フォーレ四重奏コンサート

1組

 僕は音楽に関して、ほとんど知識がないのですが、今回のフォーレ四重奏コンサートは非常に素晴らしい時間になったと思います。普段僕は朝早く家を出て学校へ行き、夜遅くに家に帰ります。休日になると、自転車で買い物へ行ったり、友達と卓球をしたりして気分転換をします。身体を動かしたり、遠い場所に移動したりしないと気が済みません。
 しかし、今回の演奏を聴かせていただいて僕は自然とリラックスしていることに気付きました。僕は普段、ポップスやロックといった歌を聴くものの、楽器の演奏はめったに聴くことがありません。ところが、4つの異なる楽器の音色が調和して生まれる一つのハーモニーにとても心が癒やされました。普段通りの生活を送ることも大事ですが、たまにはいつもしないようなことをやってみることができたら面白いのではないかと思います。まして、新しい楽しみの発見につながるかもしれないと考えると、なおさら面白くなってきます。今回はまさに音楽への関心を開くきっかけとなるような演奏をしていただけて、大変感謝しています。
 ピアノの弾いていたディクレ・モルツメさんが演奏中にたびたび楽譜から目をそらして僕たちの方を見ていましたが、あの時、ディクレさんは何を見ていたのでしょうか。僕たちに何かを考えさせるためかな、と思いました。音楽の世界は、僕たちが知らない可能性がまだまだあるということを教えてくれていたような気がします。

 私はフォーレ四重奏が来てくださると聞いて楽しみにしていました。なぜならフォーレやラヴェル、ドビュッシーといったフランスの音楽が好きだからです。世界的に高い評価を受けてきた四重奏を生で聴くことができるということも、とても楽しみでした。まず一つ感じたのは、ヴァイオリンの表現力の高さです。ヴァイオリンというのは、4弦しかありませんが、あらゆる方法でかなり幅広い音域を奏でることができると分かりました。その表現力の高さは一緒に演奏していた、たくさんの弦が張られているピアノにも劣らないものがあったように感じました。その一方で、コントラバスやヴィオラの存在感の大きさにも驚かされました。私のイメージの中では、主な旋律ヴァイオリンにすべてを任せているような気がしていましたが、実際に聴いてみると、コントラバスによって主旋律を奏でていたりと、私の想像をはるかに上回っていました。またヴィオラは軽やかで音の上がり下がりが激しいヴァイオリンの音を支えながら重く、どっしりしたコントラバスの音を際立たせているように感じました。そういったサポート役も欠けてしまうと良いものは決してできないのだということを改めて感じました。
 ピアニストのアルゲリッチはフォーレ四重奏について「一度聞いたら、また聞きたくなる音楽」と表現しました。自分の手で多くの音楽を奏でることができる世界的ピアニストが「もう一度聞きたくなる」魅力とは何なのかということが、少しわかったような気がしました。

2組

 江戸取で参加する最後のイベントがフォーレ四重奏団のコンサートでした。江戸取で過ごしたこの6年間で、音楽に関するものだけ考えてみても、N響室内合奏団や東京フィルハーモニー交響楽団、アルカント・カルテットなど様々な種類の演奏を聴いてきました。しかし、今回はそのどれとも違う、ピアノ四重奏と呼ばれる、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの4つの楽器による演奏でした。演奏が始まる前は、音楽に関して何にも分からない私ですが、ピアノがその他の弦楽器の音を邪魔してしまうのではないかと思っていました。もちろん、合奏などでピアノが用いられることは多くあり、オーケストラのような大人数で演奏するときには、他にたくさんの楽器が演奏されるため上手く調和するように思いますが、今回のように四重奏では、4つの楽器のみで演奏されるため、他とは音色の異なるピアノが目立ってしまうのではないかと思っていました。
 実際に演奏が始まると、一瞬で引き込まれていきました。ピアノと他の弦楽器の音が見事に調和していて、心地よい音色が大ホール中に響き渡っていました。細かい技術的なことは私にはわかりませんが、心に染み渡る素晴らしい演奏でした。
 高3の12月という受験も迫った時期でしたが、今回のコンサートは勉強の合間の気分転換にもなりました。勉強ばかりで楽しみがなくなりつつある今、このような時間も必要なのではないかと思いました。素晴らしい演奏を聴いて、心も清らかになり、これでまた、勉強に励むことができそうです。フォーレ四重奏団の皆様、本当にありがとうございました。

