2011年6月15日、平野公崇&山下洋輔ジョイントコンサートが行われました。私は音楽の中でもジャズは特に好きなジャンルなのですが、これほどまでにすばらしいジャズ生演奏を聴いたのは今回が初めてです。演奏を聴いていてまず驚いたことは、「そんな曲まで!」と思ってしまうような日本民謡まで、あっという間にジャズに大変身してしまったことです。曲の始めは聴き覚えのある穏やかな民謡なのに、どんどんリズムやキーが変化していき、最後にはまるで全く別の曲に思えるほど、思わず踊りだしたくなるようなジャズに変わってしまうのです。
そしてコンサート全体を通して私が感じたことは、山下洋輔さんも平野公崇さんも、どの曲を演奏していてもものすごく楽しそうなのです。ピアノを弾くというよりむしろ、全身をピアノにぶつけるようなエネルギッシュな奏法。客席まではっきりと聞こえてくる息遣い。そして曲のクライマックスや、演奏が終わった瞬間の表情。どこをとっても、まるで二人が身体全体で「最高だぜ!」と叫んでいるように感じました。そんなホール全体を包み込む二人の勢いに、私も思わず笑顔になったり、自然と身体がリズムに乗ったり、とても楽しい時間を過ごしました。そして二人の演奏する姿を見て、私も一緒に演奏したい!という思いに駆られました。
今回のこのジョイントコンサートは、「生きたジャズ」にじかに触れることができ、本当に充実した貴重な一時間でした。このような素晴らしい機会を用意していただき、ありがとうございました。
私は、ジャズというと「スウィングガールズ」を思い出します。あの「ズーダズーダ」の心地よいリズム、それがジャズだと思っていました。しかしそれは譜面上にある音に終始した、決まり切った音楽です。今回のコンサートで聞いた様な自由な、開放的な音楽は初めてでした。一つ一つの音に日常とは違う広がりがあって、まさに「音を楽しむ」音楽でした。私が一番感動したのは、同じ伴奏なのに旋律が変わるだけでまるで違う曲になってしまうことです。ちょっとしたアレンジで同じ曲でも幾通りもの楽しみ方があるということに驚きました。そして、私たちを囲む環境はリズムで満ちあふれている、ということに気付かされたとき、私の世界観は変わりました。言葉も行動も全てがリズムで、ともすれば音楽に変わってしまう。それも音楽の魅力の一つなのだな、と思いました。それを一番感じたのは『ピカソ』です。人の名前が一つの曲になり、同時に名前のリズム、響きを失わずに表現できるのは音楽ならではである、と思いました。
私は昨年まで吹奏楽部に所属していました。そこで演奏していた曲も、原曲からまた少し編曲されたものでした。ソロではアドリブというものもありました。譜面の中で自分は音楽の世界に入り、その世界は自分たちで創り上げる、そんな感覚がありました。今回聴いた演奏はその究極的なものだと思います。譜面という範囲も自分で創り、自分が音楽の中でどの役割をするのかも自分で決める。それは時に周りの人たちも取り入れ限りなく広い世界を創るような気がしました。今回、私はその世界に入れていただく側でした。一度その楽しさを知ってしまうと、もっともっと楽しみたくなります。そして今度は自分でその世界を創りたくなりました。
どの音楽も一つ一つ違った楽しみ方があり、そのどれもが自分の心にとってプラスにはたらく、ということを実感するコンサートでした。これからも音楽に触れることは数え切れないほどあると思います。その時には、その曲にあった楽しみ方で楽しんでいきたいです。
実を言うと、私は平野公崇さんと山下洋輔さんのことを知りませんでした。しかし、今回のジョイントコンサートを聴いて、お二人のことをもっと知りたいと思いました。
私は中高共に吹奏楽部に所属していたのでジャズを吹いたこともありましたが、本格的なジャズを実際に聴いたのはこれが初めてでした。
平野公崇さんのサクソフォンの音を聞いたとき、私はその音色の美しさに息をのみました。普通の音ももちろんですが、何より高音の美しさと豊かな響きに感動しました。高音は音の響きがなくなったりしがちですが、平野さんのサクソフォンの音はオーディトリアム全体に響き渡っていました。どうしたらこんなに美しい音を出せるのかと驚きました。
