中学生のための 医学セミナー

 1.  目 的    医療従事者を目標とする生徒に対して、医師という仕事についての見識を身につけさせ、医療従事者としてのキャリア教育を行います。生徒が自分の進路に対する意識を一層高めることを目的とします。

 2.  場 所    江戸川学園取手中・高等学校
 オーディトリアム大ホール

 3.  参加生徒    中等部3学年 1,2組(医科ジュニアコース)  1組:41名  2組:41名
 中等部2学年 1,2組(医科ジュニアコース)  1組:34名  2組:35名
 中等部1学年   1組(医科ジュニアコース)  1組:36名
                         合計 187名

 4.  日 程    2018年9月15日(土曜日)

 5.  時 程    13:00 〜 13:45 (45分)

 6.  講 師    筑波大学医学医療系
 耳鼻咽喉科学 地域医療教育学
 准教授 大久保 英樹 先生

講義風景

         
 筑波大学医学医療系 耳鼻咽喉科学 地域医療教育学 大久保 英樹 准教授の医師になった動機や中学生時代の話をして頂きました。    小さい頃は折り紙が得意で、このことは医師になっても些細なことにこだわって仕事をする一つの要因になっていたそうです。    幼少時の写真も紹介して頂きました。小さな時に父親の転勤のためつくば市に移ってきたため、少し孤立し寂しい思いもしたそうです。しかし、読書に夢中になったそうです。
         
         
 医学部での大まかな学習の流れを教えて頂きました。難関な医学部受験を突破しても色々な学習をしなければならないことを教えて頂きました。高校時代の学習が重要だということを強調されていました。    先生は医師だけでなく、様々な職業について話して下さいました。誠実さと謙虚さをしっかりと伝えられる社会人になりなさいと言われていました。そのためにも正しい挨拶ができる常識人になりなさいと強調されていました。    例え医師になれなくても、他職種でもしっかりと生きられる基礎力を身に付けておくことが重要であり、基本的な習慣を正しく身に付けるべきだと言われていました。どのような職種でも人間力を高めていくことが重要になると諭して下さいました。

生徒の感想

 中1-1     私は今回講話を聞いて、何事も一生懸命に取り組むことが一番大事だということが分かりました。なぜなら、一生懸命取り組むことで絶対に何かが返ってくると思うからです。自分が誰かを思いやれば、自分にもその思いやりが返ってくるし、勉強もすればするだけ成績が上がるからです。私は医師になりたいのですが、医師以外のことにも一生懸命に取り組みたいと思いました。

 中1-1     どの職業を選んだとしても、大切なことはどれも同じだとおっしゃっていました。医師だからこうしなければいけない、農家だからこうしなければいけないということは何一つないと知り、まだ将来のことをちゃんと決めていなくてもすることは変わらないので、それを実践できるように頑張りたいと思いました。自分も幸せで社会貢献できる仕事に就けたら、それはすごく幸せなことなので、自分も含め周りにいる仲間たちもみんなで幸せになれるようになったらいいなと思いました。お互いに支え合い、高め合っていけるような関係性を築いていきたいです。

 中1-1     私の夢は医師になることです。そのために、今自分にできることを考えました。先生は中学の勉強が基礎となるとおっしゃっていました。そこで、私は得意・不得意などで嫌いな教科を作ってはいけないと思いました。私には医師と言えば理系というイメージがあり、理系・文系のどちらも手を抜かないことで物事を多面的に見ることができるので、決して無駄にならないと思います。医師はこのような努力から患者さんに寄り添って考えることができるのだと感じました。また、先生から「一つ一つのことをしっかり丁寧に行う習慣をつける」というお話がありました。私は、「一つ一つのこと」とは江戸取のように「しっかりと挨拶のできる常識人」になることだと感じました。挨拶はどの職業にも必要な人間の基本だと思います。これからも、信頼される常識人や様々な知識のある医師を目指し、そのためによい習慣や多くの知識を身につけていきたいです。

