実施日時 | : | 6月8日(水曜日) 中等部は中間実力試験2日目(最終日) 試験終了後 13時30~15時00 |
実施場所 | : | 自然科学棟 化学β |
参加人数 | : | 中等部2年生 20名 |
実験目的 | : | 中等部2学年(29期生)は、前年度、理数融合講座を行いました。(数学科:成宮 徳彦 先生 理科:兼 龍盛 先生) そこでは、「形」をテーマとして、成宮先生からは様々な多面体を作り、数学的な視点で考察を行いました。兼先生からは分子の形に着目して、抽出の概念について学び、うがい薬に含まれるヨウ素をヘキサンで抽出しました。 そこで、今回の実験目的は、ヨウ素を海藻であるコンブから取り出し、ヨウ素の確認をいろいろな反応や呈色を用いて同定することです。 その際、「ろ過」や「抽出」など分離・精製など基本的な実験操作を学びます。 尚、この実験の内容は 2015年7月31日(金) ~ 8月7日(金)の7泊8日 山梨県富士吉田市 (一財)人材開発センター富士研修所で行われた 第10回創造性の育成塾 で 兼先生が8月5日の2時間目に行った実験に基づいて、本校用に修正したものです。 |
実験担当 | : | 兼 龍盛 先生 |
記録担当 | : | 鷲見 芳樹 先生 金子 真紀 先生 遠藤 実由喜 先生 |
実験操作1 | |||
先生の説明を聞いています。 | 目的の化合物は、細胞の中にあるのでコンブを焼きました。 | ||
カッセロールにコンブにアルコールを加えて燃やしました。 | 炎に色が付きました。(炎色反応) | ||
銅・ストロンチウム・バリウムの炎色反応を観察しました。 | コンブを燃やした時の動画(20秒) | ||
実験操作2 | |||
ろ過による分離をしました。 | 目的の化合物は水に溶けやすいのでろ過で分離しました。 | ||
コーヒーフィルターを用いてろ過をしました。 | ろ過の原理に関して簡単な説明を受けました。 | ||
実験操作3 | |||
ろ液の液性をフェノールフタレインで確認しました。 | アルカリ性を示すことを確認しました。 | ||
実験操作4 | |||
酸化還元反応を利用して化合物を単体に変化させました。 | 詳しい反応の仕組みは高等部で学ぶことを知りました。 | ||
実験操作5 | |||
試験管に反応液とデンプン溶液を加えました。 | 試験管の液体が青紫色に変化しました。 | ||
丁寧に溶液を加えていきました。 | 変化をしっかりと観察しました。 | ||
反応溶液にヘキサンを加えて抽出しました。 | 抽出をしている時の動画(27秒) | ||
抽出の時に起きた色の変化に驚きました。 | ヨウ素デンプン反応とヘキサンでの抽出した時の色の変化 | ||
実験操作6 | |||
ヨウ素デンプン反応が起きた試験管を加熱しました。 | 不思議なことに青紫色が薄くなり、消えていきました。 | ||
色が消えたり、現われたりと温度で何度も起きた現象でした。 | 冷却すると青紫色が復活する様子の動画(32秒) | ||
まとめ | |||
ヨウ素に関する、簡単な講義を受けました。 | 本校は「礼」に始まり、「礼」でしっかりと終わります。 |
実験操作1 | コンブを焼く(目的とするヨウ素の化合物は、細胞の中に含まれているのでアルコールを用いて焼きました。) 炎色反応の観察 |
実験操作2 | ろ過による分離(目的とするヨウ素の化合物は、水に溶けやすいイオン性の物質の状態となっています。そのため、水に溶けにくい灰分などと分離しました。) |
実験操作3 | ろ液の性質(海藻などを焼いた後の物質は、アルカリ性を示すものが多いことを確認しました。アルカリの語源やアルカリの歴史にも触れました。) |
実験操作4 | 酸化還元反応(ろ液にはヨウ化物イオンの状態で存在しているので、酸性にするためにクエン酸を加えた後に、オキシドールで酸化してヨウ素の単体を得ました。) |
実験操作5 | ヨウ素の確認(ヨウ素の確認として、デンプンとの呈色反応 , 水に溶けにくい物質なのでヘキサンによる抽出を行いました。) 尚、この反応の仕組みに関して中等部1年生の時に理数融合講座で行っていました。 |
実験操作6 | ヨウ素デンプン反応(ヨウ素デンプン反応の呈色する仕組みを簡単に説明し、分子の熱運動でその現象を説明しました。) |
ま と め | 資源の少ない日本ですが、ヨウ素に関しては世界有数の産出国です。ヨウ素の性質など簡単な講義を行いました。 また、本校は規律ある進学校です。授業が始まる際は「礼」で始まります。そして、授業が終わった際にもしっかりと「礼」で終わります。 試験最終日という日程でしたが、化学実験に興味のある生徒たちに向けて課外実験教室を実践することができて充実感がありました。 そして、授業後の生徒たちの笑顔と、担当した先生への元気一杯の感謝の言葉はとても印象に残りました。 |
尚、この課外実験教室を受講した生徒(20名)の中には、今年(2016年)の7月28日より開催される、第11回創造性の育成塾に参加を認められた
神谷 祐太郎 くんもいました。
このような課外実験教室に積極的に参加している生徒の多くは、いろいろな場面でその能力を発揮して結果を残しています。