アフタースクール

海辺の生物体験 中1年生対象

湾岸生物教育センター(館山臨海実験所)での集合写真

 目 的  :  21世紀における科学技術人材育成の中で、我々人類も含め、生命の本質を理解するためには、様々な生き物の生態について正しく理解することが大切です。今回、海辺の実際の生命現象を様々な視点から実験・観察することを通して、生命の本質を探るための探求心を養うことを目的に「海辺の生物体験」を実施することになりました。このプログラムは、お茶の水女子大学と提携したもので、主に磯の生物の採取と観察をして、採取された生物の種の同定を行います。

 場 所  :  お茶の水女子大学 湾岸生物教育センター(館山臨海実験所)
〒294-0301
千葉県館山市香11

 日 程  :  平成30年6月9日(土曜日) 〜 10日(日曜日)

 参加生徒  :  19名(当日体調を崩してしまった生徒が1名欠席となりました。)
 引率教諭  :  医科コース長
  専門:化学
 兼 龍盛

6月9日(土曜日)

 8:30    学校集合 (華美にならず、実験のしやすい服装)
 9:00    学校出発 (バス中型27人乗り)
 11:45    現地到着予定 (バス内での昼食)
 12:00    開講式及び実験ガイダンス
 13:00    研究所で準備して頂いた館山で見られる生物の観察
 生物の生態や分類などについて
 18:00    夕食
 19:00    講義 海の動物 (基幹研究院自然科学系 准教授 清本正人 先生)
 ウミホタルの採取 ← 先生のご厚意によって当初予定を変更致しました
 22:00    入浴・就寝

6月10日(日曜日)

7:30  朝食
8:00  研究所前の海で生物の採取 (館山の干潮時間 8:21 潮位44cm)
 生物の同定や観察
11:30  閉講式
12:00  昼食
12:30  現地出発(バス中型27人乗り)
15:30  学校到着

湾岸生物教育センター(館山臨海実験所)
もうすっかり夏の空でした。

4月15日(土曜日)

     
         
 6月9日(土)は天候に恵まれました。残念ながら1名が体調不良で欠席の連絡がありましたが、残りの19名は元気に集合してきました。    『海辺の生物体験』の開講式の様子です。この研究所での生活の事や避難場所についての確認などがありました。    お茶の水女子大学の2名の学生にアシスタント・ティーチャーとして参加して頂き、生徒たちをきめ細かく指導して下さいました。
         
         
 清本先生が、館山の磯で観察したい生物を生徒にたずねているところです。ここから分類学の話に発展していきました。    両方とも動物であるカイメンです。左はヨーロッパで採取されたカイメンの一種です。右は館山の海で採取されたカイメンの一種です。    学生のアシスタント・ティーチャーが分類学に基づいた海の生物について教えて下さいました。不思議な生き物がたくさんいました。
         
         
 清本先生の手には大型のイソメの仲間がいます。先生は「可愛い」と言うのですが、生徒たちは、その形態に少しびっくりしていました。    左手にはまるで海藻のような動物である「ウミシダ」を持っています。右手に持っている白いものは、深海で採取された「ウミユリ」の支持体です。    「ウミユリ」は「ウニ」や「ヒトデ」と同じ棘皮動物の一群であり、水質変化の少ない深海に住んでいるので生体を見ることは難しいそうです。五放射であることも分かりました。
         
         
 原始的な脊索動物である「ナメクジウオ」を観察させて頂きました。神経の束である脊索はあるのですが、脳にあたる明確な場所がありません。生きている化石と呼ばれているそうです。    「ウニ」や「ヒトデ」にも様々な種類がいることを学びました。よく観察することで種類による違いも少しずつ理解できるようになりました。実際に、触れることで分かる事も多くありました。    カニの餌やりを行いました。カニがどのようにして餌を食べるのか、水流の観察を行いました。生物には独特の餌の取り方があることを学びました。
         
