「日本フィルハーモニーを聴いて」 1年1組 Aさん

私は今回の演奏会をお聴きして、「音楽」というものはまるで「絵本」のようだと思いました。「絵本」は背景に絵があって、そして文章があります。今回聴いたチャイコフスキー作曲の「なつかしい土地の思い出」で言えば、オーケストラが絵を、そしてヴァイオリンのソロが物語を進める語り手のようでした。オーケストラとソロが合わさることで、音に厚みが増し、様々な趣向が凝らされていてとても感動しました。また、どのように楽譜を解釈し、奏でるのかを決めるのは指揮者です。ですから、同じ楽譜でも誰が演奏するかによって全く違うようになります。

それが音楽の面白いところだと思いました。私は自分で楽器をやっているということもあって、色々なクラシック音楽を聴くのが好きです。今回聴いたベートーヴェンもチャイコフスキーもCDで聴いたことがありました。正戸さんのストラディヴァリウスは伸びゆくような音を奏でヴァイオリンが鳴っているというよりは、泣いているという気がしました。また曲という物語の背景とも言えるオーケストラはコンマスをはじめ、息のぴったりあった演奏で、とても心地よく感じました。

 ベートーヴェンは難聴になりながらも作曲を続け、何曲もの大曲を作り上げたことで有名です。私は今まで、「運命」の冒頭部分はとても暗いものだと思っていました。まるで絶望への入り口のような。しかし今回の演奏をお聴きして、あのメロディーは難聴という障害を音楽とともに生きていくという覚悟を表現しているのかもしれないと思いました。

「日本フィルハーモニー交響楽団の演奏を聴いて」 1年1組 B君

 私は中学1年生から江戸取に通って4年目になりましたが、オーケストラが来て演奏して下さることは今回が初めてのことでしたのでとても楽しみにしていました。期待通り、たくさんの楽器によって迫力のある曲が演奏され、とても感動しました。

 私は吹奏楽部でトロンボーンを吹いているので、今回トロンボーンの演奏を聴くことができ、とても楽しかったです。私はいつも吹奏楽器による合奏と弦楽器による合奏の音を別々に聴いているので、今回の生のオーケストラによる重厚な音には圧倒されました。運命という曲は「ジャジャジャジャーン」という始まりが有名ですが、日フィルの演奏は私のイメージとは少し違いました。私のイメージでは音と音の間をもっとためて演奏するものだと思い込んでいましたが、日フィルの演奏は案外あっさりしていました。音楽は演奏する人によって全く違った雰囲気になるということを実感しました。今回の演奏会では、指揮者の方がベートーヴェンの生涯についても説明して下さり、勉強になったとともに、その曲に隠されたエピソードについても考えながら演奏を聴くことができました。

 最後に、私は日本フィルハーモニー交響楽団の方々に感謝の言葉を述べたいと思います。素晴らしい演奏をありがとうございました。また今度演奏をお聴きできることを楽しみにしています。

「演奏会を聴いて」 1年2組 Cさん

 今回の日本フィルハーモニーの演奏をお聴きしてその迫力に感動するともに良い経験ができたと思っています。私は、あまりクラシックに詳しくありません。また楽器も自分では演奏しないので、専門的なことはほとんど分かりませんが、チャイコフスキーの『懐かしい土地の思い出』のバイオリニストの正戸里佳さんの演奏を聴いた時、「すごい」と感じました。

力強く、繊細な音は、自然に心に響いて来て、様々なイメージを膨らませることができました。ベートーベンの『運命』は大変有名な曲で音楽の授業で聴いたことがありましたが、今回の演奏を聴いて、少し違う印象を受けました。指揮者の岩村さんが、この曲を作っている途中に、ベートーベンが書いたとされる遺書の抜粋を紹介していただきました。その中の「この芸術を完成させるまで死ぬことはできない」という一節は遺書というより、ベートーベンの決意を表したものでした。音楽に対する情熱が『運命』という作品を作り上げたのだと思います。私は音楽の奥深さを感じました。今回、本物の音楽に触れ合うことができ、充実した時間を過ごせました。これを機にクラシック音楽をもっと聴いてみたいと思いました。

演奏会を聴いて」 1年2組 D君

今回、日本フィルハーモニー交響楽団による演奏会に参加しました。この演奏会では、チャイコフスキーの「なつかしい土地の思い出」とベートーベンの「交響曲第五番“運命”」が演奏されました。そして今回の演奏会は、ヴァイオリンのソリストの方もお迎えして構成されたものでした。