 今回のコンサートは高校3年生にとって最後のコンサートでした。今までもいろいろな講演会やコンサートに参加してきたけれど、普段あまり音楽を聴きに行かないので、とてもよい経験ができたと思います。
 今回のコンサートはフォーレ四重奏団でした。私はあまり音楽をやったことがなく、小さい頃に少しピアノをしていたくらいでしたが、大学に行ったら、ヴァイオリンかピアノなどの音楽をしたいと思っているので、今回の演奏はすごく楽しみにしていました。聞いた曲目はメンデルスゾーンとフォーレの書いた曲でした。メンデルスゾーンはすごい才能があり、今回聴いた曲は14歳の時に作曲したものだと知ってびっくりしました。やはり才能はあると思いますが、その上の努力がそういう偉業を可能にしているのだろうと考えると、自分も何か1つのことに集中して取り組み、人よりもずば抜けたものを見つけたいと思いました。
 また演奏を見ていて、演奏者の方は、全身を使って演奏をしていて、曲の世界に入って演奏しているのだと思い、私も聴いていて、その曲に聴き入ってしまいました。普段音楽に触れない私でさえ、自然にその曲の世界に引き込まれるような演奏でした。曲を聴いているときは頭の中はその曲だけで、何か他のことを考えることがないくらい聞き入っていました。音楽の力はすごいな、と思い、これから何か私でもできることで音楽に関わることができたら、と思いました。
 これからはこのような機会が与えられることはなくなりますが、積極的にコンサートなどを聴きに行きたいと思います。そしてその中で、何か自分が新しくやりたいと思えるものを見つけ、そのことで目標などを持っていけたらと思いました。

3組

 12月7日にフォーレ四重奏団のコンサートが行われました。弦楽器の演奏といえば、テレビやラジオで流れてくるものを聞いたことがあるだけで、生で、それも今トレンドの演奏家の演奏を聴くというのは、私にとって初めての経験でした。
 まず、ホールに響き渡る音の大きさ・透明感に驚き、それが一糸乱れぬ音の重なりであることに鳥肌が立ちました。クラシックというとこれまではたいていBGMとして耳にしていましたが、ビジュアル的に躍動感のある演奏スタイルや、たった4人で奏でているとは思えない迫力あるハーモニーにのめりこんでいる自分に気がつき1時間があっという間に過ぎてしまいました。メディアを通してではなく、生演奏に触れることだけから得られる感動だと思いました。フォーレ四重奏団のキャッチフレーズが「もう一度聴きたくなる」とのことですが、思わず納得してしまいました。
 クラシック音楽の素養のない私は、作曲家や演奏曲の詳しい知識は全くありませんが、心地よく耳に残る曲を選んでくださったのだと思います。
 最初は受験勉強の合間の気分転換程度に考えて臨んだ時間でしたが、終わる頃には心も癒やされ、また新しい世界を発見できたとても貴重な経験となりました。今後はクラシック音楽の世界にも興味を持ち、教養を深めたいと思います。来日コンサートの忙しい合間に私たち学生のために素晴らしい演奏をしてくださったカルテットの皆さん、またこのような素晴らしい機会を用意していただいた先生方に感謝しています。ありがとうございました。

 今回コンサートを聴く三週間ほど前に、新聞にフォーレ四重奏の公演案内が載っていました。そのような有名な方たちのコンサートが聴けるのだ、とそのとき初めて思いました。
 江戸取のイベント等でオーケストラによる演奏は何度か聞いたことがありましたが、カルテットは初めてでした。たった四人でどういう音色を奏でるのだろうと不思議でしたが、実際に聴いてみると楽器一つ一つの音色が本当に澄んでいて、思わず聴き惚れてしまいました。ヴァイオリンとヴィオラのハーモニーがきれいでした。オーケストラを聴いたときは、ヴァイオリンとヴィオラの区別もあまりよくわかっていませんでしたが、今回のカルテットを聴いて、色や形は似ているけれど、音色は全く異なっていることが分かりました。ヴィオラとヴァイオリンの演奏者の阿吽の呼吸がぴったりで、上のパート、下のパートと、すてきな音色だったと思います。チェロは低音だったので迫力がありました。チェロがカルテットの中に入っていかなかったら何かが物足りない、淋しい演奏になってしまうと思い、欠かせない楽器だと思いました。チェロがソロパートを演奏していたとき、地下から何かが溢れてくるように感じました。ピアノは、演奏者の指の動きが速く、圧倒されました。一つ一つの音が力強く、ホールに響き渡っていて、美しい音色でした。
 演奏者の表情を見てみると、明るい長調の時は表情がぱっと明るくなり、暗い単調では悲しそうな表情、というふうに、表情を変化させてしまいました。
 私はクラシックの曲で知っているものといえば「くるみ割り人形」「パキータ」「ライモンダ」「ドン・キホーテ」「白鳥の湖」「チャイコフスキー・パドゥドゥ」等バレエで使われる音楽ばかりでしたが、今回の演奏を聴いて、もっとたくさんのクラシック曲を聴いてみたいと思いました。私たち高校三年生にとっては最後のイベントとなりましたが、深く感動しましたし、印象深いものになりました。