         
 研究室での座学を終えて、近くの海へ移動しました。9日(土)の干潮時刻は19時17分(潮位:72cm)なので、これから潮が引いていく様子を観察しました。    研究所の前のコンクリート護岸にも多くの生物がいました。始めは気づかなかったのですが、固着生活に適応した動物など見つけることができました。    潮の満ち引きの環境に応じた生物がいることが分かりました。このことから満潮時の潮の位置を推測することができました。専門家から直接学ぶことで、いろいろな発見がありました。
         
         
 夕食は施設の方が準備をして下さいましたが、配膳はすべて生徒が行いました。ご飯だけでなく、どのおかずもとてもおいしく頂きました。    9日(土)の天気は快晴で、綺麗な夕日を見ることができました。ゆっくりと沈んでいく夕日をみんなで眺めていました。    今回もウミホタルの採取に近くの港まで行きました。空には光り輝いている星がたくさんありました。非常に綺麗な夜空が印象的でした。採集容器を回収する間、夜空を眺めていました。
         
         
 「ウミホタル」の発光現象を研究所の顕微鏡で観察しました。刺激を与えると青白く光出しました。「ウミホタル」そのものが光るのでなく、「ウミホタル」から出た化学物質が発光している様子も観察することができました。    研究所の顕微鏡を使って観察をさせて頂きました。透明な二枚貝に複雑な動きをする脚など見ることができました。黒い複眼や正面にある単眼など教えて頂きました。    光による刺激での観察を行いました。「ウミホタル」は懐中電灯の強い光から逃げるような運動をすることが分かりました。このため「ウミホタル」を採取する時は、真っ暗な状態で行う必要があることを理解できました。

綺麗な夕焼けでした(パノラマ写真)
左には「ウミホタル」を採取した香谷漁港、右には「沖ノ島」が見ることができます。

4月16日(日曜日)

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 男子も朝食の配膳を行いました。ご飯やお味噌汁の位置なども勉強しました。このような場所でないと学べない事も多くありました。    みんな良く寐られたようです。体調を崩す生徒は一人もいませんでした。知的好奇心を高めるための積極的な学習の場となりました。    朝食を終えると、いよいよ磯での生物の採取に行きました。10日(日)は台風の影響で午後から雨の予報となっていました。少しずつ風も強くなってきました。
         
         
 先に見えるのが「沖ノ島」ですが、今回は安全を考慮して研究所近くの磯で生物の採取を行うことにしました。    早速「ムラサキウニ」を発見することができました。生徒全員、軍手をしながら安全に注意して磯にいる生物を採取することができました。    最初は岩と生物の区別も付かなかったのですが、清本先生とアシスタント・ティーチャーの方の丁寧な指導のお陰で色々な生物を採取することができました。
         
         
 今回も「アメフラシ」を見つけることができました。しかし、残念なことに「ウミウシ」や「ヒラムシ」は見つけることができませんでした。    岩に綺麗な橙色をした糸状のものが付着していました。これが「アメフラシ」の卵だそうです。色々なものを見つける事ができました。    岩には「ヒジキ」がたくさん生えて生えていました。よく観察してみると、足下にはいろいろな海藻が生えていました。
         
         
 研究室に戻って採取してきた動物の種類を同定することを行いました。研究所に所蔵されている図鑑をお借りして、調べることにしました。    いろいろな種類の生物を採取してきたので、前日に学習してきたことを活用して分類していきました。わからないことは清本先生に手伝って頂きました。    生物の同定ができたものからスケッチを書く指導を行いました。デジタル写真だけでなく、記録することの意味を学ぶためにも、スケッチの重要性を教えて頂きました。
         
         
 生徒の観察ノートの一部です。この生徒は、今回採取された生物の分類を表にしてまとめ上げていました。    イラストだけでなく、その傍には生徒が感じた言葉が書かれていました。このような体験に基づいた学びが大切だと考えています。    磯で拾ったウニガラも管足の位置など丁寧に書かれていました。このことからも「ウニ」の体が五放射であることが良くわかりました。


