観   劇  会
「 ベ ニ ス の
商 人 」
中 3 生 感 想

迫力の演技

 3年1組 女子  

 私は今回、「ベニスの商人」を見て、今までの演劇会の中で一番面白いなと思いました。
 ベニスの商人の作者はシェークスピアです。最初のイメージとして、難しそうだなというのがありました。しかし、実際に見てみると、自分が思っていたものよりも難しくなくて、そして面白かったです。
 私が一番すごいなと思ったのは、シャイロックです。シャイロックは、悪どい高利貸しとして有名な人です。
 とても大きな声で聞き取りやすく、シャイロックの感情が見ている側にも伝わってきて、とてもすごいなと思いました。特に、裁判のシーンでのシャイロックは、前のシーンよりも迫力があって、裁判官に対して必死にアピールしている姿は、見ている側に対してアピールしているように見えて、迫真の演技でした。
 今まで、昔の脚本家の人の本は読んだことがありませんでした。これを機会にシェークスピアの書いた本を読んでみようかなと思いました。
 今回、ベニスの商人を見ることができて、とても良かったです。また見たいと思いました。

 

気持ちの良い笑い

 3年 2組  男子 

  今回私は「ベニスの商人」という劇を観て、おもしろくて笑ってしまいました。「ベニスの商人」はW・シェークスピア原作の劇です。シェークスピアは、どのような人でも生き生きと表現できる爆発的想像力をもっているそうです。それから「万の心を持つ」とよばれます。この人が作った劇の中でも傑作と呼ばれる作品の一つ、それが「ベニスの商人」です。話の内容はシリアスなものでしたが、そこにおもしろい要素を取り入れることで悲劇とも喜劇ともとれる内容になっています。それを私は喜劇ととりました。この話に出てくるアントーニオ、ポーシャなどの人々の会話が滑稽だったりして、とてもおもしろかったです。また、劇の中で大金を借りる時の担保が胸の肉1ポンドであることに、最初は冗談と思っていました。しかし、本気で胸の肉を取り立てようとすることに驚きました。他にも色々とよかった所はありましたが、特に印象に残ったのがこの二つです。
 今回私は「ベニスの商人」を観て、まるで「ベニスの商人」の世界にいるような気分になりました。これはシェークスピアが脚本を書き、そして今回公演をして頂いた芸優座の方々だからこそできたことだと思います。笑うことはいいことです。笑えば気分がよくなって、よくない気分を吹き飛ばせるからです。またおもしろく楽しい劇を観たいです。

 

困っている人を助けられるような人

 3年3組 男子  

  この前、オーディトリアムでベニスの商人の観劇会に参加しました。このお話はイギリスの有名な偉人シェークスピアが作った物語の一つで、タイトル通り、今から何百年も前のイタリアの一つの都市である、水の都ベネチアが舞台となっています。このお話はベニスでは有名な商人であるアントーニオが、友人であるバッサーニオが異国のお嬢様と結婚するために必要な大金をユダヤ人の金貸しであるシャイロックから、もし期日までに借金を返せなかったらアントーニオの体の肉1ポンドをもらうという恐ろしい約束で借金をします。この後お金を手に入れて異国へ行ったバッサーニオは結婚をすることができたのですが、アントーニオは期日までにシャイロックに借金を返すことができずに裁判にかけられてしまいます。このあと、バッサーニオは友人と共にアントーニオを助けようと弁護士をよんだりして法廷に参加をしますが、弁護士はアントーニオとシャイロックがした約束は正当であると言って、シャイロックはアントーニオの胸の肉1ポンドを取ることを許可してしまいます。そのあと胸の肉1ポンドだけしかとってはならず、血は一滴も流してはいけないという条件を付けて、見事にアントーニオを窮地から救うことができました。
 この時、僕は友人が結婚できるようにするために大金を借りたアントーニオも、友人が裁判にかけられたと分かった途端、すぐに友人を助けようとはるばる異国から助けたバッサーニオも、二人とも凄いと思いました。
 僕も将来、家族や友人などで困っている人がいたら、他人事にしないですぐに助けられるような人になりたいです。

 

たくましい女性

 3年4組  女子

 「ベニスの商人」を観て、アントーニオとバッサーニオの友情に感動しました。その後の人生や自分の命までどうなるか分からない危険な賭けをやってのけるには、2人にとても強い友情が無ければできなかったことです。
 シェークスピアの『ロミオとジュリエット』は悲劇の恋物語として有名ですが、今回観たのは思わず笑ってしまうところもある作品でした。グラシャーノとネリサの会話はとてもテンポが良く、漫才を見ているかのようでした。立場や時代の違う人物になりきって演じる劇団の方々はすごいと思いました。
 この物語で一番印象に残ったのは、お姫様のポーシャです。劇団の方の演じるとてもかわいらしい姿に内気な箱入り娘を想像していたのですが、実際は男装をして夫の友人を助けるため法廷に立つようなたくましい女性でした。ポーシャの扮した裁判官は巧みな言葉でシャイロックの言うことを逆手にとり、無事アントーニオを助けたときには、彼女の頭の良さと度胸に感動しました。
 少しかわいそうだったのはシャイロックです。今となっては普通のことである、お金を貸して利息をとるという発想はまだできておらず、ユダヤ人への偏見も当時ありました。そのような理由から、ユダヤ人のシャイロックは悪徳高利貸しとして演じられました。当時の観客たちの満足がいくような設定に仕上げたシェークスピアは、現代人の観点からすれば、少々人種差別的なように感じます。しかし、それだけ当時の大衆の気持ちを分かって作品に盛り込んだシェークスピアは、とても頭が良い人だったのだと思います。
 お話も演出もとてもおもしろくて引き込まれました。この観劇会をきっかけに、シェークスピアの他の作品も読んでみたくなりました。
 