4組

 私は今回フォーレ四重奏団の演奏をお聴きしてその迫力と音色の美しさに感銘を受けました。私は音楽をやっていたわけでもなく、音楽に関する知識はほとんどありませんが、そんな私にでもこの演奏の素晴らしさは伝わったように思います。私は基本的にどんなジャンルの音楽も好んで聴きます。もちろんオーケストラも好きですが、今回のフォーレ四重奏団の演奏はオーケストラとは少し違っていて、演奏者が4人です。はじめは4人だから迫力に欠けることもあるではないかと思っていましたが、実際の演奏を聴くとそのようなことは全くなく、むしろ迫力ばかりが感じられました。私は普段コンサートに行く機会がほとんどないので、今回このような形で一流の演奏をお聴きできたことはとても貴重な体験だったと思います。また今回のコンサートに参加して、以前よりも音楽に対する興味がより一層深まったように感じます。そういった意味でこのコンサートは自分にとってとても意味のあるものでした。フォーレ四重奏団の皆様が演奏してくださった曲は自分は知りませんでしたが、いずれの曲も素人の私が聴いてもすごいと思えるようなものばかりでした。
 彼らはきっとこのレベルに達するまでに厳しい練習に耐え、そして幾多もの苦難を乗り越えてきたにちがいないと思います。彼らの曲を聴いていると、素晴らしい音色の裏にはそうした苦難などがあったのだと思わずにはいられなくなり、そう思いながら聴くことで、同じ音楽であってもとらえ方は異なってくると思います。このコンサートでは、ただ単に音楽に感銘を受けたばかりでなく、音楽の奥深さや美しさを学ぶことができました。今回のフォーレ四重奏団の皆様によるコンサートが我々高校3年生にとって最後の学校行事でした。そういった意味でこのコンサートは自分たちにとってとても有意義なものであり、そして最後の学校行事としてふさわしいものであったと思います。これから私たちは受験に突入していくわけですが、このコンサートで演奏してくださった曲を単なる曲として捉えるのではなく、大学受験を間近に控えている我々に送られたメッセージと捉えても良いのではないかと思います。今回のフォーレ四重奏団の方々の演奏は自分たちに勇気を与えてくれました。そんな素晴らしい演奏をしてくださり、本当に感謝しています。

 私はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノの組み合わせで演奏を聴くことが初めてだったので、とても新鮮な気持ちで聴くことができました。それぞれの楽器の特色を活かして演奏されていたように私は思いました。
 今回のコンサートの内容について、はじめは軽やかな感じだったのが、フィナーレに近づくにつれて、演奏がとても盛り上がっていきました。フィナーレの演奏は特に私にとって、とても印象に残りました。
 自ら足を運んで音楽を聴く、という機会もあまりないので、このようにフォーレ四重奏団が江戸取に来てくださって、音楽を聴けることは、とても貴重な体験となりました。
 今回のこのコンサートは、江戸取生として江戸取で参加する最後のコンサートでした。最後としてふさわしい素晴らしいコンサートだったように私は思いました。