採集してきた「ウミウシ」

参加した生徒の感想

 ●  6月9日〜10日にかけて、1泊2日の泊まりがけで館山に行きました。館山は海がすごく綺麗で、外を歩いていると、磯のような海らしいにおいがして、過ごしていて気持ちよかったです。2日間はあっという間で、特に心に残っているのは、夜に取ったウミホタルです。ウミホタルは採取する餌を作るところからやって、その後実際に採取器を海に投げてとりました。海から引き上げた時に、採取器(瓶)の中が光っていてすごく綺麗でした。光が少ない館山では星も綺麗で、色々な星座が見えたので感動しました。研究室に戻って改めてみてみると、光ってない小さな生物が沢山いてびっくりしました。また、実際にカニやウニ、魚を取ったのも心に残っています。つかまえるのは大変だったけれど、つかまえられた時はすごく嬉しくて、達成感がありました。色々あって大変だったけど、とても楽しかったです。とても疲れたので今日はゆっくり休んで明日からまた頑張ります!
     
 ●  私が最も印象に残っているのは、磯での生物採集です。初めのうちは、カニやウニなど大きい生物を見つけたいと思っていました。しかし、海に行くとイソギンチャクや海綿、小魚にも様々な種類がありました。採集後、図鑑で種類を特定するのは、楽しかったですが、似たような種類がたくさんあり、種類を特定するのは、少し難しかったです。また、ウミホタルの観察も面白かったです。電気刺激を加えると蛍光の青い光を放っていて綺麗でした。実体顕微鏡で観察してみると予想していたものと違って驚きました。 そして、海に行くうえでのルールを守り、時間通りに計画性をもって行動できました。友達と協力して行動でき、楽しかったです。良い経験になりました。
     
 ●  私は海辺の生物体験に参加して、海辺で自分が今まで採取したことのない生物を採取することができました。特に、採取してみたかったウニやヒトデ、カニなどを採取できたこと、普段はなかなか見ることのできない生物を見たり顕微鏡で海辺の生物を観察したことがとても勉強になりました。また、夜に青く光を放つウミホタルを実際に見て、大自然の美しさや神秘を感じました。集めたウミホタルに電気を流し、刺激を与える実験では、小さなウミホタルでも1匹1匹が精一杯光を放ち、集まってとてもきれいで幻想的な世界をつくり出している姿を見て、1人1人が精一杯力を出したときの集団の力のすごさや、その力は特別で不思議であることを学び、とても感激しました。採取した海辺の生物のスケッチでは、その生物の情報をより詳しくするために、細かいところまで正確にスケッチすることや色、大きさ、場所、特徴を書くことを頑張りました。また、伝えたい特徴をはっきりと表すためには写真ではなく、自分で本物を見てスケッチをすることが大切だと感じました。この貴重な経験を忘れずに、心に刻みこれからの生活につなげていきたいです。
     
 ●  今回はとても貴重な経験になりました。特に受験生になってから、海に行く回数がとても減っていました。約2年ぶりの海なので、前回とは違った視点で海とふれあうことができたと思います。また、エビはエビ、カニはカニと漠然とした種類しか特定できてませんでした。でも、今回の課外授業でいままでよりたくさんの種類の海辺の生き物を知ることができました。また、自ら種を特定してみようとも思うようになりました。今回館山に行ったことで、自分がかなり成長できたと思います。来年以降もこのような課外授業に参加したいと思います。ありがとうございました。
     
