1組

 私は、この演劇会を鑑賞するまでベニスの商人という話をよく知りませんでした。 しかし、今回鑑賞してこの劇は親友・友人の大切さがよく分かる話だと思いました。 私はアントーニオーが親友のバサーニオーのために自分の命をかけてユダヤ人のシャイロックにお金を借りる場面がとても印象に残りました。 私は友人のために命をかけることなんて絶対にできません。だから、アントーニオーはとても素晴らしい人だと思います。 また、バサーニオーとバサーニオーの妻となったポーシャ姫が裁判でアントーニオーが殺されないように必死になった場面でも友人の大切さが学べました。 また、ポーシャ姫が裁判をしきっている姿は姫とは思えないほどでした。アントーニオーは結局殺されずにすんで幸せに暮らせるようになってよかったと思います。
 今回ベニスの商人の劇を演じて下さった劇団芸優座のみなさんの表現力には、話が進むにつれ、私が劇に入り込んでいくような感じになりました。 本当に面白い話で時間がたつのがとてもはやいと思えるくらいでした。 また今度、来て下さる機会があったら、ベニスの商人以外のシェークスピア作品も見てみたいです。 ベニスの商人という登場人物の個性豊かな生活、そして愛と友情の大切さを楽しみながら鑑賞することができて、本当によかったと思います。



2組

 今回、僕は初めてシェークスピアの作品を鑑賞しました。 今まで鑑賞する機会はあったのですが、観る機会を逃していたので観られてよかったです。 「ベニスの商人」の感想はどんどん物語が進むたび、向こうの世界に引き込まれるような躍動感がありました。 また、ポーシャが変装して、シャイロックを理詰めにするシーンは見応えがあり、緊迫した場面がこちらにまで伝わってきました。 シェークスピアは、これを喜劇として書いていましたが、「本当に喜劇なのか」という疑問も抱きました。 なぜならこの作品はユダヤ人側から見たら「悲劇」だからです。 この作品はシャイロックを悪者としてのユダヤ人を象徴し、人から金をしぼり取るという明らかにユダヤ人を色つき眼鏡の視点で描いているからです。 この「ベニスの商人」は大変完成度が高い劇ですが、この作品が大衆に受けたのは、そういったユダヤ人のシャイロックの悲劇があるからなのではないかと思いました。 シェークスピアがどういう気持ちで書いたのかはわかりませんが、少なくともこの時代の背景には、劇中にも「ユダヤ教から改宗しろ」とあったようにユダヤ人に対する厳しい人種差別があったものだと思われます。 僕はこの劇を鑑賞して、観ていて楽しいものではあったものの、当時の人種差別を皮肉った悲しい「悲劇」だと思いました。
  


3組

 シェークスピアは「万の心を持つ」。これは脚本家としての彼をよく表現した有名な言葉です。彼の活動は多岐にわたり、私の知っているものでは「マクベス」「リア王」「真夏の夜の夢」などがその作品としてあります。これらの作品の中には、たくさんの立場の人々が登場します。今回の「ベニスの商人」も例外ではありませんでした。裕福な商人、聡明な令嬢、その召使い、そして悪徳商人。シェークスピアの作品らしく、生き生きと表現された人間模様がとても面白い、と思いました。
 ところで、舞台の上で演じる、とはどういうことでしょうか。役者という職業は何人もの目の前で自分ではない人に成り切るものです。今回も、二、三千人の手前、彼らは演じ切ってしまいました。しかも、彼らが演じた人々は”生きている”と感じられたのです。まるで最初から存在するかのごとく蠢いていました。もちろん、原作者の豊かな表現を取り入れたせいもあるでしょう。けれど大勢の人間に向かい、それを成そうとする精神には感服いたします。演じる喜びがあるでしょう。しかし、劇中で私達観客が、それを感じる余地もなく、話の中に引き込まれてきました。そんな方々の中でも、特に引きつけられたのはシャイロックを演じた役者さんでした。 劇中での彼の嘆き、叫び、それが1つの剣幕となって襲いかかってきました。ユダヤ人である彼のキリスト圏の人々への恨みは相当のものだと思います。一概にも彼を悪人と罵れる訳はありません。だからこそ、劇中での彼はより濃く深く感情が表現され、私達の胸に迫るものがありました。
 「ベニスの商人」では当時の欧州の宗教差別が見受けられると言われています。宗教は違うとはいえ、シャイロックも人間です。彼に、人一倍苦労しなければいけない理由はありません。なぜ、数ある作品の中で「ベニスの商人」を選んだのか、役者達が迫り、伝えたかったのは何なのか、それを考えると、またシャイロックの怒った顔が浮かびます。
 


