

 自分が今回、何よりも驚いたことは、天体現象の正確な時期を特定することの難しさです。想像を絶するほど明るく輝く彗星が来ると予想していたところ、全く見えなかったり、逆に全く光が見えないと予想していた彗星が世紀の大彗星となったり、人の予想を超えてきたと言うことが何度もある、と渡部先生はおっしゃっていました。また、それが楽しみであるともおっしゃっていました。自分もやはり同じ思いです。何でも予想通りに運んでしまっては面白くないと思います。今回の講話を聞いて、自分が将来やりたい職業につけたならば、自分なりの楽しみを見つけて、その道に進めるように己を磨いていきたいと思います。

 

 

9組 Q君

 私は今回の渡部先生のお話を通して宇宙の面白さというものに改めて気付くことができました。そして、そのことは私にとって非常に貴重な経験であったと感じています。なぜならば、私は文系ですので、これからの高校生活において宇宙について学ぶ機会はおそらくないと思いますし、もちろん大学で研究するということもないでしょう。そうして考えると、今回の講演を通して感じた宇宙の広さや可能性といったものや、面白さを知らずに一生を終える可能性すら低くはなかったはずです。その意味でも、今回の渡部先生のお話は私の心に深く残るものとなりました。

 私は今回の渡部先生のお話の中で、宇宙は予測がつかなかったり、予測しても外れることばかりだったりで、実はまだこの宇宙の96%のことはよく分かっていないという話を聞いて、非常に驚きました。なぜなら私は今まで、宇宙の全ては分かっていないにしてもある程度は研究と理解が進んでいると思っていたからです。私たちは、現時点で分かっている4%の方についても知らないことがたくさんあります。例えば私たち人間を含む生物も偶然の産物ではあるにしろ、この地球上でこれだけ栄えていますが、そうした偶然というか奇跡が発生する条件は具体的にはどういったものだったのかなどの詳しい内容は分かりません。ましてや私たちがまだ知らないことだらけである全宇宙の残りの96%の中に宇宙人が存在するということがあっても決して不思議なことではありませんし、実際に存在するのではないかとも感じました。現在火星では探査が行われていますが、そこでは何か人類の知らない生物の痕跡が見つかるかもしれません。こういった宇宙に住む未知の生物を含め、この広大な宇宙にはたくさんの夢があると思います。

そのように思ってみると、渡部先生のお話にもあったように、確かに単に夜に空を見上げるだけでも何だか楽しくなってきます。田舎などの周りに明かりがほとんどないような所で空を眺めてみると、当然たくさんの星が見えるわけですが、その時自分が見ている星の中に一つぐらいは宇宙人がいるかもしれませんし、その生命体の形は、私たちが知っているどの生き物とも異なっているかもしれません。また例えばそれらの知能は、文明は、繁栄度は…などと想像するだけで、非常に大きな気持ちになることができます。私は本当の宇宙の面白さというのは、ほとんどの事が分かっていないがために一見ありえないような仮説でも、可能性が少ないにしてもそれが全くのゼロではないというところにあると感じています。人間が最も想像力を掻き立てられる学問、それが天文学なのではないかと今回の講演を通して感じました。そして私自身、物事に対して「もしかたしら」という気持ちを忘れることなく、様々な可能性を探っていけるようになりたいと思います。

9組 R君

 僕は、今回の天文学の話を聞いて、新しい世界が広がったように感じました。最初は天文学といってもなんとなく星のこと、といった漠然としたイメージしか描くことができず、何の基礎知識も興味もありませんでした。天文については、小学生の頃に星座早見表を見ながら夜空を見上げたり、プラネタリウムに行ったりしたことくらいしか触れたことがありませんでした。しかし今回、先生の話を少しお聞きしただけですが、宇宙、そして天文学という世界の広さと、スケールの大きさを垣間見ることができたように感じています。

 例えば、織姫と彦星の話に非常に興味をいだきました。今まで僕はずっと織姫と彦星は1年に1回しか会えないことをとても可哀想で切ない話だと思っていましたが、天文学の世界からその事実を見ると、実際は異なった解釈ができるということがわかります。星の寿命は50億年で、それを人間の年齢、80歳で計算すると、なんと6秒に1回会っているという計算が成り立つということでした。この話に、僕は衝撃を受けました。1年に1度しか会えない、悲劇の夫婦のはずの二人が、実はむしろ会いすぎているという話になってしまうのです。七夕に対するイメージが一気に変わりましたし、今後七夕の神話について誰かと話すたびにこのことを思い出すに違いありません。視点や尺度を変えて見ることにより、物事や状況は大きく変化し得るのだという事をこのことから学びました。また、もう1つ興味を持ったのは宇宙人についてのお話です。僕は今まで、宇宙人は絶対にいないと思っていました。しかし今回の講演を経て絶対という言葉は使うべきではないと考えるようになりました。なぜなら、宇宙について知られていないことはまだまだたくさんあり、宇宙は謎に包まれているため、僕たちの想像を絶することが行われていても何の不思議もないことに気がついたからです。同じ地球の深海魚についても、その形の異様さから同じ脊椎動物とは思えないこともありますし、生態がまだはっきりとわかっていない生き物もいます。同じ地球上ですらそうなのですから、僕たちにとって更なる未知の世界である宇宙について、「絶対」という言葉を使って否定してしまうことはよくないことなのだと思うようになりました。宇宙人についても頭からいないと否定するのではなく、自分の視野を広げて、新しく広がっている世界や可能性を潰さないものの見方をしていきたいと思います。

