藤原正彦先生講演会    感想文

「21世紀を担うこと」1年1組 A さん

私は数学が大好きです。数学を愛おしいと感じる人は、数学に愛されるはずです。数学というのは世界一美しい恋人のようなものです

 先輩方に「数学は何度も何度も繰り返して体にしみこませるものだよ」と言われたことがあります。勉強は脳を使うものという感覚で捉えていましたが、数学は何か違うものを人々に感じさせます。「何度も何度も」というのは基礎知識の重要性を言っているのだと思います。基本的な知識と考え方をもとにしてはじめて基礎問題が解けます。基礎問題は標準問題を理解するための知識となって、標準問題は発展を解くための技となります。数学に「勘」は絶対に必要です。でも、それは決して動物的本能や、第六感ではないのです。その証拠に数学的「勘」は何か少しの自信とともにあるものです。私にとって数学の一番のおもしろさは是にあります。一問一問がじわじわと、確かに繋がっている感覚は、まさに数学が体にしみ込むようだという表現が相応しいのです。数学は勉強のやり方をつかめばあとは苦なし楽あり。数学は今時の若者が好きな携帯やパソコンのゲームととてもよく似ているのです。それは学生時代の今だけなのかも分かりませんが、数学を一問解くたび一問分知識の世界が広がるのが手にとるようにわかるものです。ゲームと同じように進歩が目に見えるので、数学は今時の若者は皆好きになれるはずなのです。

 最後に、藤原先生から、野心・努力・楽観的であること、という三つの言葉を贈っていただきました。私は「野心」という言い方が好きです。周囲で成功を勝ち得ている人は常日頃、野心を口にしているのです。冗談のようなことを言いながら努力して、素晴らしい結果を出しています。彼ら彼女らはまた楽観的です。楽観的だからこそ、努力が楽しくなるものです。努力が楽しくなるか苦しくなるかは本人が決めるものだと思います。

 私たちは21世紀を担うことになります。しかし、その大変な役割を愛し、楽しみながら行う勇気とヒントをくれた藤原先生の講演を宝物にしていきたいと思います。

「藤原先生の講演会で学んだこと」1年1組 B 君

 僕は、今回の講演会で自分の中で常識としていた考えが大きく覆された気がしました。「論理的に考える」ことは「知識」よりもずっと大切だ、というのがこれまでの自分の考えでした。しかし、今回の講演会でA→B→C→・・・→Zと論理的に考えることができても、出発点であるAが間違っていると、論理的に考えて出てくる答えも間違いであるということを聞いて、自分の考えは違っていたと気付かされました。その出発点を決めるには、「情緒力」が必要ということを学びました。17歳で数学者になった女性の話を聞いたとき、はじめはとてもすごい人だなと思いましたが、数学者になった後、彼女が何をしているのかわからないということを聞いて少し悲しくなりました。その原因が、その女性は天才であったのにも関わらず、「情緒力」を育む過程を全てスキップしてしまったことにあると聞き、「情緒力」の重要性が本当によく分かりました。これまで自分が過ごしてきた、幼稚園・小学校・中学校での生活は「情緒力」を養う上でとても大切なものだったのかもしれません。僕はまだ「情緒力」についてきちんと理解しているとは思いませんが、藤原先生のお話をこれからもよく考えていきたいです

 今回の講演会で私が一番感銘を受けたのは、これから私たちが生きていく上で大切な三つのこと、「野心を持つこと」「努力をすること」「楽観的であること」です。この三つを同時に満たしている人材は今の日本には少ないということです。悪い状態をずるずる引きずっている今の日本に改革を起こすには、この三つを満たす人材が必要とのことです。これからの日本を支えていくのは自分達であり、そのためには今のままの生活をしていたら前の世代の人達の二の舞になってしまうと思います。僕は野心を持ち、努力をし、楽観的である人材になりたいと思います

 


「藤原正彦先生の講演会に参加して」 1年2組 Cさん

私は講演会に参加して、藤原先生は自信の体験や感じられた事をはっきりと言葉にされていると思いました。講演会というと言葉の表現も抽象的になりやすいと思います。けれどそのような中で率直に話してくださる方でした。珍しいとは思いつつもそのストレートな言葉に学ぶことが多かったと思います。
 数学者というと、正直な所、何について話されるのか、または今の日本では理科離れが進んでいるので、理系科目の必要性などについて話されるのかと思っていました。けれども、実際は違い、文学の大切さ、日本の文化の良さといった内容でした。私は最初、藤原先生の真意が理解出来ず、戸惑ってしまいましたが、よく考えてみると、数学者であるからこそ、そのような事に気が付けたのかもしれないと思えてきました。その道に進んだ人にしかわからない苦労があるのと似たような事なのかなと思いました。
 講話の中で数学ができる女の子についてありました。悪く言ってしまえば、父親によって子供らしい生き方ができなかったと言えるかもしれません。このように数学だけと決めてしまう事は必ずしも悪いとは言えないかもしれませんが、幼い頃は無限の可能性があるので、色々な事に取り組むべきだと思いました。
 人生で成功している人というのは他人がそのように評価しているだけで、本人はそう感じているはわかりませんが、結局、本当に競う相手は自分自身なのだと思いました

