おススメの本  その7
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「福家警部補の挨拶」大倉崇裕 創元推理文庫



推理小説というのは、だいたい事件があって、その犯人を探偵役が推理によって指摘するというのがパターンですよね。でもこの本は、犯人が罪を犯す場面から始まります。犯人は初めからわかっているのです。そんな推理小説はつまらないだろうと思う人もいるでしょう。ところが、これが面白いのです。完全に思えた犯罪のどこにほころびがあったのか。そこが読みどころです。探偵役の福家警部補は、一見頼りなげな小柄な女性。しかし、実は切れ者で、最後は必ず犯人の罪を暴きます。ドラマにもなりましたね。

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「ぐっとくる題名」 ブルボン小林 中公新書ラクレ


タイトルって大事ですよね。この本は題名通り「ぐっとくる題名」について考察した文章が並んでいます。例えば、『ゲゲゲの鬼太郎』が、文法的に正しい『ゲゲゲな鬼太郎』だったら、ここまで印象に残ったか? ツァラトストラが「こう言った」ではなく、「かく語りき」だったからこその豊かさとは? など文学、漫画、映画、音楽といった様々なジャンルから選ばれた名タイトルの魅力を語り尽くすエッセイ集。何かタイトルを考えなくてはいけないときの参考にもなります。この著者は、実は別名義で芥川賞を受賞しています。

 

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「偽善のすすめ: 10代からの倫理学講座」 パオロ・マッツァリーノ 河出書房新社


 「偽善」や「偽善者」という言葉からどんなイメージがわいてきますか。うわべだけの行為やそういう行為をする世間体を気にする人、そんなところでしょう。では「偽善」は悪いことなのでしょうか。「偽善者」は悪い人なのでしょうか。「偽善者」はうわべだけでもよい行いをしているのですから、何もしていない人よりもよい人なのではないでしょうか。対談形式なのでとても読みやすく、さらっと読めてしまうのですが、なかなか考えさせてくれる本です。「偽善」に対するイメージが変わるかも。

 

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