中等部1年生対象理数融合講座
ポリドロンを用いたいろいろな多面体の作成/うがい薬に含まれるヨウ素を用いた抽出の原理

1.目的   本校の理科及び数学科として取り組むべき方向性と生徒たちの可能性を探るべく、希望者に対して土曜日授業の午後を活用して実験課外授業を行っています。普段の授業から一段高いレベルの実験授業を実践し、本校の理科教育及び数学教育の更なる充実を図ります。テーマによっては外部団体や大学との協力を得ることで、より高度な実験・実習を行い、知的欲求を刺激し発展的な思考、高度な技術の習得へ結びつけていくことが目的です。

2.担当講師   成宮 徳彦 先生 (数学)ポリドロンを用いたいろいろな多面体の作成
神村 康平 先生 (化学)うがい薬に含まれるヨウ素を用いた抽出の原理
兼  龍盛 先生 (化学)実験サポート

3.日程   平成30年1月6日(土) 13:30 〜 16:00

4.参加生徒   中等部1年1組 医科ジュニアコースの生徒 在籍34名 事前連絡での欠席者3名 → 31名が参加
中等部1年2組 東大ジュニアコースの生徒 在籍38名 事前連絡での欠席者3名 → 35名が参加 


当日の様子(数学)

       
正多面体は正四面体、正六面体、正八面体、正十二
面体、正二十面体の全部で5種類あります。
   成宮先生から多面体についての説明を受けています。
準正多面体は全部で13種類あることを学びました。
  その後それぞれの班に分かれ、自分たちの手で多面体
を作り観察しました。基本の正多面体を作っています。
       
     
 制限時間内にどれだけ多くの多面体を作れるか競争
しました。
   形の異なる多角形を繋げていろいろな多面体を作りま
した。
 いろいろな多面体を実際に作ったことは良い経験に
なったとともに様々な発見がありました。生徒は普段
の授業とはまた違った生き生きとした表情で取り組ん
でいました。生徒達の得意単元の1つが空間図形にな
ることを期待します。


当日の様子(理科)

       
今回は、人間の目では直接見ることができない小さい
分子の世界を、実験を通して考察できるであろう「溶
解性の実験」を行いました。
 
  油に水を加えると「界面」が現れました。また、そ
の「界面」を消すこともできました。
   分子の形から溶解性を予想し、抽出の原理を学びま
した。今回は、うがい薬に含まれる「ヨウ素」をヘキ
サンで抽出しました。
         
       
生徒たちは、非常に小さな分子にも固有の形があり、
それが「溶解性」に大きな影響を及ぼしていることを
学びました。
 
      不思議な現象がいろいろと起きました。
   蒸発熱や反応熱に関する実験も行いまし
   た。
  安全に配慮し、アセトンを机上で燃やす引火の実験も
行いました。生徒達は普段できない実験にとても興奮
していました。
 


事後アンケート
Classを用いた事後アンケートの結果です。  数学 回答数n=63  未回答9名(未受講者6名含),理科 回答数n=59 未回答13名(未受講者6名含)

数学

   
     
   

生徒の感想

色々な図形をパズルで作ったとき、ひと工夫するととても簡単に作れたり、より素早く作るために規則を見つけたりするのが楽しかったです。 
   
今回の講座で一番印象に残ったものは、いろいろな多面体を作る中で多面体の共通点や相違点を知れたことです。実際に手を動かして多面体を作ることで日々の授業では受けられない満足感を得られることができました。
   
 一番大きい図形を作ったりしたことと数字が大きい多面体ほど大きくなるということではないということが衝撃的でした。


理科

     
     
     

生徒の感想

今回の講座で一番印象に残ったものは、水とエタノールとヘキサンを混ぜて振ったときにピンクになったことです。科学の不思議を感じました。界面ができたりするのは分子が関係しているということがわかったので、分子についてもっとよく知りたいです。
   
物質どうしを混ぜると、色が変わったりするだけではなく、界面というものによってそれぞれが分かれるということを初めて知ったので、それが印象的でした。
   
机の上で火が燃えて、すぐ消えたのがすごかったです 。また、界面ができて、薄くなったことや水とエタノールを混ぜると2層に分かれるということを、示性式によって導けたことが印象に残りました。