僕は、オーケストラの演奏は全く聴いたことがありませんでしたが、今回の日本フィルハーモニー交響楽団による演奏は、そんな僕でも十分に楽しむことが出来ました。例えば、この演奏会で最初に演奏されたチャイコフスキーの「なつかしい土地の思い出」は、全体がやわらかくて滑らかな曲で素晴らしいと感じました。特に第二楽章のヴァイオリンのソロ演奏が軽快で明るい印象を与えるような演奏で、深く心に残りました。しかし、僕は二曲の中で強く印象に残ったのはベートーベンの「交響曲第五番“運命”」です。僕はこの曲について、有名な冒頭部分のメロディーぐらいしか知りませんでした。しかし、この曲を聴いて、第三楽章から第四楽章になるにつれて、次第に迫力が増していくところに強く心を打たれました。すごいと思いました。今回、日本フィルハーモニー交響楽団による演奏会は、普段からクラシックに親しむことのない僕でもとても楽しかったです。この演奏会を機会にクラシック音楽にも興味を持つことが出来たような気がします。もっとこういう音楽を楽しめるようになりたいと思いました。

「日本フィルハーモニーを聴いて」 1年3組 Eさん

私は今回初めて日本フィルハーモニー交響楽団の演奏をお聴きしました。学校では何度か生のクラシック音楽の演奏会がありましたが、今回の演奏会は期待していた以上にとても素晴らしいものでした。 正戸里佳さんはプログラムによると三歳のときからヴァイオリンを始めたとありますが、そのように長い期間を続けていられるのは本当にヴァイオリンが好きなのだと思いました。また、自分が好きなことで活躍できることは素晴らしいと思いました。私は、正戸里佳さんのソロの演奏をお聴きして、感動しました。 

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの「運命」という曲は今までにも聴いたことのある曲でした。しかし、それは一部のフレーズだけであり、四楽章を全て聴くのは初めてのことでした。冒頭のフレーズのイメージが強い曲だと思っていましたが、四楽章全てを通して聴いたことで、今までとは違うイメージを持ちました。 ピョートル・チャイコフスキーの「なつかしい土地の思い出」という曲は、ヴァイオリンの音が温かく滑らかでしかも落ち着いていて、とても心地良い曲でした。しかし、その中でも第二楽章は第一楽章に比べるとメロディーが速かったと思います。また、弦楽器なのに弓を使わず弦を指で弾いて演奏していたことが印象に残りました。もし、また日本フィルハーモニー交響楽団の演奏をお聴きする機会があったら、もう一度聴きたいと思いました。今回はとても良い経験になりました。

「日本フィルハーモニーを聴いて」 1年3組 F君

僕はこのコンサートでまずベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を聴いて、ベートーヴェンが耳で音を聴く力を失ったことがきっかけとなって、この曲を作曲したというエピソードが心に伝わってきました。 僕はあまり物事に積極的に取り組む方ではありません。だから、自分もベートーヴェンのように積極的に物事に関心を持ち、取り組んでいこうと思いました。 また、この曲の第一楽章は明るくて弾むようなリズムで曲が進んでいきますが、第二、第三、第四楽章になるにつれて、暗く魂のこもっていないようなリズムになっていきます。私たちが生きているのは、当然ではないことに気づきました。当たり前のように思われますが、一秒一秒を充実して生きていくことが大切だと思うようになりました。 

また、2曲目のチャイコフスキーの曲は、生まれて初めて聴いた曲だったので、聴き入りました。明暗の境目がはっきりとわかるような素晴らしい曲だと思いました。先人達が素晴らしい曲を作ってくれたおかげで、現代の人々を癒してくれているように思えます。 現代の世界中の人々はストレスの多い社会に暮らしているように思います。こういった時にこそ、100年以上前の先人達の作ったクラシック音楽を聴いて心を癒すのがよいと思います。時間の使い方を工夫し、癒しの時間を作ることも大切だと思います。

「日本フィルハーモニーを聴いて」  1年4組 Gさん

 私は今回の日本フィルハーモニー交響楽団の方々の演奏を聴き、改めて音楽の素晴らしさについて深く感じさせられました。私には音楽の専門的なことはあまり分かりませんでしたが、一曲目の「なつかしい土地の思い出」は初めて聴いた曲なのですが、本当に前にどこかで聴いたような、何だか懐かしい気持ちになりました。また、何といっても正戸里佳さんのヴァイオリンは、聴いていて本当に心が洗われるような美しい音で、特に高音が響くところではすがすがしく爽やかな気持ちにさせてもらいました。 

