第16回日本再生医療学会総会 高校生学会体験企画に参加して きました。

医療・医学・生物学に興味がある高校生を対象に、第16回日本再生医療学会総会 で高校生学会体験企画が開催され、本校から医科コース(37期生)2名の生徒が参加してきました。

 日時  :  2017年3月9日(木) 12:40〜17:40
 会場  :  仙台国際センター会議棟・展示棟
 会長  :  出澤 真理[東北大学大学院医学系研究科 細胞組織学分野]
 後援  :  宮城県教育委員会・仙台市教育委員会


特別セミナー  12:40 〜 14:40

座長:北田 容章 先生 (東北大学大学院医学研究科 細胞組織学分野)

 12:40〜13:10    間葉系幹細胞・患者に届いている再生医療
     七戸 秀夫 先生(北海道大学病院 臨床研究管理部)
     
 13:10〜13:40    Muse細胞・修復幹細胞を用いた新たな再生医療
     出澤 真理 先生(東北大学大学院医学系研究科 細胞組織学分野)
     
 13:40〜14:10    再生生物と再生医療
     阿形 清和 先生(学習院大学大学院自然科学研究科 再生生物学)
     
 14:10〜14:40    身体性と神経可塑性に立脚した感覚運動リハビリテーション
 14:10〜14:25    稲邑 哲也 先生(国立情報学研究所情報学プリンシプル研究系) ※ビデオ出演
 14:25〜14:40    出江 紳一 先生(東北大学大学院医工学研究科 リハビリテーション医工学分野)


         
 仙台国際センター会議棟の前で記念写真を撮りました。初めての学会参加だったので少し緊張しました。
 第16回日本再生医療学会総会は2017年3月7日(火曜日)〜9日(木曜日)の3日間開かれました。
   仙台国際センター展示棟でポスターセッションも見てきました。その会場では最新の研究結果が掲示されているので撮影ができないため、企業ブースの前で写真を撮りました。グラフの描き方や研究の説明の仕方など学ぶことが多くありました。    会議棟3Fの第5会場で、各分野の専門家による特別セミナーを受けました。Muse細胞や再生生物など最先端の話題はとても勉強になりました。先生方からは、研究者を志す動機なども話して頂きました。参加した高校生は、約30名程度でした。


体験学習 14:50 〜 17:40

● 培養細胞観察
 共催:DSファーマバイオメディカル(株) 上田 忠佳 先生
    (株)ニコン , ワケンビーテック(株) , 日本エアーテック(株) , 住友ベークライト(株)


         
 クリーンベンチの前に座って、培養液を取り替えているところです。高校では、物理を選択していたので初めての体験となりました。今回の体験実習では、東北大学の上田 忠佳 先生より直接指導を仰ぐことができました。    初めて使用する実験器具でした。しかし、医学研究ではこのような最新の器機を用いて研究していきます。そのような意味でも、今回の体験企画に参加できて、とても良い体験ができました。    顕微鏡で細胞を観察しているところです。培養細胞の観察を行いました。生物の教科書や図録では見たことがある細胞の様子を実際に顕微鏡を用いて観察することができました。


● 再生可能動物における再生研究の実態
 共催:次世代両生類研究会
    横山 仁 先生(弘前大学農学部生命科学部)
    越智陽城 先生(山形大学医学部)
    川住愛子 先生(理化学研究所生命システム研究センター)
    亀井保博 先生(基礎生物学研究所生物機能解析センター)
    阿形清和 先生(学習院大学大学院自然科学研究科)
    佐藤 伸 先生(岡山大学異分野融合先端研究コア)
    林 利憲 先生(鳥取大学医学部)


     
 ネッタイツネガエルなどの両生類に関する再生生物に関してお話をして頂きました。実際の生物を見る機会は少なかったので非常に興味深かったです。    クイズ形式でイモリの再生に関する話をして頂きました。再生するためには細胞の地図が必要になっていることを学ぶことができました。
     
 再生生物の分野で権威として知られている阿形先生より直接お話を聞くことができました。プラナリアを用いて細胞単位を基本として生物の個体を考える重要性を知ることができました。    「なぜ高等生物が進化の過程で再生能力を失ったのか?」 
とても大切な疑問を投げかけられました。進化論ではなかなか上手く説明ができない問題だと認識することもできました。


● バーチャルリアリティと身体性感覚の関連性の体験
 共催:新学術領域・身体システム
    出江 紳一 先生(東北大学大学院医工学研究科)
    稲邑 哲也 先生(国立情報学研究所)
    山田 裕基 先生(国立情報学研究所)

シンポジウム40
再生医療教育の学校教育への展開 - 市民と共に歩むためのアプローチ -

座長:瀧澤 利行(茨城大学 教育学部 教育保健教室)
   川上 雅宏(奈良先端科学技術大学大学院 教育推進機構 教育推進部門)

上記のシンポジウムにも少しだけ参加させて頂きました。
すべての行事を終えて会場を出ると、すでに陽は落ちていました。会場から近くにある、近代的な「国際センター駅」には電気が付けられて非常に綺麗でした。その後、JR仙台駅から東北新幹線で上野まで帰ってきました。


参加した生徒の感想

学会に初めて参加しましたが、様々な分野の先生方が大勢いらっしゃり、学会独特の雰囲気を感じました。今回の高校生学会体験企画は、セミナーと体験学習の二部構成でした。セミナーでは、間葉系幹細胞、Muse細胞という新たな幹細胞、細胞の座標、医工学のリハビリテーションへの応用など、先生方のお話をお聞きし、様々な分野の最先端研究を学びました。体験学習では、イモリ、ネッタイツメガエル、ウーパールーパーなどの両生類の再生可能性を学び、バーチャルリアリティや培養細胞観察を体験しました。特に細胞観察では、光の位相差を利用して光と影のコントラストをはっきりさせ、見やすくする高性能の顕微鏡を用いました。位相差は高校物理の内容なので、自分たちの学んだことがしっかり応用されているんだという実感がわきました。最後にセッションを見学しました。実際に先生方の質疑応答を見て、自分も質問に対応できる力を養わなければならないと感じました。学会に伺って分かったことは、再生医療であっても、医学のみならず、他の様々な学問が関わっているということでした。そこであらゆる専門家と意見を交換することで、より再生医療の発展を推し進めることができます。まさに多面的価値観の場でした。将来私は研究分野に進みたいと考えており、このような学会の場を何度も経験すると思います。今回学会に参加し、実際に見て、医師になってからの将来のイメージがより具体的になりました。これから、プレゼンや質疑応答など必要な能力を身につけて行きたいと思います。参加できてとても良かったと思います。ありがとうございました。