「藤原正彦先生の講演をお聞きして」 1年2組 D君
 今回、数学者の藤原正彦先生の講演をお聞きして、多くの事を学びました。その中で印象に残っていることがあります。それは野心を持て、とおっしゃっていました。自分は諦め癖があり、余り高い目標を設定せずに、小さい目標を立てて達成できればいいのにですが、達成できずに終わってしまうことがこれまで多かったです。だから今度は藤原先生がおっしゃっていたように高い目標を設定し、少しずつ目標を達成して最後に目標を達成できればいいと思いました
 もう一つ藤原正彦先生のおっしゃっていたことの中で印象に残っていることがあります。それは、悲観的に考えてみると、楽観的に考えるときの力の半分になるとおっしゃっていたことです。
 悲観的に考えることは僕はよくあり、自分はもうダメだと思ってしまったりすることも少なくありません。自分のすべき事から逃れるための言い訳をしてしまっているだけなのですが、一回でも頭にその事がよぎってしまうとそのままになってしまいます。よく友達にもネガティブだと言われてしまいます。だから、もっと楽観的にに物事をとらえることができれば、より良い方向にもっていけるのではないかと思いました
 今の自分をより良い方向にもっていくために大切なことが今回の藤原正彦先生のお話をお聞きすることで分かった気がしました。しかし、せっかく良いお話をお聞きしても実行しなければまったく意味がありません。だから、今度は藤原正彦先生がおっしゃっていたことをヒントに実行していくことが大切だと思いました。そして、自分の掲げた高い目標を達成できるようにより努力をしていきたいと思いました
 

 


「藤原正彦先生講演をお聴きして」 1年3組 E 君

藤原正彦先生のお話をお聴きして、問題を解決する上で情緒の大切さについて知りました。現在、テレビや新聞などの様々なメディアでは数学を解いたり、仕事をする上で論理的思考力が大切だということをよく耳にし、僕もそれが重要であると思っていました。しかし、藤原正彦先生のお話では、論理的思考力は出発点から終着点までの筋道しか立てられず、その出発点を見つけるには情緒の発達が重要であると仰っていました。

確かに、問題を解決するための糸口を見つけることができなければ、筋道を立てることができず、論理的思考力を発揮することができません。情緒を発達させるためには、学校や家庭での生活を通して、人とのコミュニケーションや、人としてより豊かな人格を形成する上で必要な様々な教養を身につけることが大切であると思います。日頃から、学校での人とのコミュニケーションや授業への理解を深め、家庭でも家族の一員としての役割を果たしていき、様々な体験を通して情緒を発達させていきたいと思います。そして養った情緒を活かし、就職して日本社会に貢献してより良い国にしていきたいと思います。また、藤原正彦先生は自分のしたいことを成功させるためには、野心、執着心、楽観的な捉え方が重要であると仰っていました。確かに、野心がなければ、努力しようという気が起きませんし、取り組むことへの執着心がなければ、集中力が上がらず、また持続することが困難となります。また、難しいことに取り組むとき、何度も挫折することがあると思いますが、何事もネガティブに捉えてしまうとやる気がなくなり、持続することができないかもしれません。ですから、楽観的に物事を捉えることは、困難に直面したり、思うようにいかないときには、必要だと思いました。藤原正彦先生の講演会をお聴きして、様々なことを学びました。今後の学校生活において、学んだことを活かしていきたいと思います

「藤原正彦先生講演をお聴きして」 1年3組 F 君

藤原正彦先生のお話をお聴きして、僕は自分を変えようと思いました。今の自分はまだまだ弱く、就職難と言われる社会の中で、自分の道を歩む力がないと感じていたからです。先生の講演と江戸取の方針は似通ったところが多数あり、これを自分の柱としていきたいと思います

先生は重要なことをまず3つ話されました。論理的思考力、知識、そして工事な情緒です。論理的思考力については、世界中で言われていることなので、先生は何もおっしゃいませんでした。また先生の講演をお聴きして、知識の量が、発想を豊かにする土台だと思いました。数学は論理的に考えれば解けると言われていますが、その前提となる知識がなければ解けません。知識だけでは試験には通用せず、知識の組み合わせ方を通してしっかり考えられなければを解答には辿りつきません。

