東京電機大学出張授業

「ペットボトルで便利な手を作ろう(手のはたらきを考えよう)」 

     

1.目的 医療分野に関するキャリア教育の一環として医療を幅広くとらえ、医用工学や生体医工学に興味関心を深めることを目的とする。
2.テーマの概要 手のはたらきをする福祉機器についての説明をする。その後、手の代わりになる道具としての人工の手を、ペットボトルと洗濯バサミや文具のを使って作成、装着、操作することで、手のないことの不便さや、人工の手を使うことの便利さを体験し、手や腕の仕組みについて学ぶ。  
3.講師 東京電機大学 理工学部理工学科 電気・機械工学系 准教授 大西謙吾 先生
4.日程 平成29年8月25日(金曜日) @講義 8:50〜10:20  A実験・まとめ 10:30〜12:00 
5.参加生徒 中等部1年1組 医科ジュニア 14名



授業の様子

   
 授業は体や義手に関する問題を考えるところから始まりました。
   全部で7つの問がありましたが、常識で答えられる問もあれば検討もつかない問もありました。協力して答えを考えています。

   問の1つに手の骨の数を聞かれた問題がありました。
 実際に指や手の平を触ることで数を数えていました。
   
     手は27本の骨で構成されていました。
     細かい骨の名称もわかりました。

       手以外にも腕や肩の構造について教えていただき
     ました。写真では肩胛骨の位置と可動域を確認して
     います。
     前半の授業終盤には義手についての講義をして
   いただき、写真は電動義手の基本構成について
   教えていただいている様子です。大西先生の研究も
   かみ砕いて説明していただきました。

   
     シンプルな構造の義手です。義手を装着すると
     断端(腕の切断面)と義手の間は湿度がとても
     高くなると教えていただきました。
       義手を触ってみました。細部まで精巧にできています。
     テレビや写真でしか見たことがないので皆、興味津々
     でした。

      ペットボトルを加工し、簡易的な義手の制作をして
    います。
   
 自分の腕が通るように加工していますが、大きすぎず小さすぎず作りました。思ったよりも強度が高く加工に手間取りました。
   完成したペットボトル義手です。飲み口の先端に洗濯ばさみ等の指先にあたるものを取り付けました。   数十万円するモーターで動く義手を操作している様子です。義手は指先と異なり力の調節が難しく積み木をつかむだけでも大変でした。

   
 ゴルフティーを摘み違う穴に指してみましたが、積み木よりも細かな力の調整が求められとても難しそうでした。    電動義手を動かすためのレクチャーを受けている様子です。力を抜いて必要な部位のみ動かさないと上手く作動してくれませんでした。

   腕に電極を取り付けて電動義手を実際に動かしてみました。うまく動かすだけでも大変でした。
   
 最後に脳から指先に出す電気信号を前のパソコンでみせていただきました。    腕に電極をつけて動かし電気信号を確認しています。    先生の指先にあるのが電気信号をとらえた波形です。この信号を捉え、電動義手が作動しているとわかりました。またノイズがあるためある一定以上の信号を捉えないと作動しないことも教えていただきました。

生徒の感想




今回の授業を受けて、手や指の仕組み、重要性について改めて知ることができました。本物の義手に触ることで、義手を日々使っている方々の大変さに気付き、さらに医療を進化させ、義手を必要としている方々に役立てることができるようにこれからも努力していこうと思います。



僕は手先があまり器用ではないので参加しました。手にも骨があり、骨と骨とがうまくくっつきあってこそ手が動くということをとても不思議に感じました。




授業を一番印象に残ったのは後半に行った義手を動かす体験です。動かした感覚がないので義手をつけたら元通りの生活ができるとはいえないことを実感しました。講義では、手の各部の名称、仕組みなど、医師としては知るべき基本的な事項が多数含まれていたので、将来のために先取りして覚えようと思いました。




今までニュースなどの特集で義肢について報道される時にしか、義肢を見たことがなかったけど、今回の授業を受けて、手のはたらきについて知ることができたり、義肢について学んだりすることができて良かったです。これからは義肢の技術の発展について興味を持って調べていきたいと思います。




私は、今回義手について詳しく知りたいと思い、この授業に参加しました。私は実際に義手を自分の手で動かした実験がすごく印象に残っています。意外と難しく、義手をつけている人は苦労していると実感しました。




私は、初めて義手について詳しく知りました。最近の義手が進化していることを知って、いつか自分が使うことがあるかもしれないとも思いました。また実際にペットボトルと洗濯ばさみで義手を作ることや、実際の義手を利用してみたりすることで少しだけ義手を利用する人の大変さを理解することができました。





私はこの授業に参加して、自分たちにとても身近なもので医療器具を作ることができると実感しました。授業を受ける前はペットボトルで便利な手を作るとはどういうことなのだろう?と思っていましたが、先生の説明でペットボトルを用いてその原理を学ぶことができました。将来、医療関係の仕事に就きたいと思っているので、これからもこのような場を用いて医療について学んでいきたいです。


僕は今回の授業を受けて義手を動かすことがとても難しく大変だということを実感しました。




講座を受けて改めて手があることの大切さがわかりました。義手で物をつかむ作業は、難しかったけど楽しかったです。義手を使っている人はこんなに大変なことをしているのかと驚きました。また、腕に電極をつけて動かすことで操作できる義手の体験はとても楽しかったです。



あまり体験できないロボットアームを動かすことができたのが楽しかったです。この体験を生かしていきたいです。




義手だけでなく体の構造に関するいろいろな話を聞けてとても勉強になりました。また、義手をつけてもらったとき、義手を使う人の気持ちが少しわかるような気がしました。私も人のためになれるような行動をしたり、物を作りたいと思いました。




この授業を受けて指5本のありがたみ、指を無くしてしまった人の辛い思いの両方を感じることができました。将来、スポーツドクターを目指しているので、関節や神経、筋肉話を聞いて、たくさんの知識を増やすことができました。また、医師になる大変さ、自分の無知さを改めて実感できました。