アフタースクール 10月実施分

本校は「平成28年度私立学校世界に羽ばたく人材育成推進事業」の「私立版未来の科学者育成プロジェクト推進事業」に茨城県より採択されました。
本校の具体的な実践項目は、次の4点を柱としています。

 @    理数融合講座・実験講座
 A    再生医療社会における問題点の検討
 B    江戸川学園取手小学校のアフタースクールへの指導
 C    医科講話・医療教養講座・一日医師体験による医師としての自覚作り

今回は、上記の B 江戸川学園取手小学校のアフタースクール(小学4年生対象)の実験の指導をしてきました。

 1.  事業の名称  世界を牽引する医療系リーダーを育成する方策の開発

 2.  事業の目的  21世紀における科学技術人材の育成と医科教育に関する研究を行います。

 3.  事業の目標  小中高12ヶ年一貫教育の利便性を活かして心豊かでコミュニケーション能力や正しい発進力を身に付ける医科教育を行います。

 4.  講座の内容  予測できない未来に対応するために、社会の変化に受け身で対応するのでなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して一人一人が自らの可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していくことが重要です。そのためには、学校教育を通じて、解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解ける力を育むだけでは不充分だと考えました。これからの生徒たちには、社会の加速度的な変化の中でも、社会的・職業的にも自立した人間として、伝統や文化に立脚し、高い志と意欲を持って、蓄積された知識を礎としながら、膨大な情報から何が重要かを主体的に判断し、自ら問いを立ててその解決を目指し、他者と協働しながら新たな価値を生み出していくことが求められます。
 本校においては併設された江戸川学園取手小学校があり、その教育環境を利用して、医科コースに所属している生徒たち一人一人の可能性を伸ばし、新しい時代の医師に求められる資質・能力を確実に育成していくが重要となると考えました。様々な児童や生徒と関わり合いながら学び、その学びを通じて、自分の存在が認められることや、自分の活動によって何かを変えたり、自分自身が変容したりしていくことなど実感を持たせるために、小学校のアフタースクールの指導を行います。本校の中等部や高等部で過去に行われた実験内容を吟味・改変し、小学校児童に対して、本校医科コースの生徒が責任を持って指導者として参加します。

 5.  講座の会場  江戸川学園取手小学校 理科室

 6.  参 加 者  高等部医科コース生 1年生 及び 2年生
 
 7.  本講座の講師  兼 龍盛(高等部3学1組:医科コース担任 医科コース長)
 成本 豊(高等部2年3組:東大コース担任 学年副部長)
 指導補助 中村 雅代(江戸川学園取手小学校教諭 理科主任)


 実験回数  実 施 日  実験テーマ  参加生徒  参加人数
 第1回目  10月 5日  封筒から作る正四面体  高等部2年生    9名
 第2回目  10月12日  牛乳パックから作る正四面体  高等部2年生  10名
 第3回目  10月19日  ピンホールカメラ  ウォークラリーのため不参加   ---
 第4回目  10月26日  ミニグライダーを飛ばそう  高等部2年生  10名

第1回目 10月5日

封筒から作る正四面体

         
 折り紙を用いて正三角形を作りました。数学的な説明をしても児童にはなかなか伝わりません。    応用として封筒から正四面体を作りました。仲良くなってから、いろいろな方向から説明していきました。    なぜ正四面体になるのか説明は難しいです。どのような立体が正四面体なのか理解してもらう工夫をしていきました。
         
         
 上手くコミュにケーションを取ることから始めました。目線を児童に合わせる工夫をしました。    小学生の児童に対して説明することは非常に難しいことでした。    創意工夫をしながら説明していくことが大変でした。

第2回目 10月12日

牛乳パックから作る正四面体

         
 どこまで教えて良いのか迷いながらも、一緒に実験をしていきました。    少しずつ距離感を縮めていくように注意しました。    話す目線に注意しながら実験をサポートしてくれました。
         
         
 カッターなども使えないので、事前の準備が大変ですが、児童が楽しそうに学んでくれました。    牛乳パックをある幅で切るだけで、正四面体を作ることができました。。    高等部の有機化学(鏡像異性体)で使用している教具を利用しました。
実験後の挨拶の風景です。

第3回目 10月19日

ピンホールカメラ

         
 ピンホールカメラの原理を成本先生より受けました。    自分で作ったカメラ(箱?)から覗くだけでも楽しそうでした。    小さな針穴(ピンホール)から見える風景に驚いていました。
         
         
 小学校の若林校長先生も児童に混ざって実験に参加して下さいました。    針の穴の大きさを変化させると見え方が変わってきました。自分で工夫をしながら楽しんでいました。    レンズを付けると明るい像ができてびっくりしていました。

第4回目 10月26日

ミニグライダーを飛ばそう

         
 小学校に行く前に高校の自然科学棟(化学実験室β)で成本先生から指導を受けました。作成は簡単な分、いろいろな工夫が必要となりました。    重心の位置や羽の幅などいろいろな変化をさせると、飛び方が大きく変化していました。    創意工夫をしていく過程を重視した指導をするように話しがありました。原理は難しいので、何度も何度も繰り返すことが大切なことを学びました。
         
         
 児童の主体性を大切にしながら、創意工夫の邪魔にならないようにアドバイスを心掛けました。    説明するためには目線を合わせて、同じ立場になるようにコミュニケーションを取るようにしました。    上手く投げるとグライダーのように滑空しながら飛んでいきました。何よりも教えていた子ども達が楽しそうでした。

医科コース生の事後アンケート結果

● 今回取り組んだ実験のテーマの難易度は?(教えた小学校の児童目線で)

 やさしかった  0名
 ちょうど良かった  10名
 難しかった  0名

参加人数:10名


● 言葉や態度でどのようなことに気を付けましたか?

 @  悪い言葉遣いや、児童が「見下される」と思うような態度は控え、小学生と同じ目線になるように話しをしました。
 A  目線の高さを合わせるようにしました。
 B  どんな些細なことでも、たとえ失敗しても、「大丈夫、次がんばろう!」と励ましたこと。
 C  小学生にきちんと伝わるよう、わかりやすい言葉で説明するようにしました。
 D  プラスの言葉を使って励ますようにしました。


● 実験の指導をしていてどのような事に困ったり、迷ったりしましたか?

 @  何人かの小学生が同時に話しかけてきたとき。
 A  小学生のグライダーに対する疑問に対して的確に答えることができなかったこと。
 B  小学生の1人がシャーペンの芯を何度も何度も折ってしまい、なかなか正しい位置に付けることができなかったこと。
 C  2人に同時にあれこれ頼まれて、慌ててしまったこと。
 D  子どもっぽすぎず、しかし、大人っぽすぎないくらいの絶妙な接し方。


● 実験の指導をする際に工夫したことは何ですか?

 @  小学生と同じ目線で話し、できるだけ一緒に考えるようにしました。
 A  ゆっくりと丁寧に説明するように心掛けました。
 B  なるべく自分が児童の作業をしないように、できるだけ児童たちにやらせるようにしました。
 C  相手の目をみて話すようにしました。
 D  1人だけに指導するのでなく、みんな平等になるように説明をしました。