目 的 | : | 今日グローバル化の進展により、医療現場においても国際化の波が訪れています。今後、国際社会で活躍する医師となるためには、世界最先端の医療が行われているアメリカの医療事情を肌で感じ取ることは極めて有意義であると考え、この度新たな海外研修として、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)内で研修を行う『アメリカ・メディカル・ツアー』(医療系海外研修)を企画しました。これまでの本校で実施されている多くの海外研修とは大きく異なり、医療関係に特化した海外研修となりました。 |
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場 所 | : | アメリカカリフォルニア州 サンディエゴ市 カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD) |
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日 程 | : | 2019年7月10日(水曜日) 〜 16日(火曜日) 5泊7日 |
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参加生徒 | : | 9名 中等部2年生 女子2名 高等部1年生 女子3名 男子3名 高等部2年生 女子1名 |
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引率教諭 | : | 医科コース長 兼 龍盛 |
今回の海外研修において、日本での準備およびサンディエゴでの教育プログラム企画や生活面での支援をして頂いた会社
今回の海外研修において、サンディエゴでの医師および研究者の支援をして頂いた団体
時間 | 7/10 Wed |
7/11 Thu |
7/12 Fri |
7/13 Sat |
7/14 Sun |
7/15 Mon |
6:00 | 空路サンディエゴへ JAL 066便 11:35到着予定 |
起床 | 起床 | 起床 | 起床 | |
7:00 | カフェテリアにて朝食 | カフェテリアにて朝食 | カフェテリアにて朝食 | カフェテリアにて朝食 | カフェテリアにて朝食 | |
8:00 | 準備・自由時間 | 準備・自由時間 | 準備・自由時間 | 準備・自由時間 | 準備・自由時間 | |
9:00 | SINGの方々による オリエンテーション ディスカッション By.Dr.Hayashi Tomoko By.Dr.Tadokoro Takahiro (江戸取OB) |
Salk Institute研修 9:00−10:00 施設見学ツアー 10:15−11:45 プレゼンテーション By.Mr Yasuo Ouchi (江戸取OB) |
UCSD医学教授による特別医療講話 9:00−11:30 By.Dr.Mekeel UCSD腎臓膵臓移植部外科部長 |
日米での医師になるための プロセスの違いについての講話 By.Dr.Nishimura |
専用車にてターゲットへ移動 | |
10:00 | UCSD Jacob Medical Center 見学ツアー By.Dr.Kono |
ターゲットにてショッピング | ||||
11:00 | 空港へ移動 | |||||
12:00 | 入国審査・関税 | カフェテリアにて昼食 | カフェテリアにて昼食 | カフェテリアにて昼食 | カフェテリアにて昼食 | サンディエゴ空港 JALカウンターにてチェックイン セキュリティーチェック |
13:00 | 専用車にて市内観光 シーポートビレッジ オールドタウン 地元スーパーで買い物 |
UCSD大学生と一緒に キャンパスツアー ラホヤ散策 |
医学部学生と一緒に Medical School キャンパスツアー By.Nikki Pebley |
専用車にてモールへ移動 | 徒歩で教室に移動 | 空路日本へ |
14:00 | UTC Mall にてショッピング ※ 特別ミッション |
研究員の方々との パネルディスカッション 研究総括 懇親会 By.Dr.Kensaku Shojima By.Dr.Toshiitirou Miki By.Dr.Haruka Miki |
空路日本へ 出発 JAL 065便 13:25発 翌16:45 日本到着予定 |
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15:00 | ドミトリーにチェックイン オリエンテーション |