5組

 今回のコンサートがあるまで、私はフォーレ四重奏団のことを知りませんでした。最初に「四重奏団」と聞いたとき、4パートの弦楽器や管楽器による演奏をイメージしましたが、フォーレ四重奏団は固定型のピアノ四重奏団という異色のスタイルであるということを知り、非常に興味を持ち、コンサートが楽しみになりました。
 実際に、コンサートで聴いて、様々なことに感動させられました。各パートの1人1人に感動させられました。各パートの1人1人の演奏はとても素晴らしいもので、また演奏しているときの顔が楽しそうで、見ているこちらも良い気分になりました。また、個々の技術はもちろん、各パートの調和もとても印象的でした。弦楽器同士の旋律の共鳴は本当に美しい音で、感動しました。また、ピアノだけのソロパートから少しずつ弦楽器が加わっていくという掛け合いもきれいに調和していて、技術の高さに感動しました。ピアノのソロパートから、弦楽器が追いかけて演奏する方法は、ピアノ四重奏団という異色のスタイルだからこそできる方法なので、なかなか聴くことのできない貴重な経験になりました。
 今回のフォーレ四重奏団のコンサートが、私たち高校3年生にとって最後のイベントとなりましたが、今までのイベントと同じように、この高校に入学していなかったら経験することのできないような貴重なものとなったと思います。このイベントを機会に、これからの生活の中でフォーレ四重奏のような素晴らしい音楽に触れていきたいと思います。

 高校3年生の私にとって、江戸取のイベントに参加するのは、これで最後となりました。その最後に、このような本格的な楽団に、わざわざ江戸取まで足を運んでいただいて、自分の学校で演奏をしていただけたことをとても嬉しく思います。本物を見たり、聴いたりすることができるのは、江戸取の醍醐味とも言えるでしょう。6年間、江戸取で本物の芸術に触れることができたということを、大変誇りに思います。
 四重奏団というと、通常弦楽器や管楽器のグループだと聞きました。しかし、フォーレ四重奏団はピアノ四重奏団ということで異色な組み合わせの音色を聴くことができました。ヴァイオリンやヴィオラ、チェロというような弦楽器は、なかなか目にしたり、音色を聴いたりする機会がないので、演奏を聴いていてとても楽しかったです。そして、そのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロといった弦楽器とピアノの音色が混ざり合うと、さらにすてきな音色が出ていました。とてもきれいな音でした。
 1曲目に聴いた、メンデルスゾーン作曲の「ピアノ四重奏曲第2番ヘ短調Op.2」という曲は、メンデルスゾーンが14歳のときに作曲した作品だそうですが、そのような幼い少年が作ったとは思えないくらい、繊細な曲だと思いました。まさしく「天才」が作った曲だと感じました。
 そして2曲目に聴いた、フォーレ作曲の「ピアノ四重奏曲第1番ハ短調Op.15」は、フォーレが波乱に富んだ人生を歩み出す前の作品ということで、落ち着いた曲調で、とても聴きやすい作品でした。
 江戸取で、様々な芸術に触れることができて、本当によかったと思います。卒業後も自分から、このような芸術に触れる機会を作っていきたいです。

6組

 フォーレ四重奏団コンサート、これが僕のこの学校での最後のイベントとなりました。彼らの敬愛する作曲家、ガブリエル・フォーレにちなんで名付けられた、世界をまたにかける楽団、その生演奏を聴けるというので、とても期待をしていました。
 片言の「コンニチハ」の挨拶から始まり、こちらの緊張が解かれた次の瞬間、メンデルスゾーンの楽曲が始まり、一気に引き込まれていってしまいました。4つの楽曲により奏でられる美しい調和に、ゆったりと心を奪われていったかと思えば、突然音が厚みを増して、鋭く責め立てるかのように押し寄せ、全く異なった世界を創り上げる。楽章の切れ目ごとに「次はどんな演奏がくるのだろう」と常時、わくわくしながら聴いていました。僕が特に魅力を感じたのは、コンスタティン・ハイドリヒさんのチェロでした。曲の基盤を支える、それでいて確かな主張をする、重圧溢れるチェロの演奏に、心の底を震えさせられました。
 互いを引き立て合い、かつ全員で一つの曲を奏でる姿は、卓越した技術力・表現力ももちろん、四重奏団の方々の団結力を感じずにはいられませんでした。心から音楽を楽しんでいらっしゃった方々を見て、受験を控え、勉強づくしの日々に活力が与えられました。すてきな演奏を聴かせてくださったフォーレ四重奏団の方々、本当にありがとうございました。この経験を今後に活かし、がんばっていきたいです。