 中2-1     私の将来の夢は医師になることです。医師になるには、他の誰よりも努力を積まなければならないことは理解しています。けれど、学問はもちろん医師に必要なのはコミュニケーション能力であると私は思います。私は手先があまり器用ではありません。外科など、技術を駆使する作業は正直にいって向いていないかもしれません。けれど患者さんと直接話したり、接したりすることに手先の器用さは関係ありません。大切なのは患者さんとコミュニケーションをとること、そして気持ちです。どんな病気でもどんな怪我でも患者さんは不安に思って病院に来ています。病気や怪我を治すことは医師という職業の根本的な部分ですが、医師は患者さんの心のケアも担っています。いくら学力が優れていても、心がなければ医師には向いていないのです。それを今回の医学セミナーで改めて認識しました。患者さんの心に寄り添える医師になるために、これからも努力していきます。

 中2-1     私は今まで、今の性格や習慣は大人になったら変化するのだと勝手に思っているところがありました。しかし、今回先生のお話をお聞きして、今の習慣や小さい頃の性格などがとても大きく大人になった自分に関係していることに気付きました。自分の悪い癖は今のうちになおしたいと思います。また、医師になる人は何か他の職に就く人とは違うものがあるのかなと私は思っていました。ですが、医師を目指すから必要なのではなく、社会の一員としてどんな職に就いても必要な当たり前のことができる人が医師になれるのだと先生のお話を聞いて気付くことができました。

 中2-1     今やっていることが無駄なように思えても、将来使うことができ、無駄なものは何もないということが分かりました。医師になるから必要だというのではなくて、すべての仕事に共通して必要なものが結果的に必要になるとおっしゃっていたので、今から意識して身につけていきたいと思いました。医師になるためには技術はもちろん必要ですが、基礎的な部分が抜けている医師に患者さんは診てもらいたくないと思うので、挨拶など医師である前に人として必要な物事の基礎を中学・高校・大学の間で身につけ、医師としても人間としても大切な部分を持ち合わせた人になりたいと思いました。先生がおっしゃっていたように、実際に医師として患者さんを診るときにも、今私たちが活用できるような知識も使うと知って医学をとても身近に感じることができました。

 中2-2     実際に医師の方の話を聞くことで、とても親近感がわき、医師のイメージをすることができました。今までは医師になるといっても何をすればいいか全然分かりませんでした。しかし、今回の講演を聴いて、医師になるかどうかに関わらず、物事を多面的に見て普段の勉強をしっかりと行い、基礎となる知識と良い習慣を身につけていこうと思いました。医師になったら学習しないわけではなく、医師になってからも色々な人からたくさんのことを学び、より良い人間になっていきたいと思いました。今までよりも、将来像がより具体的に思い浮かべられるようになりました。

 中2-2     今回、中学生のための医学セミナーを受けて、とても医師という道のりが明確になりました。大久保先生は、幼い頃から本やマンガ、テレビなどとても様々な分野のものにいつも興味をもっていたそうです。興味をもつことで、今まで知らなかったことがどんどん学ぶことのできるきっかけになると思います。また、大学生になって高校生の勉強内容をきちんと理解しておくことが大切だと分かりました。私は、テストのぎりぎりになってから復習してテストに臨むということがよくあります。それでは、何も身についていないと思うので、今のうちからしっかりと復習することを身につけていきたいです。私の学校生活の中で、挨拶や5分前行動などが重要視されています。時々、その行為が面倒であると感じてしまうときがありますが、今の一つ一つの行いが将来に深く強いつながりをもつということを学ぶことができました。

 中2-2     私は今回、中学生のための医学セミナーを受けて、今何をすべきかについて深く考えました。先生は全教科をまんべんなく学ぶことが大切だとおっしゃっていました。医師という職業は理系なので、理系科目を重点的に勉強することが大切だと思っていましたが、物事を多面的に見られるようにするためには国語などもきちんと勉強することが大切だと分かりました。また、勉強だけではなく部活動や生徒会に所属し、色々な人と協力し結果を出すということも将来につながってくると思いました。そして、一番大切なことは一つ一つのことを丁寧に行うことを習慣づけることです。このことはどの職業を目指すにあたっても大切なことです。このようなことに気をつけて後悔のない学生時代を送れるようにしたいです。