 ●    講義では、生き物の分類の仕方を教えていただきました。海辺に生息する生き物には、軟体動物や海綿動物がいることがわかりました。海辺には、貝の仲間や、甲殻類が多いことを波打ち際に行き、実感しました。波打ち際で男子がフクロムシがついているカニを捕まえました。海の中にも、寄生して生きている生き物がいることのを実感しました。海辺にも陸上にも同じような方法で生きている生き物がいることがわかりました。夜、ウミホタルを捕まえることができました。餌を食べているすがたも見られて良かったです。ウミホタルは青色の光からよく逃げるらしいのですが自分たちが青色の光を出しているので、不思議に思いました。将来少しそういう動物の研究も、してみたいと思いました。翌日は、前日より干潮になっていたため前日に見られなかった生き物が見られました。
     
 ●    6月9日から6月10日にかけて行われたアフタースクール、海辺の生物体験を受けてみて、千葉県館山市で親から離れて生物の研究に集中でき、さらに自分が知らなかった生き物、生体などを自分でとって自分で観察することができとても素晴らしい体験だったと思います。また、他クラスの生徒との2日間を過ごしたことでコースやクラスに関係なく仲良く団結して取り組むことができました。今まではウニと言ったらただのウニ。カニと言ったらせいぜい毛ガニやズワイガニ。ヒトデだったらヒトデ。などという視野のせまい考え方でしたが、ウニにもムラサキウニやバフンウニなど、カニでもケブカガニやスベスベマンジュウガニイワガニなど、ヒトデならイトマキヒトデやヒメヒトデなどと調べなくてもたくさんの情報を身につけ放出することもできるようになれ、凄いと思いました。また入浴や歯磨きなどの家では自分のペースでできることもこのアフタースクールではみんなの事も考えて行動する必要があるため、連帯行動の能力も高めることができました。これからもこのようなイベントに積極的に参加して行きたいです。
     
 ●    この海辺の生物体験を通して主に3つのことを学びました。 1つ目は、生物は色々な種類があるが元々は全て同じ種だと言うことです。現在生物の種類は、数え切れないほどたくさんあります。どのように分かれていったと言うと何十段階の変化を経て分かれていったそうです。この段階ずつの変化を地球の生命は、すごいと感激しました。 2つ目は、他の種類と共存している生物は生き延びているということです。この場合の共存というのは、互いに利益が出るように生きているという事です。人間も他の種類の生物と共存していけるようにして生きて行くことがこれからの地球でとても大切なことになっていくと思います。 3つ目は、どの生物も命の重みは同じだということです。命の重みが同じだということは実験に使う時に無駄に生物を採っては、いけないということです。 この海辺の生物体験を通して学んだことを日々の生活で生かして、これからの学校生活を充実したものにしていきたいです。
     
 ●    私は、海辺の生物体験に参加し、思ったことが二つあります。一つ目は、生物の多様性です。二日目に、海辺の生物を採集した時、一ヵ所だけでヤドカリ、エビ、魚を捕まえました。別の場所では、アメフラシ、ヒトデ、イソギンチャク、ウニ、カニ、ウミウシを見つけ、イソギンチャク以外の生き物を捕まえました。ナマコを捕まえた人もいたので、全部で十種類の生き物を捕まえたことになります。さらに、この生き物は、ツズレウミウシや、イワガニ、ケブカガニなど細かく分けることができます。この事から、生物の多様性を学ぶことができました。二つ目は、生物を観察する楽しさです。ウミホタルを捕まえようと、餌の入った瓶を海に入れた時、しばらくすると、瓶や、海がひかり始め、きれいでした。さらに、ウミホタルを持ち帰り、水槽に電流を流すと水槽全体が青く光り、海にいた時よりきれいでした。ですが、しばらくして水槽を見てみると、青いウミホタルは茶色い虫のように思え、光っている時とそうでない時の差に驚きました。このように、同じ生物でも環境によってまったく違う生物のように見えることに興味を持ちました。この二つのことを学ぶことができ、参加してよかったと思えました。
     