確かに知識は重要ですが、それだけでは足りないように思います。努力し、知識を蓄積してある頂きを超えることが大切なのだと思いました。その頂きを超える力とは、その世界のこれまでの土台をもとにして、新たな世界を創っていく力のことです。先生は、頂きを超える鍵として、情緒についてお話をされました。数学は論理の世界で、ある前提を起点に論理の一本道で結果を導けます。しかし、その道の起点は情緒によって変わります。

この講演をもとに、今まで以上に活発な自分になりたいと思います。挫折の連続であるかもしれませんが、努力して、自分の道を極められる人になろうと思います。日本を、世界を元気にできる心豊かなリーダーになれるように努力していきます

 

 

「本当に大切なこと」 1年4組 G さん

今回、藤原正彦先生のお話をお聞きして、今までの自分の考えが覆されました。藤原先生のお話は今の私にとって全てが新鮮なものでした。

藤原先生は、将来価値のある仕事に就くために大切なことを三つ教えて下さいました。

一つ目は野心を持つということです。野心という言葉に、私はあまり良い印象を持っていなかったのですが、藤原先生はあえて野心が大切だとおっしゃいました。日本ではやはり野心という言葉は良い意味に受け取られませんが、アメリカでは褒め言葉だそうです。野心や欲がなければ、より前へ、より良い方向へ進むことはできないと思います。欲深くなることも時には必要なのだと感じさせられました

二つ目は野心に向かって努力する執着心です。藤原先生は「天才と言われる人たちは皆努力家である。頭が良いとは限らないけれど、そういう人たちは努力の仕方が普通じゃない。」とおっしゃっていました。私は自分も一応努力家だと思っていたのですが、ある世界的権威の方のお話をお聞きして、自分の努力など本当の努力のうちには入らないのだと感じました

三つ目は楽観的になるということです。藤原先生は「批判されたことは忘れてもいいが、褒め言葉は絶対忘れてはいけない。」とおっしゃっていました。褒められて伸びる人はいますが、批判されて伸びる人はあまりいないと思います。自分が辛いときにこそ、褒め言葉を思い出して、自分に自信をつけさせてあげることが大切なのではないかと思います

今回の藤原先生のお話をお聞きして、自分の考えがまだまだ甘いということを痛感しました。本当の努力家と言われる人は人並み以上に努力を積み重ねています。今回、自分が人並みの努力しかしていなかったということを感じ、自分を努力家だと思っていたことが恥ずかしくなりました。また挫折についてのお話でも衝撃を受けました。今まで私は挫折を恐れ、できるだけ挫折は経験したくないと思っていました。しかし藤原先生の「挫折は仕方がないことで、恥ずかしいことではない。だが、挫折を恐れることは恥ずかしいことだ。」という考え方を知り、自分の思いを改めました。挫折は自分を一回り大きくさせてくれる絶好の機会です。それを恐れることは、野心や欲を持たないことと同じだと思います。

私が今回の藤原先生のお話をお聞きして感じた「本当に大切なこと」は「人並み以上の努力を積み、何事も恐れずに全力で立ち向かうこと」です。自分の甘さに負けず、今回得たことを自分の糧にして、突き進んで行きたいと思います

「藤原先生の講演を聴いて」 1年4組 H 君

 盛大な拍手の中、オーディトリアムのステージの中央に現れた藤原先生の姿は、講演前に『若き数学者のアメリカ』を読んでいたこともあってか、貫禄のようなものを感じました。それはきっと先生が経験したことや得た知識によるものなのでしょう。

 論語の一部に「三十にして立つ。四十にして惑わず。」とありますが、先生はそれをより極めていらっしゃり、ズバズバと自説を主張し、私たちを驚かせてくださいました。教育について、日本について、その他沢山の主題について。そこまで主張することができたのは、渡米して大学で教鞭をとった経験や、様々な場所への旅行や、様々な人々と触れ合った経験なのだろうと思うと、僕ももっと国外へ足を運んで、その場でしか感じられないものを吸収したいものです

 僕もわずかながら海外へ旅行したことがあります。日本とは異なる点がいくつも発見できて、それはとても面白かったです。僕も先生のように「日本ほど情緒豊かな国は他にない」と思います。日本では、卒業式は、進路が決まり、大学へ行く人もいれば浪人する人もいて、今までの学校生活に対して個々がそれぞれの思いを抱き、親子共に涙ぐんで迎えるものであるのに対して、アメリカでは生徒全員が角棒をかぶって満面の笑みを浮かべています。日本の恵まれた気候は春夏秋冬それぞれ特色ある素晴らしい景色を生み出しますが、シンガポールは一年中夏でした。雪に対する感情も、日本人は情感豊かな気持ちを抱きますが、国が違うと、わざわざスキーをするためだけに異国に出かけたりと、大きな違いがありました。このように些細なことや、季節に対して情緒豊かになれる日本人はすごいと、藤原先生のお話をお聴きして改めて感じましたし、僕がその感受性豊かな日本人の一人であり、日本という国に住んでいることを誇りに思いました。