そして、そんな美しい音に負けないくらい素晴らしいピアノを弾いてくださった山下洋輔さんはとても話し上手な方でした。とても明るい方なのですが、ピアノを弾いているときは真剣な表情で、そこにプロとしての意識を見たような気がしました。また、普通の曲をジャズに変えてしまう山下洋輔さんの技術に脱帽しました。それも、ただ鍵盤を叩いているのではなくて、力強く弾くところは力強く、優しく弾くところは優しく弾いていて、聞いていて全然飽きませんでした。
そんなお二人が一緒に曲を演奏なさった曲の中で、私が一番驚いたのは「赤とんぼ」です。「赤とんぼ」は有名な曲ですが、この曲がジャズになると、今までとはまた違った雰囲気の曲になり驚きました。そして、どんな曲もジャズで演奏してしまうお二人の表現力は本当にスゴイと思いました。
私は今回のジョイントコンサートに参加して、音楽の無限の可能性を見たような気がしました。そして、音楽を今までよりもっと身近に感じるようになりました。このような貴重な体験をくださった平野公崇さんと山下洋輔さんに心から感謝しています。
6月15日の水曜日、ピアニストの山下洋輔さんとサクソフォニストの平野公崇さんのコンサートに参加して私は本当に感激しました。私には、吹奏楽の経験があります。小学5年生の頃からはじめ、高校2年生の2月に引退をしました。やっていた楽器はアルトサックスとテナーサックスです。ですから私は今回のコンサートがとても楽しみでした。サックス奏者がコンサートで来校されるのは初めてのことだったし、考えてみれば私はプロのサックス奏者の音を聴いたことがなかったからです。その上、私はジャズ、特にジャズピアノ・ジャズサックスが大好きで、今回のコンサートは私にとって、とても幸せな時間になりました。
平野さんのサックスの音色には本当に驚かされました。私はサックスの中で唯一、ソプラノを吹いたことがなく、あこがれを抱いていたので本当に格好良かったです。音の始まりから、発音の仕方だけで私は感動し、平野さんのサックスの音色に聞き惚れ、たぶん終始笑顔で聴きながらにやけてしまっていたと思います。山下さんとの演奏も、すごく独創的で、力強く、生きている感じがしました。音の粒が皆、生きていました。何よりも私が感じたのは、演奏している本人達からの、音楽が楽しい、音楽が大好きだ、という気持ちでした。とても生命力のある音でした。私はまだ7年程度しかサックスをやっていないし、部活としてやっていただけですが、受験が終わったらまた始めようと思いました。本当は、大学へ行ったら楽器をやらず、他のことに、新しいことにサークル等で取り組もうと思っていました。でも、山下さんと平野さんのコンサートを聴き、大学生になったらサックスでジャズをやりたいと思い直しました。本音では音大に行って音楽やサックスの勉強をしたい気持ちもあるのですが、それを思い始めたのは中学3年生の頃だったし、私にはあまり音感がない、と考え趣味としてジャズサックスを存分にやりたいと思いました。
音楽をする、ということは少なからず、自分の想いを音で人に伝えるということだと思います。だからきっと相手に届けば、届いた人は「心に響く」と感じるのでしょう。平野さんと山下さんの音、大げさかもしれませんが「心の声」は、まっすぐに私の心に届いて、楽しく、幸せな気持ちにさせてくれました。そしてわたしは、サックスが大好きだった自分を思い出し、またひとつ夢、楽しみが増えました。もし、いつか機会があればまた私は山下さんと平野さんの音楽を聴きたいです。受験が終わったら、平野さんの音を、人に感動や楽しさを与える、あの音を目指して、すてきなサックス奏者になりたいです。ありがとうございました。
今回の演奏会は、ジャズと言うことで、元吹奏楽部員の私はとても興奮していました。
演奏が進むにつれて膝がリズムを刻みはじめ、指が自然と動いていく。どんどんお二方の音楽に引き込まれていきました。
平野さんが最初に即興を吹くと、その演奏スタイルに目を丸くし、ざわめきが起こる。しかし次第に会場は平野さんの醸し出す雰囲気に包まれていく。私も楽器をやっているときには自然と体が動いてしまうものですが、体全体で動き、演奏するスタイルというのは、視覚的にも観客に感動を伝えるものなのだなぁ、と改めて実感することができました。
