中等部1年「理科1」

自然観察会

校舎裏側の土手には色々な植物が生息しています

 目 的  :  中学1年生の理科の授業は、生物分野「植物のくらしとなかま 第1章 花のつくりとはたらき」から入ります。この分野はまず身近な場所に生息する植物にスポットを当て、どのような植物が生息しているかを知ることは勿論のこと、これらの植物がどのように分布し、子孫を残していくのかを学習していきます。この分野は特に実際に植物を手に取り、観察することでより理解が深まっていきます。そこで、本校では、数年前より中1全クラスで土手にある様々な植物の観察を実施してきました。
 今年度も全クラスで実施していきたいと考えています。今年度の実施内容としては、今までの筆記用具による野草の観察だけでなく、新たにタブレットを活用したデジタルの記録となります。授業中における活動時間は約20分ほどとし、授業開始前にミニグランドに集合、注意事項を伝達した後に活動、活動後は他の授業に支障のないように静かにクラスに戻り、記録をまとめ写真からスケッチも行っていく予定です。

 行 程  :  授業開始 〜  5分 : 諸注意
   5分 〜 25分 : 観察と記録
  25分 〜 32分 : 集合・教室移動
  32分 〜 45分 : 記録のまとめ(振り返り)

 日 程  :  クラス  観察日  時 程  担当教諭  サポート教諭
     1組  5月11日(金)  3校時  田島 明  熊井 優
     2組  5月15日(火)  5校時  田島 明  熊井 優
     3組  5月11日(金)  2校時  金子 真紀  小林 渉
     4組  5月11日(金)  2校時  池田 悟  鈴木 裕介
     5組  5月11日(金)  4校時  熊井 優  鈴木 裕介
     6組  5月15日(火)  5校時  金子 真紀  鈴木 裕介
     7組  5月11日(金)  4校時  池田 悟  鈴木 裕介
     8組  5月11日(金)  1校時  熊井 優  小林 渉
 参加生徒  :  中等部1学年(中等部32期生)


観察の様子

         
 担当教諭による事前指導の様子です。観察すべきポイントや観察する場所の確認など徹底しました。    筆記用具を用いたスケッチの仕方の確認だけでなく、今年度からは新たにタブレット端末を活用したデジタルの記録を行いました。タブレット端末の確認を再度行いました。    教室を離れての授業なので、サポート教諭と連携して何よりも生徒の安全管理を万全に行いました。そして、目的意識を持っての観察会になるように配慮しています。
         
         
 タブレットの写真機能をもちいて調べたい草花を記録しました。その際、植物だけでなくその周辺の様子も記録しました。    自然科学棟の裏の土手を利用して植物の観察を行いました。自然科学棟には化学実験室α、化学実験室β、物理学実験室、生物学実験室、中等部実験室の5つの実験室と最上階に図書館があります。    何気ない草花もよく観察してみると色々なことが分かりました。花弁の数や葉の付き方など共通しているもの、種類によって明らかに異なっているものなど観察しました。それをもとにして種類を決定していきました。
         
         
 デジタル記録だけでなく、気が付いたことはメモを残すように指導をしています。科学の基本は詳細な記録の蓄積であると話をしています。    班員と協力しながら記録を取っていました。花の角度を固定したり、図録で調べたりすることは多くありました。    土手での自然観察会を終えて教室に戻って行く様子です。天候に恵まれ気持ちの良い自然の中での授業でした。
         
         
 自然科学棟の駐車場のコンクリートに何か不思議な生物がいました。理科の教科会の際に竹下教科副部長の報告で紹介されました。    どうやら何かのサナギのようです。しかし、不思議な形とよく観察すると艶やかな色をしています。一体何のサナギなのでしょうか?    ある植物が土手に自生しており、この葉を食べる幼虫がフェンスを越えて柱まで辿り付いたようです。
         
       
 何よりも身近な自然に興味を抱くことが重要です。また、すぐに回答をするのではなく主体的に調べていくことが重要になります。その為にもITの活用も大切になります。    いろいろな質問が多くの生徒から出てきますが、与えすぎるのでなく、自ら調べていく過程を重視しています。そのために正しく観察して、詳細な記録を残すように指導を行いました。    いろいろな角度から記録を残しています。デジタルの特性を上手く利用しています。しかし、「何を」観察しているのか意識させるためにも筆記用具でのイラストも重視しています。

生徒のイラストおよびデジタル記録

       
 ムラサキツメクサの花の様子。
【生徒がタブレットで撮影したもの】
   ムラサキツメクサの全体の様子。
【生徒がタブレットで撮影したもの】
   Trifolium pratense
【生徒のスケッチ】
         
       
 ニワゼキショウの花の様子。
【生徒がタブレットで撮影したもの】
   ニワゼキショウの全体の様子。
【生徒がタブレットで撮影したもの】
   Sisyrinchium Rosulatum
【生徒のスケッチ】
         
       
 ヒメジオンの花の様子。
【生徒がタブレットで撮影したもの】
   ヒメジオンの全体の様子。
【生徒がタブレットで撮影したもの】
   Erigeron annuus
【生徒のスケッチ】

野草雑草検索図鑑

 http://chiba-muse.jp/wf2014/keishitsuKensaku_v16.html

千葉県立中央博物館 (家・学校のまわりの『野草雑草検索図鑑』)

ジャコウアゲハ

 東京都江戸川区公式ホームページ 土木部 水とみどりの課 の ページ 2014年9月17日
ジャコウアゲハはアゲハチョウ科のチョウの一種で、オスは黒色、メスは明るい褐色の翅をしています。幼虫が食草とするウマノスズクサには毒性があり、ジャコウアゲハの幼虫はウマノスズクサを食べることで身体に毒を蓄積し、敵から身を守っています(触れても害はありません)。ウマノスズクサは東京都のレッドデータブックで絶滅危惧二類に指定されているため、これを食草とするジャコウアゲハの減少も懸念されています。

(上記ページより引用)

ウマノスズクサ(Aristolochia debilis
葉が馬の顔の形に似ている。
花も特徴的で、馬の首にかける鈴の形をしている。
今回の観察場所に生えていました。(ツル性の植物です。)