 ピアノ以外の弦楽器は触れたことがないのでよく分からないのですが、チェロの重厚な響きが良いな、と思いました。音が低い楽器(テューバ、コントラバス等)が好きなのでチェロも好きです。さすがプロだと思ったのには音に伸びがある所、テンポが正確である所です。音がこもったりせず、音量なども違いがあり感動しました。
 クラシックはそれなりに聴きますが、ほとんどはオーケストラかピアノ独奏なので新鮮でした。オーケストラではホルンが一番好きです。あの柔らかく、それでいて力強いところが最高です。今回の演奏でもホルンが加わったら、と思いました。
 ヴァイオリンの音は大きく感じました。ピアノの音を打ち消すくらいであったので、少し悲しかったです。しかしソロの演奏は素晴らしかったです。
 今回のように生でクラシックを聴く機会は僕には滅多にありませんので、教養を深めるために、良い機会でした。それにクラシックの鑑賞は昨年のN響以来でした。N響とは違った味わいの演奏が聴けたので参加できてとても良かったと思います。

7組

 私たちは、12月7日にフォーレ四重奏団のコンサートを聴きました。そして、これは私たち高校3年生にとって、江戸川学園取手高等学校で参加させていただく最後のイベントとなりました。
 私は今回の演奏を聴くまで、室内楽というものを知りませんでした。また、パンフレットを読んで、「室内楽こそが音楽の唯一の真の形式であり、個性の最も真正な表現なのです」という言葉が、あまりよく理解できませんでした。私にとって音楽の形式と言えばオーケストラというイメージが強かったからです。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、そしてピアノという4つの楽器、4人だけの演奏で、どんな音色がするのか、始まる前からとても楽しみでした。
 始まった瞬間、私は驚きました。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノ。それぞれの音が調和し、美しい旋律を奏でていて、夢心地になりました。4人とは思えない迫力を感じました。やはりそれはどこかオーケストラを聴いたときの迫力とは全く違った迫力であり、新鮮で不思議な感覚を感じました。
 そして、私がもう一つ驚いたのは、今回聴いた曲がメンデルスゾーンが14歳で作曲した曲だったということです。優しい調べのときもあり、迫ってくるようなときもありました。室内楽という形式にとても合っていて、心が洗われるような気持ちになりました。
 今回の演奏を聴いて素直に私は、もう一度聴きたいと思いました。中等部生の前で演奏されたモーツァルトもとても美しいのだろうな、と思います。
 言葉が分からなくても、音楽は国境を越えて人の心と心を繋ぎます。フォーレ四重奏団が世界で活躍していると聞いて、改めてそのことを感じました。6年間、様々な国の素晴らしい演奏を聴く機会を与えてくださり、本当にありがとうございました。

 私は、クラシック音楽の公演をオーディトリアムで聴くことを毎回楽しみにしてきました。オーディトリアムで公演を聴く経験は今回が最後ですが、弦楽器の奏でる、力強さと繊細さを合わせ持った調べに、曲調を大きく支えるピアノの調べの重なった、重層的で重厚な音楽に、今までに感じたことのない深い感動を覚える公演でした。
 私は小さい頃、「ロックバンドのベーシストはどんな仕事をしているのだろう」と思ったことがあります。ロックでは、ボーカルの声とギターとドラムの音ばかりが聞こえてきて、ベースの音があまり聞こえないなと思ったからです。しかし、ベースの役割は、観客に音を聴かせ、楽しませることではないと思います。前述の要素だけでは、曲に落ち着きがないように感じられますが、ベースが低音部をしっかり支えることで、曲に落ち着きと重厚さをもたらすことができるのだと思います。そうしたことを実感したのが今回の演奏です。ヴァイオリンとピアノがメインに支えられているなかで、チェロとヴィオラの存在感もよく感じられました。特にチェロが低音部を支えることで、曲自体に奥行きが増すように思いました。
 弦楽四重奏は、人数が4人と少ない分、全く曲の演奏に無駄がなく、研ぎ澄まされていたように感じられました。もちろん大人数のオーケストラに無駄があるというわけではありませんが、一人一人の演奏家たちが目立ちすぎず、埋もれすぎず、適度な調和を保ちながら演奏している姿に、四重奏の奥深さを新たに認識することができました。

 さて、一曲目のメンデルスゾーンの曲ですが、その旋律の美しさもさることながら、弱冠14歳で作曲したものと聞いて、大変驚きました。2曲目のモーツァルトの曲も含め、曲の演奏とともに、その背景知識まで興味を持って楽しめる。それが、今回のフォーレ四重奏団の公演の最も素晴らしいところであったと思います。今回の弦楽四重奏も含め、様々なジャンルのクラシック音楽を聴き、幅広い教養を身につけられるようにしたいと思いました。その第一歩として、今回の公演は非常に有意義な経験になりました。

