理数融合講座

高等部2年対象

ブタの腎臓の解剖

 1.実施の目的  本校は何よりも日々の授業を大切にしております。その上で、授業の質を向上させるためにも自主的な授業研究を行い、数学や理科として取り組むべき方向性と生徒の可能性を探るべく、土曜日授業の午後を活用して実験課外授業を実施致しております。普段の授業から一段高いレベルの深い学びや主体的で対話的な実験授業を実施し、授業研究を積み重ねていくことで、本校の理数教育の更なる充実を図ることを目的としています。
 学習意欲のある生徒達に学ばせ体験させていくことで、今後の本校における理数教育の向上が図れるものと思っております。そして、何よりも生徒達の知的好奇心を刺激し、自主的に学ぶ意欲の向上を図ることで、今後の学習に向けての強い動機付けになると考えております。

 2.実 施 日  平成29年10月14日(土曜日)土曜日授業H 13:30 〜 15:00

 3.担当教師  理科教諭(生物担当)熊井 優

 4.実施場所  自然科学棟(生物学実験室)

 5.参加定員  高等部2年生(高等部39期生) → 22名(希望者)

 6.実験内容  ブタの腎臓の観察(ブタの腎臓の解剖)

実験風景

         
 担当教諭の熊井先生から今回の実験のブタの腎臓について講義がありました。自然科学棟の実験室にはそれぞれ書画装置があり手元の映像が生徒に示すことができます。    ブタの腎臓の触感を確かめました。予想以上に硬い手触りがあり、グミのような弾力がありました。食材として身近な肝臓とは違っていたことに驚きました。    腎臓の動脈に薄めた墨汁を入れて、糸球体まで行き届くように注入しました。腎臓は個体差が大きな臓器で、動脈を見つけるのが非常に難しく苦労しました。輸尿管は太めの管だったので容易に見つけることができました。


 ブタの腎臓を2つに割り、その断面を観察しました。「腎う」や「皮質」や「随質」を確認することができました。層によって色が違い、3種類の構造になっていることが理解できました。

 薄めた墨汁を注入した後の腎臓の断面を観察しました。動脈に上手く墨を流し込むことができると、腎臓皮質が黒く染まりました。
 糸球体と周囲の毛細血管の様子を顕微鏡で観察しました。皮質をカミソリを用いて薄く切り、プレパラートを作成し、顕微鏡で観察しました。すると、綺麗に糸球体を見ることができました。  糸球体と周囲の毛細血管の様子です。動脈は皮質に毛細血管としてつながっており、網目状に繋がっていることがわかりました。腎臓の複雑な血管網を観察することができました。

生徒の感想

 ●  血液から尿が腎臓で作られるということは教科書で学んでいましたが、今回の解剖や観察を行うことで更に実感を深めることができました。ブタの腎臓の大きさは、人間のものとほぼ同じということを知り、ブタの腎臓でも命の尊さを感じて解剖実習を行うことができました。そして、腎臓が非常に綺麗で美しかったです。

 ●  腎臓の構造の複雑さだけでなく、機能的に非常に巧妙にできていることに、生命の神秘さを感じることができました。熊井先生や生物の先生方の指導もあって色々なことを体験することができました。

 ●  今回はブタの腎臓でしたが、人間の手術を行う外科医の大変さを知ることができました。色々な臓器も複雑で固有な構造をしているのだろうと思います。教科書のイラストを見る時には、今まで以上に想像しながら勉強に役立てていきたいと思います。



本校は「平成29年度私学版未来の科学者育成プロジェクト推進事業」に茨城県より採択されました。
本校の具体的な実践項目は、次の4点を柱としています。

 @ 学校設定科目「メディカルサイエンス」の新設
 A 理数融合講座・実験講座
 B 江戸川学園取手小学校のアフタースクールへの指導
 C 医科講話・医療教養講座・一日医師体験による医師としての自覚作り

今回は、上記の A に関しての項目となります。