ピアノの山下さんは、ピアノが死角になってどんな動きをしているかをじっくり見ることができなかったのは残念でしたが、時折見せる笑顔や、激しくそして繊細に響く音色が印象的でした。
音楽は様々な感動を観客に与えます。思い出が感動を呼び込んだり、その演奏に魅せられて音楽に興味を持ったりと様々です。私は演奏者としてたくさんの感動を受け取ってきましたが、その感動を受け取ってこそ、演奏する喜びを感じられました。
そして今回は、観客として演奏を聴きましたが、その超絶なテクニックに鳥肌が立ち、ユーモアあふれる雰囲気に笑いがこぼれ、部活を引退して以来久しぶりに心ゆくまで音楽を楽しめました。
私は音楽の感動を言葉にするのは好きではありません。何が良かったというような、いわば評価するというレベルを超えていると思うからです。今までただ何となくそう感じていましたが、今回の演奏を聴いて、会場の雰囲気、演奏者の表情、観客の反応等が合わさってようやく一つの音楽になるということを実感しました。
今、自分は受験勉強に励み、楽器を吹くことも全くないとは言わないですが、少なくなってしまいました。しかし、今回のジャズを聴いたことよって気持ちが新たになった気がします。好きな音楽から完全に離れることはできないでいるものの、その引きずっていた気持ちが、今や受験生活の推進力へと変化している気がします。
そんなすばらしいコンサートを開いていただき、ありがとうございました。
先日、ある先生が「今度のコンサートは江戸取の新しい試みだ」と仰っていました。私にはいつもと何が違うのかすぐにわからなかったのですが、山下さんという方は先生も驚くような方なのだと言うことだけは理解できました。そして実際に聴いてみて、確かに今までのコンサートとは違ったジャンルで、コンサートの雰囲気もアットホームな感じがしました。印象的だったのは私の近くに座っていた生徒が、開始前は興味なさそうにしていたのですが、コンサート終盤では身を乗り出すようにしてじっと聞き入っていたことです。これを見て「音楽の魅力」とりわけ「ジャズ」の魅力を感じました。また、音楽だけでなく演奏家の人柄もコンサートに表れていたのではないかと思います。技術、人柄、両方があってこそ、人が思わず聞き入ってしまうコンサートができあがるのだと痛感させられました。江戸取では古典音楽の演奏会が多いですが、音楽の常識から外れるからこそ魅力がある、という音楽芸術というものはこの世にたくさん存在します。教科書には書かれていないような芸術を見ることで中高生ならではの大人とは違う感性が養われるのではないかと思います。今回のコンサートで刺激を受けた人は多いはずです。この機会に型にはまらない芸術に対する目を肥やしていきたいと思いました。
私は、今回平野さんと山下さんのコンサートで初めて生のジャズ演奏を聴きました。基本的に私は音楽に関する知識が深くありません。クラシックならば有名な曲は何となくわかりますが、ジャズはそれがどんなものかもよく知りませんでした。おしゃれな店で流れているようなおとなしい音楽なのかと思っていましたが、お2人のアクティブというかアグレッシブな演奏を聴いて、こんな音楽もあるのかと非常に驚きました。お2人とも、自然に体が動いてしまうという感じで、聴いている側もその世界観に次第に引き込まれていました。
後半の2曲は山下さんの作曲と言うことでしたが、特に「ピカソ」は人の名前を曲にするというのがすごいと思いました。ぜひ「寿限無」という曲も聴いてみたくなりました。
また、山下さんも平野さんもお話しするのがとても上手く、わかりやすく説明してくださったので、ジャズを聴いたことのない私でもジャズ音楽がどういうものか、基本的なことは理解することができました。
今回のコンサートのおかげで、今まで私には縁遠いと思っていたジャズという音楽のジャンルに、親しみを持つことができました。これからはジャズはもちろん、私が今まで興味を持ったことのなかった他の音楽も積極的に聴いてみたいと思いました。
私は初めて生演奏のジャズを聴きました。
