1組 

 「赤ひげ」を、とても興味深く鑑賞させていただきました。初めは拒絶していた保本が赤ひげの行動を見ることで少しずつ変わっていきました。そして最後には、あの保本がたとえ困難であってもその道を進むというところを見て、とても感動しました。
 その場面を見ていて、今も昔も人間というものは変わらないものなのだなということを強く感じました。保本と入れ替わりで小石川養生所を出ていった人と保本を比べれば分かります。それは、困難な道を進まなければ人間は成長しない、たとえその道を進んでいたとしても自分でそれを活用しなければ意味がないということです。こういうことを感じて、僕は果たして自分はどうであろうかということを考えました。僕が今進んでいる進もうとしている道は、僕にとってとても困難な道です。そして僕は今、その道を一所懸命に進もうとしています。しかし同時に、楽な方へと流れて生きたいという思う自分もいます。赤ひげや保本のように、これからの未来をあえて全て差し出した人が、結局は真の全てを得るということ、そして困難に立ち向かう勇気を持つことを、自分の中で実践し、夢を成し遂げたいです。
 「赤ひげ」を鑑賞して、改めて考える機会が得られました。この機会を無駄にしないよう、頑張っていきたいです。

1組 

  今回の演劇で初めて、僕は「赤ひげ」という作品がどういったものか楽しみにしておりました。「赤ひげ」という作品は江戸時代を背景としており、平成の時代を生きる僕にとっては、想像するのが難しい場面もありました。しかし、僕も医師を目指しているからでしょうか、保本の心情が変化していく様子はとても関心を引かれました。反抗的であったのに、 養生所の人々と触れ合うことで、最終的には自らの意志で養生所に残るという大きな決断をするまでに至るようになりました。貧困である人々と真剣に向き合う赤ひげの生き方に惹かれていったのでしょう。江戸時代の貧困がどういったものであったのかは分かりません。しかし、保本が貧しく、苦しんでいる人々を見て、またそれに対する赤ひげの対応を見て感じとったことを僕も少しは感じとれたと思います。そして、貧困と戦う赤ひげや、最後の場面で、困難に立ち向かう大きな決断をしてみせる保本を見て、「どう生きたかではなく、どう生きようとしたか」について僕も考えることができたのではないかと思っております。
 今回、演劇を見させていただき、演劇はすごいものだと感じております。その時代の世界観を表現する舞台や、役者の演技で僕は「赤ひげ」という作品に、すっかり引き込まれてしまいました。今まであまり演劇を見たことはありませんでしたが、これからはもっと色々な演劇を見て行きたいと思います。

 

2組 

今回「赤ひげ」という劇を鑑賞して、一番印象的だったのは、赤ひげ先生の「医者は仁術ではない。」と言った場面です。
 「医者は仁術」という言葉はよく耳にしますが、医者である赤ひげ先生が自らその言葉を否定したことに驚くと同時に衝撃を受けました。
赤ひげ先生は自分の信念をずっと曲げることなく持ち続け、また、どんな患者さんであっても、どんな事態の中でも、1人1人に誠実で、謙虚な姿勢であり続けていました。そのあとに続く「医者は風邪だってろくに治すことすらできない。まだ治療法が見つかっていない病気だってたくさんある。」というような言葉が、まさに赤ひげ先生の決して奢らず、人々や病気に真正面から向き合う姿を表しているのだと思います。劇全体を通じて、赤ひげ先生は出会う全ての人々、出来事に真摯に向き合っていて、本当にすごい方だと感じました。そして、自分を犠牲にしてでも困っている人々や弱い立場の人々を助けようと一生懸命に働くということはとても偉大なことだと感じました。『病を治すだけでなく人間そのものを治すのが本当の医師ではないのか』という赤ひげ先生の信念がひしひしと伝わってきました。私は今まで医師についてそのように考えたことがありませんでした。しかし、今回の劇を鑑賞したことで、赤ひげ先生のような医師こそ、「本当の医師」であると強く思いました。
 演劇を鑑賞するのは
2回目でしたが、劇が始まった瞬間から完全に終わるまで、ずっと心を鷲掴みにされているような気持ちでした。1つ1つの台詞も深い意味を持っていて、いろいろと考えさせられました。演出や役者の方々だけでなく、舞台のセット、音や光の効果など、すべてが合わさって1つの素晴らしい舞台を作り上げるのだと感じました。と同時に、人の心にまっすぐに訴えかけてくる演劇の素晴らしさを肌で感じることができました。このような大きな感動を与えて下さった東京芸術座の皆さん、鑑賞会を企画して下さった学校の先生方、本当に有難うございました。

