高等部2学年 課外実験教室

普通科理系コース

2015年4月11日(土曜日) 土曜日授業(1回目)の授業後に、高等部2学年の普通科理系コースの生徒に対して、課外実験を行いました。

高等部1年生の時に学習した、「生物基礎」と「化学基礎」の内容に関しての実験を行いました。

 教 科 実 験 場 所  担当教師名  参加人数 
生物基礎  自然科学棟 生物学実験室  渡邉 亮  5名 
化学基礎  自然科学棟 化学実験室β  兼 龍盛  18名 

生物基礎の実験風景

 酵素の性質を調べる実験を行いました。生物の体に使われている酵素には最適pHや最適温度があります。今回の実験では2種類の酵素を用いて実験を行いました。
 一つ目は、デンプンを分解して糖に変える「タカジアスターゼ」という酵素を用いて実験しました。この酵素は胃腸薬(タカヂア錠 - 第一三共ヘルスケア)を用いました。
 二つ目は、過酸化水素(オキシドール)を酸素と水素に分解する「カタラーゼ」という酵素を用いて実験しました。この酵素は動物の肝臓(レバー)を磨り潰した溶液を作成して用いました。

   
渡邉先生が細かく指導をして下さいました。 手元の試験管内で起きる現象をしっかりと観察しました。 
   
肝臓を磨り潰して酵素の溶液をつくりました。 実験台の様子です。 
   
今回の課外実験教室では、一人ずつ実験が行えました。  肝臓の臭いも独特でした。 
   
酵素の溶液に過酸化水素を加えると酸素が発生しました。  渡邉先生の熱の入った仕草で実験のまとめを話して下さいました。 
   
実験作業は、渡邉先生から細かく指導を受けることができました。  実験を終えた最後に記念写真を撮りました。 

化学基礎の実験風景

 コンブに含まれる「ヨウ素」を分離する実験を行いました。分離操作は「ろ過」と「抽出」を利用しました。コンブに含まれているヨウ素は、化合物の形で存在していますが、今回は単体としてヨウ素を取り出しました。そのため化学反応には、「酸化還元反応」と利用しました。
 最後に、「ヨウ素-デンプン反応」を利用して定性分析を行いました。

   
コンブを燃やすと、炎に色が付きました。(炎色反応)  コンブが燃えていく様子を見るだけでも面白かったです。 
   
教室の前に配置してあるテレビでも実験の様子が確認できます。  「ろ過」をしているところです。ヒダ折りの使用法も学びました。 
   
試薬を加えていくと、溶液は様々な色に変化していきました。  無極性溶媒のヘキサンを用いて抽出すると「ヨウ素」が分離できました。 

実験後の感想

課外実験終了後に、「事後アンケート」を実施しました。以下は、そのアンケートの一部です。

○ このような実験をもっと、頻繁に実施して欲しいです。今回は少人数で実験を行うことができたので、色々とできてよかったです。

○ 今までレバーを使うような実験をしたことがなくて、今回の課外実験教室はとても良かった。今後は、顕微鏡観察や「イカ」以外の解剖をやってみたいです。

○ 試験管の中の溶液の色がどんどん違う色に変わっていったことに驚きました。コンブから取り出した溶液なのにもかかわらず不思議でした。

○ ヨウ素デンプン反応では、青紫色になったり、ヘキサンで抽出すると、赤色になったりして興味深かったです。

○ 多くの薬品を加えることで、いろいろな変化が観察されたことが面白かった。また、水素結合の解説がわかりやすかった。

生物学・化学実験のアンケート結果

受講生と全員から、この「実験教室」は今後の理解に非常に役に立ちましたという回答が得られました。

また、担当された渡邉先生の講義に対する熱意に関しての項目は、全員から「非常に熱心だった」という評価を得ることができました。

 実験時間も受講生徒にとって、今回の課外実験の時間は、講義と実験作業が適当な時間配分であり、実験の難易度も適当であったと評価できました。また、普段の授業とは異なり、少ない人数で実験が実践されたことにより、生徒への指導が一層細かく行えました。これも生徒のアンケートからも高評価を得ることができました。

 今後も、このような機会を利用して、生徒の興味関心を深めていきたいと考えています。