 

劇団のすごさ

 3年5組  女子 

 私は今回の劇を見て、演劇部の部員として学ぶことがたくさんありました。
 まずは大道具についてです。私は中学2年生から演劇部に入っているのですが、紫峰祭の公演やコンクールなどの舞台では私達自身が大道具を作る機会があります。しかしどうしても中学生や高校生だけで作るのには限界があり、劇団等と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。私はあまり劇団の公演を見たことが無かったので、大道具の豪華さによって幕が最初に開いたときから劇の世界に引き込まれていくような気がしました。
 ただ一つ気になった箇所は幕が閉じている暗転の時間の長さです。演劇部の公演ではどんなに長くても30秒前後なのに、今回の暗転時間は、2分近くとっていました。大道具の規模や衣装の豪華さは私達演劇部の物とは大違いで、比べること自体が間違っているとは思いますが、それでもほんの少しだけ気になってしまいました。
 しかし、豪華な大道具や衣装を抜きにしても原作や脚本がしっかりしており、役者さん達の迫真の演技を観て、これが本物の劇団のすごさなのだと感じました。そして特に台本の大切さを今回の「ベニスの商人」を見て痛感しました。私はまだ台本を作ったこともありませんが、いずれ作ってみたいと感じました。そして自分が作った脚本で今回見た劇のように、見に来てくださった観客みんなが満足してくれるような劇を作りたいと思いました

 

隠されたメッセージ

 3年6組 男子

 私は年に何度か実施される講演会や音楽鑑賞などのイベントの中でも、演劇が一番好きです。今回も年に一度のこの公演を心待ちにしていました。
 シャークスピア作『ベニスの商人』。作品名を聞いたことはあるものの、原作を読んだり演劇を観たりしたことがなく、内容は知りませんでした。今回の観劇では芸優座の俳優の方々のすばらしい演技で、この作品がよく理解でき、最後まで飽きることなく楽しめました。
 私達観客が最も面白く、また深い感銘を受けるのは、数多くのコメディを交えた会話のやり取りやアントーニオとバッサーニオの友情でしょう。しかし、それ以外にもこの作品からシェークスピアが生きた時代の背景を読み取ることができ、勉強になりました。
 ユダヤ人のシャイロックは周囲の人々から偏見を持たれています。その理由は彼が単に守銭奴であるだけでなく、キリスト教とユダヤ教との教理の違いが深く関わっています。世界に眼を向ければ、現代でも宗教対立は後を絶ちません。これは永遠に解決不可能な問題なのでしょうか。シェークスピアはおそらくそのことを表現したかったに違いありません。
 今後も作者の伝えたいメッセージが何かを意識し、それを読み解きながら芸術作品を味わっていきたいと思います。

 

人種差別を考えるきっかけ

 3年7組  男子

 僕は今回「ベニスの商人」を鑑賞して多くのことを感じました。
 まず第一に感じたのは、劇団のみなさんの圧倒的な迫力です。僕の母はミュージカルが好きなので、DVDなどでミュージカルを見る機会が多くあったのですが、やはり画面越しに見るものと実際に見たものとでは大きく迫力が違っていて、とても感動的でした。
 この「ベニスの商人」という作品は、シェークスピアが16世紀後半に書いたとされています。この時期はまだユダヤ人の差別があった時代です。劇中でも冒頭に差別についての説明がありましたし、そのほかユダヤ人を蔑視しているかのような表現が見られました。話の筋としても、表向きは「高利貸しの悪人シャイロックを知恵によって打ち倒した。しかも慈悲まで与えてやった。」という感じだと思うのですが「キリスト教徒が、ユダヤ人を打ち倒した。」とも取ることができます。もしも金を貸したのがユダヤ人ではなかったならどうなっていたのでしょうか。実に興味深いです。
 人種差別は何であれ良くないことだと思います。僕はそのようなことはしない人間になりたい。劇自体の面白さとは別にこういったことを考えるきっかけとなりました。

 

巧みに言葉を操る姫

 3年8組 女子

 今回の劇はとてもすばらしかったです。劇を鑑賞し終えた後、最後に皆幸せになれて良かったという気持ちと、ポージャ姫の巧みな弁舌に対する強い尊敬と、自分も姫のように雄弁な人になりたいという憧れの気持ちを抱いていました。そしてまた、アントーニオとバッサーニオの強い友情に胸を打たれていました。
 私はこの劇でポージャ姫の扮する裁判官が一番印象に残っています。姫が担保であるアントーニオの肉1ポンドには血は一滴も含まれていないと言った時は、とても驚嘆しました。私はよく自分の頭の回転が遅いと思うことがあります。例えば友人と話している時や、ご近所の方に声をかけられた時などに、うまい気の利いた返しをしたいと思うのですが、すぐには言葉が思い浮かばないことがあるので、そういった時はあとからとても自己嫌悪に陥ってしまいます。また、文章を書く時も何を書けばよいのかすぐには思いつかず、とても時間がかかってしまいます。だから巧みに言葉を操る姫のようになりたいと思いました。
 私は今回この劇を見たことによって、「ベニスの商人」が私の中で最も印象に残った演劇の一つとなりました。ユダヤ人への偏見や若者たちの強い友情などをすばらしく演じてくださった劇団の方々に感謝したいです。


 

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