次に二曲目の「運命」は、今回生演奏で聴いたのは初めてだったのですが、やはり迫力が全然違うなと思いました。楽章ごとに雰囲気が一変して、違う世界に引き込まれていくようで面白かったです。また音楽を聴くのはもちろんですが、見るのも興味深いなと思いました。今回が生演奏だったからこそ感じたことなのですが、個人的にはヴァイオリンならヴァイオリンの、トロンボーンならトロンボーンの方々のまとまった動きが本当にしなやかで、鮮やかで、見ていてとても伸びやかで楽しそうだなと思いました。 音楽は人々に何かを与えてくれるものだと心から思います。例えば私は落ち込んでいるときや元気をもらいたいとき、よく音楽を聴きます。きっと人間誰しもが日々人生の中で音楽と密接に関わっていると思います。メロディーに共感し、歌であれば歌詞に共感することで心が癒され気持ちが整理されるのだと思います。東日本大震災の被災地でもよく音楽が流れています。音楽は人と人とを言葉なくして結ぶすてきな存在だと思います。 

今回このような貴重な時間を過ごせたことに感謝し、今後も音楽と共に過ごしていきたいです。日本フィルハーモニーの皆様、とてもすてきな演奏をありがとうございました。

「日フィルの演奏を聴いて」 1年4組 H君

 国内外で名高い日本フィルハーモニー交響楽団が江戸取に来て頂くということを、予定表を見て知ったときとても嬉しかったです。テレビなどでしばしば拝見できる素晴らしい演奏が生で、目の前で聴くことにできる機会はなかなかあるものではありません。曲目も大好きなベートーヴェンとチャイコフスキーからの選曲で、本番までの期待は膨らむばかりでした。

 

 当日の演奏にはとても力を感じました。一つ一つの音が粒となって届いてくるように感じました。チャイコフスキーでの正戸さんのバイオリンの演奏技術、そしてストラディヴァリウスの音色がとても綺麗で感動しました。そしてベートーヴェンの中でも自分がかなり気に入っている曲でした。前日にCDを聴いてきました。しかし生演奏はCDで演奏している演奏家がどんなに優秀でも、それ以上の感動を味わいました。第一楽章はもちろんのこと、特に第三、第四楽章でのピッコロがとても格好良かったです。

 

 自分は十三年前からピアノを始め、部活でサックスを吹き、趣味でギターを弾いていますが、正直なところあまりオーケストラとの関係が深くない楽器ばかりです。しかしそのためかオーケストラという集団での演奏には憧れがあります。吹奏楽よりも大きな編成で何十分もの大曲を演奏してみたいと思いました。

 

 今回の演奏を聴いて、自分はとても刺激を受けました。同じ音楽に携わる者として、到底超えられそうにない、しかし超えてみたい壁を目の前で見ることができました。ここで日本フィルハーモニー交響楽団の演奏を聴いて受けた刺激と感動を忘れずに、これを生かしていくことができたら良いと思いました。

演奏会を聴いて」 1年5組 I君

僕は音楽には力があると思います。時と人の涙を誘い、笑顔にしたりします。今回の日本フィルハーモニー交響楽団の演奏をお聴きして改めてそのことを実感しました。席が比較的後ろの方だったので、ホール全体を見渡すことができました。

生徒全員が演奏に聴き入っている様子は音楽の力を改めて感じることができました。奏でる音に魅了され、演奏が終わった後、時間が経つ早さに驚きました。演奏曲の『運命』はその出だしこそ知っていましたが、四楽章まで聴いたのは初めてでした。迫力があるだけでなく、美しさや繊細さも感じ取れました。CD等で聴くよりもはるかにインパクトがあり、心に染み入ったのは、人間が直に演奏しているのを聴いていたからだと思います。今回の演奏会を通じて、音楽に対する関心が深まりました。

音楽を楽しむ」 1年5組 J君

今回、日本フィルハーモニーの演奏をお聴きして大変感動しました。普段、クラシックを聴かない僕が感じたことは、音楽はジャンルによる多様性に溢れているということです。クラシックはどんなに激しい演奏でもその上品さを失うことはありません。それは演奏者が正装し、きちんとしたたたずまいで演奏しているかだと思います。