 中3-1     今回のお話で、印象に残ったことは「医師になるために特別必要なことはない」ということです。挨拶をしたり、誠実さを忘れなかったり、常に勉強する姿勢を忘れなかったりなど、他の職についても必要なことが医師になっても必要です。つまり、人間性も求められる職業であることを再認識しました。また、職業選択のとき興味があること、能力が発揮できること、苦労を惜しまないことが大切であることも自分が思っていたことを言葉にされたようで印象的でした。

 中3-1     私は今まで、医師になるためには、高い学力だけではなく、特別な能力が必要だと思っていました。それは間違いではなく、洞察力・思考力・向上心・体力など多くの力がないと医師として活躍できません。しかし、それらは特別な能力だったり医師だけに必要な能力だったりするのではなく、すべての職業に必要なものなのです。つまり、医師になるための特別な努力というのはなく、どの仕事にも必要な努力をすることが大切だと分かりました。
 これからは、将来の応用力を高めるためにも、基礎的なことから見直していきたいです。今までは「医師に大切なのは○○です。」という内容の講話が多かったので、今回の大久保先生のお話はとても新鮮でした。有り難うございました。

 中3-1     今行うことについてはしっかりとした意味があることを改めて理解できました。生徒会や部活動で「グループワーク」の必要性を学ぶことができ、いろいろなことを丁寧にすることで、物事を多面的に見られる能力を身に付けることができます。「医師になる」という将来を見据えると、今行うことがすべて将来の基礎になっていることを痛感しました。最近、正直言えば学校生活が憂鬱になっています。特に、早く起床することが非常に苦痛です、しかし、学校に行けば友人たちとコミュニケーションを取ることも、自分を磨くために学業を学ぶこともできます。学校には様々な楽しみが溢れているのです! 早起きが嫌だから学校を休むわけにはいけません。学校で行うことは「夢」を叶えるための土台になっています。一日一日かみ締めて生きることによって、夢の架け橋を着々と歩んでいきたいと思います。有り難うございました。

 中3-2     私は今回のお話しを聞いて、「医師」という夢を叶えるためにはもっと努力が必要だと思いました。大久保先生がおっしゃっておられた通り、中学校からの積み重ねが大学受験、さらにその後の大学生活において大きく関わってきます。従って、今この中学3年生という時期を無駄なものにするか、それとも充実したものにするかが将来大きく関わってくるのだと思います。最近は期末テストが終わった開放感と、中高一貫校に通っている中弛みから、気が緩みがちなので、しっかりと気を引き締めて頑張りたいと思います。

 中3-2     大久保先生のお話の中の「医師を目指さなくても、大切なものはみんな同じ」という言葉が印象に残っています。私は今まで医師になるために今やるべきことは何かと聞かれた時、勉強に励むことと、優しい心を持つこことであると良く答えるようにしていました。高い学力と優れた人格は医学部に入り医師になる上で欠かせない条件だと考えているからです。今回のお話しをお聴きして、他の道を目指す人にとっても大切なものは変わらないと学びました。高い学力の必要な道はあるかも知れませんが、学ぶという経験をすることや基礎となる知識は人生を豊にするための大切なものだと思います。医学に関する知識や技術を学ぶ前に、誰にとっても大切な知識や良き習慣を身に付ける努力をしていきたいです。

 中3-2     大久保先生は学生時代にすべき事として、生徒会や部活動など多くの人と協力して結果を出すことの大切さだけでなく、満遍なく勉強をして、何よりも一つひとつを丁寧にこなすことをお話しして下さいました。医師として働く中で患者さん、同僚から学んだことや、現場での実践経験から学んだことは沢山あると思います。だからこそ、「一つひとつのことを丁寧に行う習慣を身に付ける」というアドバイスは、処方や記録の点からも今から習慣として身に付けるべきだと納得いくものでした。
 また、医師としてすべき事として挙げられる向上心、忍耐力、自主性などは農家、漁師、力士、美容師、芸能人などすべてに通じるもので自分の興味のある分野で社会に貢献できるようなことをするために将来の応用力となる基礎的な知識や能力を身に付けていく事が大事だと分かりました。