4組

 私は、本格的で大きな演劇を観るのは、今回が初めてでした。前々からとても楽しみにしていましたが、役者さんの演技が上手で感動したり、面白くて笑ったりすることができて、とても楽しめました。
 私はシェークスピアの本に興味をもっていました。この劇を観る前に、阿刀田高さんの『シェークスピアを楽しむために』という本を読んでいて、その本の中に『ベニスの商人』についても書かれていたので、ある程度のストーリーは知っていましたが、演劇として観ると、本とは違った楽しみがあるのだなと感じました。役者さんたちの細かな芸や表情で、よりおもしろく感じることができました。
 私が一番お気に入りのシーンは、バサーニオーがポーシャの結婚相手と決まり、グラシャーノがおもしろおかしく会話しているところです。強気で男勝りな性格のネリサと、少し抜けていて情けない性格であるグラシャーノのコンビが、明るくにぎやかな舞台をつくっていたと思います。また、とても冷酷で優しさの無いシャイロックにまで最後まで情けをかけたり、友人をずっと見捨てずに闘っていけた登場人物たちは、とても心が広くて信念が強く、私も見習っていこうと思いました。
 私は、今回『ベニスの商人』を鑑賞して、演劇を観ることで様々な教訓を学んだり、想像をふくらませることができるのだと思い、演劇の楽しみを知ることができました。だから、これから芸術に対する関心を深めていって、いろいろなことを発見したり、そこから学んだことを普段の生活に生かしていったりすることで、人生を豊かにしていきたいと思います。
 




5組

 私は最初ベニスの商人を見る前は少し楽しみでした。 今まで劇やミュージカルなどのものを一度も見たことがなかったからです。 そして、劇が始まり、一番最初は思っていたとおりの人がセリフを言うだけでという感じでした。 しかし、一度話が切れ、数分たったと思えば背景のセットががらりと変わっていたのでびっくりしました。 こんなにも早くセットを変えられるのは一人一人がテキパキと行動しているからだと思いました。
 また、劇の中味についても驚きました。前に読んでいたあらすじからは感動ものだと思っていたのですが、全く違い感動どころか大笑いしてしまいました。 同じ言葉を何回もくり返したり、いないと思って妻の悪口を言っていたらそこに妻がいて、後になってから怒られたりなどといったことが多数出てきたので、驚くことと同時に面白くもあったので、私だけではなく、ホール中が笑い声でいっぱいになった時もありました。
 次に思ったことはなるほどという感心でした。劇中に弁護士が弁護する場面があるのですが、相手が自分の欲求をみたすために出した説を逆手にとり、そこから逆転して、勝ってしまったからです。そして、弁護士ってやはりへりくつを言っているようにも聞こえるなとも思いました。
 今回のベニスの商人はとても面白い劇でした。原作と中味はほとんど変えずに楽しくしているところがすごいと思いました。また、劇が終わってからお笑い番組よりも面白くてたくさん笑った気がしました。今度また他の場所で劇をやり、見に行ける距離だったら見に行っていみたいと思いました。
 