        

2組 

今回「赤ひげ」の演劇を鑑賞して、「赤ひげ」の病を治すだけでなく、貧困と無知を生み出しているものに強い噴りを感じ、人間そのものも直すために行動を起こしていく姿勢に、とても深い感銘を受けました。
 今までの人生の中で、私は多くの医師にお世話になってきました。私は、医師に関しては、患者から症状などを聞いて、自分の持っている知識と技術で病気を治療する仕事であるということぐらいしか知りませんでした。それだけに、「赤ひげ」は養生所というあまり待遇の良くない環境の中でも、単なる病気の治療だけではなく、患者の背景にある、貧困や無知などの社会的で難しい問題も考え、それを直していきたいという、普通の医師と違った強い意欲も持っていることが、演劇中でもはっきりと分かりました。養生所に来た保本が、「赤ひげ」を見ていくうちに、彼こそ本当の医師の姿だと気づいて養生所で働き続けると決心したことからも、「赤ひげ」の医師としての素晴らしさを強く感じました。
 
私は、今回の演劇で、同じ働くにしても、常に社会の一員として世の中に貢献したいと思うことは非常に大事であるということを学びました。将来、私も何らかの形で社会の一員として働く時、いろいろ悩むことや苦しむことが出てくる時があるかもしれませんが、そのときも、今回学んだことを思い出して、自分に決して負けることがないように、精一杯自分の人生を生きていきたいと思います。

 

3組 

 今回鑑賞したのは、江戸時代の貧困で飢えている人々を背景に、医師としての信念を貫き通した「赤ひげ」の話でした。赤ひげが医者の立場から、世の中に反発し、患者に危害を加える者たちから人々を守る姿勢を貫き、所長としての責任感のもと、周りの人々を引っ張っていく姿勢に感動しました。人としての生き方、道徳心というものを深く考えさせられる内容でした。保本という男に対して、最初の段階では、とても哀れな人であると思いました。幕府の専属の医者になることを目指し努力してきた男が、町外れにある小さな療養所で仕事をすることになったこと、また許嫁に逃げられて、帰る場所もなくなってしまったことです。しかし、最初は不満を持っていた療養所の生活も、赤ひげが懸命に治療していく姿や癌にかかった患者が死んでいくのを見守ったりする中で、本当に大切なものは何であるかを知っていく様子がとてもよくわかりました。幕府の要人のように飽食できる人々とは違い、城下町の人々は皆飢えて、病気になり、死んでいってしまう。それでも人々の生活は益々不安定になっていきます。とても悲しいことです。そのことに気付いた保本が、罪のない人々のために自分ができることを見つけ、赤ひげに意地でも療養所に残ると言った言葉には感動しました。この劇を通して、人生の価値観が変わりました。

3組

 私は今回の観劇会を鑑賞して心の優しさについて考えさせられました。どんなに貧しい人々でも心は豊かであり思いやりにあふれているんだと感じました。そして自分もこのように助け合い心の優しい人間にならなくてはいけないと思いました。私は赤ひげという男の偉大さを感じました。長崎で医学を学んできた保本登が 養生所に来た時はとても反抗して誰の話も聞こうとしませんでしたが、赤ひげと共に過ごしていくうちに段々赤ひげの生き方に惹かれていき従うようになりました。自分の考えていた医師ではなく本当の医師とは何かを探し病を治すだけでなく、人間そのものを直すのではないかと考えました。そしてそこから保本が心を入れ替えた所に感動しました。一人の男の行動が一人の男の考えまでも変えてしまったのです。それは赤ひげがとてもすばらしい人間だったからです。普通の人では共に過ごすだけでは何の変化もありません。しかし赤ひげは観ているだけの私達までも変えてしまいました。今回の劇はあまり時間が長くなく話も短く完結していました。しかしそれでも学んだ事はとても多かったです。私はこの劇を観れて本当に良かったと思っています。そして赤ひげの生き方を見習い自分も同じ様な生き方を出来るような人間になりたいと思いました。 