 将来のこのことを誇りながら世界へ羽ばたいていきたいです。これからは国内について様々な知識を得ながら、同時に諸外国に目を向けてもっと視野を広げていきたいです。今回の先生の講話は今まで聞いた中でも最も印象深く、しっかりと心の中に刻まれていくことと思います。先生の、一般的な考え方や常識にとらわれず、自分の意見、思想を持ち、周囲に流されない姿は、これからの生き方を考える上でとても参考になると思います。大学生になるまであと二年九ヶ月間、日本の高校生として「野心」を持って、勉学、部活など学校生活に励み、同時に様々な分野に対してアンテナを立てて知識を得て行きたいです。自分は、色彩豊かな日本の四季や、学校、家族、そして先生の講演、他にも様々なものを享受することができる、現在の恵まれた環境のもとで育まれています。時には挫折も経験するでしょう。しかしそれでもめげずにぶつかって行き、後に振り返ったときに「生きていて良かった。」と心から言える人になりたいです。 

 


「藤原正彦先生の講演をお聞きして」 1年5組 I  さん
私は今回、藤原先生の講演をお聞きして自分を変えるのは、自分でしかないのだと思いました。そのうちの一つはマイナスの言葉はどんどん自分を悪い方向に導くということです。一つの物事に対しても、できると思った人と無理だと思った人とでは当然モチベーションが違います。できると思ってやった場合、達成できなかった時に「悔しさ」が生まれ、次に向けての改善点を考えます。できないと思った人は自分に見切りをつけたら、そこからは自分を成長させることができません。そして、どんどん自分で自分のチャンスを奪っていくことになります。それはすごく悲しいことだと思います。はじめから何でも自分にはできない、面倒くさいなどという人がいます。その人が言ったマイナスの言葉は、どんどん周りにいる人達に伝わっていきます。マイナスの言葉は周りの人達もマイナスの感情にさせられてしまうのです。逆にプラスの言葉もそのようなことが起こります。つまり、言葉は周りの人達を巻き込んでしまうほど大きな力を持っているのです。そうなれば、私はプラスの言葉を沢山使い、周りの人達も自分もお互いに向上していきたいと思いました
 二つ目は天才はこの世の中にいないということです。テレビなどで、天才少女や天才ピアニストなどのような言葉を目にすることがあります。確かにもとからその事に関しては他人よりも秀でていたかもしれません。しかしそこから努力して自分をより磨いて「天才」と呼ばれる位の実力を手にするのだと思いました。藤原先生のおっしゃったことで印象的だった言葉は「ノーベル賞をとった人は皆、努力をしている」という言葉でした。やはりその方たちは何回も挫折しても諦めずに研究を続け、やっとの思いでノーベル賞を獲得したのだと思いました。ピアノなどの芸術面でいえば、自分が他人よりも秀でている才能を見極め、磨き続けた結果が「天才」なのだと思いました。やはりこの世の中には、生まれつきの「天才」はいないにということです。他人の何倍も何十倍も努力してきた結果なのです
 今回私は、自分の考えを見直さなければならないと思いました。私はよくマイナスの言葉を口にしてしまいます。それは他人を巻き込むのだということ。もう一つは、皆努力をすれば「天才」と呼ばれるようになったりどうにでもなれるということです。私は努力をするということが苦手です。しかし、少しずつ努力していこうと思いました
「藤原正彦先生の講演をお聞きして」 1年5組 J 君
今回、藤原正彦先生の講演をお聞きして、一番印象に残ったことは情緒の大切さです。藤原先生は数学者ということもあって難しい話をされると思っていましたが、楽しい話で聞き易かったです。感情を持っていてることは人間に備わっている特別なもので、この情緒が今の日本の子供たちに必要で、それを保つことが使命だと学びました。情緒を保つことで子供達の成長を促進できると思います
 そして、心情面でポジティブはネガティブの二倍の効果があります。勉強をする時もスポーツをする時もポジティブに考える時とネガティブに考える時とでは効果が違うことを経験したことがあります。ポジティブに考えるとギリギリで到達できない所にも到達できますが、ネガティブに考えた時には普通のレベルでも到達できない場合に陥ってしまうのでポジティブな考えを心がけようと思いました。また日本人の感受性は美しいことを学びました。僕も、昔の松尾芭蕉など芸術を極めようとした人の感受性は大変鋭敏であったと思います。感受性を身に付けることで品格が上がると思うので、感受性も情緒も非常に大切です。
 藤原先生は天才はすごい努力家だとおっしゃいました。ノーベル賞を取ったりしている科学者も実験を色々試行錯誤して、前の実験の失敗した理由を考えて、次につなげているのだなと思いました。アインシュタイン博士も99%の失敗と1%の運でノーベル賞を取ったので、アインシュタイン博士のような天才でも努力をしているのだなと思いました。だから、僕も努力すれば可能性はあるのかなと少し自信が持てました。今、自分の限界を感じてしまい、そこで挫折してしまったらそこで終わりなので、少しでも自分に可能性を持って生活する方が、充実感を持て、楽観的に物事を捉えられると思います。つまり、自分に可能性を持ちそれに合った行動をとることが大事です
 ところで、僕は主観的に考えるよりも客観的に考える方が好きで、ずっと客観的に物事を考えていました。しかし、客観的思考よりも主観的思考の方を藤原先生は推していました。主観的思考だと自分の好きなように考えることができ、行動に移せます。客観的思考だと、皆とほぼ同じ思考になりますが、自分自身の思考ではないと思いました。今度からは主観的思考も取り入れようと思います。
 僕は、有名な科学者と普通の科学者では有名な科学者は少年ぐらいの時からもう実験をしていたのだと思いました。でも、早くに才能を伸ばそうとすると逆に潰れてしまうので、今すべきことは何なのかを把握し、それを実践して、何かの目標や野望に向かって突き進む人生はかっこいいです。だから僕もそんな人間になりたいです
 

