いのちの学習会

中等部1年生

 1.目 的  医療従事者を目標とする生徒に対して、「いのち」や「人権」について考え、自他の生命を尊重する心を育み、自分の進路に対する意識を一層高めることを目的とします。

 2.会 場   江戸川学園取手中・高等学校 オーディトリアム大ホール

 3.参加生徒  中等部1学年【中等部32期生】
 1組(医科ジュニアコース)および 医学・医療に興味のある希望者  合計:52名

 4.日 時  2018年12月1日(土曜日) 13時00分 〜 14時00分

 5.講 師      高橋 一広 先生:国立大学法人筑波大学 医学医療系 講師 研究分野 消化器外科学

なお、この行事は「公益財団法人いばらき腎臓財団」(http://www.iba-jinzou.com/)の支援を受けて開催することができました。

中等部1年生 【中等部32期生】

         
 筑波大学 消化器外科・臓器移植外科の高橋 一広 先生 による『臓器移植について一緒に考えよう』の講演でした。
 講演の始めに「この話(臓器移植)は特別なことでなく、誰もが同じ状況になり得る話なので、家族で話をして欲しい」と話され、「常に身近な問題として考えるように」と言葉がありました。
   『脳死』・『臓器提供カード』などキーワードを中心に分かりやすく生徒に迫ったお話しがありました。時には、「自分の家族で同じようなことが起きたらどうする?」と、臓器移植が他人事でなく、自分事として考えるように促して下さいました。利点だけでなく、様々な欠点があることも教えて下さいました。    『臓器提供件数の年次推移』など、日本の現状をより具体的な数字を紹介して下さいました。近年になって臓器移植を考える機会が増えてきて少しずつ件数が増加してきましたが、まだまだ充分な数が不足していることは明らかで、これから解決していかなければならない問題の一つだと教えて下さいました。多面的に考える必要があると強調されていました。

生徒の感想(一部)

 ●  私は以前親と移植について話したことがあり、その時には、あまり自分と置き換えて話していませんでしたが、今回のお話を聞いて誰にでも起こりうることだと気づくことができました。もう一度親と話したいなと思いました。

 ●  臓器提供を待っている人がたくさんいることは前から知っていたが、やはり実際に自分の臓器を提供するとなるとそれなりに勇気が必要なことだと思う。でも、今回の講話をお聴きして、臓器提供を待っている人の力になれたら、すごいいいことなので、私も臓器提供してみたいなと思った。家族(遺族?)にとってはつらいと感じてしまう時もあるかもしれないけど、少しでも困っている人たちの力になりたいと思った。将来、何科の医師になるかは決めていないけど臓器移植に携わる仕事に就くのもいいなと思った。今回のような機会はなかなかないと思うので、とても良い機会になりました。

 ●  臓器提供について「いのちの学習会」の後に、家族と実際に話し合ってみました。私は、臓器提供に賛成でしたが、家族の中には臓器提供をしてほしくないという意見もありました。でも、今回の講話で、先生が意見を持つことが大事だとおっしゃっていたので、しっかり話し合えてよかったと思いました。反対派の人がいるけれども、一人一人が臓器提供についてしっかりと意見をもっていくことが大切だと思いました。

 ●  私は、臓器移植のことはドラマや映画、本などで知っていました。でも、知らないこともたくさんあったので臓器移植について興味を抱きました。 最初に、眼球も臓器移植の対象になっているなんて初めて知りました。眼球も必要としている人がいるんだなと思いました。

 ●    私は、あまり臓器移植の名前は知っていましたが、詳しくは知りませんでした。今回、臓器移植とはどのようなことなのか。また日本の現状や、実際の話などを聞いて、すごく感動しました。もっと自分でこれから調べてみたいです。

 ●    私は今まで、臓器移植についてあまり詳しくは知りませんでした。でも「いのちの学習会」を通して、誰かのためになるなら臓器を提供してもいいかなと思いました。 また、お話をお聴きして命を助ける仕事に就きたいと言う気持ちが、より強くなりました。 夢のままで終わらないように様々なことに挑戦し、努力をしていきたいと思います。

 ●    私は今まで臓器提供についてドラマなどでしか聞いたことがなく、あまり詳しく知りませんでしたが今回の講話をお聴きして私たちにも十分起こり得る身近なものなんだなと感じました。日本で提供できる臓器の数は、必要な臓器の数に全然足りていなくて沢山の人が苦しんでいるのだと思うと私も臓器を提供する側の人になりたいと思いましたが、仮に自分の臓器で全く違う人としての人生を歩むのだと思うと少し複雑な気持ちになりました。そのような意味で、まだはっきりと自分の意思を表示することは出来ませんが、もっと「いのち」ということについて知りたいという気持ちと、ひとりひとりの「いのち」ときちんと向き合えるような医師になりたいという想いがより一層強くなりました。 今私ができることはいのちを大切にすることだと思うので、好き嫌いせずに食べるだとか災害から身を守るなど自分にできることを精一杯やっていきたいです。