 

4組 

 今回初めて演劇というものを鑑賞しました。なかなかこのような演劇鑑賞という機会は少ないですので、非常に良い経験となりました。学校行事としての鑑賞会でしたので、この巡り合わせに感謝したいと思えるほど感動した内容でした。
 作品自体は、江戸時代の貧富の差や、幕府の体制における問題点を通して、現代に通じる社会に対するメッセージを送っているように思えました。様々な人間と接するうちに、少しずつ主人公の内面が成長していく様子が分かりやすく描かれていました。このような描写は、今まであまり触れることがなかったのでとても新鮮でした。東京芸術座の役者の演技においても、鑑賞していてとても圧倒されました。赤ひげの大きな声量にはとても迫力があり、舞台の緊迫感がひしひしと伝わってきました。また、「演劇」という感覚よりも、実際にその場面が目の前に広がっている様にさえ感じることができました。
 今回はこのような素晴らしい観劇会を見させて頂き、大変感謝しています。今後は積極的に、自分から演劇というものを見る機会を作っていこうと思います。

        

4組 

今回の演劇は、主人公の保本登が「赤ひげ」と呼ばれている医師に出会い、医師としてどのように生きていくか、人生が変わっていく話でした。どれだけ医師としての技術を身に付けるかということを重視していた 保本にとって、養生所における仕事内容は非常に苦痛を伴うものだったと思います。しかし、赤ひげの患者一人一人に対する姿勢が保本の医師に対する価値観を大きく変化させることになりました。僕は、当然のことながら医学について詳しくはありませんし、医師という職業についてもよく理解できていません。それでも、 保本が「患者の病気を治す医者から、患者を助ける医者になった」ことはわかりました。
 医学が現代に比べて進歩していなかった時代において、また、政治的な圧力を大いに受けていた時代において、医師がどのような存在であったのかを考えさせられる内容であり、そして現在を生きる自分たちは、人としてどうあるべきなのかについて考えさせられました。このように、人としてどうあるべきかを再度考える機会を与えて頂き、非常に心に響く時間となりました。また演劇というものを鑑賞したいと思います。

 

5組 

 私は「赤ひげ」を観てとてもたくさんのことを感じました。貧しい人たちの思いや、赤ひげの思いがとても良く伝わってきました。見ていてとてもやりきれない気持ちになったり、どうなるのかハラハラしたり、自分自身がその世界にいるような不思議な気持ちになりました。特に赤ひげの熱意に感動しました。貧しい人や病気の人を助けたいという思いはすばらしいと思います。
 私が今回この劇を観て感じたことは、不満があったり、どうしても嫌なことがあったときでもまずはそれに取り組んでみることが大切だということです。取り組んでみると、そのことの良さが分かってくるのです。食わず嫌いのように何事もやらないで、だめだ、嫌いだと言ってしまうのはいけないのです。 やってみなければ分かりません。やってみてから無理なのかどうかを決めれば良いのです。まずはチャレンジすることが大切なのです。このことを強く感じました。日常生活に活かしたいと思います。勉強も自分のためだけでなく、きっと将来多くの人に役立つ事になります。それを信じて頑張りたいと思います。素晴らしい劇を観ることができて大変感謝しています。

5組

 僕はこの「赤ひげ」を観て、赤ひげの生き方にとても感銘を受けました。赤ひげの本当の「医者」の生き方は素晴らしいと思います。医者は「病を治すだけでなく、人間そのものを治すのが本当の医師」であることをいっていました。この話を今の日本人に観てもらいたいと思いました。今の日本人にはこの弱き者を救う精神が足りないと思います。この養生所は確かにいわゆるお金を持っていない「弱い人」が多くいます。そこに偏見や差別も多くあると思います。しかし、赤ひげは弱き者を救うことが結局は世のためになると教えていたのだと思います。貧富の差によって生じたしわよせは貧しい人々に行くと思うと、僕も何か出来ないかと考えてしまいました。今の日本もこのまま行けばあのような貧富の差が生じてしまうかもしれません。僕も赤ひげのように弱き者に手を差しのべるような人になりたいです。 

 