 ●    私は、この海辺の生物体験で大きく2つのことを学びました。 1つは、地球上には私の知らない様々な生物がいるということです。 今回の体験で知っている種類の動物もいましたが、知らなかった種類も多くいて、中には動物だと言われなければわからないようなものまでありました。私達が調べた範囲の磯だけでも本当に沢山の種類の動物がいて、では日本全体では、世界全体では一体どれくらいの動物と私は共存しているのだろうかと、改めて感じさせられました。また、海綿状のものから脊椎動物に至るまで、いろいろな体のつくりの動物を見て、進化の歴史を感じました。生命の神秘に触れることができたと思います。 次に、友達と連携し、協力して目的を達成することです。 今回の体験では宿舎を利用させていただいたので、身支度は全て自分達で行うことになりました。自分の支度は普段から行っていることですが、協同して行うと早いものもあります。また、2日目の採集では同じグループのメンバーとの協力が必須でした。切磋琢磨することを実際に体で体験することができました。そして、挨拶やバス内と宿舎での言動など、主体的に考えて行動しなければならない場面が多くあり、自ら学ぶ姿勢もまた同時に体験し、鍛えられたと思います。 今回の体験で私は、生命の神秘と友達との協力について改めて体験し、学ぶことができました。ここで学んだことを、これからの理科の学びや学校生活に活かしていきたいと思います。
     
 ●    私は、海辺の生物体験に行って、学習面や生活面など、多くのことを学ぶことができました。一つ目に学んだことは学習面で、海洋生物の分類の仕方についてです。海洋生物は、細かく分けると35種類くらいに分けることができますが、大きく分けると19種類に分けられるそうです。その中でも、特に印象に残っているのは、扁形動物と軟体動物(巻貝)の2つです。扁形動物は、左右対称ですが、頭がある動物はだいたいが左右対称になっていることが分かり、少し驚きました。また、頭は多くの感覚器官が集まっているので進行方向にあり、頭の近くに脳があるのは、感覚器官から得た情報が素早く伝えられるからだと知り、考えたこともなかった事だったのでとても考えていて楽しいと思いました。そして、軟体動物(巻貝)は体の形が筒状で内臓なとが簡単に収まるので、すごいと思いました。奥が空いていないので、肛門などが前にあるところも、人間とは違うので面白いと思いました。また、たくさんの海洋生物を、直接見たり触ったりしたのでとても分かりやすかったです。二つ目に学んだことは生活面で、集団行動についてです。今回の体験学習では、グループ活動が多くて、みんなで5分前行動を心がけて生活していたので、後のことを考えて準備を早くするなどのことを自然に行えるようになれたことが良かったと思いました。また、食事の時も15分前にはグループのメンバーと食堂に行ってお手伝いを進んでできたので良かったです。今回学んだたくさんのことを将来に活かせるようにしたいです。
     
 ●    今回の海辺の生物体験に参加して 私は、元々海が好きで参加しましたが、アメフラシやクモヒトデなどを採取したり観察したりした時に、こういう生き物はこんな場所によくいるんだなあとか、結構動き回るんだなあとか色々なことを知りました。 私は、夏によく海に行ったりするので、磯に行ったり、自由研究などで採取しようとした時に、役立つと思いました。 ウミホタルも前から興味があって、一度でいいから見てみたいと思っていたので、まさか自分で採取することになるとは思っておらず、すごく楽しく体験ができました。ウミホタルに実際に顕微鏡を見ながら、餌を与えたりすることが出来て嬉しかったです。 カニには、最初に捕まえた時は、正しい捕まえ方を知らなかったため、挟まれてしまいましたが、2日目に磯でカニを発見した時は挟まれずに採取できたので良かったです。 行き帰りのバス内でも、友達と一緒に歌を歌ったり、ボカロの話をしたりできたので楽しかったです。ほかの体験講座などにも色々と参加したいと思います。
     
