2003年11月23日(日) CLASH BOWL 準決勝
                   早稲田大学 BIG BEARS vs 東海大学 TRITONS

試合開始:10:45
天候:晴れ    会場:駒沢陸上競技場 
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q OT TOTAL
早稲田大学 BIG BEARS 7 13 0 14 0 34
東海大学 TRITONS 7 7 13 7 3 37
T・B・S(タイブレークシステム)の末、東海大学の勝利
無念! BIG BEARS 2年連続甲子園逃す。
今日は楽勝だ!物見遊山で・・・。
と思ったら大間違いだった。
 今年は甲子園ボウルとクリスマスボウルが同じ日程で行われることになった。どうしよう・・・。また甲子園に行けるかもしれないし。・・・いけるかもしれない、じゃなくて「行きたい。」だった。CLASH BOWLシリーズは決勝だけ味の素スタジアムに見に行こうと思ったけれど、23日は午前中だけ時間があったので行くことにしました。駐車場が混むので早く行こうと思い、午前10時前には見慣れた駒沢公園に到着。ここは学生時代リーグ戦のたびに来た場所で、陸上競技場の正面にある体育館(我々の間では東京オリンピックのレスリング会場であったので「レスリング会場」といってました。)はリーグ戦のたびに着た場所。そして、駒沢通りを挟んである駒沢屋内体育館、ここはよく入れ替え戦をやった苦い思い出のある体育館。そんな風景を見ながら駒沢陸上競技場へ(通称:駒陸)入ると、早稲田の選手が一人一人準備を整え入ってくるところだった。
 今日は、秩父宮でラグビーの早慶戦。応援部の主流(?)は向こうに行ってるのかな?と思うように少数の応援部しか来ていない。そして吹奏楽部はなし。まあ、いいか。入口の早稲田グッズ売り場でタオルを買おうと思ったけど、ここで買ったら今シーズン終わっちゃうんじゃないかと思い、記念は甲子園でと我慢した。

 10時45分、時間通り KICK OFF!早稲田オフェンス第1シリーズから快調にゲインを繰り返し順調な滑り出し。でも、相手陣内に入ったところでQB波木選手のキープ。当然のようにゲインしゴール前15ヤード付近でタックルされ右肩から倒れるシーンがあった。なかなか起きあがらず肩をまわす仕草があったのでちょっと心配だったけど、そのシリーズは簡単にTD。その時点では今日は楽勝だ!っと思った。でも、その後ベンチにかえってトレーナーと話している様子がやけに心配になり、ディフェンスの様子は目に入らない。ひょっとして鎖骨じゃないの?っと心配させたけど、その後はすべてプレーしてたから大丈夫だったんだ・・・・。で、ディフェンスを見ると、あらっ?あらっ?アララッ!って感じで東海大オフェンスが出る出る。#7QB石川選手・#1RB進士選手。この選手は2000年度の秋季関東地区大会だったかな?大井第二で行われた試合で大学生顔負けのパッシングと切れ味鋭いカットバックランを披露した日大鶴ヶ丘高校の2人だった。当時の決勝は負けてしまったけど人数が少なくなってきた日大鶴ヶ丘高校が決勝まで駒を進める原動力となった選手でした。試合後、この二人は日大に行かずに東海大に行くということは聞いていたけど・・・・。こんなに走るとは。
 その後は、むしろ波木君のクォーターバッキングの妙技よりは、東海大の進士選手ともう一人のバックス#2岩崎選手のランニングプレーが止まらない。まるでプレステ2でAボタン連打しているような走り方で(どんな走り方だ?)ほとんどタックラーに触れずにシリーズを更新していく。いや〜〜〜な予感が最初のシリーズからあり、早稲田2回目のシリーズをパントの後、勢いは失われることなく東海オフェンスは相変わらず走る走る。あっという間にゴール前に。そこで、主将有泉選手負傷退場!!!ますますピンチ。でも、このシリーズは東海大の反則とFG失敗に助けられ、モメンタムはここで一気に早稲田に。・・・と願いたかった。
 
 有泉選手も負傷から癒え何とかフィールドにもどるも、相変わらず東海大オフェンスは衰えを見せずゲインの嵐を見せる。大会プログラムにはこのように書かれている。

「代わる代わる登場する二枚看板TB#2岩崎、#1進士は、試合終盤までスピードが全く衰えずフィールドを縦横無尽に走り回る。」
余談・・・東海大プロフィール紹介で、メンバー表のトップが「TRIRONS」になってますよ。間違いでは?