 


「藤原正彦先生の講演会に参加して」 1年6組 K  さん

先日、有名な数学者である藤原正彦先生が本校においでになり、講演会が催されました。藤原先生の講話は、時々冗談を交じえながらも、非常にためになるお話しでした。

 藤原先生のお話の中で、深く印象に残っている言葉があります。それは『野心』です。野心という2文字を広辞苑で調べてみると、三番目に「大きな飛躍を望んで、新しいことに大胆に取り組もうとする気持ち」と書かれていました。この意味を知ったとき、藤原先生がなぜあれほど『野心』という言葉をおっしゃったのか、何となく分かったような気がしました。あくまで私の考えではありますが、この言葉は『夢』よりも明確で、『目標』よりも強いものだと思います。だから、そのようなすばらしい言葉を投げかけてくださった藤原先生はやはり偉大な方なのだと思いました。さて、私の抱く『野心』と言いますと、それほど大きなことではないのですが、この夏の予定です。私は小さな頃からダンスが大好きです。中等部3年生の終わりまではチアリーダーとして年中練習に明け暮れ、今はマネージャーを務めています。その理由は、高校生になってチア以外のダンスを学びたいという気持ちがあったからです。しかし、授業の課題が多い、マネージャーの仕事が意外に大変など、甘ったれた言い訳をつけて、その意志は口先だけに終わってしまっていました。しかし、藤原先生のお話をお聴きして、たるんだ気持ちが引き締まりました。習いたいという気持ちを実行できるのは今しかないと気付くことができたのです。自分が抱ける野心は、今はまだこの程度ですが、小さな野心だからこそ確実に実現しなくてはならないと思いました。だから私はこの感想文に宣言したいと思います。まず、夏休みに入る前にどんな種類のダンスをどこのスクールで習うかを決めます。そして、夏休みの間、その踊りを必死に練習し、またチア部で踊っていたときのように柔軟ストレッチ、筋肉トレーニング、ランニングといった基礎練習を徹底し、落ちてしまった体力・体幹をまた身につけていきたいです。

 『野心』をもつことの他にも、自分の心に深く残るようなお話しを、藤原先生はたくさんしてくださいました。その全てが私の教訓です。様々なことを教えて下さった藤原先生にこの場をお借りして、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

「藤原正彦先生の講話をお聞きして」 1年6組 L  君

 先日、藤原正彦先生の講演をお聞きしました。私はこの講演会に参加して、改めて人の素晴らしさについて学びました。このように思えた理由は「考えることができるのは知識があるからだ」と藤原先生がおっしゃったからです。私は正直、勉強が好きではありません。むしろ嫌いです。特に私は数学に苦手意識を持っています。しかし、藤原先生から数学の美しさについてのお話しを聞いたことで、数学に対する抵抗感が薄れたことを感じました。今まで私は、数学は知識をあまり必要とせず、計算だけで解くものだと思っていました。でも、三角関数の例を挙げて下さったおかげで、数学にも知識が絶対的に必要で、その知識を使わなければ解けない問題もたくさんあるということを痛感しました。これを機に数学を好きな科目にできればと思っています。

 藤原先生のお話で気になったことがもう一つあります。それは「楽観的」という言葉でした。私は本当にいつも楽観的でいいのかと考えてしまいましたが、藤原先生が「褒め言葉だけ覚えろ」とおっしゃった時に、少し理解できた気がしました。辛いときでも楽観的褒め言葉だけ思い出すことができればいつでもポジティブでいることができ、それが自信につながり、何か問題に直面している時には物事を違った角度から見ることができるかもしれないと思いました