6組

 この劇を見終わって、一番に思ったことは、「やっぱりプロはすごい」ということです。滑舌、声量、抑揚のつけ方、動き、どれもこれも完璧で、圧倒されてしまいました。声が聞こえにくいなどということは間違ってもなく、舞台の端から端まで使って演技する様子は、「役者」そのものでした。また、脚本も観客を飽きさせないようにとても工夫されていると思いました。真面目だったりする場面の後には笑いを誘うような場面がくる。これなら真面目すぎてつまらない、逆に笑いばかりで何の話なのか、ちっとも頭に残らない、などということはありません。正統派のカップルを演じた二人と、面白いカップルを演じた二人の対比は呼吸がピッタリで特におかしかったです。
 そして、先日私が所属している演劇部で「演出」の重要性について、聞いたばかりだったのでさらに印象に残ったことがあります。それは、最後のカーテンコールです。それぞれ短い演技をして、その人の性格を最も表しているところで止まる。全員が出てきて、止まり終え、幕が下りる時には照明もセピア色になり、まるで絵のようになった、あの演出はすごいと思いました。
 また、私も演劇部で役を演じる時は、この劇に出ている方々の完璧な抑揚や動作などを何度も思い返して、自分の演技に生かしたいです。演出の方法も、学ぶ所が多かったので裏方になったら少しでも取り入れてみたいと思います。
 私は、まだ一年生で、舞台はこの間の紫峰祭一度しか立ったことがありません。演技や歌もなかなか先輩方のようにはいきません。しかし、上手ではなくても、「演劇が好き」という気持ちは、とても大きいです。ですからこの気持ちを大切にして、このような、人の心を動かす劇を作りたいです。
   


7組

 私はベニスの商人を観て迫力満点の劇だなと思いました。 ハラハラドキドキの連続でした。 アントーニオーとバサーニオーが熱い友情で結ばれていて、友のためにユダヤ人のシャイロックにアントーニオーが肉1ポンドを切り取るという交渉をしたところにまず感動しました。 私だったら友を見捨てて自分だけ助かろうという思いと戦っているところですが、アントーニオーはあんなに早く決断して、自分の命と引き換えに友を助けるということができるというのはすごいと思いました。 そしてグラシャーノとネリサのお芝居がとても面白かったです。 グラシャーノは一番最初に「僕は道化だ!」と言っていたようにものすごく楽しませてくれました。 ロマンチックでとても素敵なところをグラシャーノが一気に雰囲気を変えて笑わせてくれました。 特にネリサに指輪を渡すときにグラシャーノが「これは本当に本物の偽物です」と言ったところはほっぺたが痛くなるほど笑ってしまいました。 演出の平塚仁郎さんはシャイロックとして出演していました。 演技がとても上手で動きが良かったです。芸優座の舞台をまた観たいなと思いました。
   


8組

 私は、演劇部として、「ベニスの商人」を鑑賞して思ったことがいくつかあります。
 1つ目は、セリフの一言でみんなをとても笑わせたり、緊張感を与えたりできることです。私は、言葉だけで人を笑わせることはとても大変で難しいことだと思います。特にセリフで緊張感を与えるのはとても大変です。それは、練習を積み重ねて努力しなければならないと思います。私も、公演や大会などに出場したら、笑わせたり緊張感を感じさせられるように基礎の練習を怠らずに、一つ一つ努力を積み重ねていきたいと思います。
 2つ目は、セリフを大ホール全体に聞こえる声ではっきりと話していたり、観客に顔が見える方向にきちんと向いているなど基本的になことをきちんとこなしていることです。これらは、意外と簡単にみえるかもしれませんが、難しいことです。私自身も本番になるととても緊張してしまい声が聞こえづらくなってしまったり、顔のうつむき加減などが観客から見えづらくなってしまったりと基本的なことを忘れてしまいがちです。私は、基本的なことこそ、きちんと心がけることがとても大切だと思います。普段の生活でも、小さいことや基本的なことを徹底していきたいです。
 3つ目は、顔の表情と声の演技力です。登場人物は、それぞれ自分の気持ちを顔の表情で表現していました。舞台に出ると、私は緊張して顔がこわばってしまい、なかなか上手く表情が作れません。だから、やっぱりプロはすごいと思いました。特に、ポーシャ姫は、教授のときと姫のときで、声のトーンも変えていたのに声量がかわらないので驚きました。
 4つ目は、ストップモーションです。ストップモーションとは、劇中に動きを止めることです。シャーロックだけが話しているとき、後ろの人達は全く動いていませんでした。体勢がきついのに、よく止まっていられるなと、感心しました。私も実際にやったことがあるのですが、とても足が疲れます。また、まばたきもあまりできないので、すごく大変でした。プロの練習量はとてつもないもので、見えないところでの努力の大切さを改めて感じました。