8組

 私は今回のフォーレ四重奏団の演奏で、初めてフランスの作曲家であるフォーレの作品を聴きました。フォーレの作品は美しい旋律を持つ上品な音楽だと思いました。また、ピアノと、バイオリン、ビオラ、チェロという編成では、ピアノの音が大きすぎるかなと思いましたが、全体のバランスが素晴らしく、どの楽器もとてもよく聞こえました。特にピアノの音はとても繊細で、一つ一つの音が微光を発しているかのように感じました。四人の演奏家たちのチームワークは素晴らしいと思いました。
 メンデルスゾーンの音楽は、ピアノ曲の「無言歌集」を知っていましたが、ピアノ四重奏曲は初めて聴きました。これも知的で美しく力強い音楽であり、とても感動しました。メンデルスゾーンが若いときに作った曲だそうですが、とてもしっかりとした構造を持っていて、ドイツ的な力強さを感じました。
 私は、今回のコンサートを聴いて、音楽が持っている癒しの力というものを実感することができました。いま、東日本大震災の被災地では様々なコンサートが開かれていますが、それは音楽の持つ大きな癒しの力が、被災された方に大きな力を与えるからだと思います。私も今、受験直前でとてもストレスが溜まっており、精神的な疲れを感じますが、今回のコンサートでとても癒されました。これから社会人になったら様々な困難に出会うと思います。そんなとき、私は音楽の持つ癒しの力に助けてもらおうと思います。

 今回の演奏会で披露された2曲のうち、私は特にフォーレの四重奏曲が印象に残りました。流れを断ち切るような旋律が突然割り込んで来たり、予想もしない展開が続いたりして不思議な曲だというのが率直な感想でしたが、4人の感情の入れ方や微妙な緩急のつけ方が、曲が持つ独特で色鮮やかな世界観を見事に再現していて、心に響くものを感じました。フォーレ四重奏団のみなさんが生み出す音楽は非常に美しく繊細でした。一人一人が奏でる旋律が絡み合い調和するたびに胸が高鳴りました。
 普段なかなかクラシック音楽に触れる機会がないせいか、クラシックと聞くと古典的で形式ばったイメージばかり浮かんでしまいますが、今回の演奏会でフォーレという古い形式にとらわれず新しい音楽の形に挑んだ作曲家に出会い、クラシック音楽の新たな一面を知ることができました。音楽の素晴らしさを改めて実感させてくれた四重奏団の方々の演奏を私は忘れることはないと思います。

9組

 私は今まで「四重奏団」というと弦楽器や管楽器のグループ演奏しか聴いたことがなかったので、フォーレ四重奏団がピアノとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのグループだと知ったときはとても驚きました。しかし、実際に演奏を聴いてみると、ピアノの音量の豊かさや音域の広さなどの長所が引き立っていて、素晴らしいカルテットでした。特にフォーレの「ピアノ四重奏曲第一番ハ短調Op.15」ではピアノの表現の豊かさが際だって、CDで聴くのとは全く異なる生演奏だからこその感動を味わうことができました。そしてCDだけではなく生演奏を聴くことによって、改めてフォーレが偉大な作曲家であったことを感じました。彼の曲は大半が抒情的ですが、その中でも特にこの曲はフォーレの表現の豊かさが表れていると思います。
 またメンデルスゾーンといえば、やはりピアノ曲なのですが、実際の演奏を聴いてみても「ピアノ四重奏曲第二番ヘ短調Op.2」を作曲したのが14歳の時の彼であることに驚きを隠せませんでした。私は彼の古典主義的ロマン派の作風が好きなので、よくピアノ小曲を聴いていました。しかし、あまり協奏曲などは聴いたことがなかったので、彼の室内楽曲に触れるとても良い機会となりました。
 今回フォーレ四重奏団の演奏を聴いて、私はもっとそれぞれの楽曲が作られた背景を知りたいと思うようになりました。やはり、ただ楽曲を聴くのではなく、作曲した当時の状況や心境を知った上で聴く方が、より一層楽しめると思います。今後、私が江戸取でこのような芸術に触れる素晴らしい機会はありませんが、もしクラシックコンサートに行くことがあれば、事前に調べてから演奏を楽しみたいです。

