おススメの本 その2

緋色の研究  コナン・ドイル

 “シャーロッキアン”という熱狂的ファンを生み、世界的大人気を博したのがコナン・ドイルの“シャーロックホームズシリーズ”です。そのシリーズ中一番最初の話が「緋色の研究」なのです。ドイルの作品のお薦めは、何度読んでも飽きず、何度読んでも新たな発見があるところです。初めはただひたすらホームズという男への感心でしょう。しかし、次に読むと、初めは気がつかなかった発見があるのです。そしてもう一回、…さらに新たな発見が我々を待ちます。そしてもう一回…。もっともこうして読んでいくうちに、シャーロッキアンとなってしまうのかも知れませんが…。

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宣告  加賀乙彦

 宣告…上・下から構成されるこの本を手にした誰もが“長い”そう思うでしょう。現に私も最初はそう思いました。確かに長いことは事実であり、暗いことも事実です。しかし、私は加賀乙彦の表現力にいつしか好感を覚えていました。「宣告」は死刑宣告を受けた死刑囚の様子をいきいきと描き、人を殺した極悪人という檻に入れられた彼らを別の面、別の視点から考えさせてくれます。人を殺したものは死をもって償う。現在の死刑制度そのものを見直すこの本は、我々に広い視野から物事を考えることを教えてくれているのではないでしょうか。

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カードミステリー 失われた魔法の島  ヨースタイン・ゴルデル 

訳:山内清子 徳間書店

母を探して旅に出た少年と父の物語と、旅の途中で少年が手にした本の中で繰り広げられる物語。それらはいわば、人間愛、生と死、親子の絆、戦争と平和、トランプの神秘で彩られたパラレルワールド。少年は父に内緒で交互に行き交う。その果てに手にする真実とは、一体・・・・・・。

ヨースタイン=ゴルデル、といえば「ソフィーの世界」で有名ですが、本作品にもゴルデルお得意の哲学マジックが各所に散りばめられています。ストーリー展開も緻密でいてテンポが良く、まさに物語に引き込まれるような感覚を味わえます。もし機会があったら「優しく、そして奥深い哲学書」である二冊を読み比べてみるのもお勧めです。

 

 

 

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