 ●    今回、臓器移植の話を聴いて改めて家族の人たちと話し合ってみたり考えてみたりしたいと思いました。臓器移植を待っている人の立場からすると一刻も早くドナーが見つかって分けてもらいたいという気持ちになると思います。反対にドナーをする人、その家族は少し抵抗があったり考えたりしてしまうと思います。けれど、勇気と優しさを持って提供してくれる人がいます。わたしもその人たちのように勇気、優しさを持って自分の意思をしっかりとしていきたいです。 そして、命の大切さを改めて強く感じることができました。臓器移植を待っている人、待っている間に亡くなってしまった人などの分までしっかりと自分の命、周りの命を大切にしていきたいです。 今回の学習会で改めて命の大切さを感じ、医師の仕事の重大さを感じることができました。今回の「いのちの学習会」を期に家族と臓器移植や命の大切さについて話し合ったりしてみたいと思います。

 ●    いのちの学習会が行われる前から臓器移植のことは、ドラマで知っていました。私は今回のいのちの学習会で、私の臓器をわけることで他の人の命が救われると思うととても嬉しいことなので、臓器提供意思表示カードには1番に○をつけようと思いました。私よりも年齢が小さい子でも重い病と闘っている人がいるので臓器移植によって一人でも多く助かると嬉しいと思いました。

 ●    私は今回の話を聞いて、臓器移植がこんなにも大変だと知りました。私は、体が悪いわけではないので臓器移植を受ける人の気持ちが、完璧に分かるわけではありませんが、すごく辛い事だという事は理解できました。この話をきっかけに、臓器移植や人の体・病気など、もっと知れたらいいなと思いました。

 ●    私は、「いのちの学習会」に参加して、意思表示をすることが大切だと感じました。特に、意思表示カードに「提供したくない」という番号があるのは、一人一人の意思を優先しているからだと思います。また、意思表示カードの内容をいつでも変更できるのも、意思を表示することが大切だからだと思いました。また、誰もが、提供する側や移植を受ける側のどちらにもなる可能性があることを知り、一人一人が家族と話し合うことが大切だと感じました。 また、提供した家族が前向きでいることや移植を受けた人が元気に生活している画像を見て、命は、どこまでも繋がっていると感じました。 これからは、命の大切さを意識して生活したいです。

 ●    今回の命の学習会を受けるまで、臓器移植ということは知っていましたが、あまり詳しくは知りませんでした。それぞれの気持ちが、つながっているということがよく知れた授業だと思います。そのつながりを、しっかり結びつけるのが、医師の役目です。とても責任のある仕事だと改めて思いました。

 ●    臓器提供意思カードの存在は以前から知っていましたが、今回の講話を聴いて臓器提供意思カードを持つことの意味をより理解することができました。両親の免許証の裏にもあるので話し合いたいと思いました。思っていたよりも18歳以下の子供の移植待機者が多かったことに驚きました。

 ●    わたしは、先日「ドナーソング」という歌を聴きました。ドナーソングは、ドナーの家族目線の歌だったので興味本位で聴いていました。「誰かの中で生きるなら 君のかけらが残るなら きっと素晴らしぃことでしょう せいぜい素敵な夢でしょう」という歌詞があります。それを聴いて、死んでしまってもまだ生きることができる。それが臓器提供なんだと思いました。だから、自分の命を他人につなげていく臓器提供が素敵なものなのだなと思いました。 しかしながら、わたしは心臓だけは提供したくありませんでした。それは、心臓はわたしの臓器で最も大切なものだと思っているからです。だから、自分の死後も自分の体の中に残しておいて欲しいと思っていました。でも、命の学習会で子供は大人の心臓を移植できないのにも関わらず、心臓の移植を待っている子どもたちがたくさんいると知って、わたしが心臓を提供しないだけで一人が命を落としてしまうと感じました。そして、臓器を摘出しても傷口はほとんど残らないから、心臓以外の臓器を提供しても、心臓を含めたすべての臓器を提供しても何にも変わらないんじゃないかと思いました。そして、わたしが心臓を提供するだけで一人の命が救えるということはとても素敵なことで誇りのあることなんだと思いました。 命の学習会を聴いたことで自分の臓器提供の意志がはっきりしました。まだ13歳なので臓器提供カードに自分の意志を記入できないことをとても残念に思います。「医師」としても「ドナー」としてもたくさんの命を救いたいと思い、そして命の大切さ、尊さを改めて感じました

 ●    初めて臓器提供意思カードを直接もらい、まだ使うことができないけれど署名をしてみたいと思いました。また、親と一緒に臓器移植について話したことがないので、これを機に、話題にしてみたいと思います。もし、自分の家族が脳死や心臓停止状態になった場合はその意思を尊重したいため、家族の思いが気になるためです。ドラマなどで移植待機者がつらい目にあっているという描写がありましたが、その裏での話を聴くことができて、より臓器移植について考えようと感じました。