6組 

 僕は今まで演劇というものを見たことが無かったので、今回「赤ひげ」という素晴らしい劇を学校で見られたことはとても良い思い出となりました。出演者一人一人の演技がとても上手で、まるで江戸時代にタイムスリップしたように感じました。この劇を見て江戸時代は今と比べると、全く医学が進歩していなかったので、僕は江戸時代の人々はとても病気に苦しんだのではないかと思いました。こういうことを考えると、医学は進歩して良かったと思うし、今まだ解決していない病気に関しては、治療法を見つけなければいけないと思いました。また、赤ひげが患者の治療をするだけでなく、無知や貧困に苦しむ患者がいたならそれらを解決するための努力するという姿は素晴らしいものであるし、大切だなと思いました。貧困や無知によって病気になってしまうという患者は、江戸時代はたくさんいたと思います。だから、良い政治をしたり、飢饉が起こらないようにして、人々にストレスを感じさせない状況を作り出すことはとても重要だと思いました。「赤ひげ」を観て、医者は目の前にいる患者の病気を治すだけでなく、病気以外のことで悩んでいたならば、それを解決するように努めることも大切だと思いました。

6組 

 僕は今まで演劇というものを見たことが無かったので、今回「赤ひげ」という素晴らしい劇を学校で見られたことはとても良い思い出となりました。出演者一人一人の演技がとても上手で、まるで江戸時代にタイムスリップしたように感じました。この劇を見て江戸時代は今と比べると、全く医学が進歩していなかったので、僕は江戸時代の人々はとても病気に苦しんだのではないかと思いました。こういうことを考えると、医学は進歩して良かったと思うし、今まだ解決していない病気に関しては、治療法を見つけなければいけないと思いました。また、赤ひげが患者の治療をするだけでなく、無知や貧困に苦しむ患者がいたならそれらを解決するための努力するという姿は素晴らしいものであるし、大切だなと思いました。貧困や無知によって病気になってしまうという患者は、江戸時代はたくさんいたと思います。だから、良い政治をしたり、飢饉が起こらないようにして、人々にストレスを感じさせない状況を作り出すことはとても重要だと思いました。「赤ひげ」を観て、医者は目の前にいる患者の病気を治すだけでなく、病気以外のことで悩んでいたならば、それを解決するように努めることも大切だと思いました。

 

7組 

 今回の演劇を見て、現在の医療の発展は本当に大変な努力の上に築かれてきたものなのだなあと感じました。私は病院に行ったら当たり前に正しい診断を受けられて、的確な薬や治療法で殆どの病気は治してもらうことが出来ます。しかし 「赤ひげ」を観て、昔の人がとても苦しんでいた様子がとてもよく伝わってきて、痛々しかったです。患者さんの苦しみだけでなく、それを治したくても様々な問題があって助けることができない医師のもどかしさや、庶民の人々が支え合って必死で生きていたことが分かりました。
 貧困や世の中の動きなど、どうしようもないことが沢山ある中で、生きるためには、望んでいないことをしたり望んでいることを諦めたりしなければならなかった人たちがいたということを知りました。自分達のせいではないことについて、自分を犠牲にしてでも周りの人を助けようとする精神に心を打たれました。そして、現代の私たちにそこまで出来るだろうかと考えさせられ、弱者に冷たい世の中をなんとかして少しでも変えようという赤ひげ先生の姿勢は、見ていて心を締め付けられるような気持ちになりました。
 私たちが生きる時代の医療や世の中を当たり前だと思うのではなく、昔の人たちがあれほど苦しんだことを忘れずに、今回の演劇を観て考えたことをしっかりと心に刻もうと思います。

7組

 今回「赤ひげ」という物語を初めて知り、深く心を打たれました。そこには当時の人達の貧困や病気、苦しみが確かにあって、それが役者さん達の迫真の 演技で微細に渡って表現されていました。舞台の右側で話が展開していても、左側の柱の影からずっと様子を伺っている、などライトの当たっているところだけが「赤ひげ」の舞台なのではないとわかり、役者という職業のすごさもあららめて感じさせられました。小石川養生所、とあるからにはやはり多くの患者が登場するのですが、この物語では怪我など外面的に傷のある人というよりも内面的に傷を負った人に重点が置かれているように思いました。劣悪な環境で死にたくなるほど必死で生きてきた人に優しく、でも力強く手を差しのべる赤ひげとその手をとろうと決意する人々のつながりがはっきりと存在しています。一度原作の小説を手にとって、細やかな心理描写を直接読んでみたいと思いました。赤ひげに接し、本来の医師としてのあり方を考え直した保本や、誰とも口が利けなかった状態から、最後には自分で行動を起こしたお絹さん、酒浸りだったのについに人のために体を動かした男など、「赤ひげ」には赤ひげを中心として様々な人の変化が描かれていました。何があろうとも信念を曲げず、患者を救おうという強い意志と力を持った赤ひげは消して揺るがない太い柱のようで、そしてそれは同時に赤ひげの人生そのものもそうであったと示しているのだと思いました。