 私は大学の教育学部音楽科を受験します。そこで音楽について学び、将来は小学校で音楽を教えたいと考えています。14年習っているピアノから音楽を好きになっていきました。だから今回の演奏会はとても楽しみにしていて、しかも期待以上のものだったので、深い感銘を受けました。
 メンデルスゾーンやモーツァルトはピアノ曲で慣れ親しんだ名前でしたが、フォーレのことはあまり知りませんでした。今回の演奏会ではフォーレの作る音楽を知ることができて、また一つ私の中の音楽世界が広がりました。もっといろいろな曲を聴いてみたいです。
 私のピアノは独奏が中心で、興味はあるものの機会が無く、四重奏をしたことはありません。大学生になったら是非やりたいと思います。ヴァイオリンやヴィオラ、チェロも弾いてみたいという気持ちが強くなりました。これからも音楽を続け、深めていく上で今回の演奏を貴重な経験の一つとして取り入れていきたいです。
 私たち高校3年生は今回の演奏会が学校で行われる講演会や演奏会といったイベントの最後の機会でした。最後のイベントでこのような素晴らしい演奏を聴くことができて、とても嬉しく思います。これから大人になって自分が音楽を教えるようになったとき、今回のような気持ちを伝えることができるようになりたいです。

10組

 私は今回フォーレ四重奏コンサートをお聴きして、とてもすばらしいと感じました。音楽の道を目指す方々は、私たちが経験したことのない苦労をされているのだと思います。
 私たち32期生は今年、大学受験です。受験は想像以上につらいものでした。私は部活を6月で引退して、それから受験勉強を始めました。他の人と比べると遅いと思います。受験は個人競技だと思います。精神的につらい時期ですが、頑張っていきたいと思います。
 対照的にフォーレ四重奏団の方々は、4人で力を合わせて曲を完成させることが大変なのだと思います。あの絶妙なハーモニーはおそらく4人でたくさん練習をして作り上げていったものだと思います。私は中学時代は弓道という個人競技を、高校時代はバレーという団体競技を部活でやっていました。中学時代まで個人競技をやってきた私にとってバレーはとても難しいものでした。皆で協力して点を取るということの大変さを知りました。しかし力を合わせていく中でどう自分の個性を出していくかがわかりました。四重奏の演奏では一人一人が個性を出しすぎても、出さなすぎてもきれいなハーモニーは作れないと思います。そこにフォーレ四重奏の魅力があると私は感じました。私は今までピアノしか習ったことがありませんが、大学に進学したら様々な楽器に触れてみたいと思います。
 私は音楽を鑑賞することが好きで、コンサートによく行きます。日頃の疲れを癒やすことができます。今回のフォーレ四重奏も、聴いていて心が洗われるようでした。
 今まで学校では様々な講演会や演奏会が行われてきました。どれも自分の教養を広げることができ、とてもためになりました。そして今回のフォーレ四重奏は、私たち32期生にとって最後の演奏会となりましたが、心に響いて思い出に残るものとなりました。大学進学後もこの感動を忘れないでいこうと思います。

 メンデルスゾーンは、私の大好きな作曲家のひとりです。同時代に生き、同じく音楽の才能に恵まれたワーグナーとは異なって、彼はとても人間味あふれる、美しい人格の持ち主でした。彼の早熟ぶりは、演奏されたへ短調四重奏(Op2)から想像することが出来ます。ピアノ四重奏曲としてはあまり褒められたものではありませんが、良い意沫で年齢不相応であり、その演奏もまた格別のものでした。第1楽章の終わりで思わず拍手をするという、無知から出た行動も許容しえるほどの価値があった演奏でした。
 音楽の世界には、その時代にふさわしい表現というものがあり、21世紀の表現としてふさわしいものが存在します。フォーレ・クァルテットの表現は、そうではありませんでした。21世紀の演奏らしからぬ、こころを確かに動かすものをもった演奏でした。フォーレの名を楽団に冠しているだけあって、フォーレの演奏には特に、説得力を感じました。第3楽章の変奏の、何と美しかったことか。また、ドイツの作曲家メンデルスゾーンの演奏と、フランスの作曲家フオーレの演奏で、音色などを含め、作品に対するアプローチがかなり違っていたことにも興沫を感じました。今回、演奏前に楽屋を訪ねお話しできたので、また演奏を聴く機会があれば、再び楽屋を訪ねてみたいと思います。

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