幼い頃からピアノを習っていたのでクラシックはいつも私の身近なところにあったように思われます。しかし、昔からあまり聴いたことはないですが「ジャズ」という言葉の響きやジャズ独特のリズムに憧れ、クラシックの基礎が固まったらいつかジャズも弾けるようになりたいと思っていました。ですから、ピアノの演奏を楽しみにしていました。山下さんが初めに弾いてくださった「スワニー河」は以前テレビ番組に出演なされていた時にも弾かれていて、また、自分も演奏したことのある曲だったので、生のジャズを体感しやすかったです。そして、平野さんのサクソフォンの音色は私が知っている音色とは違うものでした。私がよく耳にする太くてサクソフォンだと分かる音だけでなく、とても繊細な音であったり、鐘の音を表現した轟々たる音であったり、と様々であったことにとても感動しました。
日頃合唱部として活動していた事もあり、ジャズというアップテンポで、本校合唱部では取り組んだことのない独特なリズムに魅了され、ジャズを聴かない私もこのコンサートを聴いて合唱曲やクラシックとは違った雰囲気のジャズを深く聴いてみたいと思いました。
私はもともとジャズをよく知らず、情けないことではありますがごちゃごちゃした音楽という印象しか持っていませんでした。なので今回のコンサートも私にはよくわからないまま過ぎてしまうのではないかと懸念していましが、お二人の演奏をお聴きして、私の心配が吹き飛びました。
まず最初、一曲目の演奏で平野さんのサックスの音に惹かれました。丸く、柔らかく、それでいて芯がある響きに一気に音楽の世界にひきこまれました。
そして演奏の後、その曲が「G戦上のアリア」だとお聞きして驚きました。それはお二人が演奏した他の曲もそうでしたが、自分の知っている曲であったとしてもジャズとしてアレンジすると全く違う曲のようになったからです。以前、とある女性のジャズピアニストがテレビで語っていましたが、「アレンジをするとその曲は違う魅力を持つようになる。これは音楽に無限の可能性があることを示す」そうです。そのときはジャズに興味が無かったために聞き流してしまいましたが、お二人の演奏を生でお聞きすることで、その言葉の意味を体感することができたように思います。
未だにジャズがどういう音楽か説明すらできない私ですが、初めてこうしてじっくり聴くことでジャズの魅力にさわりだけでも触れることができ、私が好きなクラシックの曲にも、気がついていない、違った一面や解釈が隠れていることがわかりました。このような素晴らしい演奏を聴けたことをとても嬉しく思います。もしたった一つ不満があるとしたら、「指の動きが蜘蛛のよう」という「スパイダー」の曲を、演奏する指が見える席でお聴きしたかったというのがありますが、それに関してはまた、いつかの機会を望みたいと思います。
私の人生の中で、生演奏でのジャズを聴いたのは今回のコンサートで2回目になりました。初めて聴いたのはあるジャズピアニストさんのコンサートでしたが、聴きに行った当時私は幼く、また、ジャズというものが何であるかということもわかっていなかったので、ただただ漠然と格好いいな、という印象しか残っていませんでした。
しかし、今回のコンサートで、ジャズというものが元々は黒人音楽のブルースなどと白人音楽が融合してできた音楽なのだということ、また、独特のリズムであり、即興で演奏しているのだということなどを知って、とても驚き、感動しました。その独特なリズムと節はとても魅力的で引きつけられるものがあり、気がついたら私はコンサートの間中、吸い寄せられてしまったかのように舞台に釘付けになっていました。
もちろん、私が引きつけられたのはジャズそのものでもありますが、演奏しているお2人に心惹かれた、というのもあります。私はジャズについては詳しく知らず、全く知識もありません。技術的なことについても全くわかりません。しかし、お2人の演奏がすごいものなのだろうということは、肌で、雰囲気で、感じ取ることができました。また、私が感じたのはお2人が醸し出す楽しそうな雰囲気でした。演奏中も、演奏の合間も、周りを楽しくさせる空気を2人が放っていて、まるで、演奏を聴かなくてもその雰囲気の中にいるだけでこちらまで楽しくなってくるようでした。その雰囲気から、ジャズに限らず、音楽とはやはり音を楽しむのが前提にあり、それを満たしてこそ評価されるものなのだろうと思いました。今回のコンサートでの新しい発見、改めて思ったこと全てが私の人生のとても良い経験になりました。