 今回のお話を聴いて、僕は自分の視野を広げなければならないということを痛感しました。視野の狭さや常識に囚われて、新しい事象や知識を受け入れられない人間にならないよう、いろいろな人の考えを取り入れて、自己の成長を図っていきたいと思います。

 

 

10組 Sさん

  私は渡部先生のお話をお聴きして、天文学に大変興味を持ちました。私は今まで天文学とはどのような事をしているのか分かりませんでしたし、文系にとっては将来役に立つことは無いだろうと考えていました。しかし、天文学とはまだ未解明な事ばかりで、研究者としてどんなに優れた人であっても、分からないことだらけだということに驚き、また今の宇宙が生まれる前には何が起きたのか、地球は何年後に滅びてしまうのかということなども調べるものだと分かり、大変興味が沸きました。

 私の父は星を見ることが趣味です。そのため、私は幼い頃から星の名前を詳しく教えてもらっていました。私が住んでいる街は、夜でも人で賑わっていて部屋や街灯の灯りでとても明るいです。夜出歩くには安全ですが星を見るには適していません。そのため、父は私のために星を見に旅行へ連れて行ってくれたことがありました。辺りは真っ暗のはずでしたが、星や月の明るさがその暗さを消していて、とても明るく感じました。そこで数え切れないほどの星に目を奪われた事は今でも忘れられない思い出です。そのように人々を感動させる星たちは、いつかは私たちの目の前から姿を消すことがあると知りました。何億年後かに私の知っている星が爆発しているかもしれないと思うと、胸がわくわくしました。私はもちろんその星の終わりを見ることはないですが、未来に確実に起こる現象だと考えると私たちの子孫がその場で消える星を見て、どんな様子でいるのかを考えるととても楽しくなります。

 このように想像すること、未来について考えること、それが天文学なのだと私は思いました。たくさんの人間にはたくさんの考え方があり未来があります。ですから天文学についての解釈も人それぞれの解釈があると思います。その考え方の多様性は人間が存在する以上終わりを告げることはありません。これは今の私たちにとってとても必要なことだと思います。考えることに終わりはありません。終わりがないからこそ自由に想像し、仮定し考えられるのだと思います。江戸川学園取手高校で私は残り1年半どのように過ごすでしょうか。大学に入学するため勉学に励み、そして部活を通じて何事にも諦めない力をつけること。それが今すべき事だと思います。私たちはこれから考え続けなければなりません。今回の講話では天文学の楽しさ、考えることの大切さを学びました。

10組 T君

  私の中での天文学のイメージは星空を眺めているロマンチックな学問というもので、どのようなお話が聞けるか楽しみにしていました。今回の講演会のテーマは「宇宙生命は存在するのか。」天文学からのアプローチでした。渡部先生はこのテーマに対して五つのこと話してくださいました。

 一つ目は、生命をはぐくむ材料はなにか。それは、星が核融合を起こして作っているそうです。だから、私たちの体は星のかけらからできているといえると知りました。私はそれを聞いたとき、自分の体を見て私は星からできていると思うと意外であり、すごいなと思いました。二つ目は、水はどこにでもあるのか。宇宙のどこにでもあるそうです。これも星の核融合があるおかげで、宇宙のどこでもできると知りました。三つ目は地球のような水の惑星はほかにもあるのか。それは、太陽系の中にはないが、これから見つかる可能性があるそうです。どこにあるのかというとほかの恒星の周りなどにあるそうです。これは太陽系外にあり、見つけるのは大変難しいそうです。どのくらい難しいかというと、百キロメートル離れたさきに、百ワットの電球をおき、その周りを飛んでいる蚊を見つけるのと同じくらい難しいと聞き、私は見つけることはほぼ不可能に近いものだろうと思いました。しかし渡部先生が今では千個ぐらい見つけたと言われた時には、天文学の進歩はすごく早いなと思いました。私はもしかしたら自分が生きているうちに地球外生命体を見つけることができるのではないだろうかと思い、わくわくしました。四つ目は、水があれば生命は簡単に発生するのか。これに関しては、まだよくわかっていないそうです。五つ目は、どの生命も進化し、文明をもつのか。これに関してもよくわからないそうです。しかし、天文学の学者たちは楽観的で宇宙にはほかにも生命があるというのが、大半の見解だそうです。それに対して、生物学の学者は悲観的で、宇宙にはほかの生命がないというのが大半の見解だそうです。

 今回の講演を聞き、一番驚いたのは織姫様と彦星様が一年に一回しか会えないのはかわいそうだと思っていたら、人間に換算すると六秒に一回あっていると知り、うらやましいなと思いました。最後に渡部先生は、天文学にもまだわからないことはたくさんある、だから私は天文学を専攻したと聞き、知的好奇心が豊かなのだろうと思いました。これから暇なときは、空を眺めようかなと思います。