平成30年2月5日・7日・9日 昼休み
【実験の内容】
1.自分に割り当てられているチューブ内の胚の成長記録を取る
2.給餌(月・水・金)、水の取り換え(金)の実施
1.チューブ内の胚の成長記録
チューブ内の飼育を正確に行う生徒が多く、あまり個数を入れない為に見つかりづらくない3Lビーカー飼育のものを足して再挑戦する生徒が多数出てはいるものの、飼育実験に取り組む姿勢がとてもよく、昼休みの時間いっぱいまで観察をしています。
上手に飼育が出来なかった生徒には、「なぜ自分のチューブ内の胚は、死んでしまったのだろうか?」と考えてもらえるよう声掛けをしています。これが、生徒にとっては考察力を養い、今後への改善点を考える力になるはずだからです。
温度管理などをしっかりとしていたにも関わらずいつのまにか消えてしまう(チューブ内にウニがいなくなる)という生徒もおり、昨年のように原因が簡単に判明する例は少なくなりました。
それだけ、意識を高く持って生育、観察に取り組んでいると見受けられます。
生育をする上での注意点は
・温度管理(15〜19℃)に近い形を実現できているか?
・チューブ内に幼生を入れ過ぎていないか?
・海水をきちんと上まで入れることが出来ていたか?
・チューブを振り回していなかったか?
といったことです。
今回の参加者の多くは、昨年のHPをしっかりと見てから参加している生徒が多いことから、上記の注意点などもよく理解した上で、チューブ管理にマーブルチョコレートの空き箱を活用するなど、昨年の生徒が成功した例を上手に取り入れています。
生き物相手の実験では、成功することだけを目標とするのではなく、失敗を真摯に受け止め、「なぜ失敗してしまったのか」を考えることが大切であることを体験する機会になっています。
胚の名称 | 合計 |
4腕幼生 | 9人(43%) |
6腕幼生 | 3人(14%) |
未確認 | 9人(43%) |
ビーカー1 ミネラルウォータの人工海水 + 1/25 受精卵
ビーカー2 ミネラルウォータの人工海水 +1/27 AM9:10 受精卵
ビーカー3 ミネラルウォータの人工海水 + 1/27 PM3:00 受精卵
ビーカー4 カルキ抜き水道水の人工海水 + 1/27 PM2:30 受精卵
ビーカー1 2/6(火)時点では6腕幼生への過程の途中が観察出来ました。 形状、栄養状態ともに良いことも観察出来ました。 個数が多いためか成長が遅れてきました。 |
ビーカー2 2/6(火)時点で完全な6腕幼生を観察出来ました。 形状、栄養状態ともに良く、成長も早めです。 個数(密度)も最適状態のようです。 |
ビーカー3 2/6(火)時点で4腕幼生で腕の伸びがあまり良くありません。 他のビーカーに比べてたくさん入っており、密度過多が原因と思われます。 |
ビーカー4 2/6(火)時点で4腕幼生で腕の伸びがあまり良くありません。 成長状態は、ビーカー3と似たような状態でした。 |
ビーカー1 2/7(水)時点で、昨日より成長状態の良いものを観察したようで、完全な6腕幼生から8腕幼生へと成長途中のものが観察されました。 形状、栄養状態ともにとても良く、順調な成長を遂げています。 |
ビーカー2 2/7(水)時点で、更に腕の伸びの良い6腕幼生(8腕幼生への変化途中)が観察されました。 先端もまるくなってきており、ウニ原基の成長も順調であると想定されます。 |
ビーカー3 2/7(水)時点で6腕幼生も観察出来ましたが、やはり過密状態が良くない為か腕が曲がっていたりと成長が芳しくないことが見受けられます。 |
ビーカー4 2/7(水)時点で、昨日のものよりも成長が早めのものが観察出来ましたが、やはり腕の伸びが今一つの状態。 この幼生については、以前観察されたもののようないびつなイメージはありませんでした。 |
ビーカー1 2/9(金)時点で、やはり完全な6腕幼生以上になっていました。 胃の裏側に見えるウニ原基の中もかなり出来上がりつつあることが観察できます。 途中の水替えで個体数を減らしたため、腕の伸び、成長速度も改善してきました。 |
ビーカー2 2/9(金)時点で8腕幼生が観察されました。 先端はすっかりとつぶれた形状となり、これから繊毛が生えてくる部分が濃くなっています。 ウニ原基の状態もかなり大きくなり、中身が観察できるようになってきました。 |
ビーカー3 2/9(金)時点で、途中の水替えで個体数を減らしていったことから、腕の伸びや形状の改善が見られるようになりましたが、まだ6腕幼生になる途中で、成長の遅れが見られます。 胃の色も他のビーカーのものに比べて薄いことから栄養も十分でない可能性もあるため、珪藻の量を増やしました。 |
ビーカー4 2/9(金)時点で、8腕幼生へ近づいているものと思われますが、かなり形状のいびつさを感じるものでした。 胃も細長く、腕や体の形状が他のビーカーのものよりも角張っているところが気になります。 水の違いによるものか、個体差によるものかはまだ判別しきれていません。 |
2.給餌(月・水・金)、水の取り換え(金)の実施
12月末の教員研修会にてお分けいただいたアカウニの稚ウニは2匹、途中で失敗したものが1匹、変態の途中でもがいているものが1匹観察されました。
生徒にとっても興味深い様子で、稚ウニは星砂位の大きさになっているため、肉眼でも観察できるようになってきました。
変態はどうにかしたものの、その後すぐに 死んでしまったもの。 |
変態途中の8腕幼生 | 変態途中の8腕幼生の動いている様子 |
顕微鏡観察しながら、その場でしっかりとスケッチを行う様子。 お互いに状態について話し合う場面も見られます。 |
昼休みの慌ただしい中も、顕微鏡を出してしっかりと観察しています。 | 放課後の開放では、iPadを使って写真撮影をし、拡大するなどしながらしっかりと観察をしました。 | ||
昼休みの時間の貴重な時間水替え、餌やりなどをしっかりとやりました。 | 板書にある四腕幼生や六腕幼生の形状などを確認しながら、再度自分の胚の確認をしていました。 | お互いに協力しながら短い時間を上手に使えるようになってきています。 | ||
手際よく観察後のチューブの状態作成も出来るようになりました。 | 左写真のKさんの胚ですが、綺麗な八腕幼生になってきていると、お茶の水女子大学の清本先生からもお褒めの言葉を頂きました。 |