 今回の藤原先生の講話をお聞きして、私は色々なことを学びました。それはどれも今後の人生を歩んでいく上で、とても重要になってくるものだと思いました。人の話を聞いて、ここまで心を動かされたのは初めてかもしれません。今後、機会があれば、ぜひまた藤原先生のお話をお聴きしたいと思います。 

  


「藤原正彦先生の講演会をお聞きして」 1年7組 M さん

今回の講演会をお聞きして、一番心に残った言葉は、「数学の問題を見たときに、すぐに無理だと思わないこと。無理だと思った時点で、人間は考えることを諦めてしまう。」ということです。数学のことだけでなく、全てのことにおいて、一度やり始めたことは簡単に諦めるなといわれているような気がしました

私は自分の限界を決めてしまっている所があります。ですから、無理だと思ったことは極力避けて、いつも絶対に出来ると思ったことしかやってこなかった気がします。これは、自分自身の可能性をどんどん狭めていってしまっていると思いました。今、何かに挑戦することを諦めてしまったら、今後、自分がやりたいと思うことができる確率がどんどん下がってしまうと思います。私が将来、「これしかできない。だから、これをやらざるを得ない」という状況になる前に、今から努力を怠ることなく、日々頑張りなさいと諭して頂いている気がしました。今、やらない、やろうとしないことは、時間が経つにつれて自然にできるようになることなど絶対にありません。自分が努力したから、何らかの形で返ってくると信じて、今できることをやっていきたいと思います。また、できないことを、仕方ないとすぐに諦めてしまうのではなく、少しでもできるように努力していきたいと思いました

そして、情緒についてもお話をお聴きしました。人は、芸術に感動する、それは感動するという情緒を養ってきたからこそできるのだということです。芸術は他人の考え方や心の在り方がそのまま現れるものだと思います。その芸術に感動するということは、他人の考えに対して、何かを感じ取ることだと思います。人の意見、考え方に共感すること、これはとても大切で、お互いのことを共有する方法の一つが、芸術なのだと思いました。芸術だけでなく、人の感情も大切にしたいと思います

最後に、友達と競い合うことも重要だとお話して下さいました。友達と競い合い、切磋琢磨することで、一人では決して学べないことが学べるということが分りました。友達とともに苦楽を乗り越え、協力していくのは自分のためでもあり、相手のためになることもあります。これからお互いを高め合えるような友達との関係を築いていきたいです

今回の講演会で私は多くのことを学び、頑張ろうと思うことが出来ました。自分の限界を決めることなく、まず何事にも果敢に挑戦してみたいと思います。

「藤原正彦先生の講演会をお聞きして」 1年7組 N 君
 今回、藤原正彦先生の講演会をお聞きして、僕はいくつかのことを学びました。1つめは、情緒力についてです。藤原先生は人間にとって大切なものを3つ教えて下さいました。ひとつめは、論理的思考、2つめは、知識、3つめは情緒力でした。数学の先生が情緒力とおっしゃったのには、驚きでした。藤原先生は、一人の女性を例にあげました。その女性は子供の頃から数学が良くできて、それに気が付いた親は重点的に数学を教え込み、17歳にして、ケンブリッジ大学のドクター論文を書くまでに成長したそうです。しかし、その女性は、それ以降余り活躍できていないというお話でした。藤原先生は論理的思考力と同時に情緒力を身につけなければいけないとおっしゃいました。その意味が、この女性の例でとても良く分りました。情緒力は日々身に付くものだと思います。毎日の様々な経験を大切にして、情緒力を培っていきたいと思います。また、自分の長所を伸ばす際も、年齢に応じた環境で、同世代と切磋琢磨することで、培われていくものであることがわかりました

2つめは、野心と執着力と前向きな思考です。野心とは、身分不相応な夢のことです。僕は、今まで、自分の手の届く範囲の妥協した目標を中途半端な執着心で追いかけていたのかもしれません。確かに、今までそういう中途半端な目標は、あまり達成できていないと思います。藤原先生のお言葉を参考にして、もう一度、自分の夢や目標を考え直そうと思います

今年、僕たちは高校1年生になり、理系、文系の選択、具体的に志望大学を決めたり、将来へと続く選択に迫られています。今後、不安なことにも直面すると思います。藤原先生のお話は、そんな僕たちの指標となるようなお話だったと思います。今回の講演会で、学んだ野心の大切さを、今後の受験勉強に活かしていきたいです

 