 ●    私は海辺の生物体験に参加して一生に一度しかできない体験をしたと思う。特に、「ウミホタル採集」はすごく楽しかった。夜8時頃の海岸は真っ暗で、昼間は穏やかだった波もヒタヒタとおしよせてくるようで、最初は怖くて不安だった。しかし、ウミホタルの採集を始めてみると急に海の水面が青白く光りだし、ワクワクした。ウミホタルは自分の身に危険が起きたときや、刺激を受けたときに光る。ウミホタルを地面落としてしまった時は、すごく美しい青白色に光っていた。また、ウミホタルは光る液を出しながら泳いでいた、実験も色々なことが学べた。中でも、海綿、節足、軟体などの動物の分類は身に付いていたらすごく役立つ知識だ。それに実際に海に出て生物を採集したことも良い経験だった。私は全然生き物が触れないと思っていたが、予想以上に触れて自分でも嬉しかった。この合宿は私にとって大切で貴重な経験だった。こんなに海の生物について知って体験したのは初めてだったからだ。今回学んだことをこれからの生活に生かしていきたい。
     
 ●    僕は海辺の生物体験を通して四つのことを学ぶことができました。まず一つめは、生物の種類(分け方)について学ぶことができました。特にカニの種類の分け方や貝の種類の分け方を学び、カニについては実際に捕まえることで、より詳しく学ぶことができました。二つめは、ウミホタルについてです。一日目の夜、海に行き、海の水面に衝撃を与えると青く光り、それがとてもきれいで印象に残りました。三つめは、ウミホタルの生態についてです。ウミホタルは、肉食であり、体液で光るということを学びました。またウミホタルの発光現象は、ウミホタルの水槽に電流を流したことにより、発光したため、危機が生じた場合に発光するということがわかりました。四つめは、磯にすむ生物を観察したときにいた、ハゼについてです。採取したハゼは、干潮した後の岩のくぼみの水たまりにいました。採取した十数匹のハゼは捕まえた後死んだふりをしていて、ハゼがどのように敵から身を守っているのかがよくわかりました。 僕は、この体験を通して、今まで知らなかったことや知っていたことも含め、海辺の生物に対して興味が深まりました。
     
 ●    この海辺の生物体験を受けて、私は、海辺の生物の興味深さと、生き物の命の大切さの2つを学ぶことができました。私はもともと海辺の生物に、あまり関心がありませんでした。この体験に応募したのも、私がお茶大希望だったということと、親の勧めからでした。しかし実際体験してみると海辺の生物はとても興味深いものでした。海辺の生物が自然の中で生きていくために本能的に行っている 工夫に、特に関心をもちました。 そしてこの海辺の生物体験では、もう一つ小さな生き物の命の重みと大切さも学ぶことができました。ウミホタルの採取で、ただ綺麗なのではなく、その美しさから命の尊さも感じることができました。 この体験で、様々なことを学び、成長することができました。このような貴重な体験ができたことを、とてもありがたく思います。これからも色々なことに積極的に経験して行きたいと思います。
     
 ●    私が今回の生物体験で一番見たかった生物は、ウミホタルです。ウミホタルという名前なので海にいるホタルのように光る生物なんだろうな、と予想してからウミホタルを見ましたが、やはりそうでした。釣れたビンの中にいる生物を見て見ると、青く光っていました。しかし、私は不思議に思いました。ウミホタルが青く光っているからです。先生のお話によると、黄色い上唇がある化学物質が光るらしいです。光る理由について詳しく調べてみると、この光はウミホタルが分泌する発光物質(ルシフェリン)が酸化する際のもので、体外に放出されると同時に酵素と激しく反応するために起こることがわかりました。これは、私の将来の夢、「バイオミメティクス」を研究することに大きく関連している。ウミホタルの青く光る性質を利用して色々なものが開発できると思います。私は将来そんな研究がしたいです。
     