多くの、しかも各々が違う楽器で曲を奏でているにもかかわらず、一糸乱れぬ演奏ができるのはすごいことだと思います。特にバイオリンの方々の演奏は圧巻でした。魅せる音楽だと感じました。また指揮者と演奏者の一体感に感動を覚えました。お互いの絶対的な信頼関係を見たような気がしました。演奏が終わった後の指揮者の方の何とも言えないような充実感、喜びがこちらに伝わってくるようでした。そして、観客との一体感もまた同様です。そこにいる人々すべてが、包み込まれるように一つの世界が出来上がるところが僕は大好きです。

コンサートを通して」 1年6組 K君

 僕は小さい頃から保育園を卒業するまでずっとクラシック音楽を聴かされていたことを思い出しました。今回の演奏をお聴きして特別な時間を過ごしたと感じています。それぞれの曲には音色に特徴があり、その音色に合わせるようにそれぞれの楽器を駆使しての演奏に本当に感動しました。岩村力さんの指揮も迫力がありました。

バイオリニストの正戸里佳さんの演奏もその音色に優しさと美しさを感じました。幼い頃からバイオリンを学び、それを仕事とできるのは羨ましく思いました。クラシックはテレビでも演奏は聴くことができますが、音一つ一つの迫力や輝きはテレビで味わうことはできません。今回のコンサートでその醍醐味を味わうことができてよかったです。クラシック音楽のすばらしさを特別な時間として体験することができました。本当にありがとうございました。

コンサートを聴いて」 1年6組 L君   

 僕は音楽が大好きです。音楽と言っても形態は様々で今回のように楽器を用いての演奏、コンピューターを用いて機械的に音を合成して作られたものもあります。後者はドラマやアニメ、ゲームのBGMなどが挙げられます。僕は今までどちらかというと後者の音楽に興味がありました。今回、『運命』等のクラシックの代表的な演奏をお聴きして、僕の音楽に対する考え方に大きな影響を与えてくれました。

まず、曲の時間に対する考え方です。僕がよく聴く曲は1分半から2分くらいです。しかし、クラシックは長い曲が多いです。音楽は短い中にできるだけストーリー性を詰め込んだ方が効率的て良いと考えていましたが、今回の演奏会を聴いてそうとは限らないという新たな音楽に対する価値観が芽生えました。もう一つは曲の聴き方と音質に対する考え方です。僕はいつも家でヘッドフォンで聴いていますが、生の演奏は音楽機器を用いて聴くよりも勝るものでした。本当にすばらしい演奏を聴くことができて本当に良かったです。

コンサートをお聴きして」 1年7組 Mさん

 今回のコンサートは、チャイコフスキーの『懐かしい土地の思い出』とベートーヴェンの『運命』の演奏をお聴きしました。一曲目の『懐かしい土地の思い出』は、うっとりするような、とても優しく美しい曲でした。この曲の題名の懐かしい土地とは、チャイコフスキーが療養中に訪れたスイスのレマン湖のクラランスという場所のことをいうそうです。

私は、実際にはその土地に行ったことはありませんが、今回の演奏を聴いて、そこはきっとすてきな場所なのだろうと思いました。また、バイオリニストの正戸里佳さんが伸び伸びと優雅に演奏している姿がとても素敵で印象的でした。二曲目のベートーヴェンの『運命』は、一曲目とは対照的な力強い曲でした。私はクラシック音楽に詳しくないので、曲の構成について詳しいことは分りませんでした。しかし、私は、この曲を聴いて、この曲には生まれた環境や時代など自分でどうにも出来ないことはあっても、人生は自分の意思と選択によって変えていくことが出来るというメッセージが込められているのではないかと思いました。

私は、こういった曲に込められたメッセージや思い出も観客に伝えることが出来るのは、奏者の方々が思い描く曲想が同じだからだと思います。これは音楽だけに言えることではなく、何事においても言えることです。今回のコンサートを通して、全員が同じ方向を向くと大きな力が発揮されるということを学ぶことができました。私は、今回のコンサートを通じて学んだ、同じ方向を向くことで大きな力が発揮できるということを、今後の生活に活かしていこうと思います。また、これからはクラシック音楽をたくさん聴き、今度生で演奏を聴くときには、曲の構成などももう少し詳しいところも分るようにしたいです。

コンサートをお聴きして」 1年7組 N君

 僕はあまり「オーケストラ」というものを聞いたことがありませんでした。小学校や中学校の音楽の授業で少し聞いたことはありましたが、それほど興味を持っていませんでした。小学校から中学校、高校へと進学するにつれて、忙しくなってきたということもあり、音楽に触れる機会も減ってきたように思います。そんな時に今回の演奏会がありました。始まるまでは、余り興味を持てませんでしたが、いざ演奏が始まると、全く飽きることがなく、聞いていてとても面白かったです。一つ一つの学期の音色がとてもきれいで感動しました。また、聞いていて、オーケストラはクラスのようなものだと思いました。一人一人が集まって、大きなものができると感じました。