「藤原正彦先生の講演をお聴きして」 1年8組 O さん

 私は今回、藤原正彦先生のお話をお聴きして思ったことが三つあります。

 まず一つ目に、知識の大事さです。数学者である藤原先生は、高校生てせ学ぶ数学の2次関数から複素数まで、計算するにも公式を使うのにさえ知識が必要だとおっしゃいました。私も同じ意見です。確かに、数学を解くにあたって、計算力も思考力も必要です。しかし、誰しも基礎となる足し算を知らなければ、九九さえできないのです。それは数学だけではなく人生についても同じことが言えます。しかし、普通に生活している分には、知識の存在さえも気付かないことがあります。中には知識などなくても大丈夫だと言う人もいると思います。しかし生まれてから現在まで蓄積されてきた、一見無駄に思える知識も、いつか輝く人生の財産になるということを、私たちは忘れてはいけないのだと思います

 二つ目に、日本人の素晴らしい感性についてです。藤原正彦先生のお話の中に、「虫の鳴き声を音楽のようにして聞ける感性は、日本人を含め、数えるほどしかいない。」というものがありました。確かによく考えてみると、欧米などでは、日本人のように、キリギリスの奏でる鳴き声を、風流のある和歌にしたり、趣のある詩にしたりすることが、文化の中にはありません。また、華道や茶道なども日本人の感性がよく表れているものだと思います。なぜなら、華道は、日本人が花をただ並べて飾ることに何らかの美を感じ、茶道もただお茶を飲むことに何らかの美を感じ、書道というただ字を書くことにさえ美しさを感じることができる日本人の感性が、よくにじみ出ているからです。日本人は、生活の中のほんの些細なことや、道端に落ちている何気ないものまで芸術にしてしまう素晴らしい感性を持っているのです。それは国民として誇りに思えることであるし、これからも大切にして受け継いでいかなくてはならないものだと思います

 最後に、5歳から数学を学んだ少女についてです。彼女は、父親から数学を5歳の時から学び、17歳の若さにして、ハーバード大学の教授になりました。しかし、一時期は有名だった彼女も、藤原先生によると、もう15年間も彼女の名前を耳にされておらず、今どこで何をしているかさえ分からないそうです。なぜ天才の頂点まで上りつめたはずの彼女は、突然にいなくなってしまったのでしょうか。それは、頂点を突き抜ける力を彼女は持っていなかったからです。つまり、5歳から数学をしてきた彼女には、砂遊びや、絵を描いたりする経験が、他の同年齢の子たちと比べて圧倒的に少なく、そこで本来ならば培われるはずの何か大切なものが、彼女の中にはほとんど全くなかったのだと思います。無駄なように思える遊びの中にも、いつかは頂点という限界点を越えるためのバネになっているということを、今回の講話で学ぶことができました

「藤原正彦先生の講演をお聴きして」 1年8組 P さん

私は今回の講話の中で学んだ点がいくつかあります。一つ目は、「情緒」についてです。藤原先生がおっしゃっていた情緒力というものは、野にあるスミレを愛らしいと思えるかどうかだということでした。情緒は、広辞苑では、「折に触れて起こる様々な感情」という意味です。

 また、先生のお話の中で、天才的な少女のお話がありました。最年少で教授職に就かれた方だそうですが、先生曰く、情緒力が欠如していたために、その後目立たなくなってしまったそうです。このお話から私は、この少女には問題に対する情熱がなかったのではないかと思いました。この少女の場合の「情緒」というのは、数学の問題に対する熱意だったのではないかと感じました。また、この少女に限らず、一般的に藤原先生のおっしゃる情緒力について定義するならば、「感受性豊かになれ」という意味でおっしゃっていたのだと思います

 二つ目の点は、「野心家であれ」という言葉です。私は以前に「君には無理なんじゃないか」と言われたことがあります。その時、私はもしかしたら無理なのかもしれないと諦めてしまいました。そういうこともあって、この講演をお聴きして、過去の自分に対して深く後悔する気持ちが起こりました。また、野心家であることはとても大切であると感じました。野心を抱くことは、人それぞれに差はあると思いますが、しっかりとした目標を持つことだと思います。野心を持つことは、人が行動を起こす原動力となります。たとえば、私の尊敬する偉人の一人である坂本龍馬なども、彼が生きていた当時の日本を変える野心を持っていました。たぶん、歴史書には載っていない、様々な挫折も数多くあったのだと考えます。しかし、その野心は数々の挫折を乗り越えさせるほど大きなものであったのだろうし、大きな原動力にもなったと思います。

 三つ目の点は、自分こそが真のライバルであることです。よく私は勉強している際に、自分を甘やかす傾向があります。やはり、このことからも分かるように、最大のライバルは自分自身なのだと感じました。ですから、最大のライバルに負けないように、常に全力を尽くして物事に取り組んでいきたいと思います。

 四つ目の点は、挫折です。私が挫折で思いつく言葉は、「悲しみ、苦しみは人生の花だ」という、坂口安吾さんの言葉です。私はこの悲しみ、苦しみが挫折のことを表しているのだと思います。私はこの言葉をかみしめながら、挫折にぶつかった時に耐え抜こうと思います