 

8組 

今回、東京芸術座の方達による「赤ひげ」を鑑賞しました。この劇を見るまで赤ひげのことについてはよく知らなかったのでとても楽しみにしていました。
 
3年間長崎にてオランダ医学を学んでいて優秀な成績を収めていたのに突然江戸の貧しい患者を養生することとなってしまった保本と、仕事がなくやっとのことで手に入った仕事でけがを負ってしまった人や四六時中何もせずただただ酒を飲見続けているだけの人達とでこの時代の格差を強く感じました。しかし応急処置をしている最中に気を失ってしまった保本に対してそんなことも気にせずに町の人のために常に全力で対応したり、時には人々をますます貧困にさせる江戸の悪政に必死に立ち向かう赤ひげ先生の姿がとてもたくましく、心が打たれました。様々な人と出会い、様々な事件に遭遇していた保本が小石川養生所から離れることになってしまったラストのシーンで赤ひげ先生によって医者がただ病を治すだけのものではないのだと気づき、赤ひげ先生にここに残りたいと必死に訴え続ける場面では感動してしまいました。今回は演者の方達の表情、動作他にもセットや衣装などにも注目して見ましたがひとつひとつが凝っていてプロの力を感じました。この先また機会があればもっと劇を見てみたいです。

   

8組

 今回の東京芸術座による「赤ひげ」を鑑賞して、印象深かったことがいくつかあります。
 1つ目は、登場人物一人一人がとても輝いていたということです。特に主人公である保本登は長崎でオランダ医学を学び優秀な成績を収めてから赤ひげの所へ送り込まれたので、登なりの医学に対しての考えがある程度固まっていたため、赤ひげのいうことに従いつつも、心の底から慕っていたわけではありませんでした。しかし、様々な人々との関わり合いを通じて、赤ひげの真っ直ぐな医術に対する考え方、見た目は粗雑だけれども、人々を思いやる優しさに心を打たれ、最終的には小石川養生所で働くことを決意します。 保本登も赤ひげ同様、小石川養生所で自分の意志に従いながらひたむきに人々と触れ合っていくのだろうと感じました。
 2つ目は、江戸時代の貧困と偏見がどれだけ大変なものであるかを感じました。貧困により食べたくても食べられないから物を盗む、人は病気にかかる、医術に対しての偏見や無知が小石川養生所の人々を悩ませたりしました。
 今は医学が進歩してきて日本人の平均寿命も世界で1位、2位を争うくらいになってきました。そのことを当たり前だと感じずに、赤ひげや保本登を始めとする小石川養生所お人々のように、医学に対してひたむきな姿勢をとる人達がいたからこそ今の医学に感謝したいと思います。
 

9組 

 今回の演劇「赤ひげ」を見て、まず何よりもその迫力に驚きました。役者の方々は皆とても大きな声量で演技していて、劇中の世界へ引き込まれました。
 この「赤ひげ」の舞台は、江戸の天保の時代の町医者である通称「赤ひげ」、本名「新出去定」が責任者である小石川養生所でのお話です。自分の中には、江戸時代はとても安定し、人々は以前よりも良い生活をしているイメージがありました。しかし、この舞台の中では貧困に苦しむ人々が多く出てきます。どうしようもない貧しさによって病に苦しみ、死んで行く患者のことをとても大切に思う赤ひげと、その貧困を生み出す社会に怒りを感じ、あらゆる手を使って患者を救おうと行動していく赤ひげの姿に強く心を打たれました。赤ひげはとてもぶっきらぼうで、がさつで短気な人物に初めは見えましたが、実は常に患者のことを気にかけ、貧しい人々を苦しめる社会への怒りから少し粗暴なように受け取れる、芯の通った人物であることが物語を通してわかりました。自分はこの赤ひげに最初は反発するも次第に惹かれていく主人公「保本」にとても共感しながら見ていました。自分も幼い頃、体が弱かったために何度も医者に助けてもらいました。この演劇を見て、医者という職の偉大さに心を打たれました。赤ひげの深い人間的な優しさに触れ、自分もこのような大きな人物になりたいと思えました。