ベートーヴェンは、耳が聞こえなくなるという自らの運命に負けず偉大な業績を成し遂げました。『運命』という曲は、「運命が決まっているなんて、冗談ではない。運命は自分で切り開くものだ」という強い決意が込められているように感じました。僕も、自分の人生を自らの手で切り開いていけるような強さを持ちたいと思いました。今回、コンサートで演奏して下さった日本フィルオーケストラのみなさんには、とても感謝しています。一流の演奏を聴いて、一流の素晴らしさを感じることが出来たからです。一つの曲に、全員の気持ちを一つにして臨むことで、人を感動させることができるということがわかりました。

音楽に限界なんてない」 1年8組 Oさん

「音楽に限界なんてない」、そう言ったのは中学時代の友人でした。思い返すと何とも恥ずかしい台詞ですが、この言葉は私の心に確かな影響を与えました。そして、この友人のことは今でも尊敬しています。

 私は音楽が大好きです。空いた時間があればいつもJ−POPや室内音楽の類を聴いています。「聴く」という文字の通り、耳、目、心の全てを使って聴いていると、音の流れの間に今まで気付かなかったメロディーを見つけたり、心のしがらみが解けたりと、思わぬ良い効果が得られます。また、聴くだけではなく奏でる方も好きです。芸術選択の音楽の授業は、名曲の数々に触れ、歌を歌ったり、リコーダーを吹くことができる貴重な楽しみの一つです。小学5年生の頃までエレクトーンを習っていた私ですが、今では音楽的な技術やセンスは衰えてしまっているので、こういった時間はとてもありがたいです。

 

 さて、今回の音楽鑑賞会のことを詳しく知ったのは、当日から見て前の週の音楽の授業でした。いつも授業前に流れている曲が、この日はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンの「運命」で、音楽の先生は、この曲が当日演奏されるということを教えてくれました。印象的な出だしが特徴のこの曲は、最後まできちんと聴いたことがなかったので、とても興味が湧きました。

 

 指揮官がタクトをあげる直前まで団員の方々が音合わせをし、タクトが上がる瞬間にぴたりと止み、会場に穏やかな緊張が走るという一連の動作からも、一流の雰囲気は伝わってきます。チャイコフスキーの曲で楽団と共演されていた正戸里佳さんのバイオリンも見事でした。楽団と音でやりとりし、互いに良さを引き出しているのがよくわかりました。「運命」でもその勢いは止まらず、演奏後には心から拍手が起こりました。 この日のことは決して忘れることなく生徒の胸に刻まれるでしょう。この演奏を聴いた江戸取生から、将来、音楽の道を歩む人が出るかもしれません。冒頭の言葉を用いるなら、その人が「限界のない音楽」を切り開いてくれるとよいと思います。

 

 最後に、素晴らしい演奏をしていただいた日本フィルハーモニー交響楽団の皆さん、ソリストの正戸里佳さん、指揮者の岩村力さん、そしていろいろな準備をしてくださった先生方、このような素晴らしい機会を与えてくださって、本当にありがとうございました。

「オーケストラを鑑賞して」 1年8組 P君

僕は日本フィルハーモニー交響楽団の演奏をお聴きして、オーケストラのクラシック音楽に興味が湧きました。僕は今までクラシック音楽をコンサートで聴いたことがありませんでした。普段僕はロックやファンク等のジャンルにしか興味がなかったのですが、今回の演奏で最初の音が鳴った瞬間、今まで聞いてきた音楽とは全く異なる雰囲気が感じられました。

 

 最初にお聴きした「なつかしい土地の思い出」は、僕の知らない曲でした。しかし、可愛らしいところや、テンポが速く激しいところ、上品で落ち着いた感じのところ等、様々な要素を感じ取ることができました。さらに、この曲の作曲者であるチャイコフスキーの当時の環境を自分なりに思い浮かべることができました。また、ソリストの正戸里佳さんの演奏は、繊細でとても温かく感じました。二曲目に演奏された「運命」は僕も聴いたことがあります。しかし、僕の知っているのは冒頭だけでした。曲の始まる前に説明された中にあった、ベートーベンの「使命を果たすまで死んではならない」という言葉を聞いて、彼はすばらしい音楽家なのだと改めて思いました。僕はこの曲に対して力強い印象を持っていましたが、力強いだけではなく、優しい静かなところや、跳ねた曲調もあることを初めて知りました。この曲は、弦楽器の人数が多く、一斉に音が出る時に迫力を感じました。

