おススメの本  その4
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「涼しい脳味噌」養老孟司 文春文庫



TV等でお馴染みの養老孟司の作品です。東大名誉教授でもある彼が、医学においての「歪み」を持ち前のさっぱりした文章で指摘します。彼のgoing my way的発想が、どこぞの評論家が出すような医学関係の本では描ききれていないメンタル面での医学の在り方を、一般人にも興味を持てるようにうまく書いています。よってレイチェルカーソンのように「知識」を書いたものでなく一種の「哲学」という形をとっているのです。医学に興味がある方はもちろん、興味がない方でも十分に楽しめる作品です。

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「幻魔大戦」平井和正


 「幻魔大戦」はファンタジー小説の祖といわれています。冴木忍シリーズや「ロードス島戦記」シリーズも有名ですが、それらは全てこの作品をベースとしているのです。「幻魔大戦」は本作品の著者平井和正と石ノ森章太郎が意見を出し合って誕生したもので、人間存在の根元にあまりにも迫りすぎているためにマンガ版の人気をはるかに上回る大ヒットとなりました。
人間とはいかなる存在なのか、絶対悪「幻魔」を通して人類の愚かさ、素晴らしさを読者に強く訴えます。それゆえダークなストーリー展開が延々と続くため、久弥直樹タイプの心暖まる感動の物語が好きな人には少々辛いかもしれません。しかし、ティーンズ小説では群を抜いた濃密な内容は一見の価値ありです。近頃多い本とは名ばかりの文字を並べただけのものより、
ティーンズものとはいえ本作品の方が魅力をもっていることを保証します。

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