 ●    私は海辺の生物体験に行って様々なことを学びました。 一つ目は、動物の系統樹についてです。扁形動物や星口動物などの全く聞いたことがない動物や節足動物などの聞いたことがある動物もあってすごく勉強になりました。 二つ目は、海辺にいる動物を間近に見たり触ったり出来たことです。実際に触ってみることでより硬さや柔らかさが実感できてとても面白くて勉強になりました。 三つ目は、実際に動物を採取出来たことです。実際に採取する事で、どの動物がどういう場所 にいるかがよくわかりました。 四つ目は、採取した動物を実際に観察した事です。実際に観察する事でどういう名前の動物が採取出来たかがよりわかってとても勉強になりました。 五つ目は、ウミホタルを観察出来たことです。ウミホタルはこの海辺の生物体験の中で一番楽しかったです。ウミホタルに刺激を与えると青く光ってとっても綺麗でした。このウミホタルを明るい場所で見ると透明なゼリーのようなものに包まれていて外見もとても面白かったです。
     
 ●    ぼくは、海辺の生物体験で大きく分けて2つのことを学びました。まず1つ目は、どんな生きものにも命というものを持っているから、どんな生きものも大切にしなければいけないということです。なぜかというと海辺は様々な生き物が住んでいるそうです。その生物たちは、みんな必死に生きようとしていて、僕はその必死に生きようとしている姿を見て生物の命は、奪ってしまったらもう二度と返ってこないから、生き物の命は大切にしなければならないと思ったからです。 そして、2つ目は仲間と協力することの大切さです。ぼくは、海辺の生物体験で色々や人と協力して海の生物を採集したので分かりますが協力して採集したほうが明らかに楽しかったし、友達を作る機会にもなったから仲間と協力することは大切だと思いました。 そして、海辺の生物体験で学んだことを活かして将来に役立せたいです。 とても楽しい2日間でした。
     
 ●    この海辺の生物体験を受けて、海には陸よりも多くの生物がいて、分類数も多い事を知りました。 一日目の夜に採取したウミホタルは、全て光るものだと思っていたのですが光るものと光らないものがいることを知りました。 そして、二日目の採取ではイソアワモチやマダラウミウシなどの聞いた事も見た事もないような不思議な生物がいました。 湿っている石にしょっちゅう滑ってコケていましたが、さまざまな海辺の生物にあうことができました。 普段は意識していなかった磯には、多種多様な生物がいることを理解し、磯に行く機会があれば、この生物体験で得た知識や知恵を活かして生物を探してみて、生物の同定をしてみたいと思います。 この生物体験を受けてみて、色々なことを知れて、面白かったのでもし来年も参加できたら参加してみたいと思います。

引率した教員の感想

 このお茶の水女子大学湾岸生物教育センターを利用した「海辺の生物体験」は平成28年度より始まり、今年が3年目となりました。何よりも体験を通して「命」について考えて欲しいと願い、センター長である清本先生との出会いから始まった企画です。生徒の感想を読むともっと多くの生徒に体験して欲しい企画ですが、生徒の安全面など考慮するとこれが精一杯だと考えています。いつも抽選をしなければならないことに対して申し訳なく思っています。専門家から直接指導を仰ぐことで、学ぶことに対して興味や関心を持って欲しいと願っています。また、近年はデジタルでの記録が主流になっていますが、やはり人間の目で直接意識して「観る」ことをスケッチで表現させたいと思い、清本先生にお願いをして実践しています。じっくりと腰を据えて対象をよく観察し、記録をすることが科学で一番重要だと教えています。ただ面白いだけの現象であれば、手品を見せた方が良いでしょう。でも、そこには科学としての営みはないのです。また、ホテルとは違い研究所での生活では、様々な不便さもあります。だからこそ子どもたちは規律を重んじ、今何をすべきか考える機会となると確信をしています。この貴重な体験を通して、自分なりの夢に向かって努力できる素晴らしさを感じ取って欲しいと願っています。

医科コース長 兼 龍盛