 最後に、私は今回の講演会でたくさんのことを学ばせていただきました。この講演をしてくださった藤原先生に感謝いたします。貴重な講演をありがとうございました。

   


「藤原正彦先生の講演会をお聞きして」 1年9組 Q さん
私は、講演会の資料で藤原先生を初めて見たとき、おそらく論理や計算について語ってくださるのだろうと思っていました。しかし、先生の話を聞いて驚きました。先生は、情緒力が大切だとおっしゃったので、私が思うに情緒力とはやはり一番大切なものだと思いました。論理だけでは動かせないものが人間であり、美的感受性を持つことこそが豊かな人間をつくることにつながるのだと思います。美的感受性は、日常の生活の中で身についていくものだと先生はおっしゃいましたが、その通りだと思います。それぞれの分野で活躍できる人は、きちんとそれ以外のこともこなしてきた人であり、物事を成功させるためにはそのことだけをやるのではだめなのだと気づきました。本物の情緒力とはそこに眠っているのであり、その力こそが論理そのものを生かす材料にもなるのではないでしょうか。天才は普通に生まれたときから頭の構造が違うのかと思っていましたが、天才も努力の末の人だったことも知ることができました。朝8時から研究を始めて夜12時になってようやくお腹が減る、これは努力の才能なのではないかと思います。やはり何事も地道に取り組むことが必要であり、その過程には、近道はないのです。それは勉強にも部活にも全てにおいて努力は必要で努力することで道は開けていけるのだと思いました
「藤原正彦先生の講演会をお聞きして」 1年9組 R 君

藤原先生は最初にこれから学ぶべき3つのことを教えてくれました。

 1つ目は「論理的思考力」です。論理とは、物事を簡単にする思考の形式法則です。2つ目は「知識」です。知識とはある物事について認識し、理解しているということです。3つ目は「情緒」です。情緒とは、折にふれて起こるさまざまな感情です。その後、現在のユーロ危機を例に出され、欧米人はこの問題を論理的思考力と知識と理性によって解決しようとしているが、それではだめだとおっしゃっていました。確かにそうだと思います。欧米人が物事を解決するときに使う、論理的思考力は何も欠点が無いように思いますが、欠点があると思いました。その欠点とは、出発点により結論が変わってしまうということだと藤原先生はおっしゃっていました。出発点が各国によって異なると、意見はまとまらないですし、もし誤った出発点があるとすれば、このユーロ危機の問題は解決されないと思います。私はこれをお聞きしたとき、納得もしましたが、どうすれば正しい出発点を見つけられるのだろうかと考えました。藤原先生は、それを見つけるには情緒力が必要だとおっしゃいました。

 情緒とは折に触れて起こるさまざまな感情です。感情で物事を動かすのですから、大変なことだと思います。しかし、藤原先生がおっしゃった情緒とは、そのような喜怒哀楽ではなく、抹消効果器からの感覚のフィードバックが重要な役割を果たすということでした。情緒という言葉を私はあまり深く考えたことはありませんでしたが、情緒力は美しいものを見て美しいと思うことでこれまでも養ってきたように思います

 私は今まで、日本で生まれ、日本で育ってきましたので、美しいものを見て美しいと感じることは欧米人も同じだと思っていたのですが、そうではないようです。藤原先生はイギリスのケンブリッジ大学で教育に従事されていた時期があり、そのときに現地の人に「イギリスには美しく鳴く虫が少ない」と言われたとおっしゃっていました。私は秋に虫の鳴き声を聞くことが好きなので、ヨーロッパではそういうことができないと聞いて驚きました。

 この情緒力は、日本でははるか昔から伝統として受け継がれてきたので、私たちも次の世代へと受け継いでいかなければいけないと思いました

 藤原先生は、日本は文学、芸術、数学の分野などで世界のトップレベルだとおっしゃいました。日本の文学には、万葉集、古今和歌集、源氏物語、徒然草など素晴らしい作品が多数あります。しかし、言われてみると海外の文学はあまり知りません。日本の文学が世界にも誇れる素晴らしいものだとよくわかりました。

 藤原先生は、最後に3つの私たちに必要なことを教えてくれました。

 1つ目は野心です。野心の日本語の意味は「身分不相応の望み」ですが、欧米では良い意味として捉えられています。2つ目は「執着心」です。何事もあきらめないことが大切だとよくわかりました。3つ目は「楽観」です。ある数学者はどんな数学の問題を見ても、最初に「It’s so easy.」と言うそうです。難しいと思うと、人間の脳は普段の50%くらいしか機能しないという話に驚きました。

 私は今回の講演をお聞きして、とても勉強になりました。教えていただいたことをこれからの人生に大いに役立てていきたいと思います。