 

また、こんなに大きなオーケストラをまとめる指揮者の岩村さんは、すごい技術の持ち主だと思いました。本日の演奏をお聴きして、音楽を演奏するには、いかに観客を感動に導くかが大切であると思いました。僕は学校の友達とロックバンドを組んでいますが、これからはこのオーケストラのように、観客を感動させることができるようなバンドを目指したいです。

「日本フィルハーモニーの演奏を聴いて」 1年9組 Qさん

 私は、今回聴いた2曲から様々なものを感じることができました。

 まず、最初に聞いた「なつかしい土地の思い出」です。ヴァイオリンの音色は、静かな場面ではもの悲しく話しかけるように、盛り上がる場面では楽しく軽快に、今にも踊り出すようでした。そのヴァイオリンの裏側に耳を傾けると、水が流れるようなハープの音色や、可愛らしく語り合っているようなクラリネットやフルートの音色がありました。また、曲全体が前に進んでいくように弾んでいる低音のピチカートや、何かが迫ってくるような緊張感を与える弦楽器のクレシェンドなどが聞こえてきました。この曲を聴き、私は優しくて落ちつきのあるものが伝わってきました。

 

 次に「交響曲第五番ハ短調 運命」です。第一楽章の「ジャジャジャジャーン」というメロディーは、とても単純ですが、この単純なメロディーを特定のパートだけが演奏することもあれば、様々なパートが一斉に演奏したり、掛け合いで演奏したりすることで静かで緊張感のある場面や、激しく威圧感を与える場面など、色々な表現が伝わってきました。第四楽章では明るく楽しいメロディーの中、トランペットの音色がキラキラと輝いて聞こえました。

 

 この曲を聴き、私は単純なリズムが集まっただけでたくさんの場面の表現ができることを発見しました。そして「苦悩を突き抜けての勝利」というシナリオに込められた力強さも伝わってきました。

 今回の演奏で、私は何か一つにまとまったオーケストラでは、どんなに個々の技術が高くても人を感動させられる演奏にはできないと思いました。また、私は心を一つに協力すること、団結することの大切さも再確認することができました。

 今回の演奏会で音楽が人に与えるものの偉大さを改めて実感しました。

日本フィルハーモニーの演奏を聴いて」 1年9組 Rくん

 僕は、オーケストラの生演奏を何回か聴いたことがあるのですが、今回の日本フィルハーモニーオーケストラの演奏は、とても力強く、また繊細で引き込まれる音楽でした。

 

チャイコフスキーの「なつかしい土地の思い出」では、ヴァイオリンの美しい響きが牧歌的なメロディーに乗せられて、バックのオーケストラとの全体的な郷愁感が良かったです。チャイコフスキーといえば、迫力のある曲が有名なので、そのような曲ばかりだと思っていたのですが、この曲を聴いて、チャコフスキーの新たな魅力が発見できました。

 

「運命」の前に岩村さんがベートーベンの遺書を読んでくださいました。ベートーベンの耳が聞こえなくなっていったというエピソードを僕は知りませんでした。教科書などに載っているベートーベンの顔はとても恐い表情なので、恐い人なのかなと思っていましたが、遺書の最後にも希望があって、人の人生の機微を感じました。

 

「運命」では、指揮者の岩村さんの動きに圧倒されました。ティンパニのロールが鳴るとオーケストラ全体のボリュームが一気に上がり、聴いているこちらもテンションが上がりました。有名な第一楽章も良かったのですが、特に感銘を受けたのは第四楽章でした。テレビでこのメロディーを聴いたことがありましたが、荘厳なメロディーが今でも頭の中に流れています。また、オーボエとファゴットの音色がとても美しく、感動しました。

 

アンコールでは、ヘンデルの「オン・ブラ・マイ・フ」を聴かせていただきました。ここでもオーボエのリラックスした音色に感銘を受けました。管楽器の高音はきつくなってしまうことがあるのですが、日本フィルハーモニーオーケストラのオーボエ奏者の方の音色はさすが一流のプロだと思わせられる音でした。

日本フィルハーモニーオーケストラのみなさんの演奏を生で聴くことができ、楽器の音で人を感動させられるということは素晴らしいなと改めて思いました。またいつか聴けることを楽しみにしています。