有泉主将が負傷退場する・・・・。
大丈夫だろうか?この辺から妙に不安が多くなる。
 プロフの言うことに間違いはない。もう、怖くて見ることが出来なかった。こんなに冷や冷やドキドキで試合を観戦したのはいつぐらいだろうか。前半が終了し6点差で勝ってはいるものの、勝っているうちには入らずむしろ、TRPをはずしたことによりかえって不利な状況になっている。3Qはがんばって見続けた。3Qに入ってすぐあっという間に逆転。やっぱり・・・。いや〜〜なムードである。このまま東海大はゲインを重ねるが一方の早稲田大は3Q無得点。東海もTRPをこの時点で1回はずしているので状況はイーブン。しかし得点は20−27。
 
 4Qに入り、早稲田のオフェンスもゴール前から。あっという間に3rd down・・・。もう見ていられなくなりトイレに。たまたまその時点で12時30分頃。予定ではこの時点で早稲田が楽勝で、余裕を持って次の用事に向かう予定だったのに。トイレで「ウォ〜っ」と早稲田側から声援があがった。きっとあの状態からシリーズを更新したんだとほっとした。本当に波木選手はすばらしい。でも、このまま追いついて同点になったら同点延長戦。TBS(タイブレークシステム)になったら、尚状況は不利だなと思った。だって、あれだけコンスタントにシリーズを更新してボールコントロールオフェンスを展開しているのだから・・・。
もうダメ!!見てられない。後は携帯の速報だけが頼りだった。用事で行った場所で携帯で速報を見た。運命の瞬間だった。

 「34−34 タイブレークの末、東海大が勝利・・・。」と記されてあった。あ〜ぁ、楽しみにしていた甲子園行きがなくなった瞬間である。無念・・・。もう多分甲子園に行くことはないと思う。
 
 でも、早稲田がダメだったわけではない。QB波木選手のクォーターバッキングは圧巻だった。1回インターセプトはあったもののスタッツ(関東アメリカンフットボール連盟掲載)を見ればみんなが分かることで、最後の1秒で同点にしたオフェンスは感動を越えて驚異である。リーグ最終戦の対法政戦でもラスト30秒近くで逆転したという。本当に凄いQBだ。是非とも卒業後はNFLを真剣に目指してもらいたい。波木君がいたから、早稲田のOBは幸せなシーズンを何度も送ることが出来たと思う。確か、1年目のシーズンで対筑波戦を見に行ったとき、あっけないQBぶりに残念に思った事があるが、あれから比べると雲泥の差である。高校時代から素質やその姿勢にはすばらしものがあったから、期待以上のものを求めてしまったのかもしれない。勿論、成績は波木選手だけの功績ではなくチーム全体のものだけど、今はこんなに喜ばせてくれた彼に早稲田のOBとして感謝したい。

 江戸取を卒業したOBのみんなには申し訳ないと思うけど、今まで多くの卒業生が出場したパルサーボウルや大学リーグ戦は見に行ったけれど、甲子園まで行くとなると話は別。それに単に早稲田が勝ち進んだとしてもそれでも行かないだろう。早稲田に卒業生がいて、そして冬の青空の下、あの小さな(?)関東側の応援席で「都の西北」と「紺碧の空」を歌うから感動できるのです。今でも昨年の事はしっかりと憶えている。連覇することは本当に難しい。そう考えると1982年から始まった横浜スタジアムでのパルサーボウルで日本大学フェニックスが第6回をのぞいて第1回から第11回まで連続優勝していることはすばらしいことだと思う。(ちなみに、第12回は専修大学が優勝、よく憶えてます。)ガッカリして、次の用事がほとんど上の空だった。でも、心を入れ替えて言いたい。東海大勝利おめでとう。そして、2年連続江戸取出身の主将がアメフト日本一になることはなかったけれど、有泉主将ご苦労さん。よく頑張った。・・・・・・でも、甲子園行きたかったなああああああぁ。なぁ、大樹、そして平塚・・・・。
いよいよキックオフ!がんばってくれよ、有泉主将! ほとんど写真を写せる状況ではなかった。 終始出されっぱなしのディフェンスだった。