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16:00 | 自由時間 | |||||
17:00 | 自由時間 | 自由時間 | 自由時間 | 自由時間 | ||
18:00 | カフェテリアにて夕食 | カフェテリアにて夕食 | カフェテリアにて夕食 | カフェテリアにて夕食 | カフェテリアにて夕食 | |
19:00 | 自由時間 ミーティング |
自由時間 ミーティング |
自由時間 ミーティング |
自由時間 ミーティング |
自由時間 ミーティング |
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20:00 | ||||||
21:00 | 入浴・就寝 | 入浴・就寝 | 入浴・就寝 | 入浴・就寝 | 入浴・就寝 |
自然科学棟での初ミーティング
6月26日(水)
成田空港
7月10日(水)
7月3日(水)放課後 それぞれの調べ学習の成果報告を行いました。講義をして頂ける先生はどんな先生なのか、どんな大学なのか担当を決めて、ネットを利用して調べ、みんなと情報を共有しました。 |
UCSDのホームページから、先生の専門など調べました。当然、情報はすべて英語なので、先ずは、日本語に訳す作業から始まりました。医療の専門用語が難しいけど、自分たちなりに挑戦しました。 | 調べた内容を今回の参加者に情報を共有することをしました。時間のない中で各自がそれぞれ担当した課題について報告を行いました。学年も違うので始めは緊張していましたが、この仲間達で第1回目のアメリカ・メディカル・ツアーを成功させるんだという気持ちだけでも共有しました。 | ||
初めてのことなので、わからないことばかりですが、みんなでできる範囲で努力しました。この時の引率の先生からの、合い言葉は「一蓮托生」。そして、「なんとかなるっ!」 | 名札担当の男子生徒です。9名のイメージにあったイラストを書いてくれました。(引率の先生の分を含めると、10名分でした。)アメリカでは、この手作りの名札が大活躍しました。 | 1週間前からお昼休みは、お弁当を持ち寄ってランチ・ミーティングを行いました。自己紹介文などを、本校のネイティブの先生から指導を仰ぎました。いくら時間があっても足りないくらいにこの時期の準備が大変でした。 | ||
7月10日(水)成田国際空港 第2ターミナル3階 南団体カウンター 14時に全員集合しました。 添乗員より出国に関する説明がありました。 |
日本航空(JAL)66便 サンディエゴ行きは17時20分出発予定です。搭乗手続を各自で行いました。 | 何事に対しても、自分から行動をすることもこの研修での目標です。分からなければ自分から質問をしたり、尋ねたりするように指導しました。 | ||
いよいよ預け入れ荷物を専用のカウンターに手渡します。この日は比較的空いていたので、混雑することなくスムーズに手続を終えることができました。 | ここから先は、見送りに来て頂いた保護者と離れなければなりません。保護者の皆様と記念写真を撮りました(この写真ではありません)。 | 先ずは、搭乗ゲートを目指して行きました。平日ということもあり予定時間よりも早く手続も終えることができました。 | ||
やはりアメリカでのコミュニケーションが心配でした。ここでもみんなで集まり、自然とプチ勉強会が始まりました。 | 医学用語の英語の一覧も作成しました。どれだけ理解できるのか不安ばかりです。特に、臓器移植の専門用語は難しく、なかなか覚えられません。 | いよいよ飛行機に搭乗します。多くの生徒は海外旅行の経験があり、手慣れた様子でした。しかし、引率の先生だけは、カナダ修学旅行が唯一の海外経験でした。 | ||
我々が搭乗する日本航空(JAL)66便です。天候にも恵まれて、安全で気持ちの良い空の旅でした。 | 機内でも高2の生徒は数学の勉強に励んでいました。この期間でも課題をしっかりと行っていました。 | 飛行機の窓には美しい日本の風景がありました。楽しみもありつつも、この時は、不安の方が少しだけ多かった様な気がしました。 |
サンディエゴ国際空港
Save the Kiss statue の前
高大なアメリカ大陸が眼下に広がってきました。いよいよサンディエゴ国際空港が近づいてきます。サンディエゴ国際空港は都市に近く、移動も便利でした。 | 現地スタッフである Kodai さんが出迎えて下さいました。先ずは、サンディエゴは乾燥しているので天然水を頂きました。生徒たちは長旅の疲れもなく、元気一杯でした。 | 移動はなんと大きな黒色のベンツでした。車中でもみんな楽しそうでした。これからのアメリカ医療系研修ですが、今日はちょっとした観光を満喫します。 | ||
シーボートビレッジで昼食を頂きました。メキシコの国境近くの都市です。会場には非常に陽気な音楽が流れ、雰囲気も良かったです。治安も非常に良い場所でした。 | 男子は周囲をお散歩しました。近くに空母があり(ミッドウェイ博物館)、有名な像(Save the Kiss statue)の前でも記念撮影しました。 | 次に、サンディエゴ発祥の地と言われるオールドタウンに行きました。ここはカリフォルニアでスペインが殖民した最初の土地なのだそうです。ここではアメリカの歴史を学ぶことができました。 | ||
土地柄メキシコの雰囲気が色濃く、お土産はカラフルで色とりどりのものが多くありました。そして、覆面レスラーの仮面も多く売られていました。 | 大学のドミトリー(dormitory)にチェックインする前に、飲料水など購入するために地元のスーパーマーケットに行きました。お買い物では、特に女子は元気になり、積極的に行動していました。 | 宿泊施設での飲料水を中心に、必要なものを購入しました。日本とはスケールが違い、すべてが大きく様々な品物が売られていました。レジもすべて生徒たちが、少し戸惑いながらも行いました。 | ||
チェックインも無事に済み、天気も良かったのでドミトリーの前の外でミーティングをすることにしました。他にも UCSD を利用した、いろいろなキャンプが開催されていました。UCSD はコンピュータに関する学問でも有名な大学です。 | 後に見えるのが大学のカフェテラスです。壁の多くがガラス張りになっており、自然の光を効率よく建物の中に取り入れる工夫がなされているそうです。すべての建物が芸術的で印象的でした。そしてエコに配慮した建築物が多くありました。 | 私服に着替えて、自由時間です。アメリカの大学は、初年度の1年間にこのドミトリーで共同生活をするそうです。今回はアメリカの大学生活を体験できるプログラムとなっています。2段ベットが置かれた綺麗な相部屋で生活します。 | ||
カフェテリアの様子です。生徒たちには、できるだけの多くの交流をして欲しいと思い、席も自由にしました。自分の食べたいものを選び、仲間との時間を多くとりました。 | 女子全員も完食しました。UCSD のキャンパスを利用したいろいろなキャンプも開催されており、いろいろな学生がいる状態でした。非常に綺麗な施設でした。 | ケーキだけでなく、アイス、フルーツなど種類も多く準備されていました。ケーキを一口食べてみると日本のケーキよりも非常に甘く、フルーツは日本のフルーツの方が甘かったような気がしました。 | ||
カフェテラスからドミトリーを眺めた様子です。中央の芝生には、様々な年代のいろいろな学生が遊ぶことがあります。そこでも現地の人との交流ができました。 | 女子は元気にバトミントン。奥では男子がバレーボールをして遊んでいます。体調を崩すものが出ず、明日に備えて早めの就寝をしました。 | 食後のカフェテラスを撮影しました。自然木の暖かみのある屋根に間接照明があたり非常に美しい建物でした。そして、Diversityと記載された旗が多く、アメリカの文化を象徴していました。 |
Kodai からの熱いメッセージ (ドミトリー前での初ミーティング)
● | 空港に着いた時、とてもワクワクしていた。最先端の研究施設や環境がどのようなものなのか知れるということや、先輩と後輩と仲良くなれるか、ということが楽しみだった。夜、本番が始まる明日へ向けて楽しみにした。 |
SING の方々と
UCSD の有名な図書館の前
ラホヤ海岸の散策
SING(Science and Innovation for Next Generation) の代表の Hayashi 先生より今回の医療研修に関するオリエンテーションが行われました。 | UCSD の 田所 貴弘さん。本校医科コースを卒業されて、筑波大学医学群に進学され、現在UCSDで研究されている方です。今回、多くの本校卒業生にも出会うことができ、お話しを伺うことができました。 | Hayashi 先生の研究室を見学させて頂きました。オープンラボ形式で、小さな部屋に区切られておらず、他分野の研究者達とすぐにディスカッションできる環境が保たれているそうです。近年の日本でもこのような研究室が増えてきました。 | ||
ここで有機化学合成を行っているところです。Hayashi 先生は、1995年渡米しカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)で、免疫修飾薬の創薬に取り組んでいます。 | Ouchi 先生は、スクリプス研究所で、網膜虚血・炎症による新生血管制御、および神経保護をターゲットとした研究を行なっています。 | オリエンテーションが終り、ロビーでこれからの医療研修についてアドバイスを受けているところ。Sing のいろいろな立場の方々が今回の研修の支援をして下さいました。 | ||
ドミトリーに戻り、カフェテリアで昼食をとりました。ガラスの向こうには違うキャンプに参加しているグループがいます。 | 男の子のグループは、ピザを食べていました。時にはうどんやアジアの食材もあり、メニューは変化に富んでおりました。 | 午後からは UCSD 大学生と一緒にキャンパスツアーを行いました。男の子のグループと女の子のグループにそれぞれ英語を中心に会話を楽しみました。 | ||
UCSD には10の図書館があります。その中でも一番有名な図書館が「ゲイゼル図書館」です。その脇には、イラスト作家のゲイゼルさんの像がありました。 | その特異な形から学生達からも「宇宙船(space ship)」と呼ばれ親しまれているUCSD ゲイゼル図書館。その知識を狙う蛇が地面に這っています。いろいろな所に興味深いものがありました。 | これも大学内の有名な建物。今回は行くことができませんでしたが、この落ちそうな家にも入るツアーがあるそうです。機能だけでなく、デザインなど工夫された建築物が多くあり、それを見るだけでも面白かったです。 | ||
大きな熊の像です。アメリカにはそれぞれの州にState Flags(州旗)があり、様々な色や模様の旗があります。カリフォルニア州の州旗は「The Bear Flag(クマの旗)」ということです。 | サンディエゴはアメリカ西海岸にあるカリフォルニア州の最南端に位置するウォーターフロントの街で、その一角にラホヤ海岸があります。ラホヤとは宝石という意味を示すように非常に美しい街でした。 | La Jolla(ラホヤ)はサンディエゴの高級住宅街として知られ、そこにあるラホヤビーチは海水浴をするファミリーやサーファーにとても人気があり、野生のアザラシもいました。 | ||
車の中でも大学生と会話を楽しむことができました。始めはなかなか自分から話すこともできなかったのですが、大学生は日本人との接し方にも訓練されており、シャイな生徒にも話しやすい姿勢で接してくれました。 | カフェテリアに戻って夕食をとりました。もうこの頃になるとバイキング形式の食事にも慣れてきました。この日も体調不良を訴える生徒が一人も出ることなく無事にすべてのスケジュールを終えることができました。 | UCSD のキャンパス内でノートを購入し、今日一日会ったことを将来の自分のために記録するようにしました。自分のための成長カルテを作成しました。そこには、今日の反省点だけでなく、成長できた点なども記載するようにしました。これがドミトリーの共同スペースです。 |
● | 一日を通して積極的に話しかけたり、質問をしたりすることができなかった。やはり、人見知りが激しいことが行けないと思った。過去に自分が勇気を出して発言した時に、その場にいた全員に笑われてしまった嫌な思い出があった。その時、本当に恥ずかしくってとても耐えられなかった。私は今でもそれを思い出してしまい、自分から初対面の人に話しかけられない。しかし、せめて最低限の準備をしっかりとすべきだったと思う。不安になってしまう要素を一つでもなくした方が、勇気を出しやすくなるかも知れない、きっと、他者からすれば、ちっぽけな事なのだろうけど、私からすれば今回少しでも自分に自信を持てたなら、大きな一歩になると思う。私はなかなか自分の良い面を見つけられが、自分を振り返ることはよくしている。自分を見つめ直すことで自分の悪い面を理解して、少しずつでも改善していけるように努力することができるようになりたい。明日以降、主体的に行動していきたい。 | |
● | Singn の林先生の前で自己紹介をした時に、アメリカと日本の違いについて詳しく教えてもらった。アメリカは医療の根底になる「生死観」や「倫理観」が、日本とはかけ離れているそうです。臓器移植では、多くの人が、本人が承諾していれば、例え実験的であっても仕方がないと考えられるそうだ。また、実験環境が良いというのは、何よりもお金の面で比較にならない程の支援がアメリカにはあるらしい。日本での研究費用の10倍以上もアメリカでは貰えるそうで、素晴らしく、最適な環境であるということがわかった。私はボストンにも行った経験があって、そこと比較すると専門分野の役割分担がサンディエゴの方があるように思えた。そして何よりも研究者の目がキラキラと輝いているのを見て、このような誇りを持っているように将来なりたいと思いました。 |