9組 

 この劇はとても深い話だと思いました。話の大筋としては、「保本」のやさぐれた心が「赤ひげ」の影響を受けてゆっくりと誠実なものへと変わっていくというストーリーでしたが、その周りの登場人物が抱える過去や苦しみが悲惨で、その一人ひとりにスポットを当ててみると、そこにはまた新しいストーリーが浮かび上がってきます。それぞれの苦悩が交差して、話の奥行きを作っていました。また、医学という視点から時代背景や様々な背景を映し出していた所に魅力を感じました。
 物語としてではなく、舞台として見たときに、役者の方々が皆楽しそうに演じていたのでとても心地が良かったです。動きひとつとっても、それぞれの個性に合った動作をしており、それが笑いの種ともなりました。また、役者だけでなく音響・照明・大道具等の裏方もシーンの雰囲気に合わせて上手く舞台の魅力を引き立てていて、客の気持ちが場の流れに乗って観ることができました。全てをひっくるめて本当に素敵な舞台でした。
 この劇は私に人のありようについて考える機会を与えてくれました。貧しい暮らしをし、生きることに必死で、狭い世界の中でひたすらもがき苦しんでいる姿に人間らしさを感じたのです。それは、今の時代においても言えることだと思います。何の苦難もなしにぬくぬくと生きているよりは何かに立ち向かっていったりしたほうが、人生に色があります。このような素晴らしい劇に出会えて良かったです。

 

10組 

 私は今回「赤ひげ」を観て感じたことがいくつかあります。まず私はこの劇を観て感じたことは、出演者の方々の演技がとても迫力があったということです。私はこのような演技は、テレビのドラマなどで観ることがほとんどで、直接観ることがなかったので実際にはこんなに気迫があるのかと驚きました。次に私は背景と小道具が素晴らしいと思いました。私は今年の紫峰祭でクラスの演劇の背景作りをしましたが、とても大変で思い通りのものを作ることが大変であることを実感しました。ですので、今回の劇で観た背景や小道具の完成度に驚きました。これには劇団の方々の劇にかける思いが伝わってきました。
 最後に「赤ひげ」の原作を私は知りませんでしたが、この物語にはその時代の背景や登場人物の心情の変化などが簡単に読み取ることができました。私はこれは、劇の利点であると思いました。今回の劇を観て私は、この劇は、劇団員の方々の努力や工夫があってこそできた作品であると思いました。私は他の劇も観てみたいと思いました。私もこれから生活していく上で大学などで演劇に触れたり、実際に行う立場になるかも知れません。その時は積極的に参加したいと思います。

10組 

 東京芸術座の方々による「赤ひげ」を今回鑑賞して「どんな環境でも自分次第でプラスにもマイナスにもなる」ということを感じました。
 私たちは今「競争社会」と呼ばれる社会の中で生きています。高校受験、大学受験を当たり前のように経験して、ほとんどの人が学校にも通うことができます。そしてもちろん「競争」であるということは「勝敗」があります。みんながみんな自分の望む環境を手に入れることが出来るわけではありません。もしもそういった状況に自分がなった時、「環境のせいに現実から逃げる」か、もしくは「自分の今いる環境の中で精一杯何かを得ようと努力する」か、どちらを選ぶかはとても重要になってきます。これはちょっとした意識の差ですが、人生を豊かな物にするためには大きな差になります。赤ひげは江戸時代の庶民の生活の苦しさを医学の視点から表現した作品で、作品からの印象だと当時は生きていくのに精一杯といった状況だったと思います。この中で人生を自分で選択することはほぼ不可能に近いです。しかしそのような環境にいるのは、当時は社会の問題でした。それに対して、今、自分の人生が豊かでないのは他の誰でもない自分の問題です。それが逆にプレッシャーになることもありますが、私は現代のように自分で選択できることを幸せに思います。