高校1年医科コース  ウニ飼育実験 No.7

 平成29年3月6日・8日・10日 昼休み・放課後
 
【実験の内容】
1.自分に割り当てられているチューブ内の胚の成長記録を取る
  稚ウニの状態の確認をし、必要に応じてスケッチ、写真を撮る。
  プラスチック板に付着藻類以外の天敵になりそうな生き物が潜んでいないか観察し、出来るだけ取り除く。
2.給餌、水の取り換えの実施


1.自分に割り当てられているチューブ内の胚の成長記録を取る

 稚ウニになってしまうと、なかなか変化が生じない為、調べてみたところ2か月半強で1mm、3か月過ぎた頃に2mmの体長と書かれているものもあり、しばらくの間は、見た目に大きな成長は見られない様子です。

上記写真は、稚ウニの全体像と棘の部分を拡大したものです。
全体像では管足がたくさんあり移動のために活発に動く様子が伺えます。一方、拡大写真では、棘に2種類があり「幼生型棘」と「成体型棘」の両方が見られます。この稚ウニを継続観察していくと、成体型棘だけに変化していく様子は見られるかもしれません。また、棘がどんどん伸びていき、足長状態になっていく観察もできます。

 プラスチック板の付着藻類には、藻類以外にも色々な生物が生息していることを生徒達も発見してきました。
中には天敵になりそうな生き物もいて、稚ウニを食い散らかしていました。

上記の写真の1枚目は、食い散らかされた稚ウニ、残り2枚は、同じチューブに入れていたプラスチック板上で発見された貝が2匹。
別の機会に見たときには、このうちの1匹がヤドカリの足のようなものを出している様子が観察されていました。

 1枚目はカイアシ(海洋性ケンミジンコ)を横から見た写真、2,3枚目はウズマキゴカイと思われる写真です。
この2種類の生き物も、やはりプラスチック板の付着藻類に潜んでいた生物です。
ウズマキゴカイは、かなりの数が見られ、触手のようなものをチラチラさせていたため、生徒の一人が出てくるように誘導して触手をひっぱりだした写真が2枚目、貝の様に見えるカルシウムで出来た殻を割って、全身像を撮ったものが3枚目です。触手の白色でふわふわした印象に対して、身体は赤色が濃く見られました。(阿部先生協力のもとの推定)

2.給餌、水の取り換えの実施

 プラスチック板上の付着珪藻(緑色の部分)が減っているものについては、追加で足すようにし、それ以外については餌の追加なく飼育を続けました。珪藻をあげないで済むようになると、水の汚れもほとんどなくなり、水の取り換えもせずに済む生徒が増えてきました。
付着珪藻がなくなってくると、次の段階としてワカメを小さく砕き与えることを、お茶の水女子大学さんより頂いていたため、予備実験として3Lビーカーで試してみました。小さなワカメの顆粒の沈殿に稚ウニが寄ってくる様子が見られました。
水の汚れ方の様子を見ながら、どのタイミングで変えていくか(汚れが激しいようであれば、上げる都度必要という情報もあるため)などの情報収集も生物実験室データと共に、生徒からの情報提供ももらいながら行っていきたいと考えています。


観察での様子と胚の変化

       
放課後の風景から。 
自分のチューブ内の様子を観察する様子。
   数人でディスカッションしながら、状態確認している様子も多々見られました。    かなり成長が進んでいる稚ウニ。光の加減でこのように棘が白く、本体が赤く見えることもありました。
       
 まだ幼い稚ウニ。これも光の加減でこのように付着藻類や稚ウニが幻想的に見えることがあり、生徒が記念にと撮った写真です。    天然海水、室温飼育で大量に稚ウニへの変態が進み、小さなプラスチック板にたくさん密集している様子が観察されました。    同じ稚ウニを全体像で。
今回の実験では、結果的に、天然海水+室温飼育が一番育ちました。水温は16〜17℃でほぼ安定していたことがよかったのかもしれません。

参加生徒は、次週3/15(水)までに実験レポートを完成させ提出することになっています。