目 的 | : | 21世紀における科学技術人材育成の中で、我々人類も含め、生命の本質を理解するためには、様々な生き物の生態について正しく理解することが大切です。今回、海辺の実際の生命現象を様々な視点から実験・観察することを通して、生命の本質についての探求心を養うことを目的に「海辺の生物体験」を実施することになりました。このプログラムは、お茶の水女子大学と提携したもので、主に海藻の光合成色素の分離を行いました。 臨海実習 〜 植物編 〜 海洋植物(海藻類・海産被子植物)および海岸植物の生育場所を理解し、種の同定ができるようになる。また、光合成色素の組成解析や環境適応進化に関する解析を通して、植物の多様性を理解する。 |
場 所 | : | お茶の水女子大学 湾岸生物教育センター(館山臨海実験所) 〒294-0301 千葉県館山市香11 |
日 程 | : | 平成31年3月9日(土曜日) 〜 10日(日曜日) 1泊2日 |
参加生徒 | : | 9名 |
引率教諭 | : | 医科コース長 兼 龍盛 (理科教諭:化学担当) |
指導講師 | : | お茶の水女子大学 基幹研究院 自然科学系 准教授 清本 正人 お茶の水女子大学 基幹研究院 自然科学系 准教授 嶌田 智 嶌田研究室(植物系統進化学) |
海藻を熱水の中に入れると、褐色だった色が変色し、緑色に変化していきました。 |
11:30 | JR館山駅(東口)集合 | |
12:00 | 現地到着予定 | |
12:10 | 昼食 | |
12:30 | 開講式 及び 実験ガイダンス | |
13:00 | 【 実 験 】海藻採集 及び TLCを用いた光合成色素の分離 | |
18:00 | 夕食 | |
19:00 | 【 実 験 】海藻の分類と同定 |
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22:00 | 入浴・就寝 |
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嶌田研究室で育てているマリモです。 【嶌田先生は海産被子植物・海産大型藻類・淡水大型藻類が専門です。】 |
研究室から眺めた夕日です。 とても美しい風景が見ることができました。 |
8:10 | 朝食 | |
9:00 | 海岸植物の観察と種の同定 | |
11:30 | 閉講式 | |
12:00 | 昼食 | |
12:30 | 現地出発 |
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引き潮の時間(3月9日(土)は12時19分)に、研究所の胴長をお借りして着用し、近くの海で海藻を採取しました。 | 研究所の所長である清本先生から施設の使い方など諸注意を受けました。 | お茶の水女子大学の嶌田先生の研究室で特別な許可を得て育てているマリモを実際に触らせて頂きました。 | ||
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各自が採取してきた海藻を研究室の外で海水を用いてクリーニングを行いました。採取する際は、生態観察や写真撮影も行いました。 | 様々な海藻を採取することができました。先ずは、大まかに分類していきました。 | 薄層クロマトグラフィー(TLC)の準備を行なっている様子です。近縁種の違いを光合成色素を分離することで確かめました。 | ||
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班内で、今回の実験で研究するテーマを決めて、実験計画を立案しました。褐藻・緑藻・紅藻の分類を決定する実験の様子です。 | 試験管の中に展開液を加えて、そこに試料を入れました。しばらくすると、吸着の違いから色素が分離されていく様子を観察しました。 | いろいろな海藻から抽出した試料溶液を展開した後の様子です。ここからRf値を求めて、どんな色素があったのか確認しました。 | ||
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マグバグミ(Elaeagnus macrophylla Thunb)は海岸に生え、葉の裏側は銀白色に見える。これは風や塩の影響から気孔を守る特殊な毛が原因で、このように観察されるようです。 | 研究室に戻ってマルバグミの葉の裏側に生えている「星状毛」を観察しました。常緑低木であり、海岸に生えるために特殊な進化が起きたことがわかりました。 | マルバグミの「星状毛」を2枚の偏光板を利用して、偏光観察した様子です。非常に綺麗な顕微鏡観察を行なうことができました。 | ||
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乾燥標本の作成しました。写真は、テングサ(Gelidium elegans)です。非常に複雑な形状をしていますが、そこにもいろいろな規則性があることを学びました。 | 作成した乾燥標本はパウチして長期保存できるようにしました。種の学名(種名)の表記方を学び、乾燥標本に記しました。各自が図録を用いて種の同定を行ない、嶌田先生に正解をうかがいました。 | 最後はいつものように参加者全員で清掃活動をしました。ここでは、食事の配膳なども各自で行ないます。研究をさせて頂いたことに感謝して、今回の